MondLicht_725
DONE夏五版ワンドロワンライ第123回お題「ポン・デ・リング」お借りしました。夏離反後、まだ残る甘い記憶。
夏五版ワンドロワンライ第123回お題「ポン・デ・リング」「夏油様」
「はい」
左右両方から差し出された、小さな丸い球体。それがすぐに、美々子と菜々子が食べていたドーナツの一粒だと気付く。
信者からの貢ぎ物ではなく、帰り道、2人が食べたそうに見ていたので夏油自身が購入したものだ。夏油としては、あんな猿だらけの場所で、猿が作り出した菓子など御免蒙りたいが、彼女たちに強制するつもりはなかった。食べたいものは、食べていいのだ。これまでは、叶わなかったのだから。
だから2個だけ購入して、そうして3人で暮らすアパートに帰ってきて、お茶を淹れておやつの時間にした。
で、冒頭に戻る。きっと自分たちだけが食べていることを気にしているのだろう。
「――私はいいから、2人だけで食べなさい」
1835「はい」
左右両方から差し出された、小さな丸い球体。それがすぐに、美々子と菜々子が食べていたドーナツの一粒だと気付く。
信者からの貢ぎ物ではなく、帰り道、2人が食べたそうに見ていたので夏油自身が購入したものだ。夏油としては、あんな猿だらけの場所で、猿が作り出した菓子など御免蒙りたいが、彼女たちに強制するつもりはなかった。食べたいものは、食べていいのだ。これまでは、叶わなかったのだから。
だから2個だけ購入して、そうして3人で暮らすアパートに帰ってきて、お茶を淹れておやつの時間にした。
で、冒頭に戻る。きっと自分たちだけが食べていることを気にしているのだろう。
「――私はいいから、2人だけで食べなさい」
penkiti
DONEリクは「夏の腹筋もしくはヘソを恍惚顔で舐める五」ということだったんですが、これ五夏?夏五?と悩んだ末、五夏五にしました。この後、五が美味しく頂かれるのか、それとも夏がこのまま美味しく頂かれるのか、お好きなほうでどうぞ!
fuuumi_new
PROGRESS夏五【愛を込めて、悪魔の存在証明を。】タイムリープ五のお話。ハピエン予定。
これはプロローグです。
愛を込めて、悪魔の存在証明を。 「青」という未熟は、俺たちの形を鮮やかに色付けていた。
感情だけで動くのは良くないよ。なんて言ったのは何処の誰だったのか。目を開けば見覚えのある古い校舎がすぐそこにあって、「ヤガ」と名乗る男に連れられて足を踏み入れた寮の匂いに頭痛がした。
数日後、教室で顔を合わせた団子頭の……いや、前髪の男がどこか裏のありそうな柔らかな笑顔をこちらに向けてくるのに謎の安心感を覚えてしまって、顔を顰めて「ッエー」と悪態づけば怒られた。遠巻きにされる事には慣れていても家にいる奴にだって一度も怒られた事などなかったのに。
結局初日から前髪を掴んでの殴り合いとなって、この男が最悪な奴だと分かった。分かったけど、離れがたくてボロボロになった拳を解いて同じ背丈の男に抱きついた。びっくりしたようで肩が上がる感覚が伝わってくる。
1768感情だけで動くのは良くないよ。なんて言ったのは何処の誰だったのか。目を開けば見覚えのある古い校舎がすぐそこにあって、「ヤガ」と名乗る男に連れられて足を踏み入れた寮の匂いに頭痛がした。
数日後、教室で顔を合わせた団子頭の……いや、前髪の男がどこか裏のありそうな柔らかな笑顔をこちらに向けてくるのに謎の安心感を覚えてしまって、顔を顰めて「ッエー」と悪態づけば怒られた。遠巻きにされる事には慣れていても家にいる奴にだって一度も怒られた事などなかったのに。
結局初日から前髪を掴んでの殴り合いとなって、この男が最悪な奴だと分かった。分かったけど、離れがたくてボロボロになった拳を解いて同じ背丈の男に抱きついた。びっくりしたようで肩が上がる感覚が伝わってくる。
ぺけまる
REHABILIえっちいショタがみたいと言われたので描きました🙆♀️なにも知らない五に教え込む夏からしか得られない栄養素、あると思います🙆♀️パス→ぺけまるの誕生日の数字四桁(フォロ限代わり)
MondLicht_725
