nekononora 94とFGO。書くのも読むのも雑食でいきます。逆、リバ、R、G、などなど書きたいように書き散らかします。設定がわからーん! ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 70
nekononoraDONEパー←バソオメガバースです。ベータだと思っていたバソがオメガだと知って、はっちゃけます。海は空に手を伸ばす ドバイの夏を経て、バーソロミュー、パーシヴァル、カルナの三人は仲を深めていた。 始めはベータのバーソロミューがアルファの二人に対し壁を勝手に感じているようだったが、今では第二の性の垣根を越えて友となっている。 一週間に一度定期的に集まって近状を報告したり食事をしたり、シミュレーターに行ったり手合わせしたりと友好を育んでいたが、最近、スケジュールが合わず、三週間は集まっていなかった。 パーシヴァルが声をかけ、この日、昼の二時間なら三人の予定があった。 パーシヴァルの部屋に各々紅茶や菓子を持ち寄り、久々の集まりに話に花が咲き、盛り上がった。 二時間はあっという間に過ぎ、バーソロミューが「ではそろそろ私はお暇するよ」と立ち上がる。 6991 nekononoraDONEパーバソのワンドロです。お題……貴方のせい本来なら一騎ずつ部屋はないし、湯船はないだろうが、弊カルデアにはある感じで!!あれ? シリアスなった? あれ??指先からこぼれ落ちる宝物「バーソロミュー、いるだろうか?」 恋人の声とコンコンというノックの音。 ベッドで横になり、ブカブカのシャツと下着という少々だらしない格好で漫画を読んでいたバーソロミューは慌てて起き上がる。 「パーシヴァル? いるよ。今開けるから待ちたまえ」 返事をしつつ、清き愚か者には目に毒な漫画をベッドの下に隠し、シャツを脱いでこれもベッドの下に突っ込むと、エーテルで服を編み、身だしなみを整える。 五秒で支度を整えると、バーソロミューは姿勢良く優雅にドアまで歩き、鍵を解除した。 ウィンと機械音が鳴り、自動でドアが開く。 バーソロミューよりも頭一つ分ほど高い位置にあるパーシヴァルの顔を見上げ、口元を緩めて微笑む。 3455 nekononoraDONE観用少女パロ。パーバソです。空の瞳を持つ少年の初恋「“人魚姫”を探して欲しいのです」 事務所を訪れた、えらく毛並みの良い男から告げられた依頼に、バーソロミューは微笑みを崩さぬまま目を細めた。 “人魚姫” 多くの者はハンス・クリスチャン・アンデルセン作の御伽噺を思い浮かべるだろう。 だがこの港町と、観用少女に興味がある者の間では違った意味を持つ。 二十年ほど前。 とある富豪がある観用少女に惚れ込んだ。 カラスの濡れ羽色の絹のような髪に、褐色の肌。整った顔とスラリと伸びた四肢は中性的な魅力があり、多くの者を虜にした。 そしてその多くの者が観用少女の主人になろうと、少女の瞼をあげようとした。 観用少女は大金を積まれようとも、宝石を用意されようとも、訪れるどの顧客にもその瞳を見せる事はなかった。 5645 nekononoraDONE18↑?ワンドロで書こうとした。本番はないよ。あくまで魔力供給だよ。マスターと逸れちゃったよ。一時間では書けたが、なんというかあれ? テーマにそってないし、これじゃあ騎上だよってなり、朝起きたら騎上にもなってねぇじゃねぇかと気づいた。まだ付き合っていない両片思いのパーバソです。 1648 nekononoraDONE神ミキみっきーについてあれこれ神先生が考える話。他登場、担当編集、くらさん、よしさん年老いてもずっと隣に⚫️⚫️⚫️⚫️⚫️ 「んぁ?」 顔を上げると、懐かしい——いや見慣れた黒板が。 黒板と自分との間には他の生徒の机と椅子があって、右にはカーテンと窓があって、左には、 「んっ、ふふ」 左から堪えきれないというように、笑い声が漏れた。 え? とそちらを見れば、僕のノートを持つ三木がいた。 「涎で汚れたらなんなんで、避難させといたぜ」 なんていって、頭にポンとノートを乗せてくる。 ありがとうと言ってそれを受け取ったら、次の授業は移動だから早く行くぞと急かされた。 