ムー(金魚の人)
DONE年越しそばをたべるモクチェズ。モクチェズふたりとも元気に世界を征服しながら幸せに長生きしてほしいですね!
今年1年拙作をご覧いただきありがとうございました~!
ミカグラ島でクリスマスを過ごした後、モクマとチェズレイは西南の第三国に一軒家を拠点として構えていた。療養と休暇で費やした1ヶ月のインターバルを経て、年内はゆっくりと下地を作り、年明けから精力的に征服活動を再開すると意気込むチェズレイにモクマも賛同した。
チェズレイは2階の書斎で作戦を練るというので、夕飯作りはモクマが買って出た。
広いキッチンスペースに感謝しながら、モクマは料理に取り掛かる。献立は既に決まっている。
かつお節を濾して作っただし汁に醤油、みりん、砂糖を加える。煮立てている間に、サラダ油で満たされた別の鍋を覗く。グツグツと熱せられたそこに衣の素をスプーンで少し掬って散らす。パチパチと弾ける音がモクマに「準備万端だよ」と告げた。
2379チェズレイは2階の書斎で作戦を練るというので、夕飯作りはモクマが買って出た。
広いキッチンスペースに感謝しながら、モクマは料理に取り掛かる。献立は既に決まっている。
かつお節を濾して作っただし汁に醤油、みりん、砂糖を加える。煮立てている間に、サラダ油で満たされた別の鍋を覗く。グツグツと熱せられたそこに衣の素をスプーンで少し掬って散らす。パチパチと弾ける音がモクマに「準備万端だよ」と告げた。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「まつりのあと」2021年書き収め 楽しいワンドロ企画本当にありがとうございました 夜のただなかを、広げた翼が駆け抜けていく。
ミカグラ島でのホリデーの後も、惜しむようにもう少しだけ滞在期間を延ばし……、ついに一年も終わりというこの日に、モクマとチェズレイは機上の人となっていた。とはいえ乗るのは当然、部下の運転するプライベートジェットだけれど。もうすっかりこの移動にも慣れたらしい相棒が、シートに身体をうずめて「そーいや」と家の中のようにくつろいだ声を出した。
「シキ、残念だったよねえ」
「ええ。あなたの言う通り今は情報化社会――、彼ほどの技術を持ったハッカーが我ら組織の傘下に加われば百人力でしたでしょうに。……とはいえ、あれだけの交渉で本当に引き抜けるとも思ってはいませんでしたが」
4320ミカグラ島でのホリデーの後も、惜しむようにもう少しだけ滞在期間を延ばし……、ついに一年も終わりというこの日に、モクマとチェズレイは機上の人となっていた。とはいえ乗るのは当然、部下の運転するプライベートジェットだけれど。もうすっかりこの移動にも慣れたらしい相棒が、シートに身体をうずめて「そーいや」と家の中のようにくつろいだ声を出した。
「シキ、残念だったよねえ」
「ええ。あなたの言う通り今は情報化社会――、彼ほどの技術を持ったハッカーが我ら組織の傘下に加われば百人力でしたでしょうに。……とはいえ、あれだけの交渉で本当に引き抜けるとも思ってはいませんでしたが」
💤💤💤
INFO『KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)』(文庫/36P/¥200-)12/30発行予定のモクチェズ小説新刊(コピー誌)です。ヴ愛前の時間軸の話。
モクチェズの当て馬になるモブ視点のお話…? 割と「こんなエピソードもあったら良いな…」的な話なので何でも許せる人向けです。
話の雰囲気がわかるところまで…と思ったら短い話なのでサンプル半分になりました…↓
KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)◇◇◇
深呼吸一つ、吸って吐いて——私は改めてドアに向き直った。張り紙には『ニンジャジャンショー控え室』と書かれている。カバンに台本が入ってるか5回は確認したし、挨拶の練習は10回以上した。
(…………落ち着け)
また深呼吸をする。それでも緊張は全く解けない——仕方がないことではあるけれど。
平凡な会社員生活に嫌気が差していた時期に誘われて飛び込んだこの世界は、まさに非日常の連続だった。現場は多岐に渡ったし、トラブルだってザラ。それでもこの仕事を続けてこられたのは、会社員生活では味わえないようなとびきりの刺激があったからだ——例えば、憧れの人に会える、とか。
(…………ニンジャジャン……)
