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    bell39399

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    れんごくばんちゃん17にちめ!

    けものがみるゆめはきっとそんなゆめ。

    #バンエレ

    バンさんRE:BORNじゅーしち そんな訳はない、と獣の頭でもわかることだ。ジバゴがここにいるなんて。
     もしかしたら森に迷い込んだ獣人かもしれない。兎に角バンは不審な獣の影を追おうと、まずはそっとエレインを揺り起こした。
    「ア゛ ヴアーー」
    「ううん……え? 不審者ですって? 何も感じないけど……」
     短く言葉を交わしている間に、遠くに見えたはずだった獣の影がこちらに近づいて来た。エレインも気づいているはずなのに、不思議そうな顔をしてバンを見上げているだけだ。そしてとうとう、それは二人の目前にやってきて、今度こそバンは愕然とした。
     正真正銘、ジバゴである。
    「おお、バン。ちょっと見ないうちにまた、随分デカくなったなぁ」
     狐のすがたのジバゴは笑いながら、バンの身体をバシンと叩く。
     エレインにしろ、ジバゴにしろ、体格以外に注目すべきところはないのか、と、バンはちょっと思った。
     いや、それよりも。何故、ここにいるんだ? アンタは、確かに……。
    「どうしちゃったの、バン。お義父さんに会うのが久しぶりで照れているのかしら!」
    「ハハッ。思春期のガキみてぇだな」
     しかもいつの間にか、エレインとジバゴが顔見知りになっている。
    「やぁねぇ、バンったら。この間紹介してくれたじゃない」
     エレインもそう言ってクスクス笑うものだから、バンはそういえばそうだっけ、と首を傾げた。何せ煉獄の獣になってしまったので、少し頭がぼんやりしているから、言われてみたらそんな気もしてきた。
     そうと分かればバンはにわかに機嫌が良くなって、ぎ、ぎ、と笑った。
     エレインとジバゴが一緒にいる。なんて素敵なんだろう!
     さぁエールを飲もう。アンタと飲むのが夢だったんだ。
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    bell39399

    MAIKINGバンエレ水浴び一人アンソロその1(2以降があるかは謎)

    途中まで書いたやつポイ。
    一人称に直すかも。なんとなく
    それを見た時、バンは幻を見たのかと思った。もしくはまだ寝ぼけているのか。
     

     夜中、水音を聞いた気がしてふと目が覚めた。もとより熟睡することのないたちだったが、この森に来てからは妙によく眠れる。にもかかわらず、だ。それに何故か少し冷える。
     その原因に気づき、思わず自嘲した。なんの事はない、隣で寝ていたこの森の聖女がいなかっただけの事だ。
     この森も、この森である秘宝を守っているという少女も奇妙な事だらけだった。安らぎやぬくもりとは無縁の生活を送ってきたバンだったが、ここに来てからは気持ちが凪いでいる。不思議なことだが本能で警戒する必要がないと感じていた。
     エレインと名乗る妖精少女(本人曰く千年は生きているらしいが)とのやり取りも実に愉快だった。彼女はバンの他愛のない話を夢中で聞いて、四季のようにくるくると表情を変えながらバンの言葉の一つ一つにいちいち反応する。時には金色の睫毛を伏せ、時には頬を膨らませ、そして何よりよく笑った。バンは彼女の笑顔で初めて「花が綻ぶような」という形容の意味を知った。
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