MAIKING夏五版ワンドロワンライ第122回お題「接客」お借りしました。解散後のhrhn夏五の話。
解散後、相方夏は長らく行方不明になっていたが、あるときよからぬ事業に手を染めていると週刊誌にすっぱ抜かれ、真相を探るために五は――
たぶん続きます。
夏五版ワンドロワンライ第122回お題「接客」 うわ、やば。思わず、声に出ていた。頭の中で思い描いていたよりも何倍も怪しい雰囲気に、躊躇してしまう。稼いでいるらしい、と噂されていたが、こんなにも大規模な施設だとは思わなかったのだ。
一瞬、つい先日見た映画を思い出した。世界滅亡の危機に、いろんな能力を持つヤツラがチームを組んで、揉めたり喧嘩したり友情に目覚めたりしながら悪に立ち向かっていく、王道ストーリーだ。
確か、最終的に乗り込んでいく悪の本拠地が、こんな感じだった気がする。
ならばここでトップらしいアイツは、さしずめ悪の親玉か?やば、めっちゃ似合うかも。
鼻で笑いながら、堂々と真正面の階段を昇っていく。映画みたいに、こそこそ嗅ぎまわって侵入経路を探すとか、そんなめんどくさいことはしない。正面突破だ。
2153一瞬、つい先日見た映画を思い出した。世界滅亡の危機に、いろんな能力を持つヤツラがチームを組んで、揉めたり喧嘩したり友情に目覚めたりしながら悪に立ち向かっていく、王道ストーリーだ。
確か、最終的に乗り込んでいく悪の本拠地が、こんな感じだった気がする。
ならばここでトップらしいアイツは、さしずめ悪の親玉か?やば、めっちゃ似合うかも。
鼻で笑いながら、堂々と真正面の階段を昇っていく。映画みたいに、こそこそ嗅ぎまわって侵入経路を探すとか、そんなめんどくさいことはしない。正面突破だ。
ヨモギ
DONE生存if夏五(3)恋多きGLGと片思い夏が居る話しの続きです。
小難しい回りくどい事考えて打ち明けようと思った時期もあったけど今はもう大切な親友として一番近くで見守ろうの立場で落ち着いた。
…ように見せかけて腹ん中はドス黒の夏よ 12
MondLicht_725
DONE夏五版ワンドロワンライ第118回お題「東北」お借りしました。XX年後のお話(転生×不老)
夏五版ワンドロワンライ第118回お題「東北」 生徒寮から歩いて10分弱。大きくて立派な門を通り過ぎるとすぐに、眩暈がするほど長い階段が続いている。ここを昇っていかなければ、校舎に辿り着けない。他に道はない。
入学したばかりの頃はうんざりと見上げながら嫌々登ったものだったが、最近では訓練の一環だと割り切っている。腕時計のタイマーをセットして大きく息を吐き、スタートと同時に一気に駆け上がる。このために初めての給料で腕時計を新調したようなものだ。
ライバルは、昨日の自分。昨日よりも1秒でも早くてっぺんへ到着することが目標である。10…20…30…一定のリズムを崩さないように、ひたすら駆け上る。
いつも通りの1日の始まり。この先に、通う学校が待っている。
2157入学したばかりの頃はうんざりと見上げながら嫌々登ったものだったが、最近では訓練の一環だと割り切っている。腕時計のタイマーをセットして大きく息を吐き、スタートと同時に一気に駆け上がる。このために初めての給料で腕時計を新調したようなものだ。
ライバルは、昨日の自分。昨日よりも1秒でも早くてっぺんへ到着することが目標である。10…20…30…一定のリズムを崩さないように、ひたすら駆け上る。
いつも通りの1日の始まり。この先に、通う学校が待っている。
MondLicht_725
DONE夏五版ワンドロワンライ第117回お題「ローカルタレント」お借りしました。解散後の祓本夏五です。
夏五版ワンドロワンライ第117回お題「ローカルタレント」 線を半分ほど引いたところで、黒が掠れる。どうやらこのペンも、そろそろ寿命であるらしい。また新しいものを買ってこないと。それとも、伊地知あたりに頼んだ方が確実だろうか。毎日は目まぐるしくすぎていって、今覚えていても忙しさにすぐに忘れてしまう。
やっぱり伊地知に頼もう。思い立ったら忘れないうちにすぐ行動。ポケットからスマホを取り出してメッセージを送信するとすぐに既読がつき、わかりましたと返ってくる。やっぱりこれが正しい選択だったらしい。これで忘れてしまってもペンは手元にやってくる。
