水上
palco_WT
PROGRESS冬コミ新刊の水王の、水上の過去の捏造設定こんな感じ。まあそれでも入会金十万円+月一万余出してくれるんだからありがてえよな……(ワが2013年設定だとたぶんんぐが小学生で奨励会にあがったとしてギリギリこの制度になってるはず。その前はまとめて払ってダメだったら返金されるシステム)
実際、活躍してるプロ棋士のご両親、弁護士だったり両親ともに大学教授だったり老舗の板前だったりするもんね……
「ん、これ、天然モンやで」
黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
1983黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
JumekoOm
DONE水上の人物像があやふや。固まってきてる人は見ない方がいいです。誕生日が近づいたことで生駒隊の将来をうだうだ悩んだ水上が、隠岐・蔵内・イコさんに否定してもらう話。いろいろ捏造してます。 43i_hakumei
SPUR MEおっパブで働く蔵っちと水上の謎パロ。水蔵と言い張っていますが恋愛色はほぼ無いです。おっパブの蔵内君 人生何があるかなんてわかったもんじゃないと言うが、それにしたってこれは、わかっていた方が怖い類いの出来事だな、と水上は天を仰いだ。頭上では黒い天井に高級ホテルのラウンジにでもありそうなシャンデリアが橙色に光っている。全体的に薄暗い店内は席ごとに四角く区切られており、そのうちの一角で水上はバレないよう気をつかいつつ小さな溜め息をこぼした。水上と同じブースには、彼の他に、初対面の男性二人と、今日ここに自分を連れてきた職場の上司が座っており、男四人でビールとつまみではなく、見るからにお洒落そうなカクテルやフルーツの盛り合わせを囲んでいる絵面は、はっきり言って相当シュールだった。そのうち二人はこの店側のキャストというのがより混沌を極めている。まるでホストクラブのような雰囲気、というかまさしくそうで、もっと正しく言うならば、この店はセクキャバ……より性的なサービスをウリとしたキャバクラ……つまり、おっぱいパブ(通称おっパブ)の男性版だった。要は客が酒を飲みながら男性キャストとお喋りしつつ、胸を揉ませてもらう店というわけである。なんで俺がこんな魔境に……と入店早々虚無の境地に達した水上は、出された酒を気つけ薬代わりに口にすると、テーブルを挟んで向かいに座る職場の上司をじろっと見た。水上をこの店に連れてきた張本人は、すでに自分の横に座るキャスト相手に歓談をはじめていて、水上のことなど眼中に無いようである。くっそー、こいつ、こんなよぉわからん店に人を引っ張ってきておきながら一人鼻の下伸ばしやがって、と内心上司をなじりつつ、そのまま酒を呷る。すると自分の隣に座っていた男が、「酒はあまり一気に飲まない方がいいですよ」と酒を飲ませて酔わせてなんぼの店のキャストらしからぬことを言い出した。
8414hana6la
MEMO2017/07/20 log公開終了したサイトから、pixivにもpictBLandにも公開してない小話です
雨の水玉。エンディング後、猫のお話を書いていた玉森くんに呼ばれた水上くん
【大泉の猫 】 ──彼の猫は、何時から其処に居たのか。何処から遣って来たのだろうか。止むに止まれぬ事情があって、押し入れの中に潜った私の傍にいる。薄暗がりのなかで、まん丸の青い眼がふたつ私を見ていた。
そこで間抜けな主人公は、にゃぁんと鳴いてみせるが、子ネコは親に鳴き方を教わっていなかったので、おおよそ猫らしからぬか細い声をあげる。
急いで書き付けて来たのだろう。家の方々から集めたらしい質の良くない紙は、ささくれていて所々に墨が滲んでいた。まるで、猫の足にでも踏まれたような有様だ。
「……知っていたのか?」と聞けば、玉森は神妙な顔つきで「やはり、そうなのか?」と答える。
彼の想像力は底なしだから、青い眼をした子ネコにも同じ能力を与えてみたというのが、この物語の真相のようだ。漱石の猫なら最後は、麦酒に酔って水瓶の中に溺れてしまうけれど、玉森の(大泉の)猫は、六月の雨水を遡って時間を行き来する。
6083そこで間抜けな主人公は、にゃぁんと鳴いてみせるが、子ネコは親に鳴き方を教わっていなかったので、おおよそ猫らしからぬか細い声をあげる。
急いで書き付けて来たのだろう。家の方々から集めたらしい質の良くない紙は、ささくれていて所々に墨が滲んでいた。まるで、猫の足にでも踏まれたような有様だ。
