下町小劇場・芳流
MEMOif設定もしも、子ヒュンがロカレイ夫婦に育てられていたら 最近TLをにぎわせていた「もしもヒュンケルがロカレイラ夫婦に引き取られてマァムと義兄妹として育っていたら」
これは、ヒュンケルとアバンの関係を見ても、面白いIF設定だなと思った。
この設定は、アバンがヒュンケルをロカレイラ夫婦に預けるところから始まる。そして、その後の展開としては次のパターンが考えられる。
① そのままヒュンケルが成人までネイル村で育つ光の長兄まっしぐらコース
② 途中で魔界に行き、不死騎団長になるコース
大きく分けるとこの2パターンかな、と思う。
どちらのコースもアバンとの関係が興味深い。
まず、①光の長兄コース
これは、最初は、とげとげして感情がささくれ立っている子ヒュンが、ロカ一家と生活するうちに打ち解けていくのだろう。
1010これは、ヒュンケルとアバンの関係を見ても、面白いIF設定だなと思った。
この設定は、アバンがヒュンケルをロカレイラ夫婦に預けるところから始まる。そして、その後の展開としては次のパターンが考えられる。
① そのままヒュンケルが成人までネイル村で育つ光の長兄まっしぐらコース
② 途中で魔界に行き、不死騎団長になるコース
大きく分けるとこの2パターンかな、と思う。
どちらのコースもアバンとの関係が興味深い。
まず、①光の長兄コース
これは、最初は、とげとげして感情がささくれ立っている子ヒュンが、ロカ一家と生活するうちに打ち解けていくのだろう。
Jeff
DONE3. ConfidantKZN48展示作品・魂の絆二次創作
Hero+Hyunckel, Larhart×Hyunckel
全5話
2022/11/26
3. Confidant ……よし。
「見ろ、ひとりになったぞ。しばらく用事もない筈だ」
満を持して、傍らの青年に声をかける。
巨大な樫の木の幹にへばりつくようにして、元・不死騎団長はこわごわ視線を投げた。
目的の男は主君と別れて、おそらく修練のため森に残っている。
魔族の耳でも察知困難なくらい距離を取り、完璧に気配を消した二人に気づく様子はない。
ヒュンケルは彼の姿を直視できず、思わず下を向いた。
メァリがばすんと腰辺りを叩く。
「行け。行くんだ。躊躇している場合か」
「待て。待ってくれ。……いや、やはり今日はやめよう」
「何回目だよ! ヒュンケル、あのさ、僕も詳しいわけじゃないけど、絆に関しては専門家なんだ。絶対に何とかするべきだって!」
6571「見ろ、ひとりになったぞ。しばらく用事もない筈だ」
満を持して、傍らの青年に声をかける。
巨大な樫の木の幹にへばりつくようにして、元・不死騎団長はこわごわ視線を投げた。
目的の男は主君と別れて、おそらく修練のため森に残っている。
魔族の耳でも察知困難なくらい距離を取り、完璧に気配を消した二人に気づく様子はない。
ヒュンケルは彼の姿を直視できず、思わず下を向いた。
メァリがばすんと腰辺りを叩く。
「行け。行くんだ。躊躇している場合か」
「待て。待ってくれ。……いや、やはり今日はやめよう」
「何回目だよ! ヒュンケル、あのさ、僕も詳しいわけじゃないけど、絆に関しては専門家なんだ。絶対に何とかするべきだって!」
Jeff
DONE2. MotherKZN48展示作品・魂の絆二次創作
Hero+Hyunckel, Larhart×Hyunckel
全5話
2022/11/26
2. Mother なぜ、こんなものを持ち帰ってしまったのだろう。
メァリは崩れた床にごろりと腹ばいになって、目線をそれに合わせた。
ぼろぼろになった、何かのぬいぐるみ。魔物にも人間にも見える。
力なく垂れた首が哀れを誘うが、どうしてやればいいのかよくわからない。
「大事にされてたんだろうな」
と呟いて、小さな頭を指先で撫でてやる。
と、人形がふと顔を上げた。
かたかたと震え、おもむろに立ち上がる。四肢の感触を確かめるように数歩よろめいたかと思うと、メァリの方を振り返り、踊り子みたいに可愛らしくお辞儀をした。
メァリは笑って、肩越しに振り返る。
「また変なことしてる」
音も無く背後に現れた、背の高い影。彼は読みがたい表情のまま、すっと手を引いた。
1799メァリは崩れた床にごろりと腹ばいになって、目線をそれに合わせた。
ぼろぼろになった、何かのぬいぐるみ。魔物にも人間にも見える。
力なく垂れた首が哀れを誘うが、どうしてやればいいのかよくわからない。
「大事にされてたんだろうな」
と呟いて、小さな頭を指先で撫でてやる。
と、人形がふと顔を上げた。
