作家
katokato2914
MOURNING私利私欲ホトスタ探偵パロ(出会い編)書きぐった上捏造に次ぐ捏造が満載なので、読む方がいたら心してください。あと事件は起きてません
パスワードは某推理作家(著作、悪魔の手○唄等)の誕生日です 6328
狭山くん
TRAINING2022-08-24/今回初登場なグェーリィンヌ君は本編に出てくるグェーリィンヌ君のお兄さんなんですけど、本編にも空閑汐♂にも1ミリも関係ない情報だし今後出てくるのかは知らん。フランスSF作家が名前の元ネタな兄弟になってしまった。空閑汐♂デイリー【Memories】24 温厚でお人好し。アルベール・グェーリィンヌが一期上の先輩に抱いていたのはそんな印象だった。
「アル! 手錠、手錠!」
いつもにこやかに笑みを浮かべているアジア系にしては恵まれた体格を持つ先輩は、警邏の為に並び歩いていた筈のグェーリィンヌを置き去りに走り出したと思えばいとも容易く暴漢を背負い投げ声を上げている。
「え、あ! はい!」
慌てて彼の元へと駆けたグェーリィンヌは先輩――空閑宙海へと手錠を渡す。「ありがとね」恐喝の現行犯を確保しているとは思えない程にのんびりとした声でグェーリィンヌの差し出す手錠を受け取った空閑は、先程の見事な背負い投げを決めた人間と同じ人物とは思えないような柔らかな笑みを浮かべて男の手首に手錠を掛けていた。
1778「アル! 手錠、手錠!」
いつもにこやかに笑みを浮かべているアジア系にしては恵まれた体格を持つ先輩は、警邏の為に並び歩いていた筈のグェーリィンヌを置き去りに走り出したと思えばいとも容易く暴漢を背負い投げ声を上げている。
「え、あ! はい!」
慌てて彼の元へと駆けたグェーリィンヌは先輩――空閑宙海へと手錠を渡す。「ありがとね」恐喝の現行犯を確保しているとは思えない程にのんびりとした声でグェーリィンヌの差し出す手錠を受け取った空閑は、先程の見事な背負い投げを決めた人間と同じ人物とは思えないような柔らかな笑みを浮かべて男の手首に手錠を掛けていた。
hana_l0w0l
DOODLEこさそ&さそにゃん(爆誕)詰め合わせフォロワさんが2枚目のカエルライドにゃんこを可愛いとおっしゃってくださり、子蠍と遊ばせてくださった絵を元に描いた3枚目、また遊びたいと蠍を探してる1枚目、時空とか作家世界など飛び越えてしまったので描いた時空警察(4枚目)、世界にゃんこの日に合わせて描いた5枚目『シェアリーズニャンズ』(チャーリーズエンジェルパロ風) 6
LyKwo
DOODLEbnal夢乱(夢乱か……?)ymnさんの夏のわくわく自由研究話です。
モブ司書視点があります。ほとんどずっとモブ司書とymnさんが喋ってるだけです。モブ司書が五月蠅い。
転生文豪などについての勝手な解釈や設定あり。作家の別名義出てきます。
半分オリジナルみたいな幼児化パロみたいな存在が出てきます。何でも許せる方向け。
「倫理観…?ほらあそこにお墓があるでしょ…?本当…良いやつだったのに…」 7822
C7lE1o
MOURNING推し作家さんのマシュマロに突っ込んだら素敵に仕上げて頂いて成仏した妄想成仏先↓
【人形編】優しい甘さと恋する甘さ② | 琉 #pixiv https://t.co/NGNsCE1WmA
(某推し作家さんのマシュマロに投げさせて頂いたシリーズ茨に関する妄想)
茨の口に入るものを自分で作ってみたい、という思いつきでプリンを作った凪砂、出来上がったのはプリンと言うには固すぎるもの。
これは茨には食べさせられないな、としょぼんとしつつ、用意した茨の髪と同じ色も無駄になってしまったなと思いつつ、せっかくだからとリボンで容器を飾ってから、時間がないため仕事場で食べようと保冷バッグに入れてから茨の病室へ。
保冷バッグに気づいた茨にプリンを作りたかったが失敗した、ということを話すと、茨はテディベアの手をちょん、と保冷バッグに触れさせる。
ひょっとして食べたいの?と問うとうなずいた茨に少し迷いつつ小さいスプーンで一口だけ食べさせると、もっと、と次も強いる。
502茨の口に入るものを自分で作ってみたい、という思いつきでプリンを作った凪砂、出来上がったのはプリンと言うには固すぎるもの。
これは茨には食べさせられないな、としょぼんとしつつ、用意した茨の髪と同じ色も無駄になってしまったなと思いつつ、せっかくだからとリボンで容器を飾ってから、時間がないため仕事場で食べようと保冷バッグに入れてから茨の病室へ。
保冷バッグに気づいた茨にプリンを作りたかったが失敗した、ということを話すと、茨はテディベアの手をちょん、と保冷バッグに触れさせる。
ひょっとして食べたいの?と問うとうなずいた茨に少し迷いつつ小さいスプーンで一口だけ食べさせると、もっと、と次も強いる。
C7lE1o
MOURNING作家さんのマシュマロに投稿させて頂いた妄想気象病持ちで低気圧の日はどうにも調子が優れない茨、
別に熱があったりするわけじゃないんだからと休まずに仕事やレッスンに参加するがどんどんしどくなる
