ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0306「つくりばなし」で参加です。チェズのつくりばなしに思うところのあるモさんの話。チェズレイは詐欺師だ――
「モクマさん」
――詐欺師は9割の真実に1割の嘘を混ぜて口に乗せるんです。嘘は相手が好むものであればあるほど良い。愚か者は1割の嘘が毒とも知らず悦び食いつき、毒が回った頃には『わたし』も愚か者の財も消えている。
「モクマさん、聞こえてますか?」
「……ん、ああ、すまんすまん」
モクマは相対する相棒の強い口調の声に意識を戻された。前を向けばチェズレイの眉目秀麗な顔が映る。寄せられた柳眉と吊り上がった目尻。嵌め込まれた紫水晶には陰りが見える。批難と心配と不安の色がマーブル模様を描いていた。
「何の話だっけ?」
おどけた顔で小首を傾げてみせる。
チェズレイは、はあと溜め息を吐き出した。
2467「モクマさん」
――詐欺師は9割の真実に1割の嘘を混ぜて口に乗せるんです。嘘は相手が好むものであればあるほど良い。愚か者は1割の嘘が毒とも知らず悦び食いつき、毒が回った頃には『わたし』も愚か者の財も消えている。
「モクマさん、聞こえてますか?」
「……ん、ああ、すまんすまん」
モクマは相対する相棒の強い口調の声に意識を戻された。前を向けばチェズレイの眉目秀麗な顔が映る。寄せられた柳眉と吊り上がった目尻。嵌め込まれた紫水晶には陰りが見える。批難と心配と不安の色がマーブル模様を描いていた。
「何の話だっけ?」
おどけた顔で小首を傾げてみせる。
チェズレイは、はあと溜め息を吐き出した。
みるぐる
REHABILI初めてのモクチェズがこれでいいのか。下品かつモっさんが不憫なのでポイピクにワンクッションで置いておきます…。
片手で日常の何てことない動作をしながら、もう片手でえろいことをするシチュって燃えません?私だけか。
nochimma
TRAINING練習モクチェズ 酔っ払いのバルコニーのひそひそおしゃべりと彼の宝物について 窓いっぱいに広がった分厚い遮光カーテンのゆったり波打つひだが、一部だけ不揃いに身を寄せ合っているのが謎解きのヒントだった。
「ここにいたのかい」
「――あァ、モクマさん。なんだか、身体が火照ってしまって。すこし、夜風にあたろうかと……」
布をかき分けて重い掃き出し窓を開くと、期待通りに相棒はそこにいてくれてほっと胸を撫で下ろす。二階建てのセーフハウスのバルコニーは白いタイルが敷き詰められて広く、呼び声に首だけで振り向いた相棒は、鉄製の胸よりすこし低い場所にある手すりに身体をすっかりとあずけて……預けすぎて随分と前のめりに傾斜してしまっている。こっちを見た瞳も、声も、おなじくらいに骨のないぐにゃぐにゃの形をしていた。
6611「ここにいたのかい」
「――あァ、モクマさん。なんだか、身体が火照ってしまって。すこし、夜風にあたろうかと……」
布をかき分けて重い掃き出し窓を開くと、期待通りに相棒はそこにいてくれてほっと胸を撫で下ろす。二階建てのセーフハウスのバルコニーは白いタイルが敷き詰められて広く、呼び声に首だけで振り向いた相棒は、鉄製の胸よりすこし低い場所にある手すりに身体をすっかりとあずけて……預けすぎて随分と前のめりに傾斜してしまっている。こっちを見た瞳も、声も、おなじくらいに骨のないぐにゃぐにゃの形をしていた。
verderven
DONEチェの白黒だった世界に色を教えたのが、白でも黒でもない灰色の男モじさんだったらいいなという話灰に濁る――曖昧な男だと思った。
白でも黒とも判別できず、見る角度によってもそのさまを変える。しかし「どちらつかずで半端だ」と断じるには早計に感じる、不可思議で曖昧な男だと思った。境界もなく混ざり合い、ひどく流動的で、掴まえようにも指の隙間からすり抜けていく。そのくせ常に周りに漂い、戯れるように腕の中へ招かれる軽薄さもあるのだから、気が散って仕方がない。やがてそれは確かな濁りに成った。どこにいても、何をしていても、視界の端にその姿をとらえてしまう。そのようにさせられた自分自身にさえ腹立たしくて更に濁りが渦巻き、吐きそうなほどの衝動が腹で煮えた。頭痛がする。左目が灼かれるほどに熱い。その一挙一動全てが癪に障る。私の幻影を想起させて、心が大きく波打った。そんなことは、許されないのに。私の心はもう二度と騒がされたりしないはずなのに。あの幻影を引き裂いてやるまで、決して。許されてはいけないはずなのだから。
2337白でも黒とも判別できず、見る角度によってもそのさまを変える。しかし「どちらつかずで半端だ」と断じるには早計に感じる、不可思議で曖昧な男だと思った。境界もなく混ざり合い、ひどく流動的で、掴まえようにも指の隙間からすり抜けていく。そのくせ常に周りに漂い、戯れるように腕の中へ招かれる軽薄さもあるのだから、気が散って仕方がない。やがてそれは確かな濁りに成った。どこにいても、何をしていても、視界の端にその姿をとらえてしまう。そのようにさせられた自分自身にさえ腹立たしくて更に濁りが渦巻き、吐きそうなほどの衝動が腹で煮えた。頭痛がする。左目が灼かれるほどに熱い。その一挙一動全てが癪に障る。私の幻影を想起させて、心が大きく波打った。そんなことは、許されないのに。私の心はもう二度と騒がされたりしないはずなのに。あの幻影を引き裂いてやるまで、決して。許されてはいけないはずなのだから。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「猫」 ほんのかすかな頭皮への刺激は、タブレットに集中していた意識を引き戻すには十分だった。