「待っててくれてありがとう」とお礼を言うと、三木は「あと一分起きるの遅かったら、蹴り起こしたけどな」とニッと笑った。 約十八年前、高校時代、毎日のように続いた日常だった。 6553 nekononoraMOURNING神ミキで、こういうのを書こうとして、プロット段階で大きくそれたので、供養しとく。親友というには愛深く「我が名は吸血鬼——」 シンヨコでよくある吸血鬼騒動。 今夜も今夜とて吸血鬼が現れる。 それにいつものようにシンヨコの住人が巻き込まれ、退治人や吸対が退治して一件落着——とはならなかった。 三木カナエが消失した。 久しぶりに飯でも行こうと連れ立って、シンヨコの町を歩いていたら、吸血鬼が何かを叫び、ビームのような光を受けた三木は輪郭がぼやけ、空気に溶けるように消え去った。 「え?」 三木がいた空間を触る。 なんの手応えもない。 吸血鬼は、と慌てて周囲を探すが、もう逃げおおせた後であった。 目の前で人が煙のように消えた。 異常事態とはいえ、神在月はそこまで焦ってはいなかった。 ここはシンヨコ。超常な出来事が日常な町。 1194 nekononoraDONE後編ミキヨシ。視点がコロコロかわります。その他登場人物、弟さん、神先生。例え姿形が変わっても -後-●◯●◯●◯ 三木さんは見た目とは裏腹に、分かりやすく素直な人だった。 だから僕に向けられた好意に気づくのは簡単だったし、僕の行動で一喜一憂する様が可愛くて愛おしくて、気づけば僕も好きになっていた。 とはいえ自分はもう四十の冴えないおっさん。 しかも恋愛経験も豊富とは言えず、自分から踏み出す勇気はなく、三木さんからの出方を待った。 そんな僕達をクラさんは見守って……くれてなかったな、めっちゃストレートに背中押しまくってたな僕のも三木さんのも……クラさんが ガンガンいこうぜであの手この手をするものだから、ノースディンさんに、『人間の短い時間でなにを躊躇しているんだ。というかな、私との時間もお前等の相談が増えてる、どうにかしろ』って言われた事もあったな。 5912 nekononoraMAIKING中編交際済みミキヨシと、クラさんにに片想い中のノスです。とある宗教を彷彿とさせる描写がガッツリあります。前後半予定が、思いの外、長くなり分けました。三木さんが知らぬところで何が起こっていたのか回。静かに怒っているクラさんと、内心動揺してちょっと破れかぶれになっているヨシさんです。モブオリキャラ吸血鬼二人と、ドちゃんとロくんも少しだけ出ます。例え姿形が変わっても -中-●◯●◯●◯ 能力に目覚めた若い吸血鬼が二人。 血気盛んで畏怖欲も強い彼らはシンヨコという町で出会い、意気投合し、Y談結界というシンヨコ全てを巻き込んだ騒動に憧れ、夜の町で腕を磨いた。 その甲斐あってか最近では二人の催眠を混ぜる事にも成功していた。ただまだ不安定であり、どのように作用するかも二人自身にも分からない。 だからもっと研鑽を積まなければと、気合を入れて夜の町でポンチ被害をばら撒いていた。 そんな忙しくも充実した日々が続いていたある夜、いつものように逃げ場のない道で、通りかかった男性二人組を正面と背後から挟み撃ちにして、催眠をかけようとした。 だが男性の片方、長身で首筋に傷がある男の動きが妙に良く、焦っているうちに吸血鬼達の連携もバラバラになり、そうこうしているうちにメガネをかけた中年男性を庇うようにして長身の男が転倒、怪我を負ってしまった。 4640 nekononoraMAIKING前編交際済みのミキヨシと、クラに片思い中のノスです。後者はこの話ではくっつきませんが、距離は近いです。その他登場人物、弟さん、神先生、太公。例え姿形が変わっても -前-●◯●◯●◯ 「クラさん! 俺を離してください! ここから泳ぎますから!」 「ヨ、夜ノ海、危ナイ」 「一緒に落ちるよりは! ほら島も大きく見えてきましたしって断崖絶壁すげぇな!?」 「ガ、頑張ルシマああぁぁああぁ〜」 「一回落ちしてから後で拾ってくれればいいですから!」 夜の海。 月明かりが海面を照らすその空を三木はクラージィに抱えられ飛んでいた。 