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    水上

    wtiaiiaio

    DONE水上と漆間が購買のパンをめぐりすったもんだする話その1~3。作品全体の傾向としては前半ギャグ、中盤しんみり、最終的に青春ぽい仕上がりとなっています。【※水上が公衆の面前で金的される場面があります】なんでもどんと来いな方、良かったら読んでください。

    ・金的から始まるパン抗争
    ・穂刈は見た!
    ・敏志、教頭に怒られる

    ※2013年の設定です。25巻までの情報で書いています。
    よろしくお願いします~。
    六月のパン食い競争 その1~3漆間、襲来 12時50分、水上敏志は猛スピードで廊下を歩いていた。あくまで"廊下を走らない体"を装っているのは、ここが学校であり、彼が三門市立第一高校の一生徒にすぎないからだ。ボーダー隊員の肩書はいまは通用しない。廊下を走っても怒られないのは有事の時だけだろう──などと考えつつ、1階最奥の購買部をめざす。これは4時間目の授業が終わったあとの日課であり、彼は日々の昼食をここで調達している。

     ガラガラ、ダンッ。

     勢いよく戸を開け放つと、思いのほか大きな音が響いた。室内には20名ほど先客がおり、その目が一斉に水上の方を向く。「すんません」と小声でわびつつ猫背気味に入室すると、さっそく中央のガラスケースを注視する。
    6241

    palco_WT

    PROGRESS冬コミ新刊の水王の、水上の過去の捏造設定こんな感じ。
    まあそれでも入会金十万円+月一万余出してくれるんだからありがてえよな……(ワが2013年設定だとたぶんんぐが小学生で奨励会にあがったとしてギリギリこの制度になってるはず。その前はまとめて払ってダメだったら返金されるシステム)
    実際、活躍してるプロ棋士のご両親、弁護士だったり両親ともに大学教授だったり老舗の板前だったりするもんね……
    「ん、これ、天然モンやで」
     黄昏を溶かしこんだような色合いの、ふさふさした髪の毛の先を引っ張りながら告げる。
     A5サイズのその雑誌の、カラーページには長机に並べられた将棋盤を前に、誇らしげに、或いは照れくさそうに賞状を掲げた小学生らしき年頃の少年少女が何人か映っていた。第〇〇回ブルースター杯小学生名人戦、とアオリの文字も晴れやかな特集の、最後の写真には丸めた賞状らしき紙とトロフィーを抱えた三白眼気味の、ひょろりと背の高い男の子と、優勝:みずかみさとしくん(大阪府代表/唐綿小学校・五年生)との注釈があった。
    「でも黒いやん、こん時」と生駒が指摘する。
     彼の言葉通り、もっさりとボリュームたっぷりの髪の毛は今のような赤毛ではなく、この国にあってはまずまずありがちな黒い色をしていた。
    1983

    i_hakumei

    SPUR MEおっパブで働く蔵っちと水上の謎パロ。水蔵と言い張っていますが恋愛色はほぼ無いです。
    おっパブの蔵内君 人生何があるかなんてわかったもんじゃないと言うが、それにしたってこれは、わかっていた方が怖い類いの出来事だな、と水上は天を仰いだ。頭上では黒い天井に高級ホテルのラウンジにでもありそうなシャンデリアが橙色に光っている。全体的に薄暗い店内は席ごとに四角く区切られており、そのうちの一角で水上はバレないよう気をつかいつつ小さな溜め息をこぼした。水上と同じブースには、彼の他に、初対面の男性二人と、今日ここに自分を連れてきた職場の上司が座っており、男四人でビールとつまみではなく、見るからにお洒落そうなカクテルやフルーツの盛り合わせを囲んでいる絵面は、はっきり言って相当シュールだった。そのうち二人はこの店側のキャストというのがより混沌を極めている。まるでホストクラブのような雰囲気、というかまさしくそうで、もっと正しく言うならば、この店はセクキャバ……より性的なサービスをウリとしたキャバクラ……つまり、おっぱいパブ(通称おっパブ)の男性版だった。要は客が酒を飲みながら男性キャストとお喋りしつつ、胸を揉ませてもらう店というわけである。なんで俺がこんな魔境に……と入店早々虚無の境地に達した水上は、出された酒を気つけ薬代わりに口にすると、テーブルを挟んで向かいに座る職場の上司をじろっと見た。水上をこの店に連れてきた張本人は、すでに自分の横に座るキャスト相手に歓談をはじめていて、水上のことなど眼中に無いようである。くっそー、こいつ、こんなよぉわからん店に人を引っ張ってきておきながら一人鼻の下伸ばしやがって、と内心上司をなじりつつ、そのまま酒を呷る。すると自分の隣に座っていた男が、「酒はあまり一気に飲まない方がいいですよ」と酒を飲ませて酔わせてなんぼの店のキャストらしからぬことを言い出した。
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