Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    bell39399

    @bell39399

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 115

    bell39399

    ☆quiet follow

    リオネスについたようです。しばらく続きます!多分!!

    #バンエレ誕2024

    リオネスとうちゃく!その8! 次の朝、二人は近道は諦めて街道に戻り、暫く歩いたところで小高い丘に行き当たった。
    「意外と遠回りしてなかったな♪ これを超えたら」
    「リオネスね!」
    「あ、オイ!」

     バンの肩口から離れたエレインはふわっと飛び上がったと思ったら、ぎゅん、と丘を飛び越える。のんびりして見えても妖精族の姫君である。その辺の妖精とは魔力の格が違う。ほんの少しその気になるだけで、ものすごい速さで飛ぶことが出来るのだ。
    「カカッ、負けね〜ぞ♬」
     競争心をくすぐられたバンはわくわくと数回ステップを踏んだかと思えば地面を蹴り、飛ぶようにしてエレインの後を追った。

     競争したおかげで、二人はリオネスの城壁にあっという間に到着したのだった。

     久しぶりのリオネスは、彼らの記憶と同じく活気に満ちている。少しだけ違うところといえば、かつては見かけなかった妖精や巨人たちもチラホラと見かけるとことだ。
    「相変わらず賑やかね」
    「だな〜♪」
     街の色彩は森のそれとは違う豊かさがある。様々な色形の屋根、女性は思い思いに着飾り、まるでちょうちょのようだ。通りの向こう側からは食べ物の色々ないい匂いが漂ってくる。ちょうど昼時、バンの腹の虫がくすぐられる。
    「そういやあっちの方の店のパイが美味かったよな♪ まだあるといいが……行ってみっか?」
    「覚えてるわ。ベリーパイがとっても美味しかったわね。行きたい!」
     じゃあ、とご機嫌で歩き出そうとしたその時「バン王様、エレイン様ではありませんか!」と衛兵が肩で息しながら駆け寄ってきた。
    「何だよ、もう見つかっちまったか♪」
     色々と世話を焼かれるのが目に見えていたので、城門をわざわざ《ゼロサイン》を使ってくぐってきたのだ。
    「はぁ、お二人がいらしたら、はぁ、はぁ、お連れするようにと、げほげほっ、お、王から申し使ってはぁ、おりますゆえ、はぁーー」
    「無理すんなよ♪ しょーがねぇなぁ、お前も《黒猫のあくび亭》で一杯奢ってやっから、一緒に来な♬」
    「お、王に叱られてしまいます!」
    「団ちょはそんなケチなことじゃ怒んねーよ。いいから来やがれ!」
    「バン、脅かしちゃだめでしょ!」

     結局、酔いつぶれたバンをエレインと衛兵とで引きずり、ようやくリオネス城についたのはもう日が沈んでからだった。
     その上、肝心のメリオダスが留守だという。
    「またか、王は!」
    「またって?」
     首を傾げ尋ねるエレインに、衛兵たちは慌てて声を揃え、「王はしばしば、御自らお忍びで市井の様子を見に行かれるのです!」とまるで本を読んでいるかのように述べる。
    「要するにおサボりしてお城を抜け出しちゃうのね……」
     どっかのバンみたい、とエレインは力なく笑う。
    「街に戻りましょう。メリオダスは……え、豚の帽子亭?! 案内して頂戴」
     なぜバレたんだ、と色めきたつ衛兵の背中を押しやる。既に寝ているバンは置いていく訳にもいかないので、とりあえず空に浮かせ運ぶことにした。それを見た衛兵らは再び面食らうのだった。

    つづく!
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍😍😍😍😍😍😍😍☺💴☺☺🌠
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    bell39399

    DOODLE遡って読んでくださってる方もいらっしゃるようで本当にありがとうございます!うれしいうれしい😆♥💕🎶
    さてバンエレちゃんは不思議な村に来たようですね!(すっとぼけ)

    所で今回のタイトル(?)の元ネタわかった人はお友達です。
    山奥の村で〜バンとエレインが出会った〜 その22! 丘を超えた先に、唐突に集落らしきものが見えた。大きな岩のモニュメントのようなものが目立つが、それ以外は何の変哲もない村に見える。
    「それにしてもこんな恐ろしく何もねぇ、山奥でよく暮らすよな♪」
    「そう? 森に囲まれたいい場所じゃない」
     エレインの言葉にそれもそうか、とバンは思い直す。そもそも《なにもない度合い》からいうとベンウィックもどっこいだ、と気づいてしまいむしょうに可笑しくなってきた。
    「人間にとっては確かに不便かもしれないわね」
     そんな事にも気がつくようになったのよ! と薄い胸を張るエレインを、バンは考えるより先に抱きしめて頬ずりした。
     ともかく鳥から頼まれた用事もある。二人はじゃれ合いつつ村に入ると、人懐こい笑顔を浮かべた村人が集まってきた。が、なんとも奇妙な雰囲気だ。まず、笑顔ではあるが異様に無口である。バンとエレインの表情は自然と険しくなった。
    736

    recommended works

    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
    1266