「……知っていたのか?」と聞けば、玉森は神妙な顔つきで「やはり、そうなのか?」と答える。
彼の想像力は底なしだから、青い眼をした子ネコにも同じ能力を与えてみたというのが、この物語の真相のようだ。漱石の猫なら最後は、麦酒に酔って水瓶の中に溺れてしまうけれど、玉森の(大泉の)猫は、六月の雨水を遡って時間を行き来する。
hana6la
MEMO2018/05/05 logサイトに置いてあった水上くんのお誕生日に書いたお話です
【不在の記し】 その晩は私のほうが早寝をしてしまったが、彼のほうは随分と夜更かしをしたらしい。同じ床から起き上がれば、隣で水上が安楽な寝息を立てている。
──眠レナイ。
──私が眠るまで片時も離れずにいろ。
昨夜の私は、少しおかしかった。
微熱が出ていた所為もある。
疲れていた所為でもある。
言い訳は山ほどあるが、田端の駅から会津に戻ってくるまで、私は生きた心地がしなかったのだ。汽車から降りて小さな駅舎に水上の姿を見つけたとき、ようやく地に足のつく心地を覚えた。行クナ。と、何度もひきとめた腕を払って出かけた阿呆の私を。意気揚々と「真実を見てくるのだ」など言った恥知らずな私を。水上はたったひとこと「おかえり」と迎えただけで、他には何も聞かなかった。
3377──眠レナイ。
──私が眠るまで片時も離れずにいろ。
昨夜の私は、少しおかしかった。
微熱が出ていた所為もある。
疲れていた所為でもある。
言い訳は山ほどあるが、田端の駅から会津に戻ってくるまで、私は生きた心地がしなかったのだ。汽車から降りて小さな駅舎に水上の姿を見つけたとき、ようやく地に足のつく心地を覚えた。行クナ。と、何度もひきとめた腕を払って出かけた阿呆の私を。意気揚々と「真実を見てくるのだ」など言った恥知らずな私を。水上はたったひとこと「おかえり」と迎えただけで、他には何も聞かなかった。
palco_WT
MAIKINGhttps://twitter.com/tsunapal/status/1438159581058781185に至るちょっと前。
オージちゃん♀に手を出さない水上をネタに、三門一高三年C組カルテットがわちゃわちゃ。
警戒区域でキスをして 思えば、あの時点でもう少し勘ぐっておけば良かった。
水上は潤んだ目で自分の上にのしかかってくる麗しの王子という名の姫君を見上げながら、自分の理性と対局する羽目になっていた。
「水上ィ、おまえ、インポってマジか」
「あ!? なんやいきなりその言い草は。言わすで、おい」
ふらっと近づいてきた影浦の口から出てきたのは、教室というか第三者のいるような場所で投げかけてくるにはとんでもない問いで、さすがの水上も思い切り顔をしかめた。
十代の健全な青少年に言っていいことと悪いことがあるだろう。
周りてたむろっていた、ボーダーの仲間たちが興味津々の、明らかに面白がっている様子を横目にきっぱり反論する。
「ビンビンに決まっとるやろ。今朝かて天井に届きそうな勢いやったわ」
2286水上は潤んだ目で自分の上にのしかかってくる麗しの王子という名の姫君を見上げながら、自分の理性と対局する羽目になっていた。
「水上ィ、おまえ、インポってマジか」
「あ!? なんやいきなりその言い草は。言わすで、おい」
ふらっと近づいてきた影浦の口から出てきたのは、教室というか第三者のいるような場所で投げかけてくるにはとんでもない問いで、さすがの水上も思い切り顔をしかめた。
十代の健全な青少年に言っていいことと悪いことがあるだろう。
周りてたむろっていた、ボーダーの仲間たちが興味津々の、明らかに面白がっている様子を横目にきっぱり反論する。
「ビンビンに決まっとるやろ。今朝かて天井に届きそうな勢いやったわ」
_KosM
DONE2021/09/18 ピクスクイベント「あからさまにイチャつくな!」(さまイチャ)の「青砥屋」スペースでネップリ公開していた雨野とりせさんのサマイチペーパーです。水上が挿絵を描いております。#ネットプリント に登録しました。セブン‐イレブンでプリントしてください。
予約番号18197998(パスワード0918)、A4 白黒:20円、2021/09/25迄 2
ぎんか
DOODLE4人目はみずかみんぐ。18歳組の中でも(犬飼を除き)かなり好きです。クレバーでめんどくさい、いい人なんだか悪なんだかわからないタイプが好きらしい。
ま、ワの世界に本気の悪なんて太一くらいしかいないだろうと思うんだけど!
