お昼どき こうして見ると、ヒト目を引くデザインだ。だけど同時に、すごく自然で、ごくありふれた姿だとも思える。こんなふうに街中にいても、ハンターベースでの打ち合わせ中でも、荒れ果てた戦場に立っていても。
「あれ?」
すぐにこっちに気付いて小さく手を振った。飾り気のない笑顔を浮かべた。手にしたトレーを慎重に水平に保ちながら、店の中のヒトビトに気を遣って避けてかわしながら、少し急足でこっちに来た。
「珍しいね」
なんて言いながらボクたちのテーブルにトレーを置く。それからハッとして、
「ここ、空いてるかな」
と尋ねた。
「大丈夫だよ、エックス」
「よかった。ありがとう」
そのやり取りを、ぼくの前に座っているゼロが視線だけ動かしてチラリと見る。
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