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    #K暁

    nachi_osora

    DONE桜木棗様(@na2me84)の神台詞「あんたのことは身体が覚えてるから」から妄想がたぎりにたぎって書き上げたK暁です。
    エンディング後現世に体持ちで戻ってきたものの、暁人くんを『普通の世界』に還してあげたくて塩対応を繰り返すKKと、全部わかってて側にいたくて追いかけてる暁人くんのお話です。
    まぁ塩対応とか言ってますが、書いてるのが私なので最終的には暁人くんの粘り勝ちです。
    全部覚えてる「逃げたって無駄だよKK」
     後ろからかかった声に、KKは大きくため息をつく。
    「もうくんなつっただろうが、クソガキ」
     わざと苛立ちを前面に押し出して顔すら見ずに伝えたのに、大きな子供はけしてめげることがない。これはいったい何度目の問答だろう。
    「あんたが僕を、普通の世界に還そうとしてくれるのはわかってる」
     わかっているならば大人しく言いつけをきけばいいのに、この跳ねっ返りときたら少しも聞きやしない。
     そのまま無言を貫き、いつもと同じく振り返らずに去ろうとしたとき、「でもさ」と暁人が続けた。
    「あんたのことは身体が覚えてるから」
     とんでもないセリフに息を吸い込み損ね、思わずむせて青年を見てしまった。ばちりと視線が合う。久方ぶりに正面から見た暁人は、勝ったとばかりにほくそ笑んでいて腹立たしい。
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    ことざき

    DONE祠を壊した人に対するけけおじさんの反応を想像しようとして、どうしても思い浮かばず、捏ねくりまわしているうちにできた話。

    偕老同穴
    『生きてともに老い、死して墓を同じくすること。夫婦仲睦まじいこと』
    偕老同穴の契り リビングで華やかな旋律が鳴っていた。
     暁人はニンジンに包丁を入れかけていた手を止め、背後を振り返った。視線の先、二人で使うにはやや手狭なダイニングテーブルの上で、暁人のスマートフォンが細かな振動を繰り返している。暁人お気に入りのこのメロディは、パートナーであるKKだけのものだ。
     今朝、朝食の席で彼から聞いた話では、怪異調査には一晩中かかるだろうとのことだったが、予想外に早く終わったのだろうか。暁人は包丁をまな板の上に置き、ざっと手を洗うと、キッチンと地続きのリビングへ早足で向かった。
     ともに暮らしはじめた当初から口を酸っぱくして言い聞かせてきた甲斐あって、KKはここ最近、ようやく予定変更の連絡をちょくちょく入れるようになってきていた。この着信も、そのためのものかもしれない。彼と一緒にご飯を食べられるのであれば、少しくらい夕飯が遅くなってもまったく構わないし、たとえ夕飯には間に合わなくとも、一緒に眠れるならやはり嬉しい。
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