かたかたと震え、おもむろに立ち上がる。四肢の感触を確かめるように数歩よろめいたかと思うと、メァリの方を振り返り、踊り子みたいに可愛らしくお辞儀をした。
メァリは笑って、肩越しに振り返る。
「また変なことしてる」
音も無く背後に現れた、背の高い影。彼は読みがたい表情のまま、すっと手を引いた。
Jeff
DONE1. Broken StringsKZN48展示作品・魂の絆二次創作
Hero+Hyunckel, Larhart×Hyunckel
全5話
2022/11/26
1. Broken Strings みつけた。
破壊を免れた、古都の図書館。
単独行動を好むアバンの使徒の長兄が、良くここに潜り込んでいることは知っていた。
メァリはにやっと笑うと、細く息を吐いて棚の後ろに隠れた。
足音を立てずに敵に近づく身のこなし、そこからトップスピードへ移行するための筋肉の使い方を、半魔の戦士に習ったばかりだ。
何事も実践が重要。
息遣い、闘気、魔法力、全てを凪いだ海のように平坦に。
用心深いメタルスライムですら、背後を取られるまで気付かせない、肉食獣のストーキング。
完璧だ。
本に夢中になっている彼の背中に一撃を加えるべく、最後の一歩を踏み出したその時。
「遅いぞ、ラーハルト」
きっぱりとした声とともに、ヒュンケルが振り返った。
9923破壊を免れた、古都の図書館。
単独行動を好むアバンの使徒の長兄が、良くここに潜り込んでいることは知っていた。
メァリはにやっと笑うと、細く息を吐いて棚の後ろに隠れた。
足音を立てずに敵に近づく身のこなし、そこからトップスピードへ移行するための筋肉の使い方を、半魔の戦士に習ったばかりだ。
何事も実践が重要。
息遣い、闘気、魔法力、全てを凪いだ海のように平坦に。
用心深いメタルスライムですら、背後を取られるまで気付かせない、肉食獣のストーキング。
完璧だ。
本に夢中になっている彼の背中に一撃を加えるべく、最後の一歩を踏み出したその時。
「遅いぞ、ラーハルト」
きっぱりとした声とともに、ヒュンケルが振り返った。
下町小劇場・芳流
MEMO2023.3.18ダイ&ヒュンケルオンリーイベント「一秒、一瞬」合わせ「硝子瓶に眠る銀砂」サンプル
「硝子瓶に眠る銀砂」サンプル テランでの激しい戦いの後、いったんパプニカに戻った一行であったが、その中で、ヒュンケルは、ひとり、修行に出る支度をしていた。
これまで愛用していた鎧の魔剣は、もう、ない。
新しく相棒となった鎧の魔槍を使いこなすには、ヒュンケルは、槍の扱いがあまりにも不得手であった。
パプニカ城で、彼にあてがわれた一室には、もともと最低限の家財道具しかなかった。
ヒュンケル自身の私物もほとんどなかったことから、部屋を片付けるのは容易であった。
不要なものは捨て、ヒュンケルは、着替えや、わずかな生活道具をリュックに詰めた。テントと寝袋は、クロコダインと旅をしていた時から使っていたものがあった。この数日間の間に、痛んでいたところは修理をした。
1448これまで愛用していた鎧の魔剣は、もう、ない。
新しく相棒となった鎧の魔槍を使いこなすには、ヒュンケルは、槍の扱いがあまりにも不得手であった。
パプニカ城で、彼にあてがわれた一室には、もともと最低限の家財道具しかなかった。
ヒュンケル自身の私物もほとんどなかったことから、部屋を片付けるのは容易であった。
不要なものは捨て、ヒュンケルは、着替えや、わずかな生活道具をリュックに詰めた。テントと寝袋は、クロコダインと旅をしていた時から使っていたものがあった。この数日間の間に、痛んでいたところは修理をした。
下町小劇場・芳流
MEMO2023.3.18ダイ&ヒュンケルオンリーイベント「一秒、一瞬」合わせ「おれの先生」サンプル
「おれの先生」サンプル 鬼岩城を撃退したものの、深手を負ったヒュンケルと、氷の海で一時期行方不明になっていたダイは、ベッドの中に押し込められ、休養を余儀なくされていた。
部屋から出ようものなら、寄ってたかって説教され、また病室に戻されるとあっては、さしものヒュンケルも観念して、おとなしくベッドの住人となっていた。
手持ち無沙汰だろうから、とクロコダインが、ヒュンケルに差し入れてくれたのは、もう何度も読んだ「アバンの書」だった。
だが、ヒュンケルは、何度通読したかわからないその書を、ベッドの上で、飽きることなくまた開き、読みふけっていた。
そして、時折、その面には穏やかな笑みが上っていた。
隣のベッドで、やはり手持ち無沙汰にしていたダイは、そんな長兄の様子を興味深げに眺めていた。
1558部屋から出ようものなら、寄ってたかって説教され、また病室に戻されるとあっては、さしものヒュンケルも観念して、おとなしくベッドの住人となっていた。