意地だけで踏ん張っている茨を見かねて辛いときは休めばいいと声かける日和に茨は大丈夫です、これくらいなんともない、とつっぱねて部屋から出てしまう
遅れた分を取り戻そうとレッスン室で練習していた時にひどい偏頭痛で倒れてしまう
いばらが目を覚ますと目の前には日和の顔。
日和の膝を枕にしていることに気づき慌てでどこうとする茨を膝枕に押し戻し、休めばいいって言ったのにね、と静かに呟く日和
気圧の低い日は体調が優れなくて、でもそれだけなので、と日和から目をそらしてこぼす茨に、
410別に熱があったりするわけじゃないんだからと休まずに仕事やレッスンに参加するがどんどんしどくなる
意地だけで踏ん張っている茨を見かねて辛いときは休めばいいと声かける日和に茨は大丈夫です、これくらいなんともない、とつっぱねて部屋から出てしまう
遅れた分を取り戻そうとレッスン室で練習していた時にひどい偏頭痛で倒れてしまう
いばらが目を覚ますと目の前には日和の顔。
日和の膝を枕にしていることに気づき慌てでどこうとする茨を膝枕に押し戻し、休めばいいって言ったのにね、と静かに呟く日和
気圧の低い日は体調が優れなくて、でもそれだけなので、と日和から目をそらしてこぼす茨に、
C7lE1o
MOURNING推し作家さんのマシュマロに投げ込んだら素敵に仕上げて頂いて成仏した妄想成仏先↓
【番外編】心の壁を壊すには、茨の本心を知るべきです | 琉 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17307253
Edenの3人になにかに誘われても断る茨(一緒に帰りませんか、これ一緒に見ない?、ご飯食べにいこうetc)、それは自分が嫌われていると思っているからで、それを偶然会った弓弦に零すと歩み寄るのも大切、みたいな感じに諭され、ちょっとずつお誘いを受けるようになり、こういうのも悪くないかもな、と思っていたある日レッスンか何かで日和を怒らせてしまって、キツめのことを言われてしまい、やっぱり自分が好かれることなんてありえない、ちょっとでも好かれているかもなんて思った自分が馬鹿だった、と心の中に分厚い壁を築いてしまう、やっぱり駄目だった、俺なんかが好かれるわけないんだと弓弦に吐き出すと、少なくともここに一人おりますが、と言われてこのときばかりは素直に弓弦にお礼を言う茨(ここでくっつく?)、そして表向きはそれまでとは何も変わらないけどお誘いを再び断るようになり、Edenの3人もあれ、なんか距離遠くね?と気づき始めたころ、いつものように食事の誘いを断った茨が弓弦と一緒にご飯を食べているところを目撃、その二人の表情はとても穏やかで、言い合いをしている二人しか知らなかったEdenの3人は複雑な感情を持ち、Edenの3人が見ていることに気づいた弓弦(茨は気づいていない)がこれみよがしにイチャイチャ()するのでめちゃくちゃ嫉妬する、
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MOURNING作家さんのマシュマロに投げ込んだら素敵に仕上げて頂いて成仏した妄想成仏先↓
自分は誰の一番にもなれない | 琉 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17423005
誰の一番にもなれない茨自分は誰の一番にもなれないと思っている茨、凪砂の一番はおそらく日和、日和の一番は凪砂とジュンくん(一番が二人いるのは置いておいて)、ジュンくんの一番は日和くん、そして弓弦の一番は桃李、自分の大切な人たちの和の中に自分はいなくて、当然だ、だって自分は最低野郎だから、と日々を過ごしていたある日、崩れかけの建物の中で取り残される夢を見る茨、自分は怪我をしていて立ち上がれず、2mほど離れたところで同じく怪我をして動けない凪砂がいて、どうしようかと思っていると日和が助けに来る、だが日和は迷わず凪砂に駆け寄りまあそうだよな、と思ったところで目が覚める、次の日も夢を見て、ひどい交通事故で車に足を挟まれ動けない茨、だがジュンくんはイバラの前を通り過ぎ車の中に取り残された日和くんを助けに行く、その姿をみてそりゃあそうだよな、と炎の中で目を閉じたところで目が覚める
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MOURNING推し作家さんのマシュマロに投稿させて頂いて素敵に仕上げて頂いて成仏した妄想成仏先↓
暗闇と狭い所には行きたくないです。 | 琉 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17454797
蓄光ネックレスの話軍事施設にいたとき罰として暗い倉庫に閉じ込められた茨、罰の終了時間に弓弦が迎えに行くと、中にはなにかから身を守るようにして頭をか変えて蹲っている茨が。
慌てて駆け寄り茨を抱きかかえると、茨は意識を失っていた。
それ以来観察していくと茨が無意識に暗いところや狭いところを避けているのを確認する。
その後暗いところや狭いところに行くときはさり気なく一緒についていきフォローするようになる弓弦。