今日のところは仕方がないので掠れたまま、隣に書いてある数字プラス1を書き、定位置となっている空き缶のペン立てへ戻す。南の島に旅行に行ったときに買ったローカルビールの空き缶を加工して作った代物だ。今時小学生の工作だってもっとマシなものを作るだろうと作った当時は2人して爆笑したのだが、今でもこうして役割を果たしてくれる。落とした時についた凹みはあれど、色あせることもなく今でも10年前の面影をしっかり残している。
2641やっぱり伊地知に頼もう。思い立ったら忘れないうちにすぐ行動。ポケットからスマホを取り出してメッセージを送信するとすぐに既読がつき、わかりましたと返ってくる。やっぱりこれが正しい選択だったらしい。これで忘れてしまってもペンは手元にやってくる。
今日のところは仕方がないので掠れたまま、隣に書いてある数字プラス1を書き、定位置となっている空き缶のペン立てへ戻す。南の島に旅行に行ったときに買ったローカルビールの空き缶を加工して作った代物だ。今時小学生の工作だってもっとマシなものを作るだろうと作った当時は2人して爆笑したのだが、今でもこうして役割を果たしてくれる。落とした時についた凹みはあれど、色あせることもなく今でも10年前の面影をしっかり残している。
MondLicht_725
MAIKING0巻後のif話です生きてる夏五(記憶喪失)
【夏五】箱庭 無数の赤い花が揺れている。名前を知っていた気がするのに、思い出せない。
座っていた木製のベンチから立ち上がると、わずかに眩暈がして足元がふらついた。背もたれに手をつき、やり過ごす。こめかみを針で刺されるような鈍い痛みがときどき襲ってくる。
大きく息をついて、軽く頭を振る。
背後には丸太を積み上げて造られた、家とも小屋とも判断がつかない小さな建物がある。
朧げに、この中で寝ていたことを思い出す。今日は天気がいいからと、誰かに支えられて外に出て、このベンチに座った。
すぐ横には白い幹の大きな木が生えていて、屋根の上、左右に大きく広げられた枝が影を作り、強い日差しから守っている。
目の前には真っ赤に彩られた広大な野原があり、遠くに湖と背の低い山が見える。他に人工的な建物はない。
2187座っていた木製のベンチから立ち上がると、わずかに眩暈がして足元がふらついた。背もたれに手をつき、やり過ごす。こめかみを針で刺されるような鈍い痛みがときどき襲ってくる。
大きく息をついて、軽く頭を振る。
背後には丸太を積み上げて造られた、家とも小屋とも判断がつかない小さな建物がある。
朧げに、この中で寝ていたことを思い出す。今日は天気がいいからと、誰かに支えられて外に出て、このベンチに座った。
すぐ横には白い幹の大きな木が生えていて、屋根の上、左右に大きく広げられた枝が影を作り、強い日差しから守っている。
目の前には真っ赤に彩られた広大な野原があり、遠くに湖と背の低い山が見える。他に人工的な建物はない。
anmugi07
DONE14歳夏とふわ五との出会いからふわ夏と五、それぞれその後。ふわ五イベで描いたものです。イベ時は前後で分かれてましたが一つにまとめました。こちらはこれだけで短編で完結していますが夏が離反しない内容にして夏五度をあげて本にしようと思います。
本としての続きを加えたサンプルというか進捗は11日夜別個であげます。ふわ好き夏五好きで離反しないルートが気になる方に読んでもらえたらと思います。 7
anmugi07
DONEにゃんごフェスで描いた猫夏五です。ガチ猫です。こちらは描き足して本にしました。https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031052465/ 8あプり
SPUR ME【くす感5無配コピ本】2023/5/4開催、スパコミ•くすぐる感情5にて無料配布していたコピー本です。
夏までには発行したいな…の夏五本あらすじのようなもの。5ページ目の後書きがこの本の内容の全てですw 発行出来るようにがんばります!