毎日会社と家を往復していた時期にハマってたニンジャジャンに、まさかこんな形で出会う機会が得られるとは思ってもみなかった。例えひと時の話だとしても、足繁く通ったニンジャジャンショーの舞台に関わることができるのなら、と二つ返事で引き受けた。たとえ公私混同と言われようと、このたった一度のチャンスを必ずモノにして、絶対に絶対にニンジャジャンと繋がりを作って——
3794深呼吸一つ、吸って吐いて——私は改めてドアに向き直った。張り紙には『ニンジャジャンショー控え室』と書かれている。カバンに台本が入ってるか5回は確認したし、挨拶の練習は10回以上した。
(…………落ち着け)
また深呼吸をする。それでも緊張は全く解けない——仕方がないことではあるけれど。
平凡な会社員生活に嫌気が差していた時期に誘われて飛び込んだこの世界は、まさに非日常の連続だった。現場は多岐に渡ったし、トラブルだってザラ。それでもこの仕事を続けてこられたのは、会社員生活では味わえないようなとびきりの刺激があったからだ——例えば、憧れの人に会える、とか。
(…………ニンジャジャン……)
毎日会社と家を往復していた時期にハマってたニンジャジャンに、まさかこんな形で出会う機会が得られるとは思ってもみなかった。例えひと時の話だとしても、足繁く通ったニンジャジャンショーの舞台に関わることができるのなら、と二つ返事で引き受けた。たとえ公私混同と言われようと、このたった一度のチャンスを必ずモノにして、絶対に絶対にニンジャジャンと繋がりを作って——
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ1226 「まつりのあと」ホリバ DISC2Trac4フィナーレ ネタです。
バディオラも踏襲してます。
※ホリバ クリスマスカウントダウンイベント中
歌姫スイの新曲を皮切りに始まったミカグラ島のクリスマスカウントダウンイベント及びクリスマスライブはフィナーレを迎えようとしていた。
バックダンサーという懐かしい大役を任された四人はバックステージにスタンバイする。
会場であるメテオフロート頂上からはロイヤルスイミン(スイたちの熱狂的ファン)はじめブロッサムやマイカの人々が銘々のペンライトを振ってこちらを見上げていた。それはチェズレイの真上で煌めく星々と同等の眩い輝きを放っている。あるいは、星雲のようにも見えた。
「チェズレイ」
鈴を転がしたような声が近づいてきて、チェズレイは振り返った。
「はい、なんでしょう。モクマさん」
1310歌姫スイの新曲を皮切りに始まったミカグラ島のクリスマスカウントダウンイベント及びクリスマスライブはフィナーレを迎えようとしていた。
バックダンサーという懐かしい大役を任された四人はバックステージにスタンバイする。
会場であるメテオフロート頂上からはロイヤルスイミン(スイたちの熱狂的ファン)はじめブロッサムやマイカの人々が銘々のペンライトを振ってこちらを見上げていた。それはチェズレイの真上で煌めく星々と同等の眩い輝きを放っている。あるいは、星雲のようにも見えた。
「チェズレイ」
鈴を転がしたような声が近づいてきて、チェズレイは振り返った。
「はい、なんでしょう。モクマさん」
rio_bmb
DOODLEホリバのD2T2の小ネタ。前後を書くと長くなりそうだから書きたいところだけ半端に書いた12/22夜のモクチェズらくがき文「チェーズレイさーん」
ノックを二回。節をつけて歌うように名前を呼んだ。そのまま返事を待つことしばし。
ややあってから「どうぞ」とくぐもった声が返った。
「そんじゃ遠慮なく」
ドアを開けて部屋の中に入ると、部屋の主である相棒はジャケットを脱いでベッドに転がっていた。部屋着に着替えもせずだらしなく伏せるなど、『仮面の詐欺師』らしくもない。
やはり酔い潰れていたかと苦笑しながら、ピッチャーとグラスを載せたトレイをナイトテーブルに置いた。そのままベッドの端に腰掛けて、持ってきたグラスにピッチャーの水を注ぐ。そしてそれを、緩慢な動作で身を起こしたチェズレイの前に差し出した。
「ほい、お届け物だよ。とりあえずそれ飲んで」
2705ノックを二回。節をつけて歌うように名前を呼んだ。そのまま返事を待つことしばし。
ややあってから「どうぞ」とくぐもった声が返った。
「そんじゃ遠慮なく」
ドアを開けて部屋の中に入ると、部屋の主である相棒はジャケットを脱いでベッドに転がっていた。部屋着に着替えもせずだらしなく伏せるなど、『仮面の詐欺師』らしくもない。