手持ち無沙汰だろうから、とクロコダインが、ヒュンケルに差し入れてくれたのは、もう何度も読んだ「アバンの書」だった。
だが、ヒュンケルは、何度通読したかわからないその書を、ベッドの上で、飽きることなくまた開き、読みふけっていた。
そして、時折、その面には穏やかな笑みが上っていた。
隣のベッドで、やはり手持ち無沙汰にしていたダイは、そんな長兄の様子を興味深げに眺めていた。
Jeff
DOODLEお題:「嫉妬」#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2023/03/04
Abyss 四秒かけて、肺を清涼な夜気で満たす。
静かに、四秒待つ。
四秒かけて、溜めた空気を全て吐く。
そして、四秒待つ。
規則正しい呼吸を数分ほど繰り返していると、精神のノイズがまばらになってきた。
夜の森の更に奥、漆黒に視線を固定したまま、ヒュンケルはゆっくりと数度瞬きした。
テラスに出したロッキングチェアに背中を預け、両手をだらりと垂らしたまま。
自らを鍛え強くなること
それができるものは皆
尊敬に値した
……羨ましかった
脳髄を埋め尽くしていた声なき声が、末梢神経を伝って皮膚を貫く。
肌を這い、無軌道に白い胸をまさぐり、癇癪を起こしたように跳ねる。
もうそこには無い、閉ざされた扉に、今も執着するかのように。
2065静かに、四秒待つ。
四秒かけて、溜めた空気を全て吐く。
そして、四秒待つ。
規則正しい呼吸を数分ほど繰り返していると、精神のノイズがまばらになってきた。
夜の森の更に奥、漆黒に視線を固定したまま、ヒュンケルはゆっくりと数度瞬きした。
テラスに出したロッキングチェアに背中を預け、両手をだらりと垂らしたまま。
自らを鍛え強くなること
それができるものは皆
尊敬に値した
……羨ましかった
脳髄を埋め尽くしていた声なき声が、末梢神経を伝って皮膚を貫く。
肌を這い、無軌道に白い胸をまさぐり、癇癪を起こしたように跳ねる。
もうそこには無い、閉ざされた扉に、今も執着するかのように。
ムーンストーン
DONEダイの大冒険 リア連載時から疑問だったバルトスの敵討ちについて書き連ねました。以下バルトスファンとヒュンケルファンには申し訳ない話しが続きますが個人の感想なのでお許し下さい。
ハドラー(造物主)のから信頼より子への愛情を取って責任追及された事をメッセージに残す=ハドラーへ遺恨を残すことになりませんかとか魔物と人間とは騎士道精神は共通なのねとか。
ダイ大世界は生みの親〈〈〈育ての親なのかも。
20.審判(ヒュンケル/ランカークス村)〜勇者来来「勇者が来るぞ」
「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。
「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。
ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
2661「勇者に拐われるから魔城の外に出てはならんぞ」
懐かしい仲間たちと父の声が地底魔城の地下深く、より安全な階層に設えられた子ども部屋に木霊する。
この世に生をうけ二十年余りの人生で最も満ち足りていた日々。
ヒュンケルがまだ子どもでいられた時代の思い出だ。
「暗くなる前に帰んなさい!夜になると魔物がくるよ!」
黄昏に急かされるようにランカークス村のポップの家へ急いでいた時、ふいに聞こえてきた母親らしい女の声と子供の甘え混じりの悲鳴を聞いてヒュンケルとダイは足を止めた。
ヒュンケルが声の主はと先を覗うと見当に違わず若い母親と4〜5才の男の子が寄り添っていた。
半ば開いた扉から暖かな光が漏れ夕食ができているのだろうシチューの旨そうな匂いが漂う。
asamag108
TRAINING唐突に女体化したヒュンと、よく分からないままお世話係になってしまったラー、のようなもの。オチも何もない。ふたりはたぶんただの友達。
2022/11/20 「にょ化ぶれいくで来い!」展示作品 3312
kawaO_1008
DONEラーハルト&ヒュンケルWEBオンリーイベント『同槍会』展示作品。折本配布にしようと思っていたら思いの外長くなったのでこちらに。
ラーヒュンというより使徒メンバー+ラーヒュンという感じ。
みんなでカジノに行くことになったお話。 5683
kawaO_1008
DONE同槍会参加のおりに行いましたリクエスト企画でいただきましたお題「仮面舞踏会」にて短歌。ラーヒュンです。
仮面……?舞踏会……???