因みに抱え方はほぼ垂直に浮かんだクラージィが、三木の後ろから脇下に腕を入れ胸元で組み、それで浮遊するというやり方である。 浮かび移動こそしているが、念動力を覚えたてのクラージィの浮遊は不安定であり、近くの陸地からここまでくる間に何度も危なげな場面があった。 「旅ハ道連レ世ハ情ケデス! 落チルナラ一緒ニッ」 6846 nekononoraDONEミキヨシ。ヨシさん出てこないけど、ミキヨシ。神先生は出てくるよ。童貞くさい攻めが好きなのですが、そういやミキって童貞ですかね? お金がかかるから誰かと付き合った事はなさそうだけど、後腐れなく童貞捨ててそうとも思うのですが、実は童貞でも私が萌えます。過去恋人がいても、仕事優先で長く続かなそうとか勝手に思っており、仕事優先が分かっているから、一、二回でミキ自体がこりて恋人つくらなそうとか勝手に遅れてきた春は嵐模様『もうそろそろ寝るわ。あぁ、そういえば、』 パソコンの音声通話で話していた三木が、今、思いだしたという風に切り出した。 『俺、吉田さんと付き合う事になりました』 「え!?」 驚きすぎて立ち上がり、ガッと膝を机にぶつけてしまう。しかもヘッドホンも外れ落ちて、なかなかの惨事である。 「アッ! ったぁ!? え! ま、待ってミッキー!」 痛む膝を押さえたり、わたわたとヘッドホンを頭に装着しなおす。 「まだきってないよね!? 詳しく! 詳しくプリーズ!」 『……おかけになった電話をお呼びしましたが、』 「よかった繋がってたー!」 三木のギャグをスルーして喜べば、盛大なため息が聞こえてきた。 「よかったミッキー! 吉田さんの事話す時だけ妙に具体的だし、声弾んでるし、と思えば吉田さんに怒られたってしょげて吉田さんの事だけ話して終わる事もあったし! 自覚してるかも怪しかったから心配してたんだけど、付き合えてよかったー!」 2259 nekononoraDONEヨシミキヨシ付き合うきっかけのような話勘違い クラさんと仲良くなり、便利モブオフ会を開くようになり、本人には言ってないが、深く感謝している事がある。 それは、勘違いオジサンになる前に気づかさせてくれてありがとー!! だった。 というのも、便利モブのもう一人、三木さんが三木さんだから悪い。 第一印象、ちょっとガラの悪そうな近づきづらい雰囲気出しておいて、少し仲良くなっただけでお世話させてくださいお金出させてください何でもやりますよをやられたら、そりゃ勘違いする。 ひょっとして僕の事、好きなのかなって。 後から仲良くなったクラさんに対する三木さんの態度を見てなければ、その勘違いは訂正される事なく、僕の方から告白してたかもしれない。 よかった。 1292 nekononoraDONEミキヨシミキ。小説を書いていたヨシさんの話第二話一応、続きも考えてはいるが、一旦終わり。空気のような本の話ー2– 吉田が昔、小説家だった。 しかも三木が定期的に読み返す、気にしていた作家だった。 その事実を知った直後は混乱の極みで、暫く挙動不審だった。 だが一時間で落ち着くと、混乱している場合ではなかったと、三木は吉田の肩を掴んだ。 「吉田さん! もし編集が何か言ってきて困ったとかあれば相談してくださいね! 特に注意する出版社はオータムとかオータムとかオータムとかです!」 「エ!? ヨシダサンノ危機!?」 辞書を片手に本を読んでいたクラージィが顔を上げる。 いつもなら俺一人でというところだが、相手はあのオータム。戦力はあった方がいい。 「クラさん。一緒に吉田さんを守る為、戦いましょう」 「ハイ!」 「なんか大事になってるー! ミキさんはクラさんを煽らない! クラさんは氷で杭つくらないっ! って、いつの間に杭作れるようになったんですか上手ですね畏怖い!」 6002 nekononoraDONEミキヨシミキ。臨時編集のミキさん好きなんですよね。妄想甚だしい感じのお話で吉田さんの過去捏造。クラさんもでてきます。空気のような本の話ー1– 高校時代、親友の影響もあり、漫画や小説を読むようになった。 とはいえ時間も金もなかったので、親友に勧められた本以外はたまに空いた時間、安く手に入ったやもらった本をちまちまと読む、それぐらいだ。 