ベッドのヘッドボードにふかふかのクッションを立てかけて、起こした腰を支えて、伸ばした脚は掛け布団の中に。
こんな半分寝ながらみたいな格好で仕事をするの、昔だったら公私混同って眉をひそめていたかもしれない。けれど今はすっかり慣れてしまった。どころか……、
「ふふ、なんですか。構ってほしい?」
視線を落として、長い髪のしっぽにじゃれつく男にうすく笑む。
……慣れてしまったどころか、同じ寝台に他人を入れて眠るなんて、数年前の自分が見たら卒倒ものだ。
そんな風にチェズレイを変えたのは、当然この男。甚平の紐は何回言っても雑な結びで、ゆるんだ胸元を布団の合間からちらつかせながら、厚い指の腹が愛おしげに毛先の上を何度も滑っている。横向きに寝転んで、こちらを見る下がった目尻が、眠たい猫みたいに細くなった。
2398ベッドのヘッドボードにふかふかのクッションを立てかけて、起こした腰を支えて、伸ばした脚は掛け布団の中に。
こんな半分寝ながらみたいな格好で仕事をするの、昔だったら公私混同って眉をひそめていたかもしれない。けれど今はすっかり慣れてしまった。どころか……、
「ふふ、なんですか。構ってほしい?」
視線を落として、長い髪のしっぽにじゃれつく男にうすく笑む。
……慣れてしまったどころか、同じ寝台に他人を入れて眠るなんて、数年前の自分が見たら卒倒ものだ。
そんな風にチェズレイを変えたのは、当然この男。甚平の紐は何回言っても雑な結びで、ゆるんだ胸元を布団の合間からちらつかせながら、厚い指の腹が愛おしげに毛先の上を何度も滑っている。横向きに寝転んで、こちらを見る下がった目尻が、眠たい猫みたいに細くなった。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0220「猫」「手作り」で参加です。モさんのオリガミアートに興味津々のチェ。
(ふむ……)
コーヒーのおかわりを用意するつもりでリビングへ下りた私は、机に向かうモクマさんの背中を見つけた。忙しなく手が動いている。書き物かと思いながら手元が見える位置へ歩き進めた。
モクマさんが下手な鼻歌を奏でながら千切ったメモ用紙を三角形に折っている。
太く逞しい指が紙の上を滑る。三角形の両端を内側に折って台形へ。その端をまた外側に折る。
(あァ、耳か)
四隅の角を折り込んでひっくり返せば、カクカクしているものの動物の顔に見えた。
「〜〜にん、じゃじゃーん♪」
モクマさんの鼻歌はハミングから完全に歌唱へと移り変わっていた。
完成したのかと思いきや、モクマさんはメモパッドに備え付いている黒のボールペンを握り出した。
1727コーヒーのおかわりを用意するつもりでリビングへ下りた私は、机に向かうモクマさんの背中を見つけた。忙しなく手が動いている。書き物かと思いながら手元が見える位置へ歩き進めた。
モクマさんが下手な鼻歌を奏でながら千切ったメモ用紙を三角形に折っている。
太く逞しい指が紙の上を滑る。三角形の両端を内側に折って台形へ。その端をまた外側に折る。
(あァ、耳か)
四隅の角を折り込んでひっくり返せば、カクカクしているものの動物の顔に見えた。
「〜〜にん、じゃじゃーん♪」
モクマさんの鼻歌はハミングから完全に歌唱へと移り変わっていた。
完成したのかと思いきや、モクマさんはメモパッドに備え付いている黒のボールペンを握り出した。
yukishio_bmb
INFO2/20頒布新刊 「幸福論」 サンプルモクチェズ南国本(R18)のサンプルです。
前半部分(12月に忍恋2にて公開したもの)と後半(初夜)の冒頭数ページです。
全体的に甘めです。モク母捏造しています。 25
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0213「甘味」で参加です。モクチェズ初めてのバレンタイン、と言っていいのかなコレ。
※大祭KAGURA後、ミカグラ島を発つ前
モクマの退院は「大祭KAGURAから数週間後」なので大祭KAGURAを1月末開催とし、バレンタインの時はまだ入院中と仮定してます
『恋の味 確かめてみて』
「お?」
テレビから聴こえてきた馴染みある声にモクマは食いついた。
DISCARDと決着が付いた後、モクマはほか3名の仲間と共に病院送りとなっていた。戦いで傷ついた身体を癒やし、4人部屋で他愛のない話をしては大笑いして看護師さんに注意を受けていたのもはじめの1週間だけ。その後、アーロン、ルークに続いて先日チェズレイも退院してしまった。今は大部屋を独占状態だ。
モクマの退院は順調にいってあと1週間後らしい。これが若さか……と自身の重傷具合を棚にあげて心で泣いた。
