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    k0510_o0720

    @k0510_o0720

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    DONEレイチュリ🧂🦚
    ワンウィーク 15回目
    体格差
    毒に冒される 別に知らなかったわけではない。隣に並んだ時の視線の高さが違うことには気付いていたし、下を見下ろせば足の大きさだって違う。手の大きさだって彼の方が一回り以上大きくて、腕の太さに関しては二回りじゃ足りないだろう。そう、だからちゃんと理解はしていたのだ。
    「ぁ、」
     けれど、それを実感したのは今だった。彼との想いをあたたかな何かでつなぎ合わせてから初めてこの部屋に招いて、それぞれに風呂を済ませた今。ちいさな三つのかわいい子たちも今は別の部屋で眠ってもらっている。そのための寝床をわざわざ用意したのだ。だから今からは二人っきりで、つまりはそういうことをしようと、思っていて。それは多分レイシオも一緒で。
     そしてぽすり、とベッドに押し倒された。彼に覆いかぶされるようにして寝転がったそこからはきれいな赤色と天井が見える。そこでようやっと、今更ながらに気が付いたのだ。本来であればこれは『アベンチュリン』が避けるべき体勢である、ということに。だってこんな大柄な男に押し倒されてしまえば、小柄であるこの身では到底太刀打ちができない。ある程度は体術を仕込まれたし今は基石だって手元にあるけれど、それを鑑みたところで危機であることに違いはないのだ。だからこれは、脳が警鐘を鳴らしてしかるべきで。
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    DONEフォロワーさんの誕生日にささげる体調不良レイチュリ
    🦚が体調不良(貧血)

    ※作者に医学的な詳しい知識はありません。ご了承の上お読みください。
    この世で最も安全な場所 あ、まずい。そう思ったのは商談の最中だった。相手はとある工場を運営する若社長で、この星での五本指に入るほどの権力者だ。カンパニーに対して友好的ではあるものの虎視眈々とその足元を狙ってる気配もあり、だからこそボロが出ないようにレイシオまで呼び出したのだ。彼であれば、技術的な会話でも引けを取ることはないだろうから。
     けれどボロを出しそうなのはアベンチュリンの方だった。ぐら、と視界がゆがむ。なんだ、毒か? 薬や毒の類であればそれなりに耐性があるはずで、そもそも同じものを出されているレイシオは何の問題もなさそうに会話を続けている。ではこれは。
    「……? 、その件については、」
     そんなアベンチュリンの様子に、目ざといレイシオは気付いたみたいだった。しかし視線のひとつでこちらの意図は伝わったらしい。耳朶を打つ低い音に集中して、ぎゅう、と手のひらを握りこんだ。レイシオが話している間にどうにかこの気持ち悪さをやり過ごして、正常に会話ができるぐらいにはしておかなければ。ぐらりと揺れた頭に息を細く吐き出して、黒くかすんだ視界は瞬きで追いやって。
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    DONEレイチュリ🧂🦚
    ワンウィーク お題 手つなぎ、添い寝
    この世界の均衡をたもつ人 ぐらぐら、ぐらぐら。視界が揺れる。いや、いっそ世界が揺れているのかもしれない。咄嗟に手をついた壁に身を委ねて、少しましになったそれに息を吐く。久しぶりに結構やばそうだなぁなんて他人事みたいに思った。
     この後は何があるんだったか。確かあと二つくらい本社での会議があって、その後は客との会合がある。時間的に食事というよりは共に茶を飲む程度になるだろうけれど、引き伸ばされれば時間を口実に会食にまで持ち込まれるだろう。そしてそれが目的なんだろうな、とも思う。向けられ続けているあの視線は、もう嫌なくらいに慣れ親しんだものだから。
    「……かいぎ、行かなきゃ」
     今日の議題はなんだったっけ。確か来週に控えた出張の話で、いや、それは二つ目の会議な気がする。ダイヤモンドが招集した石心だけのものだろうか。もう基石を持っていないんだし、今回だけは見逃してくれないだろうか。なんて、嘘。そんなことをしたら『総監』ですらなくなって、『アベンチュリン』ですらなくなって、ただの奴隷で死刑囚に逆戻りだ。ああいや、戻る、とは少し違うかもしれない。結局アベンチュリンという存在の価値はそこに帰結するというだけなのだ。誰も欲しがらない、ただ見て楽しむだけ、六十タガンバの価値しかない、そんな奴隷。
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