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    r__iy1105

    田中新兵衛に心を狂わされた
    禪院直哉は可愛いと思う

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    r__iy1105

    TRAINING31日間で宿虎になるSS
    五日目
    任務での出来事を確認しに来た五条の話
    若人の青い春を大人が摘む事は、赦されないと常思う。
    若人の青い春は、今世で一度しか来ないのだから。
    さて理解のある大人のふりをして、見逃すのが良いのか。
    それとも理解等しない大人のふりをして、その真っ赤な青い春を摘み取るべきなのか。
    考えあぐねって、闇の中。

    【五日目:五条視点】

    伊地知から無言の電話を受けて、状況を瞬時に察して任務をさっさと切り上げた。
    その途中で、宿儺から悠仁に戻ったと連絡を受けてホッとした自分が居た。
    高専に戻って硝子の元に向かえば、ベッドに寝かされている悠仁の姿が目に入る。
    「で、状況は?」
    「私が治すべきところは、殆んど無かったよ。多分、宿儺が治したんだろ」
    窓から部屋の中に入りながら、硝子の報告を受けて隣に立ったままの伊地知に目を向けた。
    もしもの事を考えて、目隠しの布を上げて眠っている悠仁を見つめる。
    呼吸はしているらしく、胸が上下に動いているのが目に入った。
    宿儺の特徴的な紋様も無いから、悠仁だとは思うけど確証はない。
    「伊地知の報告は?」
    「あの任務に、裏が無いのは確かでした。私も五条さんも確認したとおり、三級の呪い一体のみです。ですから、一級以上 1842

    r__iy1105

    TRAINING31日間で宿虎になるSS
    4日目

    二人は殺し愛
    薄く張られた氷の上で、俺と小僧は対峙している。
    どちらかが踏み出せば、足元の氷は脆く崩れていくだろう。
    均衡を保ちながら、互いに踏み出す時を探る。
    だが今はまだ、その時ではない。
    時が来たらその時は、互いに奈落へ堕ちて逝くのだろ。

    【四日目:宿儺視点】

    代わることを拒み続けた小僧が、領域へと降ってきた。
    つまらぬ相手に、消耗戦とは阿呆の極みだなと欠伸を噛み締めて見ていた。
    そんな矢先に、傷だらけの小僧がやって来たとなれば入れ替わるのは容易いだろう。
    「さっさと代われば良いものを」
    座っていた骨から立ち上がり、小僧の元へとわざわざ俺が足を向けてやる。
    小僧の腹の下に足を入れて、引っくり返す。
    これだけしてやれば、水の中で溺れる事はないだろう。
    次に互いの縛りとして、俺と入れ替わる事を小僧に許可させる。
    俺としてはこのまま入れ替わってもいいが、今日の監督役と言う人間に小僧は懐いていた。
    「有り難く思え、殺さない事を縛りにオマエと入れ替わるのだからな」
    意識がまだ戻らない小僧を置いて、虫けらを片付ける。
    致命傷に成りそうな傷だけを反転術式で治し、帳が上がり始めた頃に歩き出す。
    小僧の体を 1508

    r__iy1105

    TRAINING31日間で宿虎になるSS
    三日目
    伊地知さんが見た二人
    私は一度、選択を誤って見殺しにしてしまった。
    だから、今度は選択を誤る事はしないと誓っていた。
    そして、私はまた選択を迫られている。
    選択肢は一つしかないのに、私はその選択を戸惑っていた。
    話に聞いていた彼と目の前に居る彼は、あまりにも掛け離れていたからだ。

    【三日目:伊地知視点】

    虎杖君一人でも、任せられる任務である事は五条さんも確認をしていた。
    勿論私も適正であるか裏を取っていたし、何も問題は無かった筈だった。
    「いた、どりくん?」
    帳を降ろして、虎杖君の帰還を待っていた時だった。
    帳が上がるのを合図に、中に居る虎杖君に声を掛けようとして喉が詰まっていく。
    息苦しさを感じる程の禍々しい呪力に、吸った息が上手く吐けなくなる。
    ただ名前を呼ぶだけなのに、絞り出した声は掠れて震えていた。
    「俺が小僧に見えるか」
    ギョロっと四つの目が私を捉え、震える手で眼鏡を掛け直す。
    特に眼鏡がずれた訳でもないが、私が見ている光景を信じたくなかったのかも知れない。
    今目の前に居るのは、私の知っている虎杖君ではない。
    彼の裡に潜む、特級呪物である両面宿儺である。
    下手に刺激をすれば、帳を降ろしていない 1359

    r__iy1105

    TRAINING31日間で宿虎になる 二日目
    宿儺の領域外に居る時は比較的穏やかな二人
    そんな二人を見ている伏黒
    たまに見るその光景は、見慣れてはいけないモノだと思う。
    それでも、あの二人の邪魔してはいけないと俺は分かっていた。
    俺を気に入っていると豪語していた奴が、俺が私情で救ったあいつに向けている視線が他と異なるからだ。
    それに俺は、あいつを見る奴の目の意味を嫌でも知っている。
    意味の籠った視線を向けられている事を、あいつは知らないだろう。