別れの朝に餞別として蓄光のネックレスを、直接渡さず、茨の枕元にこっそり置いておく弓弦。
夜になってから一人になった茨は、枕元に優しい光を放つものを見つける。それが弓弦からの贈り物であることを悟った茨は、少し迷ってからポケットに乱暴に突っ込んだ。
1338慌てて駆け寄り茨を抱きかかえると、茨は意識を失っていた。
それ以来観察していくと茨が無意識に暗いところや狭いところを避けているのを確認する。
その後暗いところや狭いところに行くときはさり気なく一緒についていきフォローするようになる弓弦。
別れの朝に餞別として蓄光のネックレスを、直接渡さず、茨の枕元にこっそり置いておく弓弦。
夜になってから一人になった茨は、枕元に優しい光を放つものを見つける。それが弓弦からの贈り物であることを悟った茨は、少し迷ってからポケットに乱暴に突っ込んだ。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 出来上がる前。ハロウィンに更新した火村の誕生日ネタです ほくほくのかぼちゃの君とぼくわたしはカボチャ 一瞬、自分の睡眠時間はそんなに足りなかったのかと、火村は心の中で実際何時間寝たのかを指折り数えてしまった。
寝不足から頭が動いていないから聞き間違えをしたのではないか。そうとしか思えないことを目の前の男は言ってのけたのだ。
「やから、心斎橋のあの店、知っとるやろ? 予約しといたから十五日は絶対に明けとけって。ついにボケたか、センセイ」
「俺が聞いてるのはそこじゃない。いや、そこも大いに問題だと思うんだが、その前」
「その前……、君の誕生日やから盛大に」
「そこだ」
火村は座りなれたソファに深々と背を預け、「そこが、って?」ときょとんとしたままの友人を見た。間もなく最新作が発売されるという彼は、しばしの休息に入っているらしい。床屋に行ったのだろう、すっきりとした髪型の下の顔は、顔色がとてもいい。
5623寝不足から頭が動いていないから聞き間違えをしたのではないか。そうとしか思えないことを目の前の男は言ってのけたのだ。
「やから、心斎橋のあの店、知っとるやろ? 予約しといたから十五日は絶対に明けとけって。ついにボケたか、センセイ」
「俺が聞いてるのはそこじゃない。いや、そこも大いに問題だと思うんだが、その前」
「その前……、君の誕生日やから盛大に」
「そこだ」
火村は座りなれたソファに深々と背を預け、「そこが、って?」ときょとんとしたままの友人を見た。間もなく最新作が発売されるという彼は、しばしの休息に入っているらしい。床屋に行ったのだろう、すっきりとした髪型の下の顔は、顔色がとてもいい。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 健全コメディ。これを書いたころは、まだ有栖も火村も大学時代に懐かしいあのクイズ番組に出られた年代生まれでした。あったんですよ、アメリカ横断ウルトラクイズっていう番組がNYははるか遠く 大学というのは非常に特殊なコミュニティだ。その気になれば、四年間誰とも口を利かなくとも不自由はない。二十年ほど生きてきて、自分は人と関わらないほうが生きやすい、という後ろ向きな――しかし魅惑的な結論に達していた火村にとって、誰も自分を知らない土地での学生生活はようやく掴んだ理想の環境であり、四年間、あるいはさらに数年ほど延びるかもしれないが、ともかくその期間は他人を受け付けることなく、日々の暮らしはただ静かにひっそりと営まれるはずだった。
そんなささやかなプランがあっけなくひっくり返されたのは去年の五月のことで、ふと気が付けば、いつのまに周りには友人と呼べる人間がちらほらと存在するようになっていた。初めのころこそ、理想と現実のあまりのギャップに軽いめまいを覚えたような心地だったが、そうしてしばらく過ごしてみると、人との付き合いはかつて感じたほど苦痛でもなく、ティーンエイジャーだった自分がいかに独善的で視野が狭く、排他的だったことか。つまり一言で表せば平凡に若かったかということを、しみじみと実感してしまったりもした。
4714そんなささやかなプランがあっけなくひっくり返されたのは去年の五月のことで、ふと気が付けば、いつのまに周りには友人と呼べる人間がちらほらと存在するようになっていた。初めのころこそ、理想と現実のあまりのギャップに軽いめまいを覚えたような心地だったが、そうしてしばらく過ごしてみると、人との付き合いはかつて感じたほど苦痛でもなく、ティーンエイジャーだった自分がいかに独善的で視野が狭く、排他的だったことか。つまり一言で表せば平凡に若かったかということを、しみじみと実感してしまったりもした。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 学生時代、酔っ払いと片思い。暗いっていうか陰気です。アリス→火村あらしの前 年に一、二度こういうことがある。
本棚に囲まれた狭い畳敷き部屋の隅で、すっかり呑まれて眠り込んでいる火村を起こさないように、有栖は散らばった酒の缶を台所に運んでいた。
