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    工場

    コルテナ

    DONE生産工場は勇尾ですが、これは勇尾として成立しないふたりのお話です。おがたがゆうさくさんから確かに受け取ったものがあるし、それを受け取ったことを認められたのが310という解釈で、二度目は受け取ったそれをゆうさくさんにもかえしたいと思ったりしてほしいな、というきもちで書きました。
    ただ受け取ったものをかえすだけ腕時計に目を落とす。夏季休暇の空港を少々甘く見ていた。あとは搭乗するだけとはいえ、待つ身には気が気ではないだろう。足を早めて、人混みを少々強引に進む。ふと、後ろから自分を呼ぶ声がした。
    「勇作殿」
    決して大きな声ではないのに、よく通る低い声。足が止まる。振り返ると、歳のあまり変わらない男がこちらをまっすぐに見ていた。光を通さないような、真っ黒の瞳が、ひどく印象に残る。
    「あの、すみません……どこかでお会いしたでしょうか」
    人の顔と名前を覚えることは、不得手なほうではないというのに、彼の顔も名前も、全く出てこない。ならば初対面と断じていいはずなのに、なぜかためらってしまう。彼は小さく首を振った。
    「今から俺が言うことは、聞き流して頂いて結構です。なに、時間はかかりません。再びこうして姿を見ることになるとは思っていなかった。ただ、こうして向かい合った以上、俺はあなたに、伝えなければならないことがある。ははあ、戸惑ってますね。いいんですよ。狂人の戯言と思って頂いてかまいません。……俺は、かつて、あなたに多くのものを貰いました。その時は欲しくもないと思っていたんです。捨ててしまいたいとすら、いや、捨てたのだと思っていました。でも、本当は違っていた。あなたに貰ったものは、確かに俺の、“よすが”になった。本当です。それを直視したら、生きていけないと思っていたのに。……今でも俺は、あなたに貰ったものを抱えて生きています」
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    irohani8316

    DONE94の小説です。ロド風味……というかCP要素がほぼないですが、ロド推し工場から出荷されています。街を常に昼状態にしてしまう「吸血鬼日光浴大好き」のせいでシンヨコが大変なことに……というエンタメ(?)小説になりました。ラブというかブロマンスな味わいが強いかも知れません。
    長い昼の日 汗ばむくらいに燦々と照りつける太陽の下、俺はレンタカーのバンを路肩に留めると運転席から降りて、荷室のバックドアを開けた。そこには、青天にまったく似つかわしくない黒々とした棺桶が横たわっている。
    「おい、動かすからな」
    一応声をかけるも返事はない。聞いているのか聞いていないのかわからないが、別に構いはしない、俺は両手で棺桶の底を摑み、バンの荷室から引きずり下ろした。ゴリラゴリラと揶揄されるくらいに鍛えてはいるものの、さすがにこの体勢から、ひとりきりで重い棺桶を丁寧に扱うのは難しい。半田でも連れてくればよかったが、あいつも他のやつらと同じく街中を駆けずり回っていて、手伝ってもらうのは忍びなかった。
    案の定、無駄に長い棺桶は向こう側の端の方が落ち、地面に当たってガツンと派手な音を立てた。この衝撃であいつは一度死んだな、たぶん。俺の肩に乗って見守っていた愛すべきイデアの丸、もといアルマジロのジョンが「ヌー!」と泣いている。
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    subaru_no_iine

    DONE書けばが出ると信じたい。岡田とコン陛下(マイケル)と神祖が謎の共闘をしています。ロムコンにはならなかった。ぐだはノーネーム・性別不詳ですが以ぐだ♀と同じ工場産です。
    こういうシチュエーションが見たかった ざぐ、と革靴の裏で小さな土くれが潰れる。[[rb:二重廻し > インバネスコート]]の裾を揺らし、以蔵は小さく息を吐く。
    「前進のみだ!」
     ライダー・コンスタンティノス11世は赤いマントを翻して高らかに叫んだ。
     発動させたスキルは『ハギア・ソフィアの祈り』――己にターゲットを集中させつつクリティカルスターを獲得する。生前、王都コンスタンティノープルを枕として討死した最後のローマ皇帝にふさわしいものだ。
    「ここは私が守る! オカダ殿は構わず敵を!」
    「わかっちゅう!」
     同じくスキルでスターを集中させ、クリティカル威力も上げた以蔵は、刀の柄を握り直して細かく散らばる砂粒を踏みしめた。
     以蔵たちは城壁を背に陣取り、原野の向こうではウェアウルフの群れがこちらをにらんでいる。畜生どもは手に棍棒を持ち、獣の耳を立てて半開きの口からよだれを垂らしている。十体を優に超える、こちらへ敵意をむき出しにしている連中から、マスターを守らなければならない。
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    佳芙司(kafukafuji)