一人きりになったモクマの退屈を癒やしてくれたのは、個室に備え付けられている19インチの液晶テレビだった。
そのモニターには赤いバラをあしらったドレスを着た歌姫スイが自身の楽曲をBGMにミカグラチョコレートの宣伝をしているところが映っていた。四角いチョコレート菓子を頬張る笑顔が眩い。
2674「お?」
テレビから聴こえてきた馴染みある声にモクマは食いついた。
DISCARDと決着が付いた後、モクマはほか3名の仲間と共に病院送りとなっていた。戦いで傷ついた身体を癒やし、4人部屋で他愛のない話をしては大笑いして看護師さんに注意を受けていたのもはじめの1週間だけ。その後、アーロン、ルークに続いて先日チェズレイも退院してしまった。今は大部屋を独占状態だ。
モクマの退院は順調にいってあと1週間後らしい。これが若さか……と自身の重傷具合を棚にあげて心で泣いた。
一人きりになったモクマの退屈を癒やしてくれたのは、個室に備え付けられている19インチの液晶テレビだった。
そのモニターには赤いバラをあしらったドレスを着た歌姫スイが自身の楽曲をBGMにミカグラチョコレートの宣伝をしているところが映っていた。四角いチョコレート菓子を頬張る笑顔が眩い。
nochimma
DOODLEモクチェズ/糸はゆるんで線になる/おはよう糸目ちゃんのぽやぽやあまあま話「チェズレイ、おはよ」
「……」
たとえば、何日もかけて、つぎに侵攻する場所の情報を集めた後とか。
たとえば、予想外のトラブルに見舞われて、まる二日タブレットにかじりつきの後とか。
あとは、まあ、今日みたいに、久々のお休みに朝方まで張り切ってしまった後とか……、
呼びかけに応じて、シーツで作ったドーム型の岩戸が開かれて、のそのそ上体だけ起こされて、なんにも纏わぬ輝く白い肌が半分あらわになる。
(あ~あ)
やっぱり予想通り。緑のエプロンを腰に巻いたモクマは見られてないのをいいことを苦笑いする。
チェズレイの完璧なつくりの美貌のなかでも、ひときわ目を引く、宝石のような紫の目。
それが、こういう、お疲れの朝だけ、ほんの時たま……眠りから覚めても尚ひらかれずに、びっしり生えそろったまつ毛が横一本に整列した……シンプルなラインになってくれることがあった。
1898「……」
たとえば、何日もかけて、つぎに侵攻する場所の情報を集めた後とか。
たとえば、予想外のトラブルに見舞われて、まる二日タブレットにかじりつきの後とか。
あとは、まあ、今日みたいに、久々のお休みに朝方まで張り切ってしまった後とか……、
呼びかけに応じて、シーツで作ったドーム型の岩戸が開かれて、のそのそ上体だけ起こされて、なんにも纏わぬ輝く白い肌が半分あらわになる。
(あ~あ)
やっぱり予想通り。緑のエプロンを腰に巻いたモクマは見られてないのをいいことを苦笑いする。
チェズレイの完璧なつくりの美貌のなかでも、ひときわ目を引く、宝石のような紫の目。
それが、こういう、お疲れの朝だけ、ほんの時たま……眠りから覚めても尚ひらかれずに、びっしり生えそろったまつ毛が横一本に整列した……シンプルなラインになってくれることがあった。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0130「出会い」前半はBONDに出会う前のチェズ、
後半はモ母に挨拶した時のモクチェズです。
ずっと幸せにな!
「あ……ああ……」
チェズレイは街灯の切れた薄暗い路地で、戦慄ゆえに青白い顔で後退る男を追い詰めていた。革靴がコツコツと石床を叩くリズムをタクトにし、一歩歩み寄るごとに情けない悲鳴を上げる男の顔を鑑賞する。
袋小路に追いやり、背後に逃げ場が無くなったところでチェズレイは脚を止めた。首の付け根に指をかける。鎖骨あたりにある人工皮膚の境目を指で引っ掻き、めくり上げる。
「お、おまえ……」
(あァ……)
この瞬間が好きだ。
男が信頼する友だと思い込んでいた人間の皮を脱ぎ去って正体を明かした時の絶望と憤怒と哀絶に染まった濁り切った情欲の目が突き刺さるこの瞬間が。
丹精込めて作ったマスクを男の前へ投げ捨てる。
『友人』の顔にそっくりの剥製みたいなそれと目が合った男は一際大きな慟哭を上げた。
2032チェズレイは街灯の切れた薄暗い路地で、戦慄ゆえに青白い顔で後退る男を追い詰めていた。革靴がコツコツと石床を叩くリズムをタクトにし、一歩歩み寄るごとに情けない悲鳴を上げる男の顔を鑑賞する。
袋小路に追いやり、背後に逃げ場が無くなったところでチェズレイは脚を止めた。首の付け根に指をかける。鎖骨あたりにある人工皮膚の境目を指で引っ掻き、めくり上げる。
「お、おまえ……」
(あァ……)
この瞬間が好きだ。
男が信頼する友だと思い込んでいた人間の皮を脱ぎ去って正体を明かした時の絶望と憤怒と哀絶に染まった濁り切った情欲の目が突き刺さるこの瞬間が。
丹精込めて作ったマスクを男の前へ投げ捨てる。
『友人』の顔にそっくりの剥製みたいなそれと目が合った男は一際大きな慟哭を上げた。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「ビンゴ」「あ……ビンゴ」
もはや感動も何もない、みたいな色褪せた声が部屋に響いて、モクマはギョッと目を見開いた。