深く考えないでください。
リクエスト有難うございました、あまり反映出来なくてごめんなさいm(_ _;)m
ムーンストーン
DONEダイの大冒険 ハドアバ前提のアバン○にネタですご注意ください。バーン大戦から数十年後にアバンの最後を看取るヒュンケルと、地上の人間とモンスターの後を託されたダイとポップです。
待つ人と待たれる人、待っているはずの人たちを綴りました。
もう数時間でダイ大アニメが最終回を迎えるかと思うと一睡もできないのでこのテンションのままアップします! 10769
Jeff
DOODLEお題:「髪」事後の憂鬱。
(捏造設定です)
#LH1dr1wr
ワンドロワンライ参加作品
2022/10/09
Beast うつ伏せたままの白い背から、ゆっくりと体を引き剥がす。
粘着質な何かが二人の間に糸を引く、淫らな錯覚と共に。
すでに汚れ切ったブランケットを引き寄せ、なるべく清潔な一角を使って、恋人の身体から体液を拭き取っていく。
だらしなく投げ出された四肢をそのままに愛でて、柔らかい尻に散った噛み跡をなぞり、数日は残りそうな腰の圧迫痕を密かに撫でる。
湿った大腿をざっと綺麗にしてやってから、脊椎の凹凸に静かに唇を寄せた。
一つ一つにキスを落とし、甘く苦い皮膚を味わいながら、首筋まで登っていく。
意識の無い恋人が、小さく喃語のような音を出した。軽いハミングで答えて、銀糸のような髪の生え際に指を通す。
顔を離して、大きく息をつき、彼の後ろ髪をかき分ける。
990粘着質な何かが二人の間に糸を引く、淫らな錯覚と共に。
すでに汚れ切ったブランケットを引き寄せ、なるべく清潔な一角を使って、恋人の身体から体液を拭き取っていく。
だらしなく投げ出された四肢をそのままに愛でて、柔らかい尻に散った噛み跡をなぞり、数日は残りそうな腰の圧迫痕を密かに撫でる。
湿った大腿をざっと綺麗にしてやってから、脊椎の凹凸に静かに唇を寄せた。
一つ一つにキスを落とし、甘く苦い皮膚を味わいながら、首筋まで登っていく。
意識の無い恋人が、小さく喃語のような音を出した。軽いハミングで答えて、銀糸のような髪の生え際に指を通す。
顔を離して、大きく息をつき、彼の後ろ髪をかき分ける。
Jeff
DOODLEお題:食べる#LH1dr1wr
1時間少し超えてしまいました、字数が多くすみません。
なぜか毎朝、卵料理を作るラー。
(ラーヒュンワンドロワンライ参加作品)
2022/09/28
Eggs「見ろ、ラーハルト」
ヒュンケルが寝室から声を張る。
ラーハルトはスープを煮立てる火を弱め、ことさら面倒くさそうに、彼が横たわるベッドに向かった。
「なんだ、朝から。いや、そもそも、きちんと起きて手伝わんか、この怠惰なごくつぶしめ」
「俺は休日だ。忘れたのか。それより、この本、古代の魔導書かと思ったのだが」
サイドテーブルには、昨日仕入れてきた古書が山積みになっている。寝転がったままのヒュンケルが、そのうちの一冊を指し示した。
擦り切れた印刷で、黄色っぽい楕円形がうずたかく積まれている、なんとも緊張感のない表紙。
「訳してみたら、全然違った。卵料理のレシピ集だった」
「だろうな」
見ればわかる気がするが。
5216ヒュンケルが寝室から声を張る。
ラーハルトはスープを煮立てる火を弱め、ことさら面倒くさそうに、彼が横たわるベッドに向かった。
「なんだ、朝から。いや、そもそも、きちんと起きて手伝わんか、この怠惰なごくつぶしめ」
「俺は休日だ。忘れたのか。それより、この本、古代の魔導書かと思ったのだが」
サイドテーブルには、昨日仕入れてきた古書が山積みになっている。寝転がったままのヒュンケルが、そのうちの一冊を指し示した。
擦り切れた印刷で、黄色っぽい楕円形がうずたかく積まれている、なんとも緊張感のない表紙。
「訳してみたら、全然違った。卵料理のレシピ集だった」
「だろうな」
見ればわかる気がするが。
下町小劇場・芳流
MEMO以前ふせったーに載せた師弟考察ヒュンケル&アバン。これは、92話「天地魔闘の構え」でのアバンの「誇りです」を中心に書いたもの。師弟考察②ヒュンケル&アバン 「誇りです」の解釈92話「天地魔闘の構え」でのアバンの「誇りです」を振り返る。かなり主観が入りまくっているので、ご注意ください。
令和アニメでは、ヒュンケル視点だったので、アバンがなぜこの言葉を選んだのかは、はっきりと描写されなかった気がする。
そこで、語られなかったアバン視点を考えてみた。
以前も書いたが、アバンにとってヒュンケルは、一番弟子というだけではなく、特殊な立ち位置の弟子だ。
それは、世界を救った勇者アバンが、その救った世界と引き換えに、不幸にしてしまった少年がヒュンケルだということ。
この世界の矛盾を一身に引き受けてしまったわずか6歳の少年を、16歳だった勇者アバンは一番弟子として引き取り、育てることを決意した。