    TRAINING本作品の製造をしている弊社工場では月渡りギルドを含む製品を主に生産していますため意図せずグラエマが含まれている可能性があります。
    元ネタ【https://twitter.com/kafukafuji/status/1514082199523704833?s=21&t=tBlwin5QJSrJnprcQp6q9g】
    得難き香辛料(オスカー+エマ) 曰く、定期的に味の品質を確認する為に抜き打ち検査をしている。と、オスカーは球状のクロケットを器用に四等分にした。きつね色の揚げ衣の中から鮮やかな緑が現れ、エマは思わず小さく声を弾ませた。
    「すごく綺麗な色……! 見た目からは想像出来ないですね」
    「このキッチンカーの主人はディレッタントの生まれではなくてな。生まれ故郷の料理をアレンジして振る舞っている。これは、ひよこ豆とそら豆をすり潰しペーストにしたものを丸めて揚げた『ファラフェル』という揚げ物料理だ」
     店を訪ね席を取りテーブルマナーを守って食するような料理ではなく、青空の下の路上で手軽に買えるような庶民的料理も躊躇なく口にするオスカーをエマはまじまじと見た。不意に視線が合ったが黙したまま使い捨てのフォークを差し出される。切り分けたそれを食え、という事らしくエマは慌ててそれを受け取り一口齧った。顔を近付けただけで香辛料の香りを感じるが、それに反して舌には辛さの刺激はあまり感じない。
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    wanon

    TRAININGパッションのままに書いた……最初の長セリフ読む必要ありません。
    エメヒュ工場産だけどたぶんカプはないと思います(たぶん)
    推敲や読み直しもあんまりできておりません。ほんと、勢いままです。よしなに。
    アゼとヒュが飯つくってエ巻き込んで食べるだけ「つまり、エーテルの操作が下手っていうのは短所ではあるけど同時に長所にもなるわけ。工夫をするからね。私はそれを君や他の魔法を苦手とする多くの人たちから学んだ。過去の私はそりゃもう自分が魔法の天才であることを鼻にかけていたし、何もかもを魔法で済ませてしまっていて、その不便さを楽しむとかそういうことをやろうとしたことさえなかったんだけれど、心を入れ替えて、そう、ちょうど先節まで環境に適するためのエーテルを使わないっていう実験をやってみたんだよね。手紙にも書いたとおりに。これがすごくしんどくて、特に酷かったのは火のエーテルが極性になる季節と氷のエーテルが極性になる季節でさ。これが正反対のつらさなんだよ。火のエーテルが極性のときはとにかく熱いし、さんさんと降り注ぐ太陽を恨まずには居られなくて、かと思えば氷のエーテルが極性のときは本当に本当に寒くって! 火の極性のときにはあんなに恨んだ太陽が恋しくて仕方ないんだもの。耐えかねて温かさを感じられそうなイデアをたくさん創造してしまったし、君にもいくつか送ってもらったけれど、あれは本当によかったよ。あの、火のクリスタルを入れて持ち歩くランタンのイデア。あれを君が送ってくれて私は本当に助かったんだ。正しく命が助かったね。ランタンのなかで煌々と燃える炎に顔がにやけるなんてはじめての気持ちだったし、いやあ貴重な経験だった。逆に言えばアーモロートは快適すぎて経験の機会を損失していると言えるかも知れないね。それはそれでゆゆしき事態……って、そうじゃなくて。つまりその一環で私もあれをやってみたんだよ。そう、料理。でもどうしていいかわかんなくて。とりあえず君が作っていた手順とかを思い出しながらやってみたんだ。それでね、それらしいモノは出来たけど食べてみたらまるで別物で、控えめに言ってとてもマズかった。結局一回で懲りて、そこから食事だけは魔法を解禁することにしたんだ。それでそれで、改めて魔法で作った料理を食べて、どうだったと思う? やっぱりマズかったのさ! つまりそれだけ君の作ったものがおいしいってこと。だから、覚えているかい? そう、君に手料理のイデアを送ってもらった。それでわかったことなんだけど、君の料理のイデアでも、魔法で作った食事ってあまりおいしくなかったんだ。不思議だよねえどちらも君の料理なのに。それで仮説を立てた。思うに、手料理にはその
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