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    らい。

    Arasawa

    DOODLE疲れてるのに一部屋しか予約をとってなかった土足厳禁の二人の話。
    好きになっちゃってからの話。17話と18話の間くらい。
    私もこの部屋ですのでダメだ、眠い。眠すぎる。今日の任務では呪力をほぼ使い切ったし頭も使いまくったし終始神経を張り詰めさせていた。どうにか無事祓除完了した今、もう眠くて眠くて仕方がない。現場からさほど遠くないホテルに今日の任務の同伴者である七海と歩いて向かう。最低限の荷物しか入れてないキャリーケースがとてつもなく重く感じる。ダメだ、気を引き締めろ。……同伴者が七海だけというのも気が緩む原因だ。仕事仲間からプライベートな関係、それも何度も文字通り寝た相手に切り替わったこの男がいるせいでさらに眠い。七海の低い声が今は子守唄のように聞こえてしまう。仮にも好きな男の声だというのに全く目覚まし効果がない。補助監督がいないからチェックインは自力で行わなければいけないのに、どうしても会話にタイムラグが出来てしまう。『私がまとめてチェックインします』の声に甘えてロビーのソファに沈み込む。ああこれやばい。寝そう。いやさすがにいい歳こいた大人がこんなとこで寝るなんて……。起きろ……。起きなきゃ……。
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    miya_ko_329

    DONE作中から50年後くらい。歳を取ったアスランとキラとカガリとラクス。アスカガっぽいかもしれない。
    種/アスラン誕生日2021「まさかこの歳まで生きるとは思わなかった」
     苦笑めいた表情を浮かべ、老年の男はテーブルに置かれたカップを手に取る。その横の小振りの平皿には生クリームとフルーツが贅沢に使われたケーキが載せられているが、彼が満足に食べられるのは本当にごくわずかな分量だけだった。
    「さすがにもう甘いものも、そんなにたくさんは食べられないかな」
    「僕はまだもう少し大丈夫だけれど。――アスランは元々甘いものそれほど好きでないでしょ」
     幼馴染にそう言われて、アスランは「そうだったかな」と考えをめぐらす。長く生きていると色々なことが変わっていくし、結局のところ変わらないものもある。それを思い出せないくらいには時を重ねてきたらしい。何の縁もゆかりも無かったこの国が、もはや故郷より長く過ごした場所になっていた。初めて訪れたときに感じた、まとわりつくような潮のにおいは、いつの間にか空気と同化してしまって、意識してようやくそれを知覚できる。プラントには無かった大洋に囲まれたこの国が、終の地になろうことは、あの頃の自分はきっと想像もできなかっただろうけど。
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