スルメとカワハギと、ワンカップとビールとそしてキャメルの匂いが混ざったこの部屋は、ヘタな場末の酒場よりもすれた雰囲気になっている。火村といえばアルコールが回ったからか、眠り込む直前「暑い」といってシャツのボタンをいくつか外していたから、春になり多少空気が温くんだとはいえ、どこか寒そうに素肌を晒している。健康的というより典型的な酔っ払いの肌がほんのりと赤く色づいているのが、先ほどから何度も有栖の目に飛び込んできていた。
このつまみ類を片付けたらあのボタンを留め直そう。
8006本棚に囲まれた狭い畳敷き部屋の隅で、すっかり呑まれて眠り込んでいる火村を起こさないように、有栖は散らばった酒の缶を台所に運んでいた。
スルメとカワハギと、ワンカップとビールとそしてキャメルの匂いが混ざったこの部屋は、ヘタな場末の酒場よりもすれた雰囲気になっている。火村といえばアルコールが回ったからか、眠り込む直前「暑い」といってシャツのボタンをいくつか外していたから、春になり多少空気が温くんだとはいえ、どこか寒そうに素肌を晒している。健康的というより典型的な酔っ払いの肌がほんのりと赤く色づいているのが、先ほどから何度も有栖の目に飛び込んできていた。
このつまみ類を片付けたらあのボタンを留め直そう。
いずみのかな
DONE有栖川作家編。2004年に「納涼企画」というwebアンソロがありまして、そこに掲載しましたものです ”夏に涼しくなる話”がコンセプトでしたので、そのことを強く強く心に留めたうえで、閲覧くださいますようお願いします。文ヶ淵 私の故郷は雪深い北国で、冬になると白い壁が町中を覆い、白と灰と黒以外の色彩が全て奪われる、そんなところだった。
東京は高いビルばかりで息が詰るが、まだ赤いランドセルを背負っていたころの私には、冬になる度に積もる雪は圧迫感の象徴みたいなもので、横を通るたびにいつ潰されるか、いつ取り込まれるかと、内心恐れ慄きながら走り過ぎたものだ。
あの中に入ったら最後、山から雪ン子が降りてきて、自分の友達にするために連れて行って、氷のべべを着させられるのだと、昔、祖母が言っていた。だから冬はじっと家の中にいて、大人しく息を潜めて春を待つのだと、間違っても雪の手招きを受けてはいけないのだと、まだ紅葉のような赤い手をした私に、何度も何度も言って聞かせたものだ。
9389東京は高いビルばかりで息が詰るが、まだ赤いランドセルを背負っていたころの私には、冬になる度に積もる雪は圧迫感の象徴みたいなもので、横を通るたびにいつ潰されるか、いつ取り込まれるかと、内心恐れ慄きながら走り過ぎたものだ。
あの中に入ったら最後、山から雪ン子が降りてきて、自分の友達にするために連れて行って、氷のべべを着させられるのだと、昔、祖母が言っていた。だから冬はじっと家の中にいて、大人しく息を潜めて春を待つのだと、間違っても雪の手招きを受けてはいけないのだと、まだ紅葉のような赤い手をした私に、何度も何度も言って聞かせたものだ。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 ヒアリ わがままとわがままナポリタン 失恋の心を癒すのは、新しい恋に限る。
恋愛の最後なんてみっともなくて辛いだけだ。いかなる形の別れであっても、心の奥に隠してあったものが剥き出しになる。なにより、自分の醜さが露呈する。恋は前向きで美しいなんて嘘だ。エゴと我が侭に塗れた、手に負えない暴走する感情がコアにあるのだから。
本当に手に負えない、と思ったのだ。
あの男と来たら、紳士な振りをして排他的で、優しい顔をして実際は線を引く。こちらの覚悟なんて知ったことじゃないとばかりに、お前が大事なんだ、と言いながら本心を巧みに隠していく。
自分という存在が必要だろう、と傲慢に構えながら、心の底で相手の心を推量しては怯えていた。か弱い乙女ではないのだから、と本音を飲み込みながら笑顔で接するのは辛く、会う度になにかに罅が入る音が脳の中で響いていた。話してはいけないと頑なに思い込むことで、関係すらも硬化していくことからは目を背け続けた
9544恋愛の最後なんてみっともなくて辛いだけだ。いかなる形の別れであっても、心の奥に隠してあったものが剥き出しになる。なにより、自分の醜さが露呈する。恋は前向きで美しいなんて嘘だ。エゴと我が侭に塗れた、手に負えない暴走する感情がコアにあるのだから。
本当に手に負えない、と思ったのだ。
あの男と来たら、紳士な振りをして排他的で、優しい顔をして実際は線を引く。こちらの覚悟なんて知ったことじゃないとばかりに、お前が大事なんだ、と言いながら本心を巧みに隠していく。
自分という存在が必要だろう、と傲慢に構えながら、心の底で相手の心を推量しては怯えていた。か弱い乙女ではないのだから、と本音を飲み込みながら笑顔で接するのは辛く、会う度になにかに罅が入る音が脳の中で響いていた。話してはいけないと頑なに思い込むことで、関係すらも硬化していくことからは目を背け続けた
いずみのかな