やはり酔い潰れていたかと苦笑しながら、ピッチャーとグラスを載せたトレイをナイトテーブルに置いた。そのままベッドの端に腰掛けて、持ってきたグラスにピッチャーの水を注ぐ。そしてそれを、緩慢な動作で身を起こしたチェズレイの前に差し出した。
「ほい、お届け物だよ。とりあえずそれ飲んで」
bademi_P
DOODLE「もじさんが抵抗できないように催眠かけたうえでオナホ責めしようと思ったら実は自分のアナルに繋がってる魔法のオナホだった」というアホエロです。(大したことないので期待NG)人を選ぶ要素があるので以下が大丈夫な方のみお願いします。
〇受け優位あり(もじさんが軽く喘いでます)
〇受けの♡喘ぎ
〇二コルズちゃんが結果的に中出しされてます
18↑? 2
nochimma
SPOILERホリバ後モクチェズ+ナデらくがき「12/22の夕方と23の夜のこと」!ちょ~落書きなんですけどめっちゃ長いです
!タイトル通りでホリバの合間を埋める話です。めちゃくちゃ自分解釈。チェズレイ弱めなのでご注意ください。
!3/4くらいチェ+ナデの飲み、さいご1/4がモクチェズ。ヴ愛後付き合いルートでその後オフィスナデシコでやる流れなので地雷のひとは逃げてくれ
!あとナデシコちゃんチェズレイのこと「君」呼びであってる…?間違ってたらすいません…
「……まだ晩酌にはお早い時間かと思いますが」
背後から聞こえた声は、まるで子を嗜める母のような響きをしていた。
「見つかったか」と答えながら振り向くと、相も変わらず眩暈のするような美貌の男は、けれど出会った時は常に纏っていた隙の無いオーラの輪郭をだいぶゆるめて、困ったように眉を下げて微笑んでいた。この顔を見るのは、空港のバーで愉快愉快と肩を抱き寄せた時以来だ。
19603!タイトル通りでホリバの合間を埋める話です。めちゃくちゃ自分解釈。チェズレイ弱めなのでご注意ください。
!3/4くらいチェ+ナデの飲み、さいご1/4がモクチェズ。ヴ愛後付き合いルートでその後オフィスナデシコでやる流れなので地雷のひとは逃げてくれ
!あとナデシコちゃんチェズレイのこと「君」呼びであってる…?間違ってたらすいません…
「……まだ晩酌にはお早い時間かと思いますが」
背後から聞こえた声は、まるで子を嗜める母のような響きをしていた。
「見つかったか」と答えながら振り向くと、相も変わらず眩暈のするような美貌の男は、けれど出会った時は常に纏っていた隙の無いオーラの輪郭をだいぶゆるめて、困ったように眉を下げて微笑んでいた。この顔を見るのは、空港のバーで愉快愉快と肩を抱き寄せた時以来だ。
nochimma
DONEモクチェズワンドロ「寝具」 開け放たれた窓から風が吹き込んで、レースのカーテンがひらひらとはためいた。
『南国』という響きから覚悟していたよりも随分、ここの気候はチェズレイにとって過ごしやすいものだった。確かに気温は高いが、湿度が低いのだ。カラリと晴れた空の真ん中に輝く太陽はギラギラと容赦なく照りつけているが、ここは室内だからたださわやかな風だけを享受できる。
故郷での一件から、もうひと月と半月。
チェズレイはモクマの母の住む南の島で療養を続けていた。飛行場に着くなり担ぎ込まれた病院から退院できたのが三週間前で、その足で実家に挨拶に行きやれやれ一安心、親子水入らずの時間を堪能してもらったら世界征服の旅路に戻ろう、などと考えていたチェズレイに、守り手がOKを出すはずもなく。「そんなこったろうと思った」と溜息吐いた後でいつの間にか長期滞在の手続きを取られていたヴィラタイプのホテルに連行されて、それからは毎日、甲斐甲斐しくお世話される生活を送っている。
4035『南国』という響きから覚悟していたよりも随分、ここの気候はチェズレイにとって過ごしやすいものだった。確かに気温は高いが、湿度が低いのだ。カラリと晴れた空の真ん中に輝く太陽はギラギラと容赦なく照りつけているが、ここは室内だからたださわやかな風だけを享受できる。
故郷での一件から、もうひと月と半月。
チェズレイはモクマの母の住む南の島で療養を続けていた。飛行場に着くなり担ぎ込まれた病院から退院できたのが三週間前で、その足で実家に挨拶に行きやれやれ一安心、親子水入らずの時間を堪能してもらったら世界征服の旅路に戻ろう、などと考えていたチェズレイに、守り手がOKを出すはずもなく。「そんなこったろうと思った」と溜息吐いた後でいつの間にか長期滞在の手続きを取られていたヴィラタイプのホテルに連行されて、それからは毎日、甲斐甲斐しくお世話される生活を送っている。
