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    水上

    palco_WT

    PROGRESS冬コミ新刊の水王の、水上の過去の捏造設定こんな感じ。
    まあそれでも入会金十万円+月一万余出してくれるんだからありがてえよな……(ワが2013年設定だとたぶんんぐが小学生で奨励会にあがったとしてギリギリこの制度になってるはず。その前はまとめて払ってダメだったら返金されるシステム)
    実際、活躍してるプロ棋士のご両親、弁護士だったり両親ともに大学教授だったり老舗の板前だったりするもんね……
    「ん、これ、天然モンやで」
     黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
     A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
    「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
     彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
    1983

    i_hakumei

    SPUR MEおっパブで働く蔵っちと水上の謎パロ。水蔵と言い張っていますが恋愛色はほぼ無いです。
    おっパブの蔵内君 人生何があるかなんてわかったもんじゃないと言うが、それにしたってこれは、わかっていた方が怖い類いの出来事だな、と水上は天を仰いだ。頭上では黒い天井に高級ホテルのラウンジにでもありそうなシャンデリアが橙色に光っている。全体的に薄暗い店内は席ごとに四角く区切られており、そのうちの一角で水上はバレないよう気をつかいつつ小さな溜め息をこぼした。水上と同じブースには、彼の他に、初対面の男性二人と、今日ここに自分を連れてきた職場の上司が座っており、男四人でビールとつまみではなく、見るからにお洒落そうなカクテルやフルーツの盛り合わせを囲んでいる絵面は、はっきり言って相当シュールだった。そのうち二人はこの店側のキャストというのがより混沌を極めている。まるでホストクラブのような雰囲気、というかまさしくそうで、もっと正しく言うならば、この店はセクキャバ……より性的なサービスをウリとしたキャバクラ……つまり、おっぱいパブ(通称おっパブ)の男性版だった。要は客が酒を飲みながら男性キャストとお喋りしつつ、胸を揉ませてもらう店というわけである。なんで俺がこんな魔境に……と入店早々虚無の境地に達した水上は、出された酒を気つけ薬代わりに口にすると、テーブルを挟んで向かいに座る職場の上司をじろっと見た。水上をこの店に連れてきた張本人は、すでに自分の横に座るキャスト相手に歓談をはじめていて、水上のことなど眼中に無いようである。くっそー、こいつ、こんなよぉわからん店に人を引っ張ってきておきながら一人鼻の下伸ばしやがって、と内心上司をなじりつつ、そのまま酒を呷る。すると自分の隣に座っていた男が、「酒はあまり一気に飲まない方がいいですよ」と酒を飲ませて酔わせてなんぼの店のキャストらしからぬことを言い出した。
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    palco_WT

    MOURNINGさよなら大好きなひと

    三門市を出ていく水上と残されるおーじちゃん♀
    プロットとして手を入れていたんですが、書き上げる棋力じゃないや気力がなさそうなので。
     うっすらと予感みたいなものはあった。
     イコさんが大学卒業と同時に実家へと戻り、当然ながら生駒隊が解散することになって―水上隊として再編するかという話もあったがそれは当人が断り、現在はオッキーと海くんは別の隊に所属して生駒隊で磨いたその腕を存分にふるっている―、遠からず彼もこの街から去ることになるのではないかという予感。
     当たらなくても良かったのに、と王子は、すまん、と膝を正して畳に額をこすりつけるようにして土下座をする赤茶けたブロッコリーをただ見やるしかできなかった。
     水上もボーダーを辞めて、三門市を出ていくのだと言う。まるでかつての隊長の背を追うように。
     トリオンの減衰なんていう、ごくごくあり触れたつまらない理由で。
    「使いものにならへん駒は駒台にかて不相応や」

    →ちょっと前に時間戻る。
     王子隊作戦室:作戦会議が終わって。
    「ぼくとみずかみんぐってどういう関係に見える?」
    「どういう関係も何も恋人同士だろ」
     麗しの隊長の問いに、何を今更とばかりに呆れたというよりは怪訝そうに蔵内は告げた。
     一週間の大半を彼の部屋で暮らし、キスやハグをしている姿もキャンパスで見かけてい 2210

    sakatori

    MEMOWT 王子+水上
    アクスタ企画用に書いた小話の再録です。猫華さんにリクエストした「二学期を迎えた王子と水上」を拝見して浮かんだイメージを文章化しました。
    管理の都合で水王タグをつけていますが、この小話の二人はCPなしでも水王でも王水でも解釈はご自由に。
    素晴らしき元ネタ: https://www.pixiv.net/artworks/86579465 の5枚目
    (全体公開 2021年4月24日)
    アクスタ企画用王子+水上「ほんまに秋なんか」
     汗で湿っているせいかボリュームダウンした髪の毛をかき上げて水上が呟く。天気予報では心地よい秋晴れと言っていたが実際はこの夏日だ。
     アスファルトから立ち上る揺らめきを忌々しげに眺めていると、額を流れる汗が目に入った。その痛みに思わず両目を閉じて目頭を押さえる。
     ふっと隣から笑い声が聞こえた。眼球だけを動かして声の主を探すと、王子が涼しげな表情で微笑んでいた。
     この酷暑の中でも王子の表情は変わらない。もしかして換装体でいるのかと疑うほどに。ただ、髪の毛はプールから上がったばかりみたいにしっとり濡れていたが。
    「まあ、ね。暦の上ではというやつだよ」
     王子は歩きながらスクールバッグから清涼飲料水を取り出してラッパ飲みした。この男は容姿が整っているから何をしても様になるのだが、これは随分と行儀が悪い。
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    palco_WT

    MAIKINGフィルター みんぐと王子と。
    新書メーカーでTwitterにあげたやつ。https://twitter.com/palco87/status/1337402360893587456
    災害や内乱などで壊れ、復興しかけた場所を、ずっと撮って回っているのだと彼は言った。それこそ世界各地を。
     もし行けるなら、近界だっけ、向こうの世界もフィルムに収めてみたいな、と子どもみたいな笑顔で男は笑った。
     壊れかけ、修復のまだただなかにある風景で、そこで生きていく人たちの姿を、一枚の銀塩に写し取る。三門市までやってきた男が、そのモデルに選んだうちのひとりは、意外なことに水上だった。


     風が吹き、春の予感をはらんだほのかな温もりをともなった風が、ばさばさと屋上に佇み、警戒区域を見下ろす水上のバッグワームをはためかせる。本来、トリオンではない物理法則の影響を受けないバッグワームが風に揺れるのは、それが換装体ではなく、生身に隊服をまとい、更にバッグワームを模したマントを羽織っているからだった。
    「なんで、彼なんですか」
    「色気かな」
    「色気?」
    「そう。一秒後には自分を害してしまいそうな危うさって言ったらいいのかな。不意に気まぐれで、線路やビルの屋上から飛び降りてしまいそうな」
    「確かに、ぼくたちの防衛任務《しごと》はとてもじゃないが安全というものではありませんが、彼はそこまで捨て 931