DONE有栖川作家編。ヒアリ。朝井からの呼び出しで京都に向かった有栖が出くわしたちょっとした冒険とちょっとした問題。まだクグロフがここまで普通に買えなかったころにバレンタイン用に書いたものです。アンシンメトリー 今日もラジオは甘い恋人達のために、バラードを運んでくる。
ドリカムもユーミンもはっきり言って聞き飽きた。どんなおいしいチョコレートでも三日食べつづければ飽食気味になる。ましてやこの二時間の間延々と流れつづける、名曲といわれるラブソングの量といったらなんだ。やれ「愛してる」「君が欲しい」「あなたこそ全て」と連呼され続ければ、それがどんなに好きな曲であっても賭けてもいい、絶対に嫌になる。
だいたいなんで松任谷由美でかかる曲が『アニバーサリー』や『円舞曲』ばかりなのだ、今の季節だったら『ノーサイド』あたりが素晴らしく映えるじゃないか。
しかも、しかもだ。それらの曲がかかるたび、グリコのごとく見知らぬ他人の恋愛話までついて来るときたら。
16772ドリカムもユーミンもはっきり言って聞き飽きた。どんなおいしいチョコレートでも三日食べつづければ飽食気味になる。ましてやこの二時間の間延々と流れつづける、名曲といわれるラブソングの量といったらなんだ。やれ「愛してる」「君が欲しい」「あなたこそ全て」と連呼され続ければ、それがどんなに好きな曲であっても賭けてもいい、絶対に嫌になる。
だいたいなんで松任谷由美でかかる曲が『アニバーサリー』や『円舞曲』ばかりなのだ、今の季節だったら『ノーサイド』あたりが素晴らしく映えるじゃないか。
しかも、しかもだ。それらの曲がかかるたび、グリコのごとく見知らぬ他人の恋愛話までついて来るときたら。
いずみのかな
DONE有栖川作家編。おやつにプリン(プリン)プリン! プリン! プリン! 自由業というものは、主婦、授業が無い日の大学生と並んで平日昼の時間を文字通り自由に使える立場であろう。家事を片付けるもよし、外に行くもよし、そしてテレビを見るもよし。
最近のワイドショーは局によって特色があり話題も豊富で、日本の安全保障を論じた次の瞬間に犬のためのカフェを紹介したりする。その落差こそが現代日本を象徴している、と皮肉めいた言い方も出来るが、つまりはターゲット層である主婦達の興味の幅は深くは無くてもとても広い、ということだ。
ワイドショーを見るのは主婦だけ、とは勿論限らない。番組内でご意見を募ったら、それに呼応するは主婦と、そして大学生がとても多い。その他退職したお父さんやら仕事が非番だったフリーターやら多種多様な人々が自分の意見を送ってくることだろう。だから、ワイドショーを主婦以外の人間が見ていて、それを元に行動を起こしても、それは別に可笑しなことではないわけだ。当たり前だが。
11482最近のワイドショーは局によって特色があり話題も豊富で、日本の安全保障を論じた次の瞬間に犬のためのカフェを紹介したりする。その落差こそが現代日本を象徴している、と皮肉めいた言い方も出来るが、つまりはターゲット層である主婦達の興味の幅は深くは無くてもとても広い、ということだ。
ワイドショーを見るのは主婦だけ、とは勿論限らない。番組内でご意見を募ったら、それに呼応するは主婦と、そして大学生がとても多い。その他退職したお父さんやら仕事が非番だったフリーターやら多種多様な人々が自分の意見を送ってくることだろう。だから、ワイドショーを主婦以外の人間が見ていて、それを元に行動を起こしても、それは別に可笑しなことではないわけだ。当たり前だが。
いずみのかな
DONE有栖川作家編。両思いになる寸前。ゆうきまさみ『困ったしんどろ~む』の本歌取りまっすぐでいこう。 目覚ましを止めるために出した手が、忽ちに冷えていくのが良くわかる朝だった。
寒い日は空気が文字通り張っている感触があり、火村はそれがけっこう好きだ。布団の中のぬくもりは離し難いが、勢い良く起き上がれば、気がまっすぐ引き締まる。
だが、今日の寒さは格別らしい。布団の上からもしんしんと冷気が降りてきて、体が軽く身震いするのがわかった。そういえば悪寒も感じるし、どこか頭がぼぉっとしている。気にしすぎだと思うがあちこちの関節も鈍く痛んでる感じがあり、なにより鼻が垂れてきている。
これはひょっとして、今日の京都も寒くて辛い、以外の原因があるのではないだろうか。
いやしかし、まさか恐らく大丈夫だろう、と自分をごまかして布団から出ようとしたとき、不意にむずむとした感触が来て、「へくしっ」と小さなくしゃみが出る。
11170寒い日は空気が文字通り張っている感触があり、火村はそれがけっこう好きだ。布団の中のぬくもりは離し難いが、勢い良く起き上がれば、気がまっすぐ引き締まる。
だが、今日の寒さは格別らしい。布団の上からもしんしんと冷気が降りてきて、体が軽く身震いするのがわかった。そういえば悪寒も感じるし、どこか頭がぼぉっとしている。気にしすぎだと思うがあちこちの関節も鈍く痛んでる感じがあり、なにより鼻が垂れてきている。
これはひょっとして、今日の京都も寒くて辛い、以外の原因があるのではないだろうか。
