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    ひわ@turoporfali

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    #F蘭ワンドロ お題:鍵。寶さんとうるうさんの話ですがカップリング要素はありません

    鍵のかけかた 静かに鍵を開けたつもりだった。
     外の喧騒でごまかされると思っていたが、甘かった。BAR Fのカウンターに立っていた寝巻き姿のうるうに気づくのは、そう長く掛からなかった。
    「買い出しで忘れもん思い出してしもて、コンビニに行っとったんや」
    「夜のお出かけもほどほどにな。規律を守らないと一番先に咎めを受けるのは、寶、君じゃないのか」
    「ワイのこと気遣うてくれとるのん? いや〜ん、うるうくんは優しいわぁ〜」
     変なしなを作る寶を、うるうは冷ややかな視線で見つめる。
    「気遣うほどの関心を、君には持っていない」
     えらく正直なことを言い出すな、と寶は思った。うるうはバカ正直すぎるところがあり、そこがときに子供っぽく見える。
    「ワイみたいなウソつきには、眩しすぎて目が眩むわ」 
     うるうは黙って戸棚からタンブラーを出し、水を飲み始めた。
    「喉が乾いただけで、別に問い詰める気はない。まわりがいいかげんなほうが、僕の評価は上がるだろう?」
     タンブラーを流しに置き、うるうはそのまま二階に上がっていった。
    「鍵が開けっぱなしだったぞ、素行はともかく、そこは気をつけてくれ」
    「へえへえ、うるうくんも火の元には気ぃつけや」
     規律だ規則だって言葉で何を隠しているのか、ええかげん気づいたほうがええで、と言おうとしてやめた。寶もうるうにそれほどの関心はないし、関心がないからこそこぼせる本音もあるかもしれないのだから。
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