ルシファーの盛大な勘違いについて4(終) ルシファーはホテルの一階にあるバーカウンターに座りながら、ぼんやりとラウンジの様子を眺めていた。ラウンジでは、恋人と娘がソファに隣合って座っている。
ただ、その雰囲気は穏やかではない。チャーリーはペンを片手に目を回しているし、アラスターはそんなビジネスパートナーを意地の悪い笑顔で眺めている。そしてその後ろでは険しい顔のヴァギーが、二人(正確にはアラスター)を見張っていた。
(可愛いな……)
可愛いと可愛いのコラボレーション。ルシファーはフワフワとした幸福感を味わいながら、その光景を肴に[[rb:シードル > 林檎酒]]を煽っていた。
真昼間からの飲酒を咎める者はいない。ここには[[rb:悪い子 > ・・・]]しかいないのだ。バーテンダーは無言で差し出されたウィスキーを裏にしまい込み、ルシファーのシャンパングラスに冷えたシードルを注ぎ、ついでにチーズも出してくれた。
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