その中で、なぜか捨てられない本がある。 十五年ぐらい前に完結したシリーズもので、一冊目はバイト先の店長から貰い、その後は自分で定価で買った。 内容は日常で起きるちょっとした事件を高校生達が解決するという、学園ミステリや日常ミステリと呼ばれるもの。シリーズで出ていたのと、帯があり、どの巻も何刷りかされているので、売れていたのだろう。 そんないまだに本棚の一部を占領しているが、好きな本なのか? と言われると、そうなのかそうなんだろうなぁでもなぁ、と首を捻る。 3171 nekononoraDONEクラノス。棺桶でしか寝付けないノースディンの話。安心する体温 初めてクラージィを屋敷に招く事に成功した。 苦節というほどではなかったが、それでもあれやこれやと作戦を立て、失敗してはめげずに次の作戦を実行したのだ。 結果としては策略を巡らすより、直球が一番だった。 やぶれかぶれの『私の屋敷に遊びに来い』の一言で、その場で日程まで決まった。 その日までに屋敷を掃除しまくり、客室は念入りに糸くず一つ落ちてないようにした。当日はスコーンを焼いて、茶葉も新しく数種類用意した。クラージィが飽きぬようにゲーム機やソフト、ボードゲームも揃え、気に入りそうな本も入手した。 そして迎えた当日、屋敷を案内しよう。使い魔を紹介しよう。あれをしようこれをしようと考えていたというのに、結局、客間でスコーンと紅茶で話すだけで時間はあっという間に過ぎてしまい、クラージィが帰る時間になってしまった。 2491 nekononoraDONEクラ→→←←←←ノスです。誕生日の話です。当社比、独占欲が強くて嫉妬深いノスで。毎年の予約をしよう「私はお前の誕生日を2月11日と決めている。何か欲しい物はないか?」 ノースディンはふよふよと浮かび、組んだ足に手を乗せ、練習した台詞を音にした。 練習では緊張から何度か噛んだか、スムーズに言え、声も震えていない。表情も緊張から引き攣ってないし、平静を装えたはずだ。 視線を外した事が功を奏した。 クラージィの写真を使っての練習でも、顔を見なければ勝率は高かったのだ。 さて反応はと、心臓を太鼓のように打ち鳴らしながらベンチに座るクラージィを見やる。 彼は少し呆気に取られた顔をしていたが、読んでいた本をパタンと閉じると、彼の横、ベンチの空いている部分を手で軽く叩く。 ここに座れという事か。 浮いたまま、すーと移動し、クラージィの横に収まる。いつでも戦略的撤退をできるように、念動力で少し浮いた状態だったのだが、クラージィが横を向いて膝に置いていた私の手に左手を重ねてくるものだから、驚きで思わず念動力を解除してしまった。 1907 nekononoraDONEクラノスです。文字列の折り返しがおかしいので、縦書きにしてます。すでにお付き合いしています。神から答え合わせがある前に、書いておこうと思いました。なんの日なんですかね、2月11日。2月11日は誕生日 誕生日とは、誕生を祝う日だ。 一般的には生まれた日に祝うが、誕生を祝う記念の日ならば誕生日といえるだろう。……屁理屈かもしれんが。 だから私はクラージィと再会した日を彼の誕生日と決めた。 すでに人間達に誕生日を決められていたが、それは人間どもと考えたものであって、私が祝う記念日があってもいいだろう。 クラージィに伝えるつもりはない。彼を祝いたいが、彼と祝いたいわけではなのだから、という言い訳めいた思考で毎年2月11日を祝い始めた。 「……だから一人で勝手に祝っていたと? 九年も?」 クラージィが渡される事のなかった九年分のプレゼントと、今年の贈り物の山を前に質問する。 口調がどこかこちらを責めているように聞こえ、ノースディンはソファーに座り、グラスを回しながら少し早口になるのを自覚しながら説明する。 2047 nekononoraDONEクラ→←ノス花吐き病ともに溶けた花びら2つ◆◆クラージィ◆◆ 約二百年の眠りから目覚めた時、世界はガラリと姿を変えていた。 文明や文化の進化や進歩はそうだが、なにより吸血鬼と人間の関係性が異なった。 