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    #全年齢

    year-roundAge

    こたつ

    DONE「マイペースかつ大胆にチョコを通して愛情表現をする鳴 × うっかりチョコを買ってしまったけど、渡す=大好き宣言になってしまうのでは…と葛藤する保」が各々の距離感でバレンタインしたり、イチャイチャしてる甘めの話

    ・付き合ってから初めてのバレンタインを迎えた鳴保の話
    ・犬猿の頃の温度感を保ちつつも、仲良し&イチャついてる鳴保がいます

    当日には間に合わなかったけど、ハッピーバレンタイン!
    【鳴保】チョコレートディスタンスこれまでバレンタインに特別関心を寄せたことはなかった。
    毎年ある季節イベントの1つ。せいぜい、チョコに翻弄され乱闘を始める部下たちを眺めては、腹を抱えながら目尻に涙を浮かべるといったお笑いイベントみたいな立ち位置だった。
    そう、去年までは。
    まさか自分がチョコに振り回される側にまわる日が来るとは思っていなかった。




    有明りんかい基地の隊長室を眺めつつ、保科は布団の上で胡坐をかきながら思わず苦笑いをこぼした。
    ここが事件現場なら証拠だらけやな。

    電源が入ったままのゲーム機本体と、床に放置された別機種のコントローラー。腰高まで積まれたダンボールに占拠された部屋の中心にはシングル布団が敷かれ、掛け布団の上には脱ぎ捨てられていた隊服や部屋着がグシャリと山を作っている。
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    こたつ

    PAST【鳴保】
    「他部隊の隊長、副隊長」という感情以外は持ち合わせていない鳴と保が、共闘を通してお互いの印象を改めていく話

    ・原作程度の戦闘、流血描写あり
    ・原作より前の時間軸設定
    ・原作の距離感で絡み、お互いのことをバチバチに意識し合っている鳴保がいます。からの、無自覚のうちに何かが芽生えそうなもどかしさが漂うハピエン
    ・115話以前に書いた話になります
    【鳴保】Xの最適解そうだ。そもそも、信じる信じない以前の話だ。
    鳴海は揺らぎそうになった常識を即座に立て直し、意識を戦闘場面へ引き戻した。保科が指す”隊長”に自分が含まれている訳がない。
    「おい! ウチの縄張りで勝手に動くな! 何度言わせるつもりだ!」
    眼球に残る灼熱感も、バイタルの乱れも関係ない。
    鳴海は叩きつけるように激しく水を蹴り上げ、身勝手極まりない保科を追う。
    知ってはいたが、やはりあのオカッパに隠れている耳は飾りだったようだ。
    ――アイツは、僕が引き受けます。鳴海隊長はそこでゆっくり休憩しとって下さい。
    そう言い残し、堂々と隊長命令を無視した保科が怪獣へ切りかかった。
    紫の閃光が視界の先で交差する。
    地鳴りの比ではない咆哮が地下空間を揺らし、保科の動きが空中で止まった。
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    oshihamidori

    DONE6/3-6/4こいびとは上官につき展示作品でした。
    樺太道中後半戦、鯉→月ですが、月→鯉なのかは判然としない、そんな微妙な時期の二人を書いております。
    ゆるはらす船 今夜の宿は、往路でアシㇼパ達が世話になったという、ウイルタ民族の天幕になった。アウンダウ、という名の冬の家らしい。アシㇼパと白石の顔を見るなりよく無事だったと歓迎してくれて、酒と食事を振る舞ってくれた。更には一晩だけなら、と一張りまるまる天幕を借りられることになった。我々は礼になるような物品を殆ど持っておらず、唯一手土産の体をなしているのは、月島が豊原で仕入れていた煙草の残りくらいだ。
     たった二箱の煙草を住民は喜んでくれた。日本の煙草は滅多に手に入らないから、と言う。
     この旅が始まってからというもの、あらゆる交渉ごとは月島の担当だ。
     月島を見ていると、言語の習得は重要だなと痛感させられる。同じ言語を解するという安心感が相手の警戒心を解き、結果交渉も上手く行くことが多い。私の陸士時代の専攻はドイツ語で、英語もそこそこは学んでいる。しかし実地での経験がないから、現地でどれくらい通用するかは分からない。月島のロシア語の技倆を目の当たりにすると、言葉の問題だけではなくて、自分には不足が多いなと痛感する。それは杉元に対しても谷垣に対しても思う。
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    largesleepyhead

    DONE2022.11.29:WEBオンリー終了につきパスワード解除

    大遅刻の寂左寂、なんとかできました。
    付き合ってないエロなし全年齢ですが、自分としては少しラブコメっぽい、微糖な感じを目指した…つもりです。

    銃兎さんと理鶯さんが最後のほうでちょこっと出てきます。シンジュク市民のモブも出てきます。

    拙い文章ですが、お楽しみ頂ければ何よりです。
    オンリー主催のいわい様、ありがとうございました!
    どうしたもんか、エリック・サティ「しっかしあんた、マジで納豆好きなんだなァ……」

    エスカレーターの上で、碧棺左馬刻は後ろに立つ神宮寺寂雷に問うともなく呟いた。

    「スープカレーまで納豆入りとか、ちょっとビビったぜ」

    晩秋の昼下り。
    所用で寂雷の元を訪れた左馬刻は、寂雷の誘いで、とある西新宿の高層ビルの地下の食堂街で昼食を摂ったのだった。

    「ふふ、悪くはなかったでしょう?」
    「……まあ、そうだけどよ」

    返す言葉に我ながら切れがない自覚がある。

    「つぅか味見っつっても、"あーん"はねぇだろがよ、"あーん"はよ……」

    つい30分ほど前のことだ。

    自分が注文した「骨付き地鶏と牛すじのスープカレー」が届くまでの間、自分ならまず頼まないであろう「北海道産丸大豆の納豆と有機ホウレン草のスープカレー、玄米ごはん変更」なんてものを喜々と口に運ぶ寂雷を、ついしげしげと見つめていた。
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    oz_on_e

    MEMO浮世の錠フレーバーに関連する月海亭秘書さんの半回想モノローグ。恋にもなりきれない思慕。セリフらしいセリフもありません。雰囲気で読んでください。※以前にTwitter連投したものの微調整になります。
    独白かつてより、その姿は余りに目にする機会が多かったものだから──天神像ですら"其れ"を模すものとなっている。石錠を眺め、諦めることなく解析を試みようとするあの方の肖像。”忘れていいのだと言われたのだがな”と、あの方は昔呟くと、自嘲の様に笑ったことを覚えている。
    私の記憶の始まりでは、まだその姿を見ることはなく……あの方は敵だらけの大陸で弱く脆い人々の守護者として、恐るべき力を震い続けた。それこそがあの時代に求められた神の強さだったけれど、山岳の奥で静かに暮らしていた幼い私は畏怖を抱いてしまい、訪れる彼に自ら声を掛けることなど、しばらく出来なかった。
    留雲真君の足もとに隠れ、震えている私を困った顔で見下ろすあの方の姿を忘れられない。──今のように、何気ない言葉を口に微笑み頭を撫でてくれるような所作はあの頃には身に付けておられなかった。勿論、終わりの見えない戦いに身を投じ槍を握るあの時期に、穏やかさを得る余裕などなかったはず。
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