犬飼が最後まで手を離せない人って二宮くらいだろうと思うんだけど(今のところ)、水上の場合はそれイコさんじゃないかなー。そういうところも犬飼と似てる気がする。
水犬もいいよね…
sunagimo25g
MEMO「水上を甘やかす隊長イコさんで」お題、ありがとうございます。本誌で、水上の人となりが色々と垣間見れていて面白いですね。
本誌を読んだ上での私の解釈になりますので、興味のある方だけどうぞ。
まず水上のことを「自分で何とかなることに関して、人に頼ることはあまり得意ではない」と思っています。
例えば、スナイパーにしかできないとき、アタッカーにしかできないとき、
自分が状況把握に努めているときに今特攻すべきだと判断されたときなど、誰かに頼んだ方がいいと感じれば、
すぐにそのように対応する人だと思います。
しかしながら、自分がやっても相手に頼んでも然程変わらないことは、自分でやろうとするんじゃないでしょうか。(そして多分できちゃう)
次男ですけどあまり人を頼ったり甘えたりしなさそうで、甘やかされてもそんなに嬉しくないと思っていて、
水上のことを何となく分かっているであろう隊長が、「甘えてもええんやで~」ってストレートに言うかなあと思ったのです。
919例えば、スナイパーにしかできないとき、アタッカーにしかできないとき、
自分が状況把握に努めているときに今特攻すべきだと判断されたときなど、誰かに頼んだ方がいいと感じれば、
すぐにそのように対応する人だと思います。
しかしながら、自分がやっても相手に頼んでも然程変わらないことは、自分でやろうとするんじゃないでしょうか。(そして多分できちゃう)
次男ですけどあまり人を頼ったり甘えたりしなさそうで、甘やかされてもそんなに嬉しくないと思っていて、
水上のことを何となく分かっているであろう隊長が、「甘えてもええんやで~」ってストレートに言うかなあと思ったのです。
kisa_e_zundoko
DOODLE@tos マシュマロ幻覚供給で「自分のどこが好き?」と軽くあしらわれる前提だった王子と思いのほか真面目に答える水上の水王おちうお題を頂きました(原文8割割愛)赤面王子が性癖なので楽しかったです 2
palco_WT
MOURNINGさよなら大好きなひと三門市を出ていく水上と残されるおーじちゃん♀
プロットとして手を入れていたんですが、書き上げる棋力じゃないや気力がなさそうなので。 うっすらと予感みたいなものはあった。
イコさんが大学卒業と同時に実家へと戻り、当然ながら生駒隊が解散することになって―水上隊として再編するかという話もあったがそれは当人が断り、現在はオッキーと海くんは別の隊に所属して生駒隊で磨いたその腕を存分にふるっている―、遠からず彼もこの街から去ることになるのではないかという予感。
当たらなくても良かったのに、と王子は、すまん、と膝を正して畳に額をこすりつけるようにして土下座をする赤茶けたブロッコリーをただ見やるしかできなかった。
水上もボーダーを辞めて、三門市を出ていくのだと言う。まるでかつての隊長の背を追うように。
トリオンの減衰なんていう、ごくごくあり触れたつまらない理由で。
「使いものにならへん駒は駒台にかて不相応や」
→ちょっと前に時間戻る。
王子隊作戦室:作戦会議が終わって。
「ぼくとみずかみんぐってどういう関係に見える?」
「どういう関係も何も恋人同士だろ」
麗しの隊長の問いに、何を今更とばかりに呆れたというよりは怪訝そうに蔵内は告げた。
一週間の大半を彼の部屋で暮らし、キスやハグをしている姿もキャンパスで見かけてい 2210
sakatori
MEMOWT 王子+水上アクスタ企画用に書いた小話の再録です。猫華さんにリクエストした「二学期を迎えた王子と水上」を拝見して浮かんだイメージを文章化しました。