隣人と在るのを良しとし、言葉を交わし、時には手を取り合っている。 吸血鬼となれば即座に胸に杭を打つのが当然だった二百年前とはあまりにも違い、衝撃を受け、感動した。 こんな世界を見せてくれたノースディンには、命を救ってくれたのも含め、返しきれぬほどの恩がある。 そんなノースディンがここ一ヶ月ぐらい、しつこい風邪をひいていると知れば、心配の一つや二つするというもの。 その心配は私にできる事ならという行動にうつり、スマートフォンという便利な道具を使って得た知識をもち、ノースディンの風邪へと挑んでいた。 4770 nekononoraDONE吉←←←←ミキパスワード ysd 771 nekononoraDONEクラミキ。だけど、吉田さんとノースディンさんしかでてません。過保護で心配性なノースディンさんです。杞憂な心配 学生時代から、友人知人に変に肝がすわっていると評価されていた。 汗をかいたりおどおどともするのだが、恐ろしい状況や人にも、わりと物怖じせずものを言うし、対処しているから、らしかった。 吉田としては、そんな事ないんだけどなぁ怖いものは怖いし、逃げる時は逃げるし、という反応だったのだが、今日、今、この瞬間、ひょっとしたら自分は皆が言うように図太いのかもしれないと、ホット牛乳が温まっている電子レンジを見ながら、認識を改めていた。 ピーと電子レンジの音が鳴り、中からコップを取りだす。ラップを外して、部屋に戻る。 「すみません。吸血鬼はクラさんぐらいしか部屋にあげた事がなくて、人工血液の方がよかったですか?」 2900 nekononoraDONEクラノス。欠損してたりするので、少しでも苦手な人は注意。それは確かに愛の告白だった 約二百年前、心の一箇所が常に凍っていた。 それがあのふざけた街での再会で、春の雪解けのように少しずつ溶けていった。 その奇跡に歓喜し、神に私の勝ちだと宣言し、二度とこぼれ落としてたまゆかと害すものがいれば排除してやると誓った。 大事にすると誓ったのだ。隣にあれるのならば溢れでた想いにすら蓋をして、なんでもないように振る舞おうと。 だから私に、あの者の隣にある資格をーー 「っづ」 意識が戻る。目を開ける。痛い。寒い。揺れている。何故。クラージィは、私の血族は、 「気が付いたか」 声は上から、自分の腹部からした。 どのような体勢だと混乱する脳を無理矢理落ち着かせて、状況確認につとめる。 ここは森の中。 3037 nekononoraDONEクラミキ第一印象から貴方に決めていた え、すっげぇ顔がいい それが隣人として挨拶をしにきたクラさんを見て抱いた第一印象だった。 痩せて頬はこけていたが、顔の長さも顎の形も完璧であったし、眉の形にセクシーなのがあると初めて知った。はっきりとした二重も、意識の強そうな目もいい。鷲鼻も完璧な形をしていたし、唇なんて動いているのをずっと見ていられる。 しかも顔だけではない。唇から漏れだす音も腹の奥に響いて心拍をあげるものであったし、数分話すだけで彼の聖人すぎる人柄は知れた。 外見だけでも推せるというのに、内面も推せるとか、もうそれは推すしかないでないか。 だから隣人という利点を最大限活かして、日本に来たばかりで転化したばかりだという彼の世話をやいた。 1600 nekononoraDONEクラミキ。これからはじまる恋と愛。 自覚した瞬間、あ、無理だな、と失恋した。 無理だ。無理無理。 だって相手はクラさんだ。 元聖職者で元人間の吸血鬼。二百年眠っていたのに日本でも前向きに暮らしている凄い人。 しかもかっこいいし可愛い。 黙って立っていれば海外の俳優かモデルに間違えられるし、喋ればそのふんわりした雰囲気に引き込まれる。 猫カフェにクラさん目当ての客もいるぐらいだ。 そんな彼の隣に友人として立てているのが奇跡に近いのだ。 だから無理。 うん無理。恋の土俵に立てるはずもない。敵前逃亡、戦略的撤退だ。 だが、なんというか、恋を自覚して失恋したが、友人として接していればカッコいいなぁだとか、髪に触れたいなぁだとか、抱きしめたいし抱きしめて欲しいなぁという欲が蓄積されていく。 1762 12