「また!? これで三ビンゴ!? しかもストレートで!? お前さん強すぎない!? まさかとは思うが、出る目操作してない!?」
「こんな単純なゲームのどこにイカサマの余地があると? 何か賭けている訳でもないのに……」
「そりゃそうだが、お前さん意外と負けず嫌いなところあるし……」
「……」
「嘘です……スイマセン……」
ため息と共に冷ややかな視線が突き刺さって、肩を落として、しくしく。
いや、わかっている。療養がてら飛んだ南国で、早二週間。実に何十年ぶりという緊張の実家訪問も終え、チェズレイの傷もだいぶ良くなり、観光でもしようか――とか話していたちょうどその時、タブレットがけたたましく大雨の警報を伝えて。もともと雨季の時期ではあったけれど、スコールが小一時間ほど降ったら終わりなことが多いのに、今回の雨雲は大きくて、明日までは止まないとか。お陰でロクにヴィラからも出られなくて、ベッドから見える透き通った空も海も(厳密には珊瑚で区切られているから違うらしいが)もどんより濁って、それで暇つぶしにとモクマが取り出したのが、実家にあったビンゴカードだったのだから。ゲームの内容を紹介したのもさっきだし、数字はアプリがランダムに吐き出したものだし……。
3501もはや感動も何もない、みたいな色褪せた声が部屋に響いて、モクマはギョッと目を見開いた。
「また!? これで三ビンゴ!? しかもストレートで!? お前さん強すぎない!? まさかとは思うが、出る目操作してない!?」
「こんな単純なゲームのどこにイカサマの余地があると? 何か賭けている訳でもないのに……」
「そりゃそうだが、お前さん意外と負けず嫌いなところあるし……」
「……」
「嘘です……スイマセン……」
ため息と共に冷ややかな視線が突き刺さって、肩を落として、しくしく。
いや、わかっている。療養がてら飛んだ南国で、早二週間。実に何十年ぶりという緊張の実家訪問も終え、チェズレイの傷もだいぶ良くなり、観光でもしようか――とか話していたちょうどその時、タブレットがけたたましく大雨の警報を伝えて。もともと雨季の時期ではあったけれど、スコールが小一時間ほど降ったら終わりなことが多いのに、今回の雨雲は大きくて、明日までは止まないとか。お陰でロクにヴィラからも出られなくて、ベッドから見える透き通った空も海も(厳密には珊瑚で区切られているから違うらしいが)もどんより濁って、それで暇つぶしにとモクマが取り出したのが、実家にあったビンゴカードだったのだから。ゲームの内容を紹介したのもさっきだし、数字はアプリがランダムに吐き出したものだし……。
さきょんのバミ
DOODLEしゃどさんの人外おチェズネタ(https://poipiku.com/2004469/5996665.html)の旅人×ラミアさん見て「ラミア○○の発想は無かった」って感動したらできてたラフラフムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0109「おやつ」で参加です。パンケーキを一緒に食べるふたり。甘ーいジャムをたっぷり付けて
「ふぃ〜〜。疲れたあ……って、ん?」
セーフハウスの玄関に立って、被った雪を払い落としていたモクマの鼻はほのかに甘い匂いが漂っているのを感じ取った。鼻をすんすん鳴らしながら匂いの元を辿る。足は真っ直ぐキッチンに向かった。
「おや、モクマさん。雪かきお疲れ様でした。丁度いまパンケーキが焼けたところですので、ティータイムとしませんか?」
「おお〜、いいね!」
丸皿の上にはミニサイズのパンケーキが数枚扇形に並べられていた。フライパンから甘いバターの香りが立ち、満月のような薄黄色の円が次々膨らんでいく。
モクマの心も浮き足立ち、跳ぶように洗面所へ走り手を洗う。
リビングへ戻ってきた時にはテーブルの上に二人分の丸皿が乗っていた。皿にはミニパンケーキが行儀よく並び、皿の端っこにブルーベリージャムとクリームチーズが盛られていた。その脇にコーヒーカップが並ぶ。どちらもカフェ・オ・レだ。
1353セーフハウスの玄関に立って、被った雪を払い落としていたモクマの鼻はほのかに甘い匂いが漂っているのを感じ取った。鼻をすんすん鳴らしながら匂いの元を辿る。足は真っ直ぐキッチンに向かった。
「おや、モクマさん。雪かきお疲れ様でした。丁度いまパンケーキが焼けたところですので、ティータイムとしませんか?」
「おお〜、いいね!」
丸皿の上にはミニサイズのパンケーキが数枚扇形に並べられていた。フライパンから甘いバターの香りが立ち、満月のような薄黄色の円が次々膨らんでいく。
モクマの心も浮き足立ち、跳ぶように洗面所へ走り手を洗う。
リビングへ戻ってきた時にはテーブルの上に二人分の丸皿が乗っていた。皿にはミニパンケーキが行儀よく並び、皿の端っこにブルーベリージャムとクリームチーズが盛られていた。その脇にコーヒーカップが並ぶ。どちらもカフェ・オ・レだ。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ0102「はじめて」初夢を見たチェズの話を聞くモさん。
今年もゆるゆるとワンライに参加したいと思います。宜しくお願いします!
