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    miho

    SPUR ME【23/3/21 薔薇咲展示】Promise You
    ラップ×名前有創作女マスター
    召銃から初めての治療までの物語です。
    親愛ストを補完する形で書いていますが、初治療の描写を捏造しています。

    開催おめでとうございます!
    こちら、今日に向けて執筆していたものですが間に合いませんでしたので抜粋で投稿いたします……!全編完成させたい!

    すげなく治療を断られたマスターの強行突破(できない)の巻です。
    【薔薇咲展示】Promise You -Ⅴ-

    「マスター、この辺りで待ち伏せしようよ。」
    「その茂みがいいと思う。」
    「了解。」
     悪戯慣れしたニコラとノエルの助言で、私は食堂脇の茂みに身を潜める。双子は食堂の外壁に体を沿わせて、窓から中の様子を確認してくれている。そんな姿は、度々基地内で見かける。その後には抜群のチームワークから繰り出される悪戯、悪戯、悪戯。
     でも、今回私達がせんとしていることは悪戯ではない。ターゲットとの真剣勝負なのだ。この肩に担ぐ黒い筒はネットガン、今日の相棒。引き金を引けばターゲット捕獲用のネットが発射される。裏山に居る手負いの馬を捕まえて育てたいとお願いしたら、修理場の職人さんが作ってくれた。作戦立案はターゲットを熟知しているニコラとノエル。そうだ、私はみんなの力を借りているんだ。負ける訳にはいかない……!
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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライ様より、お題「歩幅」「メガネ」お借りしました!ルクアロです。老眼鏡が必要になりはじめた頃のルクアロです。ルクアロはおじいちゃんになっても骨になってもずっとずっと一緒にいると思っています。
    お題:「歩幅」「メガネ」3/19「お前、メガネなんか掛けてたか」
     洗いたての真っ白なシーツや青と白のストライプのシャツ、少しよれた赤いシャツやバスタオルがはためく午后の庭先でページを繰っていたルークは顔を上げて、眼鏡のフレームの端を指で摘まんで持ち上げた。
    「読書をするときだけだよ」
    「なるほど、老眼鏡ってやつか」
     アーロンは微笑って、ルークの傍らに座ると愉快そうに顔をのぞき込む。午后の陽光を反射するレンズのむこうでほそくなった瞳は、硝子の海のなかを泳ぐ翡翠色の魚のよう。アーロンはその魚を掴まえようと、凝、とみつめた。
    「アーロン、君には必要なさそうだな」
    「昔よりはだいぶ視力も落ちた」
     数年前に二人で作った木の椅子は二人で座るのに丁度良いサイズで、晴れた日の休日はそこで遅い昼食をとったり午睡をしたり、今日も初夏の訪れを前に青々と茂る樹の下でルークは読書をしていた。木洩れ陽にゆれる白いページに陰が射す。隣で、アーロンは何やら手のなかで小さな金属の欠片を弄んでいる。金属は擦合う度に小さい虫のような声で鳴いていたが、アーロンはまるで興味がなさそうだ。
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