1159令和アニメでは、ヒュンケル視点だったので、アバンがなぜこの言葉を選んだのかは、はっきりと描写されなかった気がする。
そこで、語られなかったアバン視点を考えてみた。
以前も書いたが、アバンにとってヒュンケルは、一番弟子というだけではなく、特殊な立ち位置の弟子だ。
それは、世界を救った勇者アバンが、その救った世界と引き換えに、不幸にしてしまった少年がヒュンケルだということ。
この世界の矛盾を一身に引き受けてしまったわずか6歳の少年を、16歳だった勇者アバンは一番弟子として引き取り、育てることを決意した。
下町小劇場・芳流
MEMO以前、ふせったーであげたヒュンケル&アバンの師弟考察。ふたりの「救済」について。
師弟考察①ヒュンケル&アバン ふたりの「救済」についてヒュンケルはダイのネガとして作られた存在だろうとは思っている。つまり、ダイを裏返した存在。めぐりあわせによっては、こういう運命をたどっていたであろう、ダイの持っていたもう一つの裏の可能性。それが、ダイから見たヒュンケルだと思う。
だけど、アバンを通してみると、もっと違う側面がある。
何度も書いたけど、世界を救ったはずのアバンが救いきれなかった少年が、一番弟子であるヒュンケルというこの皮肉というか、苦悩。子どもは世界の宝だと語り、子どもたちの未来のために戦ってきたのが、勇者としてのアバンだった。そのアバンが世界を救った引き換えに、たった一人の家族を奪って不幸にしてしまった少年が、ヒュンケルなのだ。
アバンの願った「戦火の中で生まれた子どもこそ平和に生きるべき」と思った子どもたちの中には、ヒュンケルもいたはずなのだ。
642だけど、アバンを通してみると、もっと違う側面がある。
何度も書いたけど、世界を救ったはずのアバンが救いきれなかった少年が、一番弟子であるヒュンケルというこの皮肉というか、苦悩。子どもは世界の宝だと語り、子どもたちの未来のために戦ってきたのが、勇者としてのアバンだった。そのアバンが世界を救った引き換えに、たった一人の家族を奪って不幸にしてしまった少年が、ヒュンケルなのだ。
アバンの願った「戦火の中で生まれた子どもこそ平和に生きるべき」と思った子どもたちの中には、ヒュンケルもいたはずなのだ。
Jeff
DOODLE少年期HyunとMst
完全に妄想です。
それと、あのまきまきについて。
2022/08/31
In The Dark「痛そうだね」
と、ドラキーが言う。
ヒュンケルは無言で両腕の包帯を巻き取っていく。
「怪我をしているわけではないんだ」
ぽつりとつぶやく。全て外してしまうと、道具袋をまさぐって新品を取り出した。
「だったら、なんでそんなの着けているの?」
と、好奇心旺盛なドラキー。
通りすがりのくせに、しかもモンスターのくせに、ヒュンケルに対して警戒心が乏しい。出自は魔物だと自認する少年の、特有の匂いのせいかもしれないが。
「ねえ、なんで巻いているの?」
ぱたぱた飛び回るドラキーを、首をすくめて避ける。
「お前に関係ないだろ」とヒュンケルが言う。
「うん、関係ないよ。でも、それって関係ある?」とドラキー。
もっともだ。
2717と、ドラキーが言う。
ヒュンケルは無言で両腕の包帯を巻き取っていく。
「怪我をしているわけではないんだ」
ぽつりとつぶやく。全て外してしまうと、道具袋をまさぐって新品を取り出した。
「だったら、なんでそんなの着けているの?」
と、好奇心旺盛なドラキー。
通りすがりのくせに、しかもモンスターのくせに、ヒュンケルに対して警戒心が乏しい。出自は魔物だと自認する少年の、特有の匂いのせいかもしれないが。
「ねえ、なんで巻いているの?」
ぱたぱた飛び回るドラキーを、首をすくめて避ける。
「お前に関係ないだろ」とヒュンケルが言う。
「うん、関係ないよ。でも、それって関係ある?」とドラキー。
もっともだ。
Jeff
DOODLEメレンゲみたいに幸せな二人の日常。俺の魔法使い。
2022/08/24
Cupcake「……え?」
もと魔王軍幹部とは思えない、わたあめみたいな返事に、少年は何度目かのため息をつく。
「だから。卵をかき混ぜる時には、こっちの道具を使うんだって。それは、スープを掬うためのもの」
「ああ」
ヒュンケルは慌てて、目の前のボウルに注意を戻す。しかし、粉と卵の塊を呆然と突っつきながら、視線はすぐに窓の外へと飛んでいく。
「もう。教えてくれって言うから準備したのにさ」
「……ああ、すまない。どこまで教わっただろうか」
「もういいよ、今日はやめとこ。またちゃんと教えてあげるからさ」
「悪かった。なぜだろう、朝からどうも頭がはっきりしなくて……いや、もう一度お願いしたい。バターを溶かして、それから」
「うん、多分ヒュンケル様はお料理に向いていないよ」
5904もと魔王軍幹部とは思えない、わたあめみたいな返事に、少年は何度目かのため息をつく。
「だから。卵をかき混ぜる時には、こっちの道具を使うんだって。それは、スープを掬うためのもの」
