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    文庫

    💤💤💤

    INFO『KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)』(文庫/36P/¥200-)
    12/30発行予定のモクチェズ小説新刊(コピー誌)です。ヴ愛前の時間軸の話。
    モクチェズの当て馬になるモブ視点のお話…? 割と「こんなエピソードもあったら良いな…」的な話なので何でも許せる人向けです。
    話の雰囲気がわかるところまで…と思ったら短い話なのでサンプル半分になりました…↓
    KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)◇◇◇
     深呼吸一つ、吸って吐いて——私は改めてドアに向き直った。張り紙には『ニンジャジャンショー控え室』と書かれている。カバンに台本が入ってるか5回は確認したし、挨拶の練習は10回以上した。
    (…………落ち着け)
    また深呼吸をする。それでも緊張は全く解けない——仕方がないことではあるけれど。
     平凡な会社員生活に嫌気が差していた時期に誘われて飛び込んだこの世界は、まさに非日常の連続だった。現場は多岐に渡ったし、トラブルだってザラ。それでもこの仕事を続けてこられたのは、会社員生活では味わえないようなとびきりの刺激があったからだ——例えば、憧れの人に会える、とか。
    (…………ニンジャジャン……)
    毎日会社と家を往復していた時期にハマってたニンジャジャンに、まさかこんな形で出会う機会が得られるとは思ってもみなかった。例えひと時の話だとしても、足繁く通ったニンジャジャンショーの舞台に関わることができるのなら、と二つ返事で引き受けた。たとえ公私混同と言われようと、このたった一度のチャンスを必ずモノにして、絶対に絶対にニンジャジャンと繋がりを作って——
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    かつみぽいぴく

    PROGRESS12/12炎ホプチの新刊の冒頭らへんを進捗上げです。
    ホ視点と炎視点バトンタッチ文体。
    ホちゃにテディベア扱いされて焦らしプレイされる炎さんのさらっと読めるイチャイチャすけべ本の予定。
    前半は焦らしプレイ、後半はケダモノセッ気味のいつものやつです。
    全年齢部分は終わったのですけべを呻きながら書いてます。
    3万字ちょい、文庫70~80P予定。通販もあるよ!
    【12/12新刊全年齢部分】カワイイのはオレだけにして?

    今日の俺たちのパワーバランスはこちら。

    「エンデヴァーさん。俺、まだ怒ってますから」
    「……」
    「理由、わかってますよね?」
    「ヌ……」
    あなたが恋人羽毛の触り心地を追い求めて買った高級クッションを我が物顔で抱き締めつつ、俺は唇をツンと突き出した。
    ソファに陣取り足まで乗せてる俺と、そばに立ったままのあなた。
    こうまでしたら分かるでしょ? ヒーローとしては異音一つ見落とさないのに、恋人の扱いにはまだまだ疎い雛鳥さんへ、『ご機嫌ナナメですよ』のサインを贈る。
    爪先でエンデヴァーさんの脛をつんつんと柔くつっつくのもオマケだ。
    叱られる子供みたいに佇むエンデヴァーさんも、「何だその口は」とか「足を乗せるな」とか言わない。居心地悪そうに唸るだけ。ここあなたの家なのに。
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    銀鳩堂

