きゃば(本編後)いつだってここは絶妙に過ごしやすくて、微妙に天気が悪い。
雨が降るほどの曇天でもなく、しかし咳こむほどの感想でもない。酔わない訳ではないが、船の発着に不都合が出るほどは荒れない。
「よーいしょっと」
「じゃあ、三日後にまた来ますね。」
「うん。今年は三日かあ」
「しょうがないですよ、忙しいんですから」
「そだね~じゃあ梶ちゃん、あとよろしく」
「は~い、何かあったら衛星電話してください」
船に乗ったマルコと梶は岸から離れ、泡立つ帯を見送りのテープのように引きながら遠ざかっていく。
手配して使えるようにした上下水道と電源を確認し、先に島に入って諸々の用意をしていた立会人らの用意した物品も確認する。
卍戦の際にプレイヤーが破壊した家屋はそのままだが、外れを好んだプレイヤーが使っていた建物は無事だった。
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