いやしかし、まさか恐らく大丈夫だろう、と自分をごまかして布団から出ようとしたとき、不意にむずむとした感触が来て、「へくしっ」と小さなくしゃみが出る。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 ヒアリ ウソツキとウソツキGood morning,yesterday 物事の終わりはいつだってあっけない。短くはないこれまでの人生の中で、当時はかけがえがないと真剣に思っていたものも幾度となくこの手からこぼれていった。そのときは胸が張り裂けそうな思いに駆られても、ふと気が付けば、まるでぼんやりと見ていたドラマの結末のように、どうでもよい思い出のひとつになってしまう。そんなことを両手に余る以上体験してきた。
幻想なのだ、心から愛するなにかと出会えるなんてことも、もう二度と埋められないものがこの世にあるなんてことも。
それは若さや青さが作り出した都合のいい舞台装置で、自分を主人公にするために欠かせない小道具でしかない。
渇望していた輝かしいなにかをついに得たそのときには、これを失ったその日に自分の世界が終わる、そう強く感じることも珍しくない。やがて長いなり短いなりの時を経るうちに、輝いていたはずのそれは色褪せ、錆びつき、日常の中に溶け込んでしまい、そのときには鈍い光すら放たなくなっていることに気が付く。
12870幻想なのだ、心から愛するなにかと出会えるなんてことも、もう二度と埋められないものがこの世にあるなんてことも。
それは若さや青さが作り出した都合のいい舞台装置で、自分を主人公にするために欠かせない小道具でしかない。
渇望していた輝かしいなにかをついに得たそのときには、これを失ったその日に自分の世界が終わる、そう強く感じることも珍しくない。やがて長いなり短いなりの時を経るうちに、輝いていたはずのそれは色褪せ、錆びつき、日常の中に溶け込んでしまい、そのときには鈍い光すら放たなくなっていることに気が付く。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 ヒアリ、へんてこな話です。リセットボタンを押しながら電源をお切り下さいロマンス 出会いは完璧だっただろう。天国のような陽が降り注ぐ午後、整った美しい横顔、一万分の一の掛けに乗った瞬間。
一瞬で恋に落ちた。もう他の何も目に入らない。彼を逃すつもりは無いし、手放すなんてもっての外だ。蜘蛛に囚われた蝶のように、どうやっても逃れられない。
だから、将棋のように、少しずつ詰めていった。
名前を教え合い、挨拶をするようになり、並んで歩いて、偶然を装って手を繋いで……。
最初に躓いたのは大学三年のときだ。思いのほか繊細だった彼の中に土足で踏み込んでしまった。その反発は驚くほどで、リセットするのにとても苦労したものだ。
あれから何度、この関係が壊れていっただろうか。
その度に自分の愚かさにため息をつき、彼の臆病さに涙しながらも、その度にまた初めからやり直していった。
2797一瞬で恋に落ちた。もう他の何も目に入らない。彼を逃すつもりは無いし、手放すなんてもっての外だ。蜘蛛に囚われた蝶のように、どうやっても逃れられない。
だから、将棋のように、少しずつ詰めていった。
名前を教え合い、挨拶をするようになり、並んで歩いて、偶然を装って手を繋いで……。
最初に躓いたのは大学三年のときだ。思いのほか繊細だった彼の中に土足で踏み込んでしまった。その反発は驚くほどで、リセットするのにとても苦労したものだ。
あれから何度、この関係が壊れていっただろうか。
その度に自分の愚かさにため息をつき、彼の臆病さに涙しながらも、その度にまた初めからやり直していった。
いずみのかな
DONE有栖川作家編、ヒアリ 懐かしの八神君の家庭の事情的なシミュレーション 大阪の空は京都のそれと比べて狭い。
だからどうした、と言われても困る。ただ、すっかり通いなれた地下鉄の駅からふと空を見たとき、そう感じただけなのだ。
この場所はまだ四天王寺なんて大きな寺があるから空の面積も広いが、梅田にいくとごちゃごちゃとしていて、作りかけのパズルのようになっている。普段から大学と天皇家の敷地に挟まれた、空を見るにはもってこいの場所にいる火村にとって、たまに上を見て圧迫感を感じるのが新鮮だっただけだ。
こんなことをうだうだと考えているのはつまり現実逃避だと、火村はやや自棄な笑いをこぼした。嫌なことから逃げたいわけではない。嫌かといわれたら、多分考え込むだろう。あまりにもややこしいことになっているから頭を抱えているというのが、多分正しい分析だ。
7534だからどうした、と言われても困る。ただ、すっかり通いなれた地下鉄の駅からふと空を見たとき、そう感じただけなのだ。
この場所はまだ四天王寺なんて大きな寺があるから空の面積も広いが、梅田にいくとごちゃごちゃとしていて、作りかけのパズルのようになっている。普段から大学と天皇家の敷地に挟まれた、空を見るにはもってこいの場所にいる火村にとって、たまに上を見て圧迫感を感じるのが新鮮だっただけだ。