管理の都合で水王タグをつけていますが、この小話の二人はCPなしでも水王でも王水でも解釈はご自由に。
素晴らしき元ネタ: https://www.pixiv.net/artworks/86579465 の5枚目
(全体公開 2021年4月24日)
アクスタ企画用王子+水上「ほんまに秋なんか」
汗で湿っているせいかボリュームダウンした髪の毛をかき上げて水上が呟く。天気予報では心地よい秋晴れと言っていたが実際はこの夏日だ。
アスファルトから立ち上る揺らめきを忌々しげに眺めていると、額を流れる汗が目に入った。その痛みに思わず両目を閉じて目頭を押さえる。
ふっと隣から笑い声が聞こえた。眼球だけを動かして声の主を探すと、王子が涼しげな表情で微笑んでいた。
この酷暑の中でも王子の表情は変わらない。もしかして換装体でいるのかと疑うほどに。ただ、髪の毛はプールから上がったばかりみたいにしっとり濡れていたが。
「まあ、ね。暦の上ではというやつだよ」
王子は歩きながらスクールバッグから清涼飲料水を取り出してラッパ飲みした。この男は容姿が整っているから何をしても様になるのだが、これは随分と行儀が悪い。
1389汗で湿っているせいかボリュームダウンした髪の毛をかき上げて水上が呟く。天気予報では心地よい秋晴れと言っていたが実際はこの夏日だ。
アスファルトから立ち上る揺らめきを忌々しげに眺めていると、額を流れる汗が目に入った。その痛みに思わず両目を閉じて目頭を押さえる。
ふっと隣から笑い声が聞こえた。眼球だけを動かして声の主を探すと、王子が涼しげな表情で微笑んでいた。
この酷暑の中でも王子の表情は変わらない。もしかして換装体でいるのかと疑うほどに。ただ、髪の毛はプールから上がったばかりみたいにしっとり濡れていたが。
「まあ、ね。暦の上ではというやつだよ」
王子は歩きながらスクールバッグから清涼飲料水を取り出してラッパ飲みした。この男は容姿が整っているから何をしても様になるのだが、これは随分と行儀が悪い。
sakatori
DONEWT 水隠岐「エロい一文水隠岐」のリクエストをいただいたので、一段落分だけエロいことをしている水隠岐です。シチュエーションだけR18。関係を持ったばかりで隠岐の身体を見慣れておらずドギマギする水上。そのうち隠岐の容姿のことは気にならなくなりぞんざいに扱う感じです。
(2021年4月21日)
シロップ息が詰まる。突き上げた内部の一番深いところで達して、何度か腰が震える。そんな水上の動きに合わせたかのように膝の上の身体も仰け反り、そのまま後方に重心が傾く。
慌てて彼を抱きとめると、二人の上半身が密着して粘ついた体液が水上の腹についた。
すぐ耳元にある喉からは喘ぎとも呻きともつかないか細い声が出ている。低くねっとりと甘いそれは、遂情で失せた欲望を呼び覚ますには十分で、水上は考えるより先に隠岐の身体を引き離した。
掛けていたベッドの中央に彼を座らせる。ぐったり弛緩した身体を安定させるのは難しかったので、着地した臀部からそのまま腰、背中、肩と横たえた。自身に装着していたスキンを外し、ティッシュペーパーに包んでごみ箱に捨てる。再びティッシュボックスに手を伸ばして、何枚か取り出す。
1107慌てて彼を抱きとめると、二人の上半身が密着して粘ついた体液が水上の腹についた。
すぐ耳元にある喉からは喘ぎとも呻きともつかないか細い声が出ている。低くねっとりと甘いそれは、遂情で失せた欲望を呼び覚ますには十分で、水上は考えるより先に隠岐の身体を引き離した。
掛けていたベッドの中央に彼を座らせる。ぐったり弛緩した身体を安定させるのは難しかったので、着地した臀部からそのまま腰、背中、肩と横たえた。自身に装着していたスキンを外し、ティッシュペーパーに包んでごみ箱に捨てる。再びティッシュボックスに手を伸ばして、何枚か取り出す。