「ああ」
ヒュンケルは慌てて、目の前のボウルに注意を戻す。しかし、粉と卵の塊を呆然と突っつきながら、視線はすぐに窓の外へと飛んでいく。
「もう。教えてくれって言うから準備したのにさ」
「……ああ、すまない。どこまで教わっただろうか」
「もういいよ、今日はやめとこ。またちゃんと教えてあげるからさ」
「悪かった。なぜだろう、朝からどうも頭がはっきりしなくて……いや、もう一度お願いしたい。バターを溶かして、それから」
「うん、多分ヒュンケル様はお料理に向いていないよ」
Jeff
DOODLE奪われたから、今度は、こっちが奪おう。2022/08/22
Hope ほとんど上下していないヒュンケルの胸を、じっと見つめる。
汗まみれで横たわる彼の相棒は、浅い眠りに落ちている。
小一時間程熱に魘され、消えない痛みに身を捩りながらのたうって、ようやく静かになったところだ。
ラーハルトはサイドテーブルに肘をついて、片手で自分の額を覆う。
脳に巣食った重たい霧を、この掌に吸い取ってしまえたら。
気を取り直して立ち上がると、古いランプに火を灯した。寝室の窓を閉めようとして、低く垂れさがった曇天に目をやる。
雨になりそうだ。
――潮時だ。
ヒュンケルも、良く分かっているはずだった。
「置いて行け、その時は」
と、当然のように、彼は言った。
二人の歩調は、最初に旅立ったときよりも、ほんの少し緩やかになっている。休息や食事のタイミングも変わった。
3034汗まみれで横たわる彼の相棒は、浅い眠りに落ちている。
小一時間程熱に魘され、消えない痛みに身を捩りながらのたうって、ようやく静かになったところだ。
ラーハルトはサイドテーブルに肘をついて、片手で自分の額を覆う。
脳に巣食った重たい霧を、この掌に吸い取ってしまえたら。
気を取り直して立ち上がると、古いランプに火を灯した。寝室の窓を閉めようとして、低く垂れさがった曇天に目をやる。
雨になりそうだ。
――潮時だ。
ヒュンケルも、良く分かっているはずだった。
「置いて行け、その時は」
と、当然のように、彼は言った。
二人の歩調は、最初に旅立ったときよりも、ほんの少し緩やかになっている。休息や食事のタイミングも変わった。
コノハ(happanical)
DONEスシ・レストランオールキャラのわちゃわちゃです。日常回大好き!
スシ・レストランここはギルドメイン大陸東岸のとある港町。ダイとポップ、そして城を抜け出したレオナは、中心部から少し離れたところに構える寿司店を訪れていた。
手渡されたメニューには親切心なのか単にデザイン上の都合か、魚の生体を背景に、新鮮そうな彩りで寿司が描かれている。
(…姫さんはともかく、ダイのやつ、寿司なんか食べたこと無ぇだろうな…まあそういうおれだって、いつかの誕生日祝いで食べたきりなんだけどよ…)
「おいダイ、コーンマヨとか手巻きナットーはどうだ?」
緊張した面持ちで店内を見渡したあとポップは、メニューの魚の群泳をまじまじと見つめるダイに語りかけた。
「おれ、このマチを頼むよ!」
「ま、マチ?」
魚の1匹を指差して、ダイはきっぱりと告げた。
1997手渡されたメニューには親切心なのか単にデザイン上の都合か、魚の生体を背景に、新鮮そうな彩りで寿司が描かれている。
(…姫さんはともかく、ダイのやつ、寿司なんか食べたこと無ぇだろうな…まあそういうおれだって、いつかの誕生日祝いで食べたきりなんだけどよ…)
「おいダイ、コーンマヨとか手巻きナットーはどうだ?」
緊張した面持ちで店内を見渡したあとポップは、メニューの魚の群泳をまじまじと見つめるダイに語りかけた。
「おれ、このマチを頼むよ!」
「ま、マチ?」
魚の1匹を指差して、ダイはきっぱりと告げた。
コノハ(happanical)
DONE怪談オールキャラのわちゃわちゃです。アニメの文化祭回のノリで書きました。
怪談ーーー戦いから数年後、一同はカールのハロウィンイベントで行う肝試しのトライアル要員として集められたーーー
カール近郊の森にて一同が注目するなか、コホン、と軽く咳払いをするとアバンが説明を始めた。
「えー、我がカール王国のハロウィンでは、肝試しが恒例となっています。今日はその予行演習なワケですが、クジで決まった男女のペアで、森の中を歩いてゴールまでたどりついてもらいます。」
「途中、モンスターに扮した人々が脅かしてくるので、びっくりしたらお菓子をあげてくださいね。」
…ごく普通の街の人々だから、絶対倒しちゃあダメですよ、とアバンは何名かに視線を送った。
「それでは皆さんお待ちかね、クジ引きタイムです!!」
1番手を引き当てたポップとエイミは、ランプひとつの灯りを頼りに砂利道を進んでいた。
3118カール近郊の森にて一同が注目するなか、コホン、と軽く咳払いをするとアバンが説明を始めた。
「えー、我がカール王国のハロウィンでは、肝試しが恒例となっています。今日はその予行演習なワケですが、クジで決まった男女のペアで、森の中を歩いてゴールまでたどりついてもらいます。」