inagi_maru_
DONE目は口ほどに初モクチェズ。(少しアロルク要素あり)
クリア後の世界。
リハビリがてら書いてみた。
越境した後にうちのモクチェズってこんな感じと思って勢いでちゅーさせてみた。 8
tempesten10
MAIKING2021年6月に書いていたモチェ婚ネタ。整合性がとれていなかったので12月に加筆修正。
なんで今出すのかというと、バーレル前なため。こわい。
書きかけなのはえちちシーンがありません。はい。
さぎしのよめいり モクマが嫁を貰う――
長身で髪が長く肌の白い絶世の美人らしい。
そんな第一報を同僚から受けたゴンゾウは脳裏には蛇の模様の仕込み杖を持つ美人を思い出していた。まさかなと思いつつゴンゾウは書類を持っていると背後から声がした。
「ゴンゾウ、そのまさかだからな」
笑みを浮かべたナデシコの声にゴンゾウは書類の束をボトリと落とす。
「まさかといわれましても」
慌ててゴンゾウは書類を拾い始める。
「モクマ本人から連絡があった。間違いはなかろう」
「ですかあの人とは確か過去に殺し合いまでしたと……」
「それはいつの話だ? 私と楽しく三人で酒も飲んだしあの二人は唯一無二の相棒だ。だがまさか婚姻までするとは思わなかったがな」
2269長身で髪が長く肌の白い絶世の美人らしい。
そんな第一報を同僚から受けたゴンゾウは脳裏には蛇の模様の仕込み杖を持つ美人を思い出していた。まさかなと思いつつゴンゾウは書類を持っていると背後から声がした。
「ゴンゾウ、そのまさかだからな」
笑みを浮かべたナデシコの声にゴンゾウは書類の束をボトリと落とす。
「まさかといわれましても」
慌ててゴンゾウは書類を拾い始める。
「モクマ本人から連絡があった。間違いはなかろう」
「ですかあの人とは確か過去に殺し合いまでしたと……」
「それはいつの話だ? 私と楽しく三人で酒も飲んだしあの二人は唯一無二の相棒だ。だがまさか婚姻までするとは思わなかったがな」
nochimma
DOODLEヴ愛後モクチェズらくがき ヴ愛前から身体の関係あり おじさん昔に経験あり 眠り猫と安心毛布 目覚めの足音は、外からではなく胸の中から訪れた。
「ん……?」
といっても、加齢によってどんどんせっかちになってくる体内時計のせいでもなく、それよりもう一層、外側。裸でねむる剥き出しの胸板に、ひやりと冷たいものが当てられたからであった。
ゆっくりと目を開く。まだ、思考回路はなめくじが這うような速度だ。ええと、今日は仕事もなくて、そんなのたいそう久々なことで、だからこそ昨夜は二人して夜の底まで潜ってそりゃもう大盛り上がり……、したからこんなに身体がだるいのか。多分そう長くも寝ていないと思う。
……ということは。やっと全部がつながって、視線を落として納得する。「あー」と、声にならない呟きが喉の中でうずまいた。
2860「ん……?」
といっても、加齢によってどんどんせっかちになってくる体内時計のせいでもなく、それよりもう一層、外側。裸でねむる剥き出しの胸板に、ひやりと冷たいものが当てられたからであった。
ゆっくりと目を開く。まだ、思考回路はなめくじが這うような速度だ。ええと、今日は仕事もなくて、そんなのたいそう久々なことで、だからこそ昨夜は二人して夜の底まで潜ってそりゃもう大盛り上がり……、したからこんなに身体がだるいのか。多分そう長くも寝ていないと思う。
……ということは。やっと全部がつながって、視線を落として納得する。「あー」と、声にならない呟きが喉の中でうずまいた。
palna_f
DONE忍ぶ恋には仮面をつけて開催おめでとうございます!「身長+12cmをするとケツを揉みやすい高さ」とのことで、12cmどころじゃないですが、揉みやすい、そうなので。
スケール感おかしいですが…。
※チェは嫌がっていないので、セクハラでも痴漢行為でもありません。表現下手です。
kitahara_2gou
SPOILER2021年12月12日開催 モクチェズwebオンリー「忍ぶ恋には仮面をつけて2」の展示作品です。「ヴィンウェイより愛を込めて」のその後の話です。
ぬるいけれどR-18なので、18歳以上の方のみ閲覧ください。
質問:貴方は18歳以上ですか?(アルファベット小文字3文字) 6499
nochimma
DONE【忍恋2 展示】開催おめでとうございます!!事故でチェの日記を読んじゃうニンジャさんのお話です(ヴ愛後、このあと付き合うモクチェズ)パスはずしました(18時~)イベ後もそのまま公開します 昼下がりのキッチンから、香ばしい匂いが漂ってくる。
