モテモテエレインちゃんその21「《さえずりならの木》は木そのものじゃなくて場所だったのか♪」
その場所は名前にふさわしく、たくさんの鳥たちの住処となっていた。エレインがいるせいかもしれないがとても人懐こく、綺麗な歌声を聞かせてくれる鳥たちだ。そんな鳥のなかの一羽が、小さな花をつけた枝を咥えて持ってきた。
「くれるって? まぁ、ありがとう!」
「流石エレイン、鳥にもモテモテだな♪」
「あら、これはバンへのプレゼントよ?」
「マジか」
「これを丘を降りた先の村に届けて欲しいんですって」
「てめぇでやったほうが早ぇだろ、鳥のくせに!」
一瞬喜んでしまって損した、とばかりにバンは鳥に怒鳴りつける。だが鳥はひょいとエレインの後ろに隠れたくらいでちっとも堪えていない上に、エレインには「怒鳴っちゃだめ!」と叱られて、気分がすっかりふてくされてしまった。
「まぁまぁ。ともかく次の行き先も明らかになったじゃない」
そんな年下の連れ合いを、優しくなだめるエレインだった。
今日はそのままここで野宿だ。ここにいる連中は生意気で若干ムカつくがなかなか居心地のいい場所だしな。それにしても鳥まで使うとはスゲェなうちのランスロットは♪
そういえば、あのあと葉っぱを貰ったぜ。エレインいわく縁起物らしい。用途もないので本に挟んどくわ。
つづく!