「途中、モンスターに扮した人々が脅かしてくるので、びっくりしたらお菓子をあげてくださいね。」
…ごく普通の街の人々だから、絶対倒しちゃあダメですよ、とアバンは何名かに視線を送った。
「それでは皆さんお待ちかね、クジ引きタイムです!!」
1番手を引き当てたポップとエイミは、ランプひとつの灯りを頼りに砂利道を進んでいた。
コノハ(happanical)
DONE後悔原作終了後の話。
ラーハルトとヒュンケルの旅の終わりです。
後悔後悔などしない。力を尽くしたのだから。
だが、実を結ばなかったこの道のりに、意味はあるのだろうか。
「エイミは宿に送ってきた。酔いが回ったから先に休む、そうだ」
「そうか」
「……気をつかったんだろうな」
ギルドメイン山脈北方の街の小さなバーで、ラーハルトとヒュンケルはグラスを交わした。旅の中で何度となく繰り返された光景だが、今夜は特別な意味を持っている。
明日、ラーハルトは魔界に旅立つ。ポップ、それにクロコダインとともに。
大魔王バーンとの戦いからもうすぐ4年。地上の隅々まで巡りダイの行方を探ってきたが、発見には至らなかった。しかしながら、捜索は先日大きく進展を見せた。失われた古代秘術を封じた勾玉に呼応して、ダイの剣の宝玉がギルドメイン山脈を示して光ったのだ。
3589だが、実を結ばなかったこの道のりに、意味はあるのだろうか。
「エイミは宿に送ってきた。酔いが回ったから先に休む、そうだ」
「そうか」
「……気をつかったんだろうな」
ギルドメイン山脈北方の街の小さなバーで、ラーハルトとヒュンケルはグラスを交わした。旅の中で何度となく繰り返された光景だが、今夜は特別な意味を持っている。
明日、ラーハルトは魔界に旅立つ。ポップ、それにクロコダインとともに。
大魔王バーンとの戦いからもうすぐ4年。地上の隅々まで巡りダイの行方を探ってきたが、発見には至らなかった。しかしながら、捜索は先日大きく進展を見せた。失われた古代秘術を封じた勾玉に呼応して、ダイの剣の宝玉がギルドメイン山脈を示して光ったのだ。
Jeff
DOODLE旅の空と片思い。異国の夕食。
20220804
Lime...
「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
3046「違う。その平たいやつに、野菜や肉を乗せる」
とラーハルトが呆れたように言う。
『平たいやつ』をフォークできちんと畳んで口に放り込んだばかりのヒュンケルは、どうしていいかわからず、そのままむしゃむしゃ平らげた。
「先に言ってくれ」
不味くはないが、どうりで、素朴な穀物の味しかしなかった。
「見ればわかるだろう、普通」
と、ラーハルトが酒場のテーブルに盛られた色とりどりの野菜と、良く煮込まれた肉の塊を手早く取り分ける。そのまま薄いパンのような皮に乗せて巻くと、一口齧った。
そして思い出したように、エメラルドみたいに輝くライムを取ると、すぱりとナイフで両断する。数滴振りかけて、また残りを頬張った。
asamag108
DOODLEバニーの日かつパンツの日なので両方を合体させねばならないと思ったのです…。付き合っているのかどうかはよく分からないラーとヒュンinモンスターだけの集落。
バニーになったりパンツ盗まれたりするラーがいます。
2022/08/02 6193
nume_numeri
DONEラーハルトとヒュンケルの話。エロ無し健全。
原作後の話になるのでネタバレご注意ください。
灰と燃えさし思えば、その日は朝からろくな事がなかった。
愛用の毛皮には虫が湧き、道具袋の留めは壊れ、携行食にはカビが生えていた。もともと運勢などは信じないほうだが、ここまで不運が続くなら慎重になった方がよかったのかもしれない。
きっかけは、ちょっとした近道だった。
長く曲がった道を省略するために草地を突っ切った後、ヒュンケルが体調を崩すまで数時間もかからなかった気がする。おそらく草地に埋もれて足元がよく見えなかったのだろう、鋭い草や木板の釘で足を切ると、そこから病魔が入るのだと聞いたことがある。
足取りもおぼつかない友の肩をかつぎ、手頃な廃屋に寝かせてよくよく症状を問いつめてみれば、それらしい切り傷と高熱が想定した病と合致した。
2848愛用の毛皮には虫が湧き、道具袋の留めは壊れ、携行食にはカビが生えていた。もともと運勢などは信じないほうだが、ここまで不運が続くなら慎重になった方がよかったのかもしれない。
きっかけは、ちょっとした近道だった。
長く曲がった道を省略するために草地を突っ切った後、ヒュンケルが体調を崩すまで数時間もかからなかった気がする。おそらく草地に埋もれて足元がよく見えなかったのだろう、鋭い草や木板の釘で足を切ると、そこから病魔が入るのだと聞いたことがある。