「へえ、いいじゃない。あれだよね、お店の看板にあった。きっと素敵だと思うよ。うん、……えっ。俺が? ……いや、いいけどもさ……、めでたい席なんでしょ? そういうのはちゃんとプロに頼んだ方が……」
ごり、ごりごり。……ごり。手挽きのミルが奏でる不揃いのテンポは、ハンドルの握り手の動揺を表しているようだ。盗み聞きするチェズレイの唇が、ゆるりと弧を描く。
長電話の相棒の姿は見えないが、声だけでも表情が手に取るように想像できる。この声の調子からして、おそらく相手は旧い知り合いで、昔取った杵柄がらみの……無茶なことを頼まれている。
(そうして、たぶん……)
15598「へえ、いいじゃない。あれだよね、お店の看板にあった。きっと素敵だと思うよ。うん、……えっ。俺が? ……いや、いいけどもさ……、めでたい席なんでしょ? そういうのはちゃんとプロに頼んだ方が……」
ごり、ごりごり。……ごり。手挽きのミルが奏でる不揃いのテンポは、ハンドルの握り手の動揺を表しているようだ。盗み聞きするチェズレイの唇が、ゆるりと弧を描く。
長電話の相棒の姿は見えないが、声だけでも表情が手に取るように想像できる。この声の調子からして、おそらく相手は旧い知り合いで、昔取った杵柄がらみの……無茶なことを頼まれている。
(そうして、たぶん……)
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズWebオンリー『忍ぶ恋には仮面をつけて2』開催おめでとうございました〜!!当日の無配展示作品でした。
※ゲーム本編および、ドラマCD『ヴィンウェイより愛をこめて』のネタバレを含みます。公式ツイでのチェズレイの誕生日動画の内容にも触れています。
※山小屋から街に出て体勢を立て直す間の話
※原作にない設定や捏造があります。すべて一個人の妄想です。 7331
yukishio_bmb
MAIKING12/12忍ぶ恋には仮面をつけて2にて公開しましたヴ愛・同時試聴会を踏まえたモクチェズ南国漫画(作画途中)です。
※モク母を捏造しています。
+10~ページ(R18)加筆して2月の新刊になる予定です。 18
ゆ籾がら
DONE2021/12/12「忍ぶ恋には仮面をつけて2」おめでとうございます!南国療養後期にはいくらかリハビリが進んでいて欲しい〜!なモクチェズ漫画です(某ミステリーと内容の関係はないです) 5
AmatsuBmb
DONE幸福だった過去に囚われろ――そんな敵の催眠に落ちたことを謝罪する、モさんの幸福について。#モクチェズ版ワンドロワンライ 「謝罪」です。
幸福な日々「ごめんな、チェズレイ」
「いえ、もういいのですよ」
体術でこの無敵の武人に敵う者はいないのだが、昨晩の敵はモクマとの相性が悪かった。精神を攻撃する相手だったのだ。
チェズレイが情報を得るために潜入した部屋。部屋の外で見張りをしてたモクマが倒れたのは、チェズレイがちょうど、敵が使う薬物や暗示についての調査を終えたところだった。
意識を曖昧にする薬物を混ぜた空気を吸わせ、暗示をかけることで敵を無力化する。
――幸福だった過去の夢に囚われろ、と。
遠い過去に囚われている者ほど、眠りは深く濃くなる。もう戻らない幸福に焦がれ、無意識に現実に戻ることを恐れ、長い間目覚めなくなる。
幸福な夢? 知るものか。そこがどれほどに甘美な世界であろうと、チェズレイを置いて、一人だけ夢の中に逃げ込むなど許さない。許してなるものか。
1604「いえ、もういいのですよ」
体術でこの無敵の武人に敵う者はいないのだが、昨晩の敵はモクマとの相性が悪かった。精神を攻撃する相手だったのだ。
チェズレイが情報を得るために潜入した部屋。部屋の外で見張りをしてたモクマが倒れたのは、チェズレイがちょうど、敵が使う薬物や暗示についての調査を終えたところだった。
意識を曖昧にする薬物を混ぜた空気を吸わせ、暗示をかけることで敵を無力化する。
――幸福だった過去の夢に囚われろ、と。
遠い過去に囚われている者ほど、眠りは深く濃くなる。もう戻らない幸福に焦がれ、無意識に現実に戻ることを恐れ、長い間目覚めなくなる。
幸福な夢? 知るものか。そこがどれほどに甘美な世界であろうと、チェズレイを置いて、一人だけ夢の中に逃げ込むなど許さない。許してなるものか。
palna_f
MEMOH EROチョイス同道後、初夜を迎えるモクマとチェズレイのH EROチョイス!
