桜妓紅蓮
MAIKINGおせりか女体化注意おせりか(女体化)小説かきかけ「あなたとキスをしたいです。……触れ合いたいです」
