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    番外編

    🐾🐾🐾

    DOODLE誕生日のフォロワーさんにささげた作品です。
    💙💜♀/王子様シリーズ番外編です。
    王子様、プールへ行く 落ち着かない気持ちをお気に入りのイラストを見て平然を保ちながら高鳴る心臓を抑え、目的の相手をプールサイドで待つ。映えを目的にしている場所だからスマホの持ち込みも可能で本当に助かった。無心でスマホをスクロールしてイラストを見ていくが何も頭に入ってこない。お気に入りのイラストたちでいつも見ればテンション上がって声を出してしまうほどだというのに、この後来る大イベントが僕の心を躍ってしまう。
     夏休みに入る1週間前、やっとの思いで交換した連絡先に震える手で文字を打つ。同じクラスの友人、ヴォックスが抽選で手に入れたナイトプールのチケットを僕のために譲ってくれたのだ。これで最近アタックしている子を誘うようにと背中を押され、勇気を出して誘ってみるとOKという言葉と共にゆるくて可愛らしいスタンプを押されて返ってきた。近隣住民に聞こえるのではないかというくらい大きな声であげた喜びと盛大なガッツポーズをして、嬉しさのあまりにカレンダーに書き込んだら母親にニヤニヤしながら誰と行くのかと聞かれてしまった。もらったチケットは来週開店予定のプールでその前に5組10名だけ招待された。本来ヴォックスの知り合いが行く予定だったらしいが出張が入ってしまった為、回り回ってヴォックスのところまで来たらしい。入場条件をみたヴォックスは自分ではいけないからと僕にその招待券をくれたのだ。入場条件というのが「カップル」であること。僕はその券を見た瞬間眉を顰めたが、ヴォックスにこれはチャンスなんだと言い聞かされた。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール番外編
    フォーチュンドール3章番外編ここは蛇を崇拝する者たちの住む村、先祖代々蛇を崇拝している。蛇神様からかなり恩恵を受けており、村では争いごとも少なく、作物も不良になることもなく、村の人たちはみな美男美女である。そんな村では、蛇神様からパートナーとなる蛇を授かることもあり、それが決まるのは村で生まれた子が3歳になるまでに蛇神様からの手紙が届くのだという。その手紙には選ばれた子が3歳になったら、蛇の教会に赴くことが書かれているようだ。そしてある年にその蛇を授かる儀式が行われた。選ばれたのは鶴花という女の子であるが、一つイレギュラーが発生していた。本来、一つ前の年に来るはずだった、兄である誉が4歳でこの蛇の教会に入るという。まぁ、一年ずれたとことで特に問題はないのだが、ビビりな鶴花はなかなか教会の中に入ろうとしないのである。そこで、誉が鶴花の手を取り、お兄ちゃんから離れるんじゃないぞと言わんばかりに固く手を握り、教会の中に入っていく。教会の中は薄暗く、今にも泣きだしそうな鶴花は誉の右腕にしがみつき、誉は歩きにくそうに前に進んだ。そして、教会の中の広くいくつかの廊下につながっている部屋にたどり着くと、壁にかかっているいくつものろうそくの火でその部屋が照らされている。いくつもある廊下の向こうから大量の大蛇が顔をのぞかせ、目を光らせると、兄妹は2人とも目を見開き、硬直した。先に動いたのは鶴花である。鶴花は誉の腕から手を放し、大泣きして来た道を戻り、教会の外に逃げてしまったのである。一方、誉は目を輝かせ、一番近くの蛇に挨拶し、戯れる。ある程度戯れたら次の蛇、またある程度戯れたら次の蛇、次から次へと挨拶を繰り返し、そして、ある蛇と目が合うと時間が止まる。誉はこの蛇に間違えないと運命を感じ、手を伸ばす。その蛇、呪いの大蛇もそれに答えるように尻尾を差し出した。これが彼らの出会いである。その後、誉には鶴化に託すはずだった蛇壺を持たせ、呪いの大蛇とともに教会から出るのであった。その日の夜、誉は疲れからか呪いの大蛇に包まれながらぐっすりと寝ていたという。しかし、この後、人間の子育てに慣れた呪いの大蛇でも想像がつかないほどの子に誉は育つのである。
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    ゆるか

    PROGRESSとある考古学者の話の番外編です。
    そういえば以前相互さん宛にちょこっと書いたのを思い出しました。よろしければお口直しにどうぞ。(お口直しになるかな…?)
    ダミアニャ成長if。
    とある考古学者の話・番外編 ある日の考古学者の話 二一時三〇分バーリント駅。到着した汽車から一人の男が降り立った。その男はセル巻き眼鏡を外し、上着のポケットに忍ばせると、行儀良く締められたネクタイを緩め、ワイシャツの第一ボタンを外した。後ろに撫でつけた髪をくしゃりと乱し、大きく息を吐き出す。時計を確認し、スーツケースを引っ張りながら改札に向かい歩き出す。オスタニア大学助教授であるダミアン・デズモンドは学会に出席する為に地方に赴いていた。そのまま現地の発掘調査に参加し、本日ようやく帰って来たところである。
    (もうニ週間もアーニャに会ってない……)
     毎日仕事に忙殺されていた為、電話も四日前にかけたのが最後だ。せめて一目会えないだろうか。今から訪ねればまだ起きているだろう。駅前でタクシーを拾い向かえば、二十分程でアーニャが住むアパートに着く。ダミアンはタクシーを捕まえる為、ロータリーに出た。そこに停車している一台のリムジンを見て、小さく舌打ちした。後部座席の窓が音もなく開き、顔を出したのはダミアンの兄であるデミトリアスだった。
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