バンさんRE:BORN!24 れんごくばんちゃんは狩りが得意。どんなに大きく獰猛な獣も、ばんちゃんの手にかかればいちころなのだ。お肉が好きなばんちゃんは、そうやって狩った動物を美味しく頂いている。
でも、ばんちゃんがだい好きなエレインは、妖精なのでお肉を食べない。だからばんちゃんは大きな獣だけではなく、美味しく熟れた甘いベリーや、香ばしいきのみを採るのも上手になった。そして採集に行くときは、たいてい二人いつも一緒だ。
「わぁ、凄いわバン。ここの実はとても甘くて美味しい! バンは妖精族みたいに美味しい実のなる場所も知っているのね。きっと、兄さんにも負けないわ!」
エレインのお兄さんのキングは妖精王で、森や木々について誰より詳しい。そのキングに負けないと言われたばんちゃんは得意げに、ふんふん鼻を鳴らして喜んだ。
そうだ、ジバゴやキルアの分も必要だな。二人には肉も食わせてやろう。旨い肉と甘いベリーと木の実のタルト。腹いっぱい、食わせてやれる。ここは飢えとは無縁だ。
「えっ。……ジバゴに……バンの妹……?」
エレインは何故か不思議そうな顔でばんちゃんをじっと見つめた。でもそれは一瞬だったので、ばんちゃんの気のせいだったのかもしれない。
ぐおおおお……
その時ばんちゃんの腹の虫が叫びだした。
「フフフッ! お腹すいちゃったね」
うん、すいた。帰って飯にしようぜ♪
ばんちゃんはエレインを肩に乗っけて家路を急ぐ。
「お夕飯が楽しみだわ!」
れんごくばんちゃんはらペコ。エレインもはらペコ。
れんごくばんちゃん、腹の虫はうるさいけれど、夕餉に向けて気分はうきうき。
肉も実もいっぱい採れたから、帰って皆で食卓を囲もう。家族いっしょの食卓は、いつもわいわい楽しく美味しいものだから。