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    カップリング

    片桐朝日

    DONE■黒トリガーになった東さんを持って二宮さんがプチ逃避行に行く話
    ■東二かも知れないし東二未満かもしれません、描写少な目
    ■二宮さんもあまり無事じゃなさそうかもしれません
    ■カップリング小説というよりは二宮さんについてのお話という感じ

    初出:2017年3月14日
    レーゾンデートルの駒【東二】 黒トリガーになった東さんと少しの現金、必要な手荷物だけ持って飛び乗った電車は南へ向かった。
     平日の昼下がりの車内は疎らな人影しかなく、俺は悠々と二人掛けの座席に座る。三門市に通っている中でも最も古いこの路線は、未だに車内に改札機の死骸が設置されている。
     窓から差し込む陽射しは暖かく、空気のこもる車内では少し暑いくらいだった。シャツのボタンを一つ開けて息を吐き、ポケットから東さんの黒トリガーを取り出す。窓辺の荷物置きに置いてみれば、それは陽の光を反射することもない。ただ冴え冴えと黒い姿がそこにあった。



     現ボーダーの設立からもう何年経ったのか、以前は三門市を防衛することで手一杯だったその戦力は順調に拡充され、今では毎月近界への遠征を行っている。鳩原の隊務違反で長らく選抜候補に入れなかった俺たちも、その戦力を必要とされ遠征に駆り出されている。
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