こんなことをうだうだと考えているのはつまり現実逃避だと、火村はやや自棄な笑いをこぼした。嫌なことから逃げたいわけではない。嫌かといわれたら、多分考え込むだろう。あまりにもややこしいことになっているから頭を抱えているというのが、多分正しい分析だ。
いずみのかな
DONE有栖川作家編 ヒアリ たしてもひいても小さな宇宙 高校の同級生から来た葉書を何度も読みながら、ソファでだらしなく寝そべっていたら、急に世界が薄暗くなった。
「……きみなぁ、お邪魔します、とかそれくらい言えんのか」
「お邪魔します」
棒読みでそう返しながら火村はひょいと体を起す。再び視界が明るくなったことに満足しながら有栖はよ、と身を起した。
「こんな時間にどうしたん」
言いながら時計を見ると、もうすぐ十一時になろうという頃だ。
「いや、明日も大阪に用があるから」
「フィールドワークか?」
そう聞いてみると火村はネクタイを取りながら、
「いや、本業の方」
「なんだ、そうか」
「なんだよ、その残念そうな声は」
「いや、予想が外れたからそれが出とるだけやろう」
実際は残念じゃなくて安心してるのほうが割合として高いのだが。
4075「……きみなぁ、お邪魔します、とかそれくらい言えんのか」
「お邪魔します」
棒読みでそう返しながら火村はひょいと体を起す。再び視界が明るくなったことに満足しながら有栖はよ、と身を起した。
「こんな時間にどうしたん」
言いながら時計を見ると、もうすぐ十一時になろうという頃だ。
「いや、明日も大阪に用があるから」
「フィールドワークか?」
そう聞いてみると火村はネクタイを取りながら、
「いや、本業の方」
「なんだ、そうか」
「なんだよ、その残念そうな声は」
「いや、予想が外れたからそれが出とるだけやろう」
実際は残念じゃなくて安心してるのほうが割合として高いのだが。
ヒロ・ポン
DONE作家ちゃんみのその後です門弥「おう弥鱈、いいかげんにせんか」
「何がですかあ…」
「死人が出る」
どさ、とデスクに積まれた弁当のタワーをすすす…と手で遠ざける。食べている暇はないのだ。
「お前、この間の時点で締め切り二日前とか言ってたな」
「まあ~、はい」
「なんでまだ作業してる?納品してないのか?」
前回の訪問で得た語彙を用いて会話を試みてくる門倉は正直面白かったが、今はそれどころではないのだ。
「雄大くん、俺たちの事なら気にしなくていいから…」
「交代で休ませてもらってるし、受け持ちが終わったらほんとに終わりだから!」
目下作業中の二人が自分の代わりに返事をする。あとの二人は今休憩のターンに入っていてここにはいない。
「お前らはいい。いくらなんでも人材を使い潰す奴じゃないのはわかってる。けどこいつは違うだろ、休んでるのか?」
2230「何がですかあ…」
「死人が出る」
どさ、とデスクに積まれた弁当のタワーをすすす…と手で遠ざける。食べている暇はないのだ。
「お前、この間の時点で締め切り二日前とか言ってたな」
「まあ~、はい」
「なんでまだ作業してる?納品してないのか?」
前回の訪問で得た語彙を用いて会話を試みてくる門倉は正直面白かったが、今はそれどころではないのだ。
「雄大くん、俺たちの事なら気にしなくていいから…」
「交代で休ませてもらってるし、受け持ちが終わったらほんとに終わりだから!」
目下作業中の二人が自分の代わりに返事をする。あとの二人は今休憩のターンに入っていてここにはいない。
「お前らはいい。いくらなんでも人材を使い潰す奴じゃないのはわかってる。けどこいつは違うだろ、休んでるのか?」
たまごやき@推し活
PROGRESS現パロアンぐだ♀、恋人のフリをして危機を乗り切りたい童話作家×ぐだちでも二人は本当は付き合ってない
2021.7〜
そのお見合い、ちょっと待った!「他に頼るアテもない。できる限りの礼もするつもりだよ」
「本当にわたしで大丈夫? あんまり自信ないんだけど」
「特別な準備は何も必要ない。普段通りで大丈夫だ」
「うーん……」
――恋人のフリをしてほしい。わたしの好きな人からの頼み事だ。他の人なら好きな人がいるからと即答で断ったけれど、彼からの頼みでは断りにくい。でも、あくまでこれは仮の恋人だ。
最近、彼は親戚にお見合いを勧められることが増えたのだという。しかも中には何度断っても諦めないお節介な人もいて、無理矢理縁談の話を進めようとしているのだとか。あまりにもしつこいものだからつい、「恋人がいる」と嘘をついたらしい。そこから先は転がるように話が進んで……。
6331「本当にわたしで大丈夫? あんまり自信ないんだけど」
「特別な準備は何も必要ない。普段通りで大丈夫だ」
「うーん……」
――恋人のフリをしてほしい。わたしの好きな人からの頼み事だ。他の人なら好きな人がいるからと即答で断ったけれど、彼からの頼みでは断りにくい。でも、あくまでこれは仮の恋人だ。
最近、彼は親戚にお見合いを勧められることが増えたのだという。しかも中には何度断っても諦めないお節介な人もいて、無理矢理縁談の話を進めようとしているのだとか。あまりにもしつこいものだからつい、「恋人がいる」と嘘をついたらしい。そこから先は転がるように話が進んで……。