「ん……」
モクマの瞼がゆっくりと持ち上がる。すぐ隣で空気が動く気配を察知したモクマはあっという間に意識を浮上させ、首を動かさずに視線を巡らせた。
朝陽が部屋のカーテンの隙間を縫って足元をうっすら照らしている。
反対側に目を向けると、彫刻のような美しい男の顔が間近にあった。高い鼻梁は天井を向き、長い睫毛に縁取られた透き通った瞳が薄い瞼を押し上げていた。煌めきを放つ紫水晶がとろり転がってモクマと目が合う。
起きたばかりの彼は常の鮮烈で過激な空気は鳴りを潜め、清流のような空気を纏っていた。
彼の目覚めにつられて自分は目が覚めたのだなとモクマは理解した。
「……おはよ、チェズレイ」
ごろりと横向きに身体を転がして、柔らかく名前を呼ぶ。モクマの挨拶にチェズレイはニッコリと微笑み返した。
1445モクマの瞼がゆっくりと持ち上がる。すぐ隣で空気が動く気配を察知したモクマはあっという間に意識を浮上させ、首を動かさずに視線を巡らせた。
朝陽が部屋のカーテンの隙間を縫って足元をうっすら照らしている。
反対側に目を向けると、彫刻のような美しい男の顔が間近にあった。高い鼻梁は天井を向き、長い睫毛に縁取られた透き通った瞳が薄い瞼を押し上げていた。煌めきを放つ紫水晶がとろり転がってモクマと目が合う。
起きたばかりの彼は常の鮮烈で過激な空気は鳴りを潜め、清流のような空気を纏っていた。
彼の目覚めにつられて自分は目が覚めたのだなとモクマは理解した。
「……おはよ、チェズレイ」
ごろりと横向きに身体を転がして、柔らかく名前を呼ぶ。モクマの挨拶にチェズレイはニッコリと微笑み返した。
rio_bmb
DONE書き納め。どこかの国の見知らぬ市民から見たモクチェズ。2021→2022の時系列です。A Happy New Year 2022「10、9、8……」
大通りは喧噪と熱気に包まれている。カウントダウンの唱和に混じって歓声や口笛が聞こえ、街中が大騒ぎだった。
なんといっても今日はニューイヤー・イヴである。街中がイルミネーションに彩られ、年が明けるを待ちながら飲んだくれて騒ぐ人々で通りは埋め尽くされていた。
みんな、零時きっかりに打ち上がる花火を待っているのだ。毎年恒例のことながら、実に騒々しい。友人とパーティをして盛り上がったり、こうして通りで酒を飲みながら騒いだり、というのがこの辺での一般的な新年の迎え方だった。
最近ではタチの悪いギャングが幅を利かせるようになったせいで治安が悪化し夜出歩く人は少なくなったが、ニューイヤー・イヴはやはり例外のようだった。
3730大通りは喧噪と熱気に包まれている。カウントダウンの唱和に混じって歓声や口笛が聞こえ、街中が大騒ぎだった。
なんといっても今日はニューイヤー・イヴである。街中がイルミネーションに彩られ、年が明けるを待ちながら飲んだくれて騒ぐ人々で通りは埋め尽くされていた。
みんな、零時きっかりに打ち上がる花火を待っているのだ。毎年恒例のことながら、実に騒々しい。友人とパーティをして盛り上がったり、こうして通りで酒を飲みながら騒いだり、というのがこの辺での一般的な新年の迎え方だった。
最近ではタチの悪いギャングが幅を利かせるようになったせいで治安が悪化し夜出歩く人は少なくなったが、ニューイヤー・イヴはやはり例外のようだった。
ムー(金魚の人)
DONE年越しそばをたべるモクチェズ。モクチェズふたりとも元気に世界を征服しながら幸せに長生きしてほしいですね!
今年1年拙作をご覧いただきありがとうございました~!
ミカグラ島でクリスマスを過ごした後、モクマとチェズレイは西南の第三国に一軒家を拠点として構えていた。療養と休暇で費やした1ヶ月のインターバルを経て、年内はゆっくりと下地を作り、年明けから精力的に征服活動を再開すると意気込むチェズレイにモクマも賛同した。
チェズレイは2階の書斎で作戦を練るというので、夕飯作りはモクマが買って出た。
広いキッチンスペースに感謝しながら、モクマは料理に取り掛かる。献立は既に決まっている。
かつお節を濾して作っただし汁に醤油、みりん、砂糖を加える。煮立てている間に、サラダ油で満たされた別の鍋を覗く。グツグツと熱せられたそこに衣の素をスプーンで少し掬って散らす。パチパチと弾ける音がモクマに「準備万端だよ」と告げた。
2379チェズレイは2階の書斎で作戦を練るというので、夕飯作りはモクマが買って出た。
広いキッチンスペースに感謝しながら、モクマは料理に取り掛かる。献立は既に決まっている。
かつお節を濾して作っただし汁に醤油、みりん、砂糖を加える。煮立てている間に、サラダ油で満たされた別の鍋を覗く。グツグツと熱せられたそこに衣の素をスプーンで少し掬って散らす。パチパチと弾ける音がモクマに「準備万端だよ」と告げた。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「まつりのあと」2021年書き収め 楽しいワンドロ企画本当にありがとうございました 夜のただなかを、広げた翼が駆け抜けていく。
ミカグラ島でのホリデーの後も、惜しむようにもう少しだけ滞在期間を延ばし……、ついに一年も終わりというこの日に、モクマとチェズレイは機上の人となっていた。とはいえ乗るのは当然、部下の運転するプライベートジェットだけれど。もうすっかりこの移動にも慣れたらしい相棒が、シートに身体をうずめて「そーいや」と家の中のようにくつろいだ声を出した。
「シキ、残念だったよねえ」
「ええ。あなたの言う通り今は情報化社会――、彼ほどの技術を持ったハッカーが我ら組織の傘下に加われば百人力でしたでしょうに。……とはいえ、あれだけの交渉で本当に引き抜けるとも思ってはいませんでしたが」