に答えてみました!ヴ愛前です。ヴ愛後もできたら書いてみたいです。
https://twitter.com/golden_naginata/status/1399710160600305668 3
💤💤💤
MAIKINGヴ愛後のモクチェズ。モ母を捏造してるよ。モがぐるぐる要らないことを考えたものの開き直る話。間に合えば加筆の上で忍恋2の日にパス付きでR18部分を加えて展示します。
【モクチェズ】その辺の犬にでも食わせてやる 何度か画面に指を走らせて、写真を数枚ずつスライドする。どんな基準で選んでるのか聞いてないが、選りすぐりです、と(いつの間にか傘下に加わっていた)"社員"に告げられた通り、確かにどの子も別嬪さんだ。
(…………うーん、)
けど残念ながら全くピンと来ない。これだけタイプの違う美女を並べられてたら1人2人くらい気になってもいいはずなんだが。
(…………やっぱ違うよなぁ)
俺はタブレットを置いてため息をつく。
チェズレイを連れて母親に会いに行ったのはつい数日前のことだった。事前に連絡を入れてたものの、それこそ数十年ぶりに会う息子が目も覚めるような美人さんを連れて帰ったもんだから驚かれて、俺の近況は早々に寧ろチェズレイの方が質問攻めになっていた。やれおいくつだの、お生まれはどちらだの——下手すりゃあの訪問中、母とよく喋ったのはチェズレイの方だったかもしれない。それで、数日を(一秒たりとも暮らしてない)実家で過ごした後、出発する俺達に向かって名残惜しそうにしていた母はこう言った——『次に来る時は家族が増えてるかもしれないわね』と。
2639(…………うーん、)
けど残念ながら全くピンと来ない。これだけタイプの違う美女を並べられてたら1人2人くらい気になってもいいはずなんだが。
(…………やっぱ違うよなぁ)
俺はタブレットを置いてため息をつく。
チェズレイを連れて母親に会いに行ったのはつい数日前のことだった。事前に連絡を入れてたものの、それこそ数十年ぶりに会う息子が目も覚めるような美人さんを連れて帰ったもんだから驚かれて、俺の近況は早々に寧ろチェズレイの方が質問攻めになっていた。やれおいくつだの、お生まれはどちらだの——下手すりゃあの訪問中、母とよく喋ったのはチェズレイの方だったかもしれない。それで、数日を(一秒たりとも暮らしてない)実家で過ごした後、出発する俺達に向かって名残惜しそうにしていた母はこう言った——『次に来る時は家族が増えてるかもしれないわね』と。
rio_bmb
INFO「骨は珊瑚」B6/36ページ/300円位?(未定)12/12 モクチェズWEBオンリー発行予定の短編小説本です。フロマージュさんのエアイベ利用予定。残部は2月のミッションコンプリートに持っていきます。
【内容】
ドラマCDの約1年後、モクチェズがずーっとピロートークしてるだけの短めの話です。直接的な性描写はないので全年齢。ヴィン愛まで聴いてる前提でドラマCDのネタバレも割としてます 5
nochimma
DOODLEヴ愛ばれ ハラ決まり幸福おじさんモクチェズ(未満)らくがき「詐欺師の恋」☆チェがバブ!少女漫画!
「……モクマさん」
「んー?」
「あの、さっきのはなんだったんですか…?」
「え? なにが? おじさんなにか変なこと言ってた…!?」
「……」
ヴィンウェイでの騒動が終わって、満身創痍のチェズレイの療養のため、モクマの母親の住む南の島へ飛んで。
ゆっくり傷を癒したあと、ついに数十年ぶりの再会を果たした母親に、モクマは頭を下げて感謝と共に語ったのだった。「幸福と出会えたのは、この命あってのこと」と――。
で、その帰り道。詐欺師は頭を悩ませていた。
モクマはどうやら――幸福と出会った、らしい。
幸福。というのは、まさか……、
(……いや、彼はひととの繋がりを大事にする人だから、そういう絆が宝物とか幸せとか、きっとそういうことなのだろう。ほら、いかにもボスなら言いそうですし、この人もなんだかんだ光属性ですし……それらのかけがえのない絆に出会えたことは産んでもらったからこそ……と)
2354「……モクマさん」
「んー?」
「あの、さっきのはなんだったんですか…?」
「え? なにが? おじさんなにか変なこと言ってた…!?」
「……」
ヴィンウェイでの騒動が終わって、満身創痍のチェズレイの療養のため、モクマの母親の住む南の島へ飛んで。
ゆっくり傷を癒したあと、ついに数十年ぶりの再会を果たした母親に、モクマは頭を下げて感謝と共に語ったのだった。「幸福と出会えたのは、この命あってのこと」と――。
で、その帰り道。詐欺師は頭を悩ませていた。
モクマはどうやら――幸福と出会った、らしい。
幸福。というのは、まさか……、
