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DONE朝ごはんを食べるモブくんと師匠(1428→2135)冬の朝のほっと一息
モブくんは昔も今も健気
2021/11/13 シテイシティ開催おめでとうございます!
いつかあなたをつくるもの「ん……」
眩しい朝日に目を覚ますと、コーヒーの香りがした。まだ布団から出たくなくて、起きるか二度寝するかもぞもぞと葛藤をしていると、起きたかと師匠から声がかかった。見つかってしまうと起きなくてはいけない気持ちになる。
「いいよ、寝てて」
「起きます」
「そ? コーヒー淹れたけど飲む?」
「いただきます……あ、師匠!」
「ん、どした」
「おはようございます」
「おはよ、モブ」
振り返った師匠はこれまで見たことがない顔をしていた。苦笑しているような、照れくさそうな、そして少し嬉しそうな顔で笑った。
ベッドから体を起こした僕の肩に冷えるからとブランケットをかけて、師匠は台所に向かった。
「牛乳入れるだろ?」
「お願いします」
3213眩しい朝日に目を覚ますと、コーヒーの香りがした。まだ布団から出たくなくて、起きるか二度寝するかもぞもぞと葛藤をしていると、起きたかと師匠から声がかかった。見つかってしまうと起きなくてはいけない気持ちになる。
「いいよ、寝てて」
「起きます」
「そ? コーヒー淹れたけど飲む?」
「いただきます……あ、師匠!」
「ん、どした」
「おはようございます」
「おはよ、モブ」
振り返った師匠はこれまで見たことがない顔をしていた。苦笑しているような、照れくさそうな、そして少し嬉しそうな顔で笑った。
ベッドから体を起こした僕の肩に冷えるからとブランケットをかけて、師匠は台所に向かった。
「牛乳入れるだろ?」
「お願いします」
humi0312
MOURNINGこれはできたら本にしたい……。まだ子どものモブくんと、師匠からモブくんを好きになる話。
恋をするのは楽しいな霊幻新隆は開き直った。土壇場で面倒くさくなるタイプだが、面倒くさくなったのではなく、受け入れる方向の覚悟を決めたということだ。
そう覚悟だった。
受け入れると決めたのは他でもない、弟子に対する諸々の感情についてだった。
11歳で霊幻の前に現れた男の子は、いまや16歳の少年になっていた。ランドセルと半ズボンからのぞくまあるい膝小僧が可愛かったのが、大きめで誂えた学ランがぴったりと袖も余らなくなって、気づけば優しい黒目はそのままに目つきも顔の輪郭もややシャープな男前になりつつあった。
素直で純で人を疑うことを知らない。心底救いようのない相手にも理解を示そうと努力する。自分の気持ちを伝えることを諦めない。そういう弟子だった。
2651そう覚悟だった。
受け入れると決めたのは他でもない、弟子に対する諸々の感情についてだった。
11歳で霊幻の前に現れた男の子は、いまや16歳の少年になっていた。ランドセルと半ズボンからのぞくまあるい膝小僧が可愛かったのが、大きめで誂えた学ランがぴったりと袖も余らなくなって、気づけば優しい黒目はそのままに目つきも顔の輪郭もややシャープな男前になりつつあった。
素直で純で人を疑うことを知らない。心底救いようのない相手にも理解を示そうと努力する。自分の気持ちを伝えることを諦めない。そういう弟子だった。
humi0312
DONE1427で、かわいいものを抱っこしないとだめな呪いにかかった師匠の話。*書き上がりました!