4320ミカグラ島でのホリデーの後も、惜しむようにもう少しだけ滞在期間を延ばし……、ついに一年も終わりというこの日に、モクマとチェズレイは機上の人となっていた。とはいえ乗るのは当然、部下の運転するプライベートジェットだけれど。もうすっかりこの移動にも慣れたらしい相棒が、シートに身体をうずめて「そーいや」と家の中のようにくつろいだ声を出した。
「シキ、残念だったよねえ」
「ええ。あなたの言う通り今は情報化社会――、彼ほどの技術を持ったハッカーが我ら組織の傘下に加われば百人力でしたでしょうに。……とはいえ、あれだけの交渉で本当に引き抜けるとも思ってはいませんでしたが」
💤💤💤
INFO『KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)』(文庫/36P/¥200-)12/30発行予定のモクチェズ小説新刊(コピー誌)です。ヴ愛前の時間軸の話。
モクチェズの当て馬になるモブ視点のお話…? 割と「こんなエピソードもあったら良いな…」的な話なので何でも許せる人向けです。
話の雰囲気がわかるところまで…と思ったら短い話なのでサンプル半分になりました…↓
KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)◇◇◇
深呼吸一つ、吸って吐いて——私は改めてドアに向き直った。張り紙には『ニンジャジャンショー控え室』と書かれている。カバンに台本が入ってるか5回は確認したし、挨拶の練習は10回以上した。
(…………落ち着け)
また深呼吸をする。それでも緊張は全く解けない——仕方がないことではあるけれど。
平凡な会社員生活に嫌気が差していた時期に誘われて飛び込んだこの世界は、まさに非日常の連続だった。現場は多岐に渡ったし、トラブルだってザラ。それでもこの仕事を続けてこられたのは、会社員生活では味わえないようなとびきりの刺激があったからだ——例えば、憧れの人に会える、とか。
(…………ニンジャジャン……)
毎日会社と家を往復していた時期にハマってたニンジャジャンに、まさかこんな形で出会う機会が得られるとは思ってもみなかった。例えひと時の話だとしても、足繁く通ったニンジャジャンショーの舞台に関わることができるのなら、と二つ返事で引き受けた。たとえ公私混同と言われようと、このたった一度のチャンスを必ずモノにして、絶対に絶対にニンジャジャンと繋がりを作って——
3794深呼吸一つ、吸って吐いて——私は改めてドアに向き直った。張り紙には『ニンジャジャンショー控え室』と書かれている。カバンに台本が入ってるか5回は確認したし、挨拶の練習は10回以上した。
(…………落ち着け)
また深呼吸をする。それでも緊張は全く解けない——仕方がないことではあるけれど。
平凡な会社員生活に嫌気が差していた時期に誘われて飛び込んだこの世界は、まさに非日常の連続だった。現場は多岐に渡ったし、トラブルだってザラ。それでもこの仕事を続けてこられたのは、会社員生活では味わえないようなとびきりの刺激があったからだ——例えば、憧れの人に会える、とか。
(…………ニンジャジャン……)
毎日会社と家を往復していた時期にハマってたニンジャジャンに、まさかこんな形で出会う機会が得られるとは思ってもみなかった。例えひと時の話だとしても、足繁く通ったニンジャジャンショーの舞台に関わることができるのなら、と二つ返事で引き受けた。たとえ公私混同と言われようと、このたった一度のチャンスを必ずモノにして、絶対に絶対にニンジャジャンと繋がりを作って——
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ1226 「まつりのあと」ホリバ DISC2Trac4フィナーレ ネタです。
バディオラも踏襲してます。
※ホリバ クリスマスカウントダウンイベント中
歌姫スイの新曲を皮切りに始まったミカグラ島のクリスマスカウントダウンイベント及びクリスマスライブはフィナーレを迎えようとしていた。
バックダンサーという懐かしい大役を任された四人はバックステージにスタンバイする。
会場であるメテオフロート頂上からはロイヤルスイミン(スイたちの熱狂的ファン)はじめブロッサムやマイカの人々が銘々のペンライトを振ってこちらを見上げていた。それはチェズレイの真上で煌めく星々と同等の眩い輝きを放っている。あるいは、星雲のようにも見えた。
「チェズレイ」
鈴を転がしたような声が近づいてきて、チェズレイは振り返った。
「はい、なんでしょう。モクマさん」
1310歌姫スイの新曲を皮切りに始まったミカグラ島のクリスマスカウントダウンイベント及びクリスマスライブはフィナーレを迎えようとしていた。
バックダンサーという懐かしい大役を任された四人はバックステージにスタンバイする。
会場であるメテオフロート頂上からはロイヤルスイミン(スイたちの熱狂的ファン)はじめブロッサムやマイカの人々が銘々のペンライトを振ってこちらを見上げていた。それはチェズレイの真上で煌めく星々と同等の眩い輝きを放っている。あるいは、星雲のようにも見えた。
「チェズレイ」
鈴を転がしたような声が近づいてきて、チェズレイは振り返った。
「はい、なんでしょう。モクマさん」
rio_bmb
DOODLEホリバのD2T2の小ネタ。前後を書くと長くなりそうだから書きたいところだけ半端に書いた12/22夜のモクチェズらくがき文「チェーズレイさーん」
ノックを二回。節をつけて歌うように名前を呼んだ。そのまま返事を待つことしばし。
ややあってから「どうぞ」とくぐもった声が返った。
「そんじゃ遠慮なく」
