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    Orr_Ebi

    TRAINING沢深ワンライお題「横顔」で書いたんですが、また両片思いさせてるしまた深は叶わない恋だと思っている。そして沢がバカっぽい。
    全然シリアスな話にならなくて、技量が足りないと思いました。いつもこんなんでごめんなさい。
    横顔横顔

     沢北栄治の顔は整っている。普段、真正面からじっくりと見ることがなくても、遠目からでもその端正な顔立ちは一目瞭然だった。綺麗なのは顔のパーツだけではなくて、骨格も。男らしく張った顎と、控えめだが綺麗なエラからスッと伸びる輪郭が美しい。
     彫刻みたいだ、と深津は、美術の授業を受けながら沢北の輪郭を思い出した。沢北の顔は、全て綺麗なラインで形作られている。まつ毛も瞼も美しく、まっすぐな鼻筋が作り出す陰影まで、沢北を彩って形作っている。
     もともと綺麗な顔立ちの人が好きだった。簡単に言えば面食いだ。それは、自分が自分の顔をあまり好きじゃないからだと思う。平行に伸びた眉、重たい二重瞼、眠そうな目と荒れた肌に、カサカサの主張の激しすぎる唇。両親に文句があるわけではないが、鏡を見るたびに変な顔だなと思うし、だからこそ自分とは真逆の、細い眉と切長の目、薄い唇の顔が好きだと思った。それは女性でも男性でも同じで、一度目を奪われるとじっと見つめてしまうのが悪い癖。だからなるべく、深津は本人に知られないように、そっと斜め後ろからその横顔を眺めるのが好きだった。松本の横顔も、河田男らしい顔も悪くないが、1番はやっぱり沢北の顔だった。
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    Orr_Ebi

    TRAINING喧嘩する沢深。でも仲良し。
    なんだかんだ沢が深に惚れ直す話。
    とあるラブソングを元に書きました!

    大学生深津22歳、留学中沢北21歳くらいをイメージしてます。2月のお話。
    期間限定チョコ味 足先が冷たくなっていく。廊下のフローリングを見つめて、何度目か分からないため息をついた。
    「ちょっと頭冷やしてきます」
     深津さんにそう告げて部屋を出てから、15分は経っている。もうとっくに頭は冷えていた。爪先も指先も冷たくなっていて、暖かい部屋の中に入りたいと思うのに、凍りついたようにその場から動けなかった。
     なんて事ない一言がオレたちに火をつけて、すぐに終わる話だと思ったのに、想定よりずっと長くなって、結局喧嘩になった。オレが投げかけた小さな火種は、やがて深津さんの「俺のこと信用してないのか?」によって燃え広がり、結局最初の話からは全然違う言い合いへと発展し、止まらなくなった。
     いつにも増して深津さんが投げやりだったのは、連日の厳しい練習にオレの帰国が重なって疲れているから。そんな時に、トレーニング方法について何も知らないくせに、オレが一丁前に口出ししたから。それは分かってるけど、でも、オレがやりすぎなトレーニングは体を壊すって知ってるから、心配して言ったのに。
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    Orr_Ebi

    MAIKING大人🏀選手沢(29)と会社員深(30)の沢深が10年の時を経てやっと燃え上がる話。
    ・沢が自分勝手
    ・完全な両思いではない
    ・NTRを匂わせる表現あり(直接は無し)
    ・深に♀がいる
    ・深の♀が不憫
    ・深が流されやすい
    そこまで過激に表現してませんが、ふんわり上記要素入ってます。逆にこういうの好きな方はどうぞ!
    連れてって 「いつ別れるの?」
    明日の予定を聞くような軽さで、沢北はとんでもないことを言った。
    「……別れる?」
    「うん。深津さん、彼女ともう長いんでしょ」
    頬杖をついて、にっこり笑って言う男は今年もう29だ。深津は30になる。まるで高校生のような若さ、瑞々しさを持ち続けるこの男は、深津にとって厄介な男だ。


    「───深津さんが好きなんですけど」
    突然、深津の職場に現れて深津を呼び出し、沢北は開口一番にそう言った。
    「……は?」
    10年ぶりに会って、深津が沢北に返した言葉はそれだけだった。沢北は、あの頃と変わらない笑顔でニカッと笑って、「飲み行きましょうよ」と深津の手を握った。それが2ヶ月前のこと。
     沢北はアメリカにいると思ったのに、どうやら今は日本にいるらしい。高校を卒業してから、しばらく連絡は取っていたが、深津の就職や沢北のアメリカでのバスケ選手としてのキャリアがスタートした頃に、自然と連絡は途絶えてしまった。
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    桃本まゆこ

    MAIKINGこの本(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20595666)を出した時にイベントの無配にしようと思って当日までに終わりませんでした。今年中に書き終わったらこことpixivに載せます。同じ設定の短編(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21176506)も再録したのでよかったらぜひ読んでみてください~
    カズピョンの浮気(仮題) 自分の恋人が見知らぬ男と親しげに寄り添いあって歩いていた。しかもその相手が信じられないくらいのイケメンだった—―と言って、うちの常連客は大げさに泣き崩れた。
    「浮気ってこと? カズピョンに限ってそんなことないと思うけど」
    「俺だって疑ってるわけじゃないんですよイチノさん。でも実際に見たんです。すっげぇカッコイイ人と一成さんが、めちゃくちゃ仲良さそうに笑いながら歩いてるところ……!」
     そう叫んでぐすぐすと鼻を啜る沢北を見て、俺はひとつため息をついた。

     数年前からうちの店に通うようになった沢北栄治というこの男は、まさに彗星のように夜の街に現れた。
     背が高く、顔が良く、声も身体も良く、初めて来た時からその存在感は周囲を圧倒していた。モデルか芸能人かと噂されていたが、ただの新卒サラリーマンだったというのだから驚きだ。外見の良さだけでなく、性格も愛嬌があって明るくコミュ力もあるとくれば、モテない理由などなかった。誰もが沢北の恋人になりたがったが、意外なことにその想いを遂げられた人間は一人もいなかった。
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    桃本まゆこ

    DONEワンライ「おれだって我慢してるのに」で書きました。ふかつさんが阿〇ヶ谷姉妹みたいなことしたら可愛いな~と思って。知らない方は「阿〇ヶ谷姉妹 誤爆」とかで検索してみてください。すぐ出てきます。
    沢深ワンライ「おれだって我慢してるのに」 “西友寄ってく 牛乳まだあるか?”

     SNS上に突如として流れたその一言は大いにファンをざわめかせた。それがバスケットボール選手深津一成のアカウントから発信されたものだったからだ。
     深津は元々、SNSの更新がマメなタイプではない。試合やチームの公式な催しに関する告知はあるもののそれは明らかにスタッフの手によるもので、深津本人が何かを投稿するということは年に数回あるかどうか、という最低の更新頻度だ。ある年など「あけましておめでとうございます」の一言と共に空の画像が添えられた投稿の次が「夏」という一文字のみが添えられた西瓜の写真だった。その間約8か月である。その後もう少し投稿を増やすようにと広報から怒られたというエピソードを披露し、ファンが狂喜したことは言うまでもない。そんな深津のアカウントからオフシーズンである現在唐突に投稿されたその言葉はインターネット上を駆け巡った。
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