足取りもおぼつかない友の肩をかつぎ、手頃な廃屋に寝かせてよくよく症状を問いつめてみれば、それらしい切り傷と高熱が想定した病と合致した。
Jeff
TRAINING彼の聖域、小さな書室。情動理論的迷宮に片足をつっこむヒュンと、面倒くさくてもとりあえず聞いてくれるラーとの、ある日の夕暮れの会話。
ふたたび旅立つ前、まだ王宮住まいの二人。(個人の妄想です)
Sanctum 王宮の巨大な図書館は、お気に入りの隠れ場所だった。
誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
5750誰も読めなかった古代の魔導書も、真偽不明な歴史書も、ヒュンケルにとっては宝の山だ。しかも、滅多に人と会わないで済む。
修行と称して身体を苛め抜く時間が否応なく減ってしまった今、同程度の熱意を傾けて頭脳を酷使できる場所が見つかった。
これでだいぶ生活のバランスが取れるようになった、と本人は納得している。
しかし、何日も書庫に籠るヒュンケルを見かねたのか(あるいは単に目の届く範囲に引っ張り出したかったのか)、女王の指示で書斎をあてがってくれることになった。
久しく使われていなかった楽団の物置。彼専用の読書室に改造せよ、という、大掃除も兼ねた指令だ。
Jeff
TRAINING涼しくなるお話を目指したかったです。二人のちいさなバカンス。
Midsummer 王都郊外。オークと白樺の混じり合う、かぐわしい夏の森。
降り注ぐ陽が、燃える緑を通り抜けて小川に注ぎ、宝石のような川魚の鱗をきらめかせる。
樹齢幾千年の高木に寄り添う古い小屋。その屋根から、リズミカルな槌の音が響く。
器用に板を打ち付けているのはラーハルトだ。
偶然見つけた隠れ家を修繕し、盛夏を涼しく過ごそうという計画は悪くなかった。だが、ヒュンケルはもっぱら周囲を散策しており、ラーハルトがほぼ全ての作業をてきぱきこなしている。不器用かつおおざっぱな元魔剣戦士は、大工仕事に恐ろしく向いていなかったのだ。
「ラーハルト」
切羽詰まったような呼び声。半魔の戦士は地上を振り返り、相棒の姿をみとめて眉をしかめる。「……一体なにごとだ」
3453降り注ぐ陽が、燃える緑を通り抜けて小川に注ぎ、宝石のような川魚の鱗をきらめかせる。
樹齢幾千年の高木に寄り添う古い小屋。その屋根から、リズミカルな槌の音が響く。
器用に板を打ち付けているのはラーハルトだ。
偶然見つけた隠れ家を修繕し、盛夏を涼しく過ごそうという計画は悪くなかった。だが、ヒュンケルはもっぱら周囲を散策しており、ラーハルトがほぼ全ての作業をてきぱきこなしている。不器用かつおおざっぱな元魔剣戦士は、大工仕事に恐ろしく向いていなかったのだ。
「ラーハルト」
切羽詰まったような呼び声。半魔の戦士は地上を振り返り、相棒の姿をみとめて眉をしかめる。「……一体なにごとだ」
mzonpixiv
DONEヒュンラー🔞🔞🔞「いざ挿入しようとしたらラーさんに見惚れて固まってしまうヒュンさん、にブチ切れるラーさん」体位・ポーズ→ https://cli-pose.booth.pm/
背景シーツ(フリー素材)→ https://www.pixiv.net/artworks/88404332
以上より、お借りしました🙇♂️🙇♂️🙇♂️
over 18 yo? yes/no 7
Jeff
TRAINING再会を祝して。徐々にかけがえのないものを見つけていく、不器用な二人の旅路を追ってみたいです。
Aurora 底なし沼のようだった闇色の視界が波打ち、形を変え始めた。
淡い蛍光が脳裏に点滅し、徐々にピントが合ってくる。
目に入るのはとっくに溶け切った蝋燭と、埃だらけのタイル。木でできた直線が数本。――ベッドの足だ。
這いずりながら体勢を変え、肘をついて起き上がる。
全身が痛い。いつから床に転がっていたのかよく覚えていない。
散らばった酒瓶をどんよりと見やる。強い酒の匂いに混じって、何とも言えない異臭。
自分の匂いだと気づくまで数秒かかった。
汗まみれの下着は月明りでも分かるくらいに染みだらけで、長髪は絡まりべたついている。
「戦士たるもの、常に清潔、勤勉であれ。これは理想ではない、命を守る手段だ」
師であり父である、偉大なる竜の騎士の言葉が耳に響く。
7903淡い蛍光が脳裏に点滅し、徐々にピントが合ってくる。
目に入るのはとっくに溶け切った蝋燭と、埃だらけのタイル。木でできた直線が数本。――ベッドの足だ。
這いずりながら体勢を変え、肘をついて起き上がる。
全身が痛い。いつから床に転がっていたのかよく覚えていない。
散らばった酒瓶をどんよりと見やる。強い酒の匂いに混じって、何とも言えない異臭。
自分の匂いだと気づくまで数秒かかった。
汗まみれの下着は月明りでも分かるくらいに染みだらけで、長髪は絡まりべたついている。
「戦士たるもの、常に清潔、勤勉であれ。これは理想ではない、命を守る手段だ」
師であり父である、偉大なる竜の騎士の言葉が耳に響く。