バンさんRE:BORNじゅういちエレインが可愛い、かわいいと目一杯ちやほやするので、バンは小さいサイズでいることにした。
まったくそんな必要はないのに、エレインは小さくなった獣のバンを抱っこして外に連れ出す。ちょうど大きなぬいぐるみを抱えているかのような姿になった。
「こんにちはエレイン様」
「そのくろいやつはなんですか?」
「大きい動物になったバン様はどうしたの?」
「これがそのバンよ」
ほら、とエレインは小さい獣のバンをみんなに見せびらかす。バンはエレインがご機嫌なので、彼女の為すがままになっていた。
「小さくなった!」
「本当にバン様なの?」
「くろい!」
あっという間にわらわらと森じゅうの妖精たちが集まってきた。ちょっとしたお祭り騒ぎである。
「黒い色は毛なの?」
「触ってもいい?」
容姿故か昨日とうってかわりすっかりペットのように扱われ、バンは少しうんざりし始めた。俺に気安く触っていいのはエレインだけだ♪
「ぐおお」
ちょっと脅かしてやるかと大きくなって、禍々しい牙だらけの口を見せると妖精たちは驚き声を上げて後ずさった。
「オスローみたい」
「バン様怒った?」
「大丈夫よ、怒ってないわ。じゃあ私達は森を周るから、みんなもみんな同士で遊んでらっしゃい」
エレインが皆にそう言って飛び上がると、バンは再び小さくなって彼女の腕の中におさまった。