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    ru_za18

    @ru_za18

    とうらぶやtwstのSSや小説を書いています。
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    ru_za18

    DONE桑さに
    青空でのお題提出作品
    あることから本丸を逃げ出そうとした主と見つけた桑名のお話

    捏造設定あり
    暗めのお話
    エゴだとしても 物音一つしない、丑三つ刻。今日は生憎の曇りで、本来ならば見えたであろう満月も今は姿を隠している。
     そんな中を小さい鞄一つを抱えて、出来るだけ足音を立てないように廊下をゆっくりと歩く。部屋から出て少し進んだところに、『風通しのためだ』と開けてもらっていた雨戸が見える。そこに辿り着いては息を潜めて辺りを見渡し、誰もいないことを念入りに確認した。
     ――見つかるわけにはいかない。
     緊張感から息をすることすら忘れて、確認出来たと同時に人が通れる程だった雨戸から庭へと下りた。素足のまま下りたものだから、庭に転がる小石たちが『自分はここだ』と存在を主張してくる。痛みを伴うそれを無視しながら、歩く速度はどんどん早まっていき、前へ前へと足を出す。終にはとうとう走り出して、目指す先は本丸の門だ。春には桜の花弁を浮かべた池の横を通り、近くに向日葵が咲いていた畑を横切り、可愛い色だと埋めたチョコレートコスモスの花壇を越え、冬には雪の帽子を被っていた椿の垣根を抜ければ、辿り着いたのは目的地。しんと静まり返る中に佇むそれは、私の最後の覚悟を問うているように思えた。
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    ru_za18

    DONE松さに
    幼い頃に両親を亡くし、松井に保護されて審神者になった少女と恋仲である松井のお話。
    優しかった両親が亡くなった理由を探し続けていた審神者が、ある日聞いた話は……
    ※途中、流血表現や死ネタが含まれます
    真実は甘さの下で 『両親との思い出は何ですか?』と聞かれた時、貴方は何が思い浮かぶだろうか。
     何処かへ遊びに行ったこと、今日あった出来事を話したこと、危ないことをして怒られたこと、泣いた時に慰めてくれたこと。きっと、人の数だけ挙げられるものだと思う。
     私が思い浮かべる両親との思い出は、幼い頃、温かい手に引かれて歩いた川原だ。沈む夕日に照らされ、橙色にキラキラと煌めいた川を見るのが好きだった。そして、懸命に他愛のないことを話す私を優しげな眼差しで見つめてくれる両親。今でも引き出しから取り出しては眺めるように、そんな光景が私の中ではとても大切で幾度も思い出した記憶だ。
     そして、もう一つ思い出すもの。部屋の中で赤の海にうつ伏し、沈んだようになっている両親の光景だ。幼く、現実が理解出来ていなかった私は、ただただ両親へと近付いた。ぬるりと足裏に感じる不快感。滑りそうになりながらも近付くことは止められず、両親へと手を伸ばした。
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    ru_za18

    DONE遠征ではぐれてしまい、ずっと探していた秋田と五虎退が本丸に帰ってきた。
    ようやく元気になってきた二振りが、散歩に誘ってくれたのが嬉しく、共に向かうことになる。
    平坦な道から、どんどんと山の方へと向かう中、休憩しようと声をかけた審神者に対して、二振りは…
    ※何でも許せる方向け
    ※少しホラー

    Twitter・支部の再掲作品
    そうしてまた「あるじさま…こ、こっちですよ…」
    「主君!早く来てくださーい!」
    「待って…!五虎退も秋田も早いよ…」
     楽しそうに笑いながら先を行く二振りを追いかける。今日は、五虎退と秋田に誘われて散歩へやってきた。目の前で笑う二振りに、どこか安堵している自分がいる。
     その理由というのも、遠征で隊からはぐれ、帰りそびれた五虎退と秋田を探し回ったのが半年以上前のこと。ずっと見つからずに一週間、一月、半年と時が経ち、諦めかけた時に彼等は帰ってきた。本丸の、扉の前に。一期一振をはじめ、私も粟田口の兄弟も集まっては、いくつか怪我はあるけれど、皆無事な彼らに安堵し、帰還を喜んだ。二振りは、焦点がどこかぼんやりとしていて、“私が粟田口のみんなに贈った藤のブローチを無くしてしまった”と、それだけを呟いていた。どこか不思議な感じはしたけれど、私はそんなことより二振りがこうして帰ってきてくれたことが、何よりも嬉しかった。それに、帰ってきた当初の反応は、おそらく疲れからだったのだろう。日が経つにつれ、以前のように庭を駆け、遊び、鍛錬に励み、どんどん元気になっていった。
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