(……いや、彼はひととの繋がりを大事にする人だから、そういう絆が宝物とか幸せとか、きっとそういうことなのだろう。ほら、いかにもボスなら言いそうですし、この人もなんだかんだ光属性ですし……それらのかけがえのない絆に出会えたことは産んでもらったからこそ……と)
motomura_3
SPOILERヴ愛後の初夜(全年齢)pixivに上げたものと同じです
読みやすい方でどうぞ
体温に触れる その日の様々な用事をこなして宿に戻ったときに肩に伸し掛かった疲労感は相当なものだったが、それでもかなりの充実感に満たされていて気分は悪くなかった。いや、むしろ昂揚感がずっと続いていたと言っていい。
だから、ベッドに並んで腰を下ろしたとき、〝その〟気になったのはモクマの中では至極自然なことであった。
「チェズレイ……」
宿のベッドは二つ。それでも相棒と同じベッドに腰掛けたのは、少しの距離でも離れ難かったからだ。チェズレイの艷やかな髪を一房手に取りながら、彼の目を真っ直ぐに見つめて言う。
「お前に触れたい。許してくれるか」
「……ええ。いずれこうなる予感はしていました」
「その回答は百点とは言えんね。俺はお前さんの意思を訊いてる」
6019だから、ベッドに並んで腰を下ろしたとき、〝その〟気になったのはモクマの中では至極自然なことであった。
「チェズレイ……」
宿のベッドは二つ。それでも相棒と同じベッドに腰掛けたのは、少しの距離でも離れ難かったからだ。チェズレイの艷やかな髪を一房手に取りながら、彼の目を真っ直ぐに見つめて言う。
「お前に触れたい。許してくれるか」
「……ええ。いずれこうなる予感はしていました」
「その回答は百点とは言えんね。俺はお前さんの意思を訊いてる」
ranha_FP
SPOILERヴ愛のモチェについては皆さん悶絶しながら素晴らしさや感動を伝えて頂いてるので、私がグッときた変態部分を捏造込みで披露します。それにしてもヴ愛のモクマさんはずっとカッコよかったなぁ・・・はぁ・・・ 4nishioka1226
DONEヴィン愛モクチェズ妄想漫画描いてたんですが発送されちまったので清書できてないけど一番描きたかったとこだけ供養~~~~~※ネーム描いたのがニン夢前だったのでそういう意味でも許されたい 2syadoyama
DOODLEモクチェズのチェス話。プロモーションから連想したけど文字数オーバーしちゃったからナシ……promotion「お前さん、思ったとおり似合うねえ。チェスの王様みたいだよ」
「モクマさぁん……チェスのキングは優秀なコマではありませんよ」
かつ、と硬い音がする。チェスのコマを動かした音だろう。のんきな声が答える。
「あ、そうでした。王将とおんなじだったね」
「ええ。褒め称えるつもりなら、クイーンとお呼びください」
「チェズレイがクイーン……似合ってドキドキしちゃうね……! しかし、肝心要なのは王将だ。お前がいくら縦横無尽のクイーンでも、それは変わらんよ」
嬉しげにクスクスと笑う声。水筒からとぽとぽと注ぐ水音。きん、とカップがソーサーと打つかる音。
「ではモクマさんはさしずめ、このポーンでしょうか」
「まーたツルンとしたシンプルな……歩かあ」
1019「モクマさぁん……チェスのキングは優秀なコマではありませんよ」
かつ、と硬い音がする。チェスのコマを動かした音だろう。のんきな声が答える。
「あ、そうでした。王将とおんなじだったね」
「ええ。褒め称えるつもりなら、クイーンとお呼びください」
「チェズレイがクイーン……似合ってドキドキしちゃうね……! しかし、肝心要なのは王将だ。お前がいくら縦横無尽のクイーンでも、それは変わらんよ」
嬉しげにクスクスと笑う声。水筒からとぽとぽと注ぐ水音。きん、とカップがソーサーと打つかる音。
「ではモクマさんはさしずめ、このポーンでしょうか」
「まーたツルンとしたシンプルな……歩かあ」
pieesuke_kun
MOURNINGチェ誕・ヴ愛の圧に耐えきれず、もはやこれを書ききることはないでしょう……と判断したものです日記と赤面と両片思い「チェ〜ズレイ、ほんとに平気?」
「えぇ、大事ありません」
チェズレイが入院することになった。
入院といっても大きな怪我をしたじゃない。ただ少しばかり頭を打ったことを口実に、働きづめのチェズレイが療養するためのものだから、心配することはなにも無い。
病室だと言われてもにわかに信じがたいその豪華な個室の中、ベットの上で佇むチェズレイは不思議と様になっていた。
「お前さんはどんな姿でも様になるねぇ」
「誉め言葉として受け取っておきましょう。それで、モクマさん、頼みたいことなのですが……」
