aokbワンドロライ 水も滴る/パロディ/照れ隠し 昔々あるところにカブという名の独りぼっちのオオカミが住んでいました。
グレーの毛並みの耳としっぽを付けた人型をした男は初老を手前にしているにも関わらずにがっしりとした体格をしている。
カブは旅狼で、番を求めて旅に出たは良いけど見つからずに婚期は過ぎてしまい、この場合一般的にはオオカミ族は番恋しさに弱り旅の途中で絶命してしまうことが主なのだが……。
そう、一般的には。
ただ一般的では無かったカブは余裕綽々で住み心地の良い森に拠点を構えて、昔はやんちゃしてはいたが今では年を重ねてとても温厚になって森に馴染んでいた。
「今日もいい天気だね、キバナくん」
「そっすねー……そーいやルリナたちも今日は北の森の方に行くらしいけどカブさんも行く?」
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