Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    bell39399

    @bell39399

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 115

    bell39399

    ☆quiet follow

    終わらないかもしれない(震)

    #バンエレ誕2024

    サプラ~イズその28 一、二度瞬きしただろうか。ともかくその程度の時間で異空間から投げ出されたバンはエレインを抱えて着地の体制をとる。あたりを見回すとひたすらに緑で、一瞬ベンウィックにもどってきたのかと思った。が、なんというか違和感がある。空気が濃いというか、雰囲気が違う。よく見ると少なくともベンウィックでは見ないおかしな植物もそこかしこに生えていた。
    「ゴウセルの導きだから妙なとこには飛ばされていないだろうが」
     バンは呟いてから「……ゴウセルのやることだから、変な場所かもな」と己の発言を訂正した。
    「バン、具合は大丈夫? 気持ち悪かったりしない?」
     エレインが唐突に尋ねた。
    「全然? どうした急に」
    「ここ、私の故郷……妖精界よ!」
    「は?!」

     エレインの導きで森を抜けると、ひときわ大きい大樹のもとに出た。
    「これが神樹ってやつか?
    「いいえ、神樹は大きすぎて見えないわ。あれは人間的にいえば宮殿というところね。あ、みんな、久しぶり」
     みんな、というのは文字通りともかく《みんな》だった。わらわらと妖精たちがエレインのもとに集まってきて、エレイン様お帰りなさい、お会い出来て嬉しいです、と口々に挨拶と喜びを口にする。そのうちの少なくない数がバンにもまとわりついてきて、旧知の者は再会を喜び、初対面の者たちは遠目に見たり逆に興味津々で近づいてくる者もいた。
    「これが噂のバン……様!」
    「これとか噂って何だよ♪」
    「貴方は有名人ですから。妖精で知らぬものはいませんよ。ご無沙汰しておりますエレイン、バン殿」
     そう言って頭を下げたのは他でもない、ゲラードだ。
    「おう、久しぶりだなゲラード♬」
    「元気そうね、ゲラード。兄さんたちは?」
    「奥で首を長くしてお待ちですよ。さぁ、こちらへ」
     ゲラードの口ぶりから、ここもあらかじめ旅程に組まれていたらしいと察せられる。バンもエレインも息子と友人たちの徹底した計画ぶりに改めて舌を巻いた。
    「エレインは知っていたんじゃねーのかよ」
    「私が協力したのはベンウィックの宴会とか、旅行の計画をちょっとだけで……。ここまで聞かされてなかったわ! ほんと凄いわね《さぷらいず》」

    びっくり!
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏💕😃😄😆😍💖💴💖💖💖💖🌳🌳☺☺☺🌺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    bell39399

    DOODLE遡って読んでくださってる方もいらっしゃるようで本当にありがとうございます!うれしいうれしい😆♥💕🎶
    さてバンエレちゃんは不思議な村に来たようですね!(すっとぼけ)

    所で今回のタイトル(?)の元ネタわかった人はお友達です。
    山奥の村で〜バンとエレインが出会った〜 その22! 丘を超えた先に、唐突に集落らしきものが見えた。大きな岩のモニュメントのようなものが目立つが、それ以外は何の変哲もない村に見える。
    「それにしてもこんな恐ろしく何もねぇ、山奥でよく暮らすよな♪」
    「そう? 森に囲まれたいい場所じゃない」
     エレインの言葉にそれもそうか、とバンは思い直す。そもそも《なにもない度合い》からいうとベンウィックもどっこいだ、と気づいてしまいむしょうに可笑しくなってきた。
    「人間にとっては確かに不便かもしれないわね」
     そんな事にも気がつくようになったのよ! と薄い胸を張るエレインを、バンは考えるより先に抱きしめて頬ずりした。
     ともかく鳥から頼まれた用事もある。二人はじゃれ合いつつ村に入ると、人懐こい笑顔を浮かべた村人が集まってきた。が、なんとも奇妙な雰囲気だ。まず、笑顔ではあるが異様に無口である。バンとエレインの表情は自然と険しくなった。
    736

    recommended works