チェズレイは何かに少し悩んだ後、モクマから視線を外して窓の方を見ながら言う。
「私の日記を、持ってきてほしいのです」
「日記?日記なんか付けてたの?」
3842「えぇ、大事ありません」
チェズレイが入院することになった。
入院といっても大きな怪我をしたじゃない。ただ少しばかり頭を打ったことを口実に、働きづめのチェズレイが療養するためのものだから、心配することはなにも無い。
病室だと言われてもにわかに信じがたいその豪華な個室の中、ベットの上で佇むチェズレイは不思議と様になっていた。
「お前さんはどんな姿でも様になるねぇ」
「誉め言葉として受け取っておきましょう。それで、モクマさん、頼みたいことなのですが……」
チェズレイは何かに少し悩んだ後、モクマから視線を外して窓の方を見ながら言う。
「私の日記を、持ってきてほしいのです」
「日記?日記なんか付けてたの?」
nochimma
DOODLEワンドロ「たまご」「あっ」
と、思った時にはもう遅かった。
楕円の形ですべすべで真っ白で、プラスチック製の頼りないベッドに行儀よく並んだ、十個の卵。が、冷蔵庫の定位置におさまろうとしたその時、つるりとモクマの手を滑り落ちて、
「ッ! ッだ~~~っ!!」
ご自慢の瞬発力でキャッチしようとするも、ごっちん。前方不注意のせいで冷蔵室の出っ張りに額をぶつけて、叫びと共に目の前に星が散った。
そうして常ならなんでも掴める守り手の指先はむなしく宙を掻き、結果……、
「うっ、そ、でしょ……」
額を押さえながら呆然としゃがみ込む。
未開封の透明なパックの中で、真っ白だった卵には、どれもこれもヒビが入ってしまっていた。しかも見たところ、ご丁寧に十個全部に。これではすぐにでも使わないとだめになってしまう。
4358と、思った時にはもう遅かった。
楕円の形ですべすべで真っ白で、プラスチック製の頼りないベッドに行儀よく並んだ、十個の卵。が、冷蔵庫の定位置におさまろうとしたその時、つるりとモクマの手を滑り落ちて、
「ッ! ッだ~~~っ!!」
ご自慢の瞬発力でキャッチしようとするも、ごっちん。前方不注意のせいで冷蔵室の出っ張りに額をぶつけて、叫びと共に目の前に星が散った。
そうして常ならなんでも掴める守り手の指先はむなしく宙を掻き、結果……、
「うっ、そ、でしょ……」
額を押さえながら呆然としゃがみ込む。
未開封の透明なパックの中で、真っ白だった卵には、どれもこれもヒビが入ってしまっていた。しかも見たところ、ご丁寧に十個全部に。これではすぐにでも使わないとだめになってしまう。
rio_bmb
MOURNINGけっこう前(6月か7月?)に書いてたけど新情報が出るたびにお蔵入りにせざるをえなかったモクチェズのラブコメ。読み返したら一周回って記念に供養しとくか…という気持ちになったのでお焚き上げです同道後のラブコメ「おじさんを好んでくれる子はいないのかなあ……」
などとわざとらしく鎌をかけてみたこともあったのだが、あの時は正直なところ半信半疑だった。
何せ相手が相手だ。都市伝説になるような詐欺師にとって、思わせぶりな態度を取るなんてきっと朝メシ前だろう。そう思うのと同時に、自分を見つめる瞳に浮かぶ熱が偽りとも思えなかった。
(ひょっとして、脈アリ?)
(いやいや、浮気って言っとったしなあ)
その浮気相手にあれだけ心を砕く律儀者が、本命を前にしたらやはり相討ちも辞さないのではないだろうか。あなたと違って死ぬ気はないとは言っていたものの、刺し違えれば勝てるとなればうっかり命を懸けてしまいかねない。彼の律儀さはそうした危うさを孕んでいた。だからその時は脈があるかどうかより、ただ復讐に燃えるチェズレイの身を案じていたのだ。約束で縛ることは叶わず、己では彼の重石にはなれないのかとじれったく思ったのも記憶に新しい。
5625などとわざとらしく鎌をかけてみたこともあったのだが、あの時は正直なところ半信半疑だった。
何せ相手が相手だ。都市伝説になるような詐欺師にとって、思わせぶりな態度を取るなんてきっと朝メシ前だろう。そう思うのと同時に、自分を見つめる瞳に浮かぶ熱が偽りとも思えなかった。
(ひょっとして、脈アリ?)
(いやいや、浮気って言っとったしなあ)
その浮気相手にあれだけ心を砕く律儀者が、本命を前にしたらやはり相討ちも辞さないのではないだろうか。あなたと違って死ぬ気はないとは言っていたものの、刺し違えれば勝てるとなればうっかり命を懸けてしまいかねない。彼の律儀さはそうした危うさを孕んでいた。だからその時は脈があるかどうかより、ただ復讐に燃えるチェズレイの身を案じていたのだ。約束で縛ることは叶わず、己では彼の重石にはなれないのかとじれったく思ったのも記憶に新しい。