当日お手に取ってくださった方々、お声がけくださった方々、ありがとうございました!
※オフ本は年齢指定が付きます。
※進捗はTwitterにて! 6
MondLicht_725
PAST転生夏五。どっちも記憶なしだけどときどき過去が滲んでくる話。
【夏五】哀夢 目を覚ます。夢を見たわけではないし、外部からのなにかしらで妨害されたわけではない。ただ、急に意識が醒めた。
部屋の中はまだ暗い。カーテンの隙間からも、まだ明るい光は漏れていない。今は何時なのか。もうひと眠りできるだろうか。ベッド横のナイトテーブルに置いた目覚まし時計を確認しようと頭を起こして、息を呑む。
そうは見えないと友人や後輩たちからはよく言われるのだが、幽霊だとかお化けだとか、そういう類が昔から苦手だった。ただ、人前で悲鳴をあげたり泣いたりするなんてみっともないという意地で、必死に我慢していただけだ。
昔ほどではないが、今だって得意なほうではない。だから、すぐ横にぼんやりと佇む姿に、心臓が飛び出しそうなくらい驚いた。
2072部屋の中はまだ暗い。カーテンの隙間からも、まだ明るい光は漏れていない。今は何時なのか。もうひと眠りできるだろうか。ベッド横のナイトテーブルに置いた目覚まし時計を確認しようと頭を起こして、息を呑む。
そうは見えないと友人や後輩たちからはよく言われるのだが、幽霊だとかお化けだとか、そういう類が昔から苦手だった。ただ、人前で悲鳴をあげたり泣いたりするなんてみっともないという意地で、必死に我慢していただけだ。
昔ほどではないが、今だって得意なほうではない。だから、すぐ横にぼんやりと佇む姿に、心臓が飛び出しそうなくらい驚いた。
MondLicht_725
MOURNING離反回避世界の夏が来ちゃったネタ前のポイピクからの再掲
【夏五】無題 おっと、「赫」は勘弁してくれないか。逆らうつもりはないよ。
ところで君はどう見ても悟だけど、私の悟とは少し違うね。
ここで会ったのもなにかの縁だ、少しだけでも私の話を聞いてくれないか。突然謀叛人呼ばわりされた挙句に攻撃を受けた哀れな男の話を。
五条悟は困惑していた。いや、困惑なんてものじゃない。思考が停止して、頭の中は真っ白だ。
硬直したまま沈黙してしまった五条に、見覚えがありすぎる――けれど最後の記憶より大人びた男は眉尻を下げた。
ぽたりと雫が男の手の甲、指を滑って床に落ちた。寄木造の床に雨のように降り注ぐ赤に、ようやく我に返る。紺色のシャツの袖は肘のあたりで大きく裂け、鍛え上げられた腕が見え隠れしている。
2795ところで君はどう見ても悟だけど、私の悟とは少し違うね。
ここで会ったのもなにかの縁だ、少しだけでも私の話を聞いてくれないか。突然謀叛人呼ばわりされた挙句に攻撃を受けた哀れな男の話を。
五条悟は困惑していた。いや、困惑なんてものじゃない。思考が停止して、頭の中は真っ白だ。
硬直したまま沈黙してしまった五条に、見覚えがありすぎる――けれど最後の記憶より大人びた男は眉尻を下げた。
ぽたりと雫が男の手の甲、指を滑って床に落ちた。寄木造の床に雨のように降り注ぐ赤に、ようやく我に返る。紺色のシャツの袖は肘のあたりで大きく裂け、鍛え上げられた腕が見え隠れしている。