    MAIKINGフレーバーテキストが降ってきたので出力します。
    「ヤング・クロウリー」のアイデアメモみたいな感じ。
    ※「ディズニー みんなが知らない白雪姫 なぜ女王は魔女になったのか」読了。鏡を木に吊るすエピソードは本作からの本歌取りです。
    ※映画「マレフィセント」未視聴。
    ※「ディズニー みんなが知らない眠れる森の美女 カラスの子ども マレフィセント」 (講談社KK文庫)未読、発注済み。
    「ヤング・クロウリー ~始まりの物語~」出会い編ある日、茨の魔女の下僕しもべディアブロは本来の姿、大鴉おおがらすに戻り空を飛んでいた。
    と、目の隅にキラキラと美しい光が映った。
    ディアブロはからす族の例にもれず光り物に目がない。その光はとてもとても美しく、彼を惹きつけた。
    風に揺れ、さんざめく光の群れ。
    あれはなんだろう。本当に美しい。もっと近くへ。もっと、もっと!
    漆黒の翼の限り羽ばたいて、たどり着いたのは小さな民家だった。
    家の周りの木々には、大小の鏡が吊るされて光を反射している。
    なんと美しい光景だろう…。
    彼は木の一本に降り立つと、降り注ぐ光を浴びてうっとりと黄色い目を細めた。
    と、家の中から一人の人間の娘が現れた。
    その娘を見た時、ディアブロの下嘴したくちばしがかくんと落ちた。
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    suz_under

    SPUR MEユリアルマンスリーお題「夜会」です。
    文庫メーカーでツイートしましたが長いのでこちらにも置いておきます。
    朝焼けのシンデレラマスカレイド
    仮面に許されたる夜の戯れ
    何もかも無くして、忘れて、奪って
    ああ、なんて非道な夜
    なんて甘美な夜


    (まったく、視界が悪くてかなわんな)
     隣国から来訪している貴婦人の警護の任にあたっているアルベールは、それでも場の雰囲気を壊さぬよう、自身も軽鎧ではなく銀の刺繍の入った葡萄酒色の燕尾服に身を包んでいる。剣もその身から離さぬ天雷剣ではなく、細身で繊細な彫り込みの入った華奢なレイピアを飾りと思える程度に腰に下げているのみだった。
     他の夜会に比べ遅くまで行われる為、参加の条件も厳しく、また、会場の外の警護はいつも以上に厳重に行っている。故に、天雷剣を必ず持たねばならぬ程の戦闘は想定しておらず、むしろ騎士団長である自分が警護しているという事実──それがほぼ自分がここにいる意義であり、騎士団長の勤めなのであった。まあ、万が一何かしらの戦闘になった場合でも腰に下げた銀のレイピアで誰かに負けるような腕前な訳でもない。その気になれば若手の騎士見習いに与えられる最低限の剣でも、少なくとも自分に勝てる者はいない。それは奢りではなく、ただの真実だし、だからこそ自分は騎士団長なのだ。
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    💤💤💤

    INFO『シュガーコート・パラディーゾ』(文庫/152P/1,000円前後)
    9/19発行予定のモクチェズ小説新刊のサンプルです。
    同道後すぐに恋愛という意味で好きと意思表示してきたチェズレイに対して、返事を躊躇うモクマの話。サンプルはちょっと不穏なところで終わってますが、最後はハッピーエンドです。
    【本文サンプル】『シュガーコート・パラディーゾ』 昼夜を問わず渋滞になりやすい空港のロータリーを慣れたように颯爽と走り去っていく一台の車——小さくなっていくそれを見送る。
    (…………らしいなぁ)
    ごくシンプルだった別れの言葉を思い出してると、後ろから声がかかった。
    「良いのですか?」
    「うん? 何が」
    「いえ、随分とあっさりとした別れでしたので」
    チェズレイは言う。俺は肩を竦めて笑った。
    「酒も飲めたし言うことないよ。それに別にこれが最後ってわけじゃなし」
    御膳立てありがとね、と付け足すと、チェズレイは少し微笑んだ。自動扉をくぐって正面にある時計を見上げると、もうチェックインを済まさなきゃならん頃合いになっている。
     ナデシコちゃんとの別れも済ませた今、ここからは本格的にこいつと二人きりの行き道だ。あの事件を通してお互いにお互いの人生を縛りつける選択をしたものの、こっちとしてはこいつを離さないでいるために賭けに出ざるを得なかった部分もあったわけで、言ってみれば完全な見切り発車だ。これからの生活を想像し切れてるわけじゃなく、寧ろ何もかもが未知数——まぁそれでも、今までの生活に比べりゃ格段に前向きな話ではある。
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