モブ霊タグをつけていますが、師弟みが強いです。
孤独なホワイティ以前で、エクボがいる時期の相談所。
かわいいもの「師匠? 師匠、聞こえますか? ……どうなってるの」
「どうもこうも……」
ぼんやりとした意識の中に声が聞こえる。眠っていたのか、何やら妙に思考が鈍くて働かない。
「憑かれちまったみたいなんだがなあ……。何するでもなくこの通りだんまりでよ」
「いったい何でまた」
「わからん。依頼人は水子かもしれんと言ってたんだが……、それにしちゃあガキの気配じゃないんだよ」
「依頼の方はどうしたの」
「こいつに憑いちまったからか、あっちは霊障も治まったみたいでな。な〜んも感じなかったぞ」
「そう……。どうしよっか……」
お手上げ状態といった調子の声ともう一つの声が何か話しているのだが、いまいち内容が頭に入ってこない。状況が掴めないと言わんばかりの声の方は少し苛立った気配を見せていて、厄介事になる前にどうにかしようと顔を上げる。寝ていたからか、ずっと下を向いてたが、見慣れた床から慣れ親しんだ事務所にいるんだと分かった。
5604「どうもこうも……」
ぼんやりとした意識の中に声が聞こえる。眠っていたのか、何やら妙に思考が鈍くて働かない。
「憑かれちまったみたいなんだがなあ……。何するでもなくこの通りだんまりでよ」
「いったい何でまた」
「わからん。依頼人は水子かもしれんと言ってたんだが……、それにしちゃあガキの気配じゃないんだよ」
「依頼の方はどうしたの」
「こいつに憑いちまったからか、あっちは霊障も治まったみたいでな。な〜んも感じなかったぞ」
「そう……。どうしよっか……」
お手上げ状態といった調子の声ともう一つの声が何か話しているのだが、いまいち内容が頭に入ってこない。状況が掴めないと言わんばかりの声の方は少し苛立った気配を見せていて、厄介事になる前にどうにかしようと顔を上げる。寝ていたからか、ずっと下を向いてたが、見慣れた床から慣れ親しんだ事務所にいるんだと分かった。
328db
MOURNINGモブと師匠ふたりが死後について喋っているだけ
日常会話を書こうとしてただの重い話になった(こんなつもりでは)
そばにいるよ「普通に考えて俺が先に死ぬと思う。だって14も年が上だろ? 人生80年として、俺が80で死んだらお前は66か……若いのか、まあ若いか。それにしても66のモブは貫禄がありそうだな」
「僕も想像がつかないです。80歳の師匠も。師匠はピンピンしていそうだ」
「いやまあ、年はどうでも良い。話を戻す。俺がお前より先に死ぬとする。その後しばらく現世に留まろうかと思っている」
「……?」
「ほらあれだ、お前なら霊見えるだろ?」
「悪霊になるつもりですか?」
「悪霊にはならねえよ。そうしたらお前に除霊されちゃうだろ」
「師匠は除霊しないです。……いや、悪い事していたらどうかな……除霊しちゃうかも」
「だろ? だから霊は霊でもお前の守護霊になってみるのも楽しそうだなと思って。毎朝枕元に立って、お前の肩ぐらいに浮かんで、これまで守ってもらった分お前を守ってやるよ。すぐに成仏すんのつまんねーだろ」
721「僕も想像がつかないです。80歳の師匠も。師匠はピンピンしていそうだ」
「いやまあ、年はどうでも良い。話を戻す。俺がお前より先に死ぬとする。その後しばらく現世に留まろうかと思っている」
「……?」
「ほらあれだ、お前なら霊見えるだろ?」
「悪霊になるつもりですか?」
「悪霊にはならねえよ。そうしたらお前に除霊されちゃうだろ」
「師匠は除霊しないです。……いや、悪い事していたらどうかな……除霊しちゃうかも」
「だろ? だから霊は霊でもお前の守護霊になってみるのも楽しそうだなと思って。毎朝枕元に立って、お前の肩ぐらいに浮かんで、これまで守ってもらった分お前を守ってやるよ。すぐに成仏すんのつまんねーだろ」
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DONE飲まれていない【B面】大人モブ霊
「飲まれた」の師匠酔ってないver.
ちょっといかがわしい
途中まで↓と一緒です
▼「飲まれた」
https://poipiku.com/2622890/4984703.html
師匠っていうか、私が我に返った……
飲まれていない 今回は旅館で悪霊退治の仕事だった。芹沢に同行を頼もうと思っていたが、生憎その日は学校の友達と旅行の予定が入っていたらしく、急遽モブに連絡した。モブは本当に急だなと零したが引き受けてくれた。
仕事は滞りなく片付いた。依頼主である女将から大変感謝され、グレードの高い部屋が用意された。もちろん料金は旅館持ちだ。今座ってお茶を飲んでいる広い和室、奥にはデカいベッドがある洋室、景色の良い広縁、部屋付き露天風呂。こんなスイートルームには中々実費で泊まるのは難しい。部屋に通された瞬間、モブとふたりで荷物を取り落しそうになった。
早めに仕事が終わったため、のんびり露天風呂に浸かって部屋でごろごろしていた。モブは景色、洋室、風呂を見てひとつひとつに「すごい」と目を輝かせていた。大人になっても素直に感嘆を表せるモブは変わらず可愛いと思う。運ばれて来た豪華な夕食を目の前にして、また「すごい」と口を開けていた。
2794仕事は滞りなく片付いた。依頼主である女将から大変感謝され、グレードの高い部屋が用意された。もちろん料金は旅館持ちだ。今座ってお茶を飲んでいる広い和室、奥にはデカいベッドがある洋室、景色の良い広縁、部屋付き露天風呂。こんなスイートルームには中々実費で泊まるのは難しい。部屋に通された瞬間、モブとふたりで荷物を取り落しそうになった。
早めに仕事が終わったため、のんびり露天風呂に浸かって部屋でごろごろしていた。モブは景色、洋室、風呂を見てひとつひとつに「すごい」と目を輝かせていた。大人になっても素直に感嘆を表せるモブは変わらず可愛いと思う。運ばれて来た豪華な夕食を目の前にして、また「すごい」と口を開けていた。