たまごやき@推し活
PROGRESS転生現パロアンぐだ♀、喫茶店マスターの童話作家×常連のぐだち転生したが片方しか前の記憶を有しておらず相手の記憶が戻るのかも分からずそれでも……という性癖の話
2020.2〜
最後の恋を、もう一度 蔦の絡んだお洒落なレンガの壁。まるで向こう側には眠り姫がいるみたいに、植物で囲われたその壁の向こうにはわたしの大好きな空間がある。ドアを開けると控えめなベルの音が鳴る。こんな小さな音で聞き取れるのは、店主が地獄耳だからだろうか。
「いらっしゃいませ」
この店の店員はカウンター奥の隅っこでコーヒーを淹れている男性一人だけ。ここに通って随分経つけれど他の店員も、さらにはお客さんも見たことがない。友達に話すと狐にでも化かされてるんじゃないか、なんて言われる。そんなことないと証明するために友達と来てみると、何故だかいつも臨時休業の看板。……そんなことあるわけないでしょ、とは強く言えなくなってしまう。
まずはじめに店主の見目について。青い髪と青い瞳。透き通るような白い肌。背が高い。外国人かハーフだろう。まるで御伽噺に出てくるような、人形めいたその姿。流暢な日本語と、メニューのボードに書かれた几帳面で綺麗な文字。言葉数は少なく、しかし耳に残る低音。
6064「いらっしゃいませ」
この店の店員はカウンター奥の隅っこでコーヒーを淹れている男性一人だけ。ここに通って随分経つけれど他の店員も、さらにはお客さんも見たことがない。友達に話すと狐にでも化かされてるんじゃないか、なんて言われる。そんなことないと証明するために友達と来てみると、何故だかいつも臨時休業の看板。……そんなことあるわけないでしょ、とは強く言えなくなってしまう。
まずはじめに店主の見目について。青い髪と青い瞳。透き通るような白い肌。背が高い。外国人かハーフだろう。まるで御伽噺に出てくるような、人形めいたその姿。流暢な日本語と、メニューのボードに書かれた几帳面で綺麗な文字。言葉数は少なく、しかし耳に残る低音。
たまごやき@推し活
PROGRESS現パロアンぐだ♀、歳上童話作家とぐだちの歳の差カプ2020.9〜
凹凸恋人スタートライン 今気になっている人は、私のバイト先の喫茶店によくやってくるお客さん。背が高くて、細身ですらっとしていて、格好良い。友達にそこまで言うと皆応援するよと言ってくれるのに、実際に喫茶店にやってきて彼を見ると意見を変える。――あんな歳上、相手にされるはずないでしょ。
「竹中さん、いらっしゃいませ! いつものですか?」
「あぁ……」
お気に入りの奥まったテーブル席に座った彼がおかわりのコーヒーを頼むまで、話すタイミングはない。彼が店長の友人じゃなかったら、名前を知ることすらなかった。私がアタックしても、全然動じない。きっとナイスバディで美人なお姉様たちに毎日のように言い寄られているんだ。それでも諦めきれずに、今日も話しかけるきっかけを見極めている。
15168「竹中さん、いらっしゃいませ! いつものですか?」
「あぁ……」
お気に入りの奥まったテーブル席に座った彼がおかわりのコーヒーを頼むまで、話すタイミングはない。彼が店長の友人じゃなかったら、名前を知ることすらなかった。私がアタックしても、全然動じない。きっとナイスバディで美人なお姉様たちに毎日のように言い寄られているんだ。それでも諦めきれずに、今日も話しかけるきっかけを見極めている。
たまごやき@推し活
PROGRESSカルデアアンぐだ♀、恒常→青年実験アンデルセンとマスター藤丸♀あれやこれや霊基異常でカルデアに大人童話作家が爆誕してわくわく生活始まってほしい
2021.3〜
三十九センチプラスマイナス最後の贈り物と弊害
「アンデルセンって、別の姿で召喚されることもあるの?」
某光の御子が別の霊基で何度となく召喚をされた頃に受けた質問だ。答えに迷うことはない。
「他の場所で召喚される俺の話など知るものか! だいたいあいつらを見てみろ、黒歴史が目の前で自動再生されるなどろくでもない」
あのドラゴン娘が目の前で未来の自分といがみ合う食堂。見慣れた光景だ。同じ記憶を持つ、全く異なる自分が目の前に現れるなどロクなものではない。──そう思っていたのだ。後から自分の身に起こることも知らずに。
「あのね……この聖杯、受け取ってもらえる?」
「今さら緊張することがあるのか? 俺がもういくつ聖杯を受け取ったと思っている」
5603「アンデルセンって、別の姿で召喚されることもあるの?」
某光の御子が別の霊基で何度となく召喚をされた頃に受けた質問だ。答えに迷うことはない。
「他の場所で召喚される俺の話など知るものか! だいたいあいつらを見てみろ、黒歴史が目の前で自動再生されるなどろくでもない」
あのドラゴン娘が目の前で未来の自分といがみ合う食堂。見慣れた光景だ。同じ記憶を持つ、全く異なる自分が目の前に現れるなどロクなものではない。──そう思っていたのだ。後から自分の身に起こることも知らずに。
「あのね……この聖杯、受け取ってもらえる?」
「今さら緊張することがあるのか? 俺がもういくつ聖杯を受け取ったと思っている」