palco_WT
DONEイコさんとみずかみんぐ。遠征を控えたとある日のこと。「通りゃんせ」毒を喰らわば皿まで言うやん。
遠征へ志願した理由を、彼はそんな風に言った。
やっぱ俺らもついていったほうがええんですかね、と隠岐は言い、一度くらい近界を見てみたいですよね、と海などはUSJにでも行くくらいのトーンだった。覚悟あらへんのやったらやめとき、と細井は一喝したが。
その覚悟を表すかのように、その日、水上だけが残った作戦室にやってきた生駒の手には、一本の日本刀が携えられていた。
「おう、まだおったのか」
「ちょっと見ておきたいデータがあったんで。それ、どないしたんですか」
「ああ、これか。許可取ってきた。遠征艇に持ち込めるか、上層部に。近界で殺り合っとる最中に、万が一トリオンが切れたり、換装体が廃棄されてもうても足掻く手段のひとつも持っときたいしな」
2693遠征へ志願した理由を、彼はそんな風に言った。
やっぱ俺らもついていったほうがええんですかね、と隠岐は言い、一度くらい近界を見てみたいですよね、と海などはUSJにでも行くくらいのトーンだった。覚悟あらへんのやったらやめとき、と細井は一喝したが。
その覚悟を表すかのように、その日、水上だけが残った作戦室にやってきた生駒の手には、一本の日本刀が携えられていた。
「おう、まだおったのか」
「ちょっと見ておきたいデータがあったんで。それ、どないしたんですか」
「ああ、これか。許可取ってきた。遠征艇に持ち込めるか、上層部に。近界で殺り合っとる最中に、万が一トリオンが切れたり、換装体が廃棄されてもうても足掻く手段のひとつも持っときたいしな」
_KosM
DOODLE #本日のらくがき_KosM 時間なくてホントにらくがきですが、ねこの日。このお題(※)からどう迷走するとこの着地点になるのか、水上が一番知りたい。(※)「マタタビ酒で酔っ払って甲ちゃんに膝枕されながら喉鳴らしている猫ばきくん」「猫耳猫しっぽはばきで」 2
palco_WT
MAIKINGトリガーエラーでベイルアウトできなくなったり何だりで取り合えずはぐれたこどもを保護してホームセンターに立てこも(ってさりげなくいちゃいちゃして)る水上と王子(だいたいミストとパニックマーケットとゲームのほうのデッドライジングのせい)
「大丈夫や。兄ちゃんたちが必ずうちに坊主を返したる」
「みずかみんぐ……っ」
トリガー解除した水上に息を呑んだ王子に、彼は構うな、と目だけで制する。
「人の体温は落ち着くからのう」
それでも尚ぐずるこどもの指先を、水上の掌が柔らかく握る。その指先はこどもの高めの体温を伴っているはずなのに、ひんやりとしていて痛ましかった。
「……♪」
軽く咳払いした水上の唇から流れたのは、低く落ち着いた、少しだけ時折つっかえているのがむしろ微笑ましい歌声だった。初めて耳にする水上の歌声に目をぱちぱちとさせた王子も、おそらくは彼らよりも年かさの人間も親しんできたであろう絵本を原作としたアニメの主題歌だ。テンポはあやすようなゆったりとしたアダージョ。王子も水上の歌声に重ねるように柔らかい声で、元気と勇気を携えた子供たちのヒーローの歌を口ずさむ。
1098「みずかみんぐ……っ」
トリガー解除した水上に息を呑んだ王子に、彼は構うな、と目だけで制する。
「人の体温は落ち着くからのう」
それでも尚ぐずるこどもの指先を、水上の掌が柔らかく握る。その指先はこどもの高めの体温を伴っているはずなのに、ひんやりとしていて痛ましかった。
「……♪」
