Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    独占欲

    kotoha_654

    MOURNINGsgapのヒューキャで、二人の少し未来を想像。
    ヒューの補佐的ポジションになったキャットが、ヒューのお供で王城の会議にお出かけ。落ち着きを持つようになったキャットに対して、ヒューがやきもきしつつ独占欲丸出しです。
    フォロワー様と話してて生まれたお話になります。
    悪い虫廊下の先にあるホールに見知った銀灰色の髪をした後ろ姿を見つけたヒューは、声をかけるべく足を早めた。しかし銀灰色の髪をしたその人物、キャットの隣にはホールの柱が死角になっていて視界に入らなかったが、見知らぬ男がいた。

    ヒューは、一瞬にして不愉快な気持ちになる。
    (なんだ、あいつ…)

    ヒューとキャットは会議に参加するために王城へと来ていたところだ。銀砂糖子爵の補佐となっているキャットは普段は来る必要はないが、今回は要請があったため共に赴いていた。会議後、国王陛下に拝謁する予定のあったヒューは、キャットに待つよう伝えて部屋をあとにしたわけだ。

    そして戻ってきたヒューは、キャットの隣の男が誰なのか思い出そうと頭を巡らせた。確かに先程の会議で、父である伯爵に付き従い同席していた、その子息だったはずだ。年若くまだ家督を継ぐような年齢ではない。ほんの社会勉強として参加したのだろう。
    2876

    朝霧つばき

    DOODLEプエラ・アメリア号がもにょもにょ…………の気持ちが抜けないのでらくがき。沈没から後の話でタイムリバーサーが起動するよりも前の話。

    案外、祖父は独占欲が強い人だったのかもしれない。
    自分のことをあまり話さなかった祖父の話 私の家はいわゆる成金というもので、お父さんの事業が上手くいってお金持ちになれたのだ。
    「どうしてそんなにお仕事たくさんがんばるの?」
     小さい頃の私はお父さんといられる時間が少ないことに悲しみ、両親に何度もそう聞いたのを覚えている。
    「お金がないよりあったほうがいいだろう?」
     お父さんはそう言った。
    「家族のためなのよ」
     お母さんはそう言った。お父さんと一緒にいる時間が少ないのは悲しいけど、家族のためなら仕方ない。お金があったほうがいいのは当時はよくわからなかったけど、お父さんがそういうならそうなんだろうと納得した。
     子供の私から見ても両親は仲が良く、二人が喧嘩したところはあまり見たことがなかった。だから、二人の喧嘩はよく覚えてる。喧嘩の理由はいつも決まって同じこと。おじいちゃんが持ってるらしい何かをどうして売らないのか、という、私にはちんぷんかんぷんなことだ。お父さんはいつも「あれは相当な金になるんだぞ」と言い、お母さんは「あれはお父さんの宝物なのよ」「お父さんがどこに隠してるかなんてしらないわ」と言っていた。
    4766