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    eatachurros

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    日常メイン🧺 | 読み切り | 甘々

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    eatachurros

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    寝ぼけた真が柏さんに甘えた夜の話

    #柏真
    kashiwajin

    もう寝るとしようリビングの照明はすでに落ち、寝室にも深い静けさが漂っている。
    ベッドの上で、柏木は仰向けのまま目を閉じていた。

    眠気はとうに遠のいている。
    昼間の会議で張り詰めていた神経がまだ身体の奥に残っていて、ただ隣の穏やかな寝息をぼんやりと聞いていた。

    ふと、気配が揺れる。

    掛け布団がかすかにずれて、ふわりと温もりが近づいてきた。
    寝返りかと思った、その瞬間──

    「……ん……」

    小さく喉を鳴らす声。

    「起きたのか」

    珍しく先に寝落ちていた恋人が、すり寄るように近づいてきていた。

    ふわりと乱れた髪が柏木の頬に触れ、ひんやりとした指先が胸元を探るように伸びてくる。

    「……柏木、さ…ん…」

    「どうした」

    寝ぼけているのか、掠れた小さな声。
    静かに問いかけると、真島は微かに眉を寄せ、シャツの裾をぎゅっと握りしめながら、ぽつりと呟いた。

    「……なでてや」

    その一言に、胸が静かに跳ねる。
    いつもの真島なら、こんなことは言わない。
    冗談で誤魔化すか、はぐらかすか。
    こんなふうにまっすぐ甘えてくるなんて。

    自然と笑みがこぼれてしまうのも、仕方なかった。
    頼りなげに開かれたその瞳に視線を合わせながら、そっと頬に触れる。

    「珍しいな」

    「…ちゃう。寝れへんだけや」

    誤魔化すようなその声は、どこか子供のようだった。
    本音かどうかなど、聞かずとも分かる。

    柏木は何も言わず、ゆっくり腕を伸ばし、その頭を胸元へと引き寄せた。

    頭頂からうなじへと、髪をゆったり梳くように指を滑らせる。
    一度、また一度、丁寧に。

    「……ん」

    心地よさそうな、くすぐったそうな小さな声。
    目を閉じたまま、真島がそっと柏木の胸に頬を寄せる。

    「気持ちいいか」

    「んん」

    そっけない返事とは裏腹に、手は未だ柏木のシャツをしっかり握りしめていた。
    その手に指をするりと滑らせ、優しく包み込む。

    熱もない。悪夢の気配もない。
    ただ、甘えたかっただけなのだろう。

    「もうちょいだけ」

    「言われなくても、ずっと撫でててやる」

    「……」

    もう眠たいのか、返事はなかった。

    眠りに落ちる直前の、いちばん無防備な表情。
    そのまま、こてんと柏木の肩に額を預けてくる。

    「……ん」

    小さく満足げな声を漏らし、ようやく真島の呼吸が深く落ち着いた。

    「おやすみ、吾朗」

    もう聞こえてはいないかもしれないが、耳元でそっと囁いて。
    俺も、
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    sueki11_pxv

    MAIKINGさなぎの続き。時系列は極。ソシャゲのシナリオネタも入っています。柏木視点、真島視点と続きます。
    さなぎのつづき22005年12月4日。東城会三代目であった世良が何者かに狙撃され殺害された。その葬儀の翌日、前夜に出所してきたという桐生を街で探したが、見つからなかった。桐生は風間が狙撃されたその場にいた。自分か駆け付けた時にはもうその姿はなかったが、シンジ曰く、風間が呼んだらしかった。相変わらず自分が知らないところで風間は動いているな、と苦虫を噛んだが、親の思考が読めないのは別に今に限ったことではない。とかく桐生と連絡をとることが先だと、シンジに聞くと、昔からの桐生たちのたまり場であったセレナというバーが連絡拠点になっているという。そちらに電話をかけたが、あいにく不通だった。社外秘ならぬ、組外秘のことだが、桐生には、風間の容態は伝えた方がいい気がした。きっと心配しているだろう。風間は搬送先で一度意識は回復したものの、手術の影響からか再び眠りについた。心臓付近を撃ち抜かれ、予断は許さない。だが、とにもかくにも一命はとりとめたことを教えてやらねばならない。会場では、桐生が風間を襲撃したという噂がまことしやかに流れていた。
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