    【二日目:伏黒視点】

    腹が減ったのもあって、食堂に向かうと調理場に虎杖が立っていた。
    誰かと話している声もするから、先輩でも居るのかと思ったが人影は一人分しかなかった。
    誰も居ないのに何を話してるんだと思ったが、虎杖は一人であって一人ではなかった事を思い出す。
    「だーかーらー、蘇ってやつと似た食べ物だって言ってるだろ!」
    「俺は蘇を食いたいと言った筈だぞ、小僧!」
    近くに来れば、何を話してるのかが聞こえてきて呆れそうになった。
    仮にも特級呪物である両面宿儺と、食い物の事で言い争いになっているのだ。
    声を掛けるか迷っていると、冷蔵庫へと向かった虎杖とばっちりと目が合う。
    「あ、伏黒!丁度良かった、一緒にこれ食べない?」
    虎杖が手に持っているのは、見慣れた 1265

    r__iy1105

    TRAINING31日間で宿虎になる話。
    毎日サボらず、上げてくSS
    一日目
    一歩足を踏み出すだけで、壊れてしまう薄い氷の上をお互い歩く。
    どちらかが、踏み抜いてしまえば最後。
    お互い歩いているその場は、ひび割れて奈落へと一直線。
    だから、お互い壊れないようにゆっくりと。
    ゆっくりと歩いて、適度に良い距離を保っている。
    そうでなければ、きっと俺もあいつも氷を踏み抜いてしまうから。

    【一日目:虎杖視点】

    宿儺の生得領域で、叩き落とされた水面から起き上がらずに水の上に浮かぶ。
    今日も今日で、俺は宿儺に一発入れられるか入れられないかの瀬戸際で負けた。
    いい加減諦めろと言う様に、宿儺は骨の山の上で俺を見下ろす。
    「もう終わりか?」
    何となく宿儺に返事を返すのが嫌で、向けていた視線を逸らして目を閉じる。
    水面に居るせいか、やけに自分の心音が大きく聞こえる。
    一定のリズムを刻む心音が心地好くて、意識自体が飛びそうになった瞬間だった。
    「おい、小僧」
    隣で水飛沫が上がり、顔に当たる水滴に目を見開く。
    ぱらぱらと降り注ぐ水と一緒に、宿儺が俺の側に居た。
    そんなに俺が反応しなかったのが、つまらなかったのだろうか。
    有り得ない事を考えて、開いた目で隣の宿儺を視界に捉える。
    「生 960

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    PROGRESS今月には出したい宿虎
    エロに向かって頑張りたい(願望)
    〈虎杖視点〉
    俺は宿儺が嫌いで、宿儺も俺なんかに興味はない。
    それが当たり前の事で、他の感情や理由なんて有りやしないと思っていた。
    宿儺の好意は全て伏黒に向かっていて、それを止めるつもりは無いけど伏黒に危険があるなら止める。
    ただそれだけの筈で、他に意味なんかない筈だった。
    ほんの気紛れで生得領域に呼び出され、特に意味の無い言葉の応酬を繰り返す。
    「お前さ、俺に興味ないのになんで呼び出すんだよ」
    悩んでも答えなんて出ないから、当の本人に疑問を思い切ってぶつけてみる。
    宿儺は、四つの目で俺を見下ろしてふっと笑う。
    「興味を持って欲しかったのか?」
    「持たれても嬉しくないし」
    逆に、質問で返されて言葉に詰まった。
    聞いたところで、宿儺が答える事なんて無いと分かっていた。
    むしろ、俺は宿儺に何の答えを期待したのだろうか。
    不意にわき起こる自分への疑問に、宿儺から向けられている視線から目を逸らす。
    しまったと思ったと同時に、骨の山から降りてきた宿儺に顎を掴まれて顔を無理矢理横へと向けられる。
    「小僧、視線を逸らした理由はなんだ?」
    「理由は、ないってのっ」
    宿儺は俺が視線を逸らす事を、何故か酷 508

    r__iy1105

    PROGRESS6/19の五悠Webオンリー「空にオレンジ」で発行予定の原稿進捗
    冒頭
    しょた同士の五悠エロが書きたいとか言うそんな欲望から当主と稚児パロ
    〈五条視点〉
    生まれた時から、僕の生きる道は決められていた。
    その道を外れる事も他の道を探す事も足掻く事すら、僕には許されはしなかった。
    まるで虫籠に入れられた蝶の様だと思いながら、唯一外へと繋がっている庭へと出る。
    春だからだろうか、庭に咲く花を目当てに蝶が入り込んでいた。
    捕まえる気は無かったけど、今の僕の様だと思って視線で追いながら手を伸ばす。
    ひらりと飛び回る蝶が羽を休める場所として僕の手を選んだ瞬間、性懲りも無く本家筋の人間が部屋の襖を開ける音が耳に届く。
    また僕へのおべっかかと目を細めて、折角止まり掛けていた蝶から手を離して振り返った。
    そこには頭を下げたままの人間が目障りで、縁側に座って下駄を脱ぎながら声を掛けえる。
    「何かあるなら早く言って。僕、暇じゃないんだよね」
    「悟様、新しいお世話係の者をお連れ致しました」
    「またぁ?あのさ、僕の世話係なんて要らないって言わなかった?」
    世話係が居なくても、他の女中や使用人で事足りていた。
    大体送られてくる世話係が僕に対して、畏怖の念や取り入ろうとする人間が多すぎて疲弊しているのもある。
    特に女を送って来られた場合は、問答無用で即 1052