軽く咳払いした水上の唇から流れたのは、低く落ち着いた、少しだけ時折つっかえているのがむしろ微笑ましい歌声だった。初めて耳にする水上の歌声に目をぱちぱちとさせた王子も、おそらくは彼らよりも年かさの人間も親しんできたであろう絵本を原作としたアニメの主題歌だ。テンポはあやすようなゆったりとしたアダージョ。王子も水上の歌声に重ねるように柔らかい声で、元気と勇気を携えた子供たちのヒーローの歌を口ずさむ。
_KosM
MAIKING #本日のらくがき_KosM 「セクシーって何なんだ!?」と迷走し続ける自分が一周まわって楽しくなってきた水上です(夜中テンション)。明日になったらイチから考え直すかも。こういうBLの表紙あるよな…と思ったけどセンセイはなんでだかバックハグのイメージが。下書きの線多いな水上。
palco_WT
MAIKINGフィルター みんぐと王子と。新書メーカーでTwitterにあげたやつ。https://twitter.com/palco87/status/1337402360893587456災害や内乱などで壊れ、復興しかけた場所を、ずっと撮って回っているのだと彼は言った。それこそ世界各地を。
もし行けるなら、近界だっけ、向こうの世界もフィルムに収めてみたいな、と子どもみたいな笑顔で男は笑った。
壊れかけ、修復のまだただなかにある風景で、そこで生きていく人たちの姿を、一枚の銀塩に写し取る。三門市までやってきた男が、そのモデルに選んだうちのひとりは、意外なことに水上だった。
風が吹き、春の予感をはらんだほのかな温もりをともなった風が、ばさばさと屋上に佇み、警戒区域を見下ろす水上のバッグワームをはためかせる。本来、トリオンではない物理法則の影響を受けないバッグワームが風に揺れるのは、それが換装体ではなく、生身に隊服をまとい、更にバッグワームを模したマントを羽織っているからだった。
「なんで、彼なんですか」
「色気かな」
「色気?」
「そう。一秒後には自分を害してしまいそうな危うさって言ったらいいのかな。不意に気まぐれで、線路やビルの屋上から飛び降りてしまいそうな」
「確かに、ぼくたちの防衛任務《しごと》はとてもじゃないが安全というものではありませんが、彼はそこまで捨て 931
palco_WT
DONE弓場ちゃんと王子。愛はないが情はある。王子は水上と関係があるし、弓場と神田も何かあるかもしれません。まあありますね。べったーに置いたのを持ってきました。
夢の途中ぼくはいつかあなたの元を離れると思います。だから、もし、いつか作るぼくの隊が、あなたの隊をランク戦で抜くことが出来たら、ぼくの願いをひとつだけ叶えて貰えますか。弓場先輩しか叶えられないお願いです。それは……。
そんなやりとりをしたのは、王子が弓場隊に入隊した直後のこと。まだ、弓場が六頴館の制服に袖を通して、王子が中学の制服を身につけていた春のこと。
「あなたは最愛の腹心である神田を手放した上に、神田と同じ隊員だったぼくと寝るんだ。とてつもない罪悪感で死にそうなくらいじゃないんですか。後悔してませんか、あんな約束するんじゃなかったって」
「ふざけんなよ、王子」
シティホテルの一室で、熱いシャワーに当たって色白の肌を上気の色に染めて見上げる王子を、ベッドにむっつりとした顔で座り込んだ弓場がねめつける。
1506そんなやりとりをしたのは、王子が弓場隊に入隊した直後のこと。まだ、弓場が六頴館の制服に袖を通して、王子が中学の制服を身につけていた春のこと。
「あなたは最愛の腹心である神田を手放した上に、神田と同じ隊員だったぼくと寝るんだ。とてつもない罪悪感で死にそうなくらいじゃないんですか。後悔してませんか、あんな約束するんじゃなかったって」
「ふざけんなよ、王子」
シティホテルの一室で、熱いシャワーに当たって色白の肌を上気の色に染めて見上げる王子を、ベッドにむっつりとした顔で座り込んだ弓場がねめつける。