ドアを開けて部屋の中に入ると、部屋の主である相棒はジャケットを脱いでベッドに転がっていた。部屋着に着替えもせずだらしなく伏せるなど、『仮面の詐欺師』らしくもない。
やはり酔い潰れていたかと苦笑しながら、ピッチャーとグラスを載せたトレイをナイトテーブルに置いた。そのままベッドの端に腰掛けて、持ってきたグラスにピッチャーの水を注ぐ。そしてそれを、緩慢な動作で身を起こしたチェズレイの前に差し出した。
「ほい、お届け物だよ。とりあえずそれ飲んで」
2705ノックを二回。節をつけて歌うように名前を呼んだ。そのまま返事を待つことしばし。
ややあってから「どうぞ」とくぐもった声が返った。
「そんじゃ遠慮なく」
ドアを開けて部屋の中に入ると、部屋の主である相棒はジャケットを脱いでベッドに転がっていた。部屋着に着替えもせずだらしなく伏せるなど、『仮面の詐欺師』らしくもない。
やはり酔い潰れていたかと苦笑しながら、ピッチャーとグラスを載せたトレイをナイトテーブルに置いた。そのままベッドの端に腰掛けて、持ってきたグラスにピッチャーの水を注ぐ。そしてそれを、緩慢な動作で身を起こしたチェズレイの前に差し出した。
「ほい、お届け物だよ。とりあえずそれ飲んで」
bademi_P
DOODLE「もじさんが抵抗できないように催眠かけたうえでオナホ責めしようと思ったら実は自分のアナルに繋がってる魔法のオナホだった」というアホエロです。(大したことないので期待NG)人を選ぶ要素があるので以下が大丈夫な方のみお願いします。
〇受け優位あり(もじさんが軽く喘いでます)
〇受けの♡喘ぎ
〇二コルズちゃんが結果的に中出しされてます
18↑? 2
nochimma
SPOILERホリバ後モクチェズ+ナデらくがき「12/22の夕方と23の夜のこと」!ちょ~落書きなんですけどめっちゃ長いです
!タイトル通りでホリバの合間を埋める話です。めちゃくちゃ自分解釈。チェズレイ弱めなのでご注意ください。
!3/4くらいチェ+ナデの飲み、さいご1/4がモクチェズ。ヴ愛後付き合いルートでその後オフィスナデシコでやる流れなので地雷のひとは逃げてくれ
!あとナデシコちゃんチェズレイのこと「君」呼びであってる…?間違ってたらすいません…
「……まだ晩酌にはお早い時間かと思いますが」
背後から聞こえた声は、まるで子を嗜める母のような響きをしていた。
「見つかったか」と答えながら振り向くと、相も変わらず眩暈のするような美貌の男は、けれど出会った時は常に纏っていた隙の無いオーラの輪郭をだいぶゆるめて、困ったように眉を下げて微笑んでいた。この顔を見るのは、空港のバーで愉快愉快と肩を抱き寄せた時以来だ。
19603!タイトル通りでホリバの合間を埋める話です。めちゃくちゃ自分解釈。チェズレイ弱めなのでご注意ください。
!3/4くらいチェ+ナデの飲み、さいご1/4がモクチェズ。ヴ愛後付き合いルートでその後オフィスナデシコでやる流れなので地雷のひとは逃げてくれ
!あとナデシコちゃんチェズレイのこと「君」呼びであってる…?間違ってたらすいません…
「……まだ晩酌にはお早い時間かと思いますが」
背後から聞こえた声は、まるで子を嗜める母のような響きをしていた。
「見つかったか」と答えながら振り向くと、相も変わらず眩暈のするような美貌の男は、けれど出会った時は常に纏っていた隙の無いオーラの輪郭をだいぶゆるめて、困ったように眉を下げて微笑んでいた。この顔を見るのは、空港のバーで愉快愉快と肩を抱き寄せた時以来だ。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「寝具」 開け放たれた窓から風が吹き込んで、レースのカーテンがひらひらとはためいた。
『南国』という響きから覚悟していたよりも随分、ここの気候はチェズレイにとって過ごしやすいものだった。確かに気温は高いが、湿度が低いのだ。カラリと晴れた空の真ん中に輝く太陽はギラギラと容赦なく照りつけているが、ここは室内だからたださわやかな風だけを享受できる。
故郷での一件から、もうひと月と半月。
チェズレイはモクマの母の住む南の島で療養を続けていた。飛行場に着くなり担ぎ込まれた病院から退院できたのが三週間前で、その足で実家に挨拶に行きやれやれ一安心、親子水入らずの時間を堪能してもらったら世界征服の旅路に戻ろう、などと考えていたチェズレイに、守り手がOKを出すはずもなく。「そんなこったろうと思った」と溜息吐いた後でいつの間にか長期滞在の手続きを取られていたヴィラタイプのホテルに連行されて、それからは毎日、甲斐甲斐しくお世話される生活を送っている。
4035『南国』という響きから覚悟していたよりも随分、ここの気候はチェズレイにとって過ごしやすいものだった。確かに気温は高いが、湿度が低いのだ。カラリと晴れた空の真ん中に輝く太陽はギラギラと容赦なく照りつけているが、ここは室内だからたださわやかな風だけを享受できる。
故郷での一件から、もうひと月と半月。
チェズレイはモクマの母の住む南の島で療養を続けていた。飛行場に着くなり担ぎ込まれた病院から退院できたのが三週間前で、その足で実家に挨拶に行きやれやれ一安心、親子水入らずの時間を堪能してもらったら世界征服の旅路に戻ろう、などと考えていたチェズレイに、守り手がOKを出すはずもなく。「そんなこったろうと思った」と溜息吐いた後でいつの間にか長期滞在の手続きを取られていたヴィラタイプのホテルに連行されて、それからは毎日、甲斐甲斐しくお世話される生活を送っている。
inagi_maru_
DONE目は口ほどに初モクチェズ。(少しアロルク要素あり)
クリア後の世界。
リハビリがてら書いてみた。
越境した後にうちのモクチェズってこんな感じと思って勢いでちゅーさせてみた。 8
tempesten10
MAIKING2021年6月に書いていたモチェ婚ネタ。整合性がとれていなかったので12月に加筆修正。
なんで今出すのかというと、バーレル前なため。こわい。
書きかけなのはえちちシーンがありません。はい。
さぎしのよめいり モクマが嫁を貰う――
長身で髪が長く肌の白い絶世の美人らしい。
そんな第一報を同僚から受けたゴンゾウは脳裏には蛇の模様の仕込み杖を持つ美人を思い出していた。まさかなと思いつつゴンゾウは書類を持っていると背後から声がした。
「ゴンゾウ、そのまさかだからな」
笑みを浮かべたナデシコの声にゴンゾウは書類の束をボトリと落とす。
「まさかといわれましても」
慌ててゴンゾウは書類を拾い始める。
「モクマ本人から連絡があった。間違いはなかろう」
「ですかあの人とは確か過去に殺し合いまでしたと……」
「それはいつの話だ? 私と楽しく三人で酒も飲んだしあの二人は唯一無二の相棒だ。だがまさか婚姻までするとは思わなかったがな」
2269長身で髪が長く肌の白い絶世の美人らしい。
そんな第一報を同僚から受けたゴンゾウは脳裏には蛇の模様の仕込み杖を持つ美人を思い出していた。まさかなと思いつつゴンゾウは書類を持っていると背後から声がした。
「ゴンゾウ、そのまさかだからな」
笑みを浮かべたナデシコの声にゴンゾウは書類の束をボトリと落とす。
「まさかといわれましても」
慌ててゴンゾウは書類を拾い始める。
「モクマ本人から連絡があった。間違いはなかろう」
「ですかあの人とは確か過去に殺し合いまでしたと……」
「それはいつの話だ? 私と楽しく三人で酒も飲んだしあの二人は唯一無二の相棒だ。だがまさか婚姻までするとは思わなかったがな」
nochimma
DOODLEヴ愛後モクチェズらくがき ヴ愛前から身体の関係あり おじさん昔に経験あり 眠り猫と安心毛布 目覚めの足音は、外からではなく胸の中から訪れた。
「ん……?」
といっても、加齢によってどんどんせっかちになってくる体内時計のせいでもなく、それよりもう一層、外側。裸でねむる剥き出しの胸板に、ひやりと冷たいものが当てられたからであった。
ゆっくりと目を開く。まだ、思考回路はなめくじが這うような速度だ。ええと、今日は仕事もなくて、そんなのたいそう久々なことで、だからこそ昨夜は二人して夜の底まで潜ってそりゃもう大盛り上がり……、したからこんなに身体がだるいのか。多分そう長くも寝ていないと思う。
……ということは。やっと全部がつながって、視線を落として納得する。「あー」と、声にならない呟きが喉の中でうずまいた。
2860「ん……?」
といっても、加齢によってどんどんせっかちになってくる体内時計のせいでもなく、それよりもう一層、外側。裸でねむる剥き出しの胸板に、ひやりと冷たいものが当てられたからであった。
ゆっくりと目を開く。まだ、思考回路はなめくじが這うような速度だ。ええと、今日は仕事もなくて、そんなのたいそう久々なことで、だからこそ昨夜は二人して夜の底まで潜ってそりゃもう大盛り上がり……、したからこんなに身体がだるいのか。多分そう長くも寝ていないと思う。
……ということは。やっと全部がつながって、視線を落として納得する。「あー」と、声にならない呟きが喉の中でうずまいた。
palna_f
DONE忍ぶ恋には仮面をつけて開催おめでとうございます!「身長+12cmをするとケツを揉みやすい高さ」とのことで、12cmどころじゃないですが、揉みやすい、そうなので。
スケール感おかしいですが…。
※チェは嫌がっていないので、セクハラでも痴漢行為でもありません。表現下手です。
kitahara_2gou
SPOILER2021年12月12日開催 モクチェズwebオンリー「忍ぶ恋には仮面をつけて2」の展示作品です。「ヴィンウェイより愛を込めて」のその後の話です。
ぬるいけれどR-18なので、18歳以上の方のみ閲覧ください。
質問:貴方は18歳以上ですか?(アルファベット小文字3文字) 6499
nochimma
DONE【忍恋2 展示】開催おめでとうございます!!事故でチェの日記を読んじゃうニンジャさんのお話です(ヴ愛後、このあと付き合うモクチェズ)パスはずしました(18時~)イベ後もそのまま公開します 昼下がりのキッチンから、香ばしい匂いが漂ってくる。
「へえ、いいじゃない。あれだよね、お店の看板にあった。きっと素敵だと思うよ。うん、……えっ。俺が? ……いや、いいけどもさ……、めでたい席なんでしょ? そういうのはちゃんとプロに頼んだ方が……」
ごり、ごりごり。……ごり。手挽きのミルが奏でる不揃いのテンポは、ハンドルの握り手の動揺を表しているようだ。盗み聞きするチェズレイの唇が、ゆるりと弧を描く。
長電話の相棒の姿は見えないが、声だけでも表情が手に取るように想像できる。この声の調子からして、おそらく相手は旧い知り合いで、昔取った杵柄がらみの……無茶なことを頼まれている。
(そうして、たぶん……)
15598「へえ、いいじゃない。あれだよね、お店の看板にあった。きっと素敵だと思うよ。うん、……えっ。俺が? ……いや、いいけどもさ……、めでたい席なんでしょ? そういうのはちゃんとプロに頼んだ方が……」
ごり、ごりごり。……ごり。手挽きのミルが奏でる不揃いのテンポは、ハンドルの握り手の動揺を表しているようだ。盗み聞きするチェズレイの唇が、ゆるりと弧を描く。
長電話の相棒の姿は見えないが、声だけでも表情が手に取るように想像できる。この声の調子からして、おそらく相手は旧い知り合いで、昔取った杵柄がらみの……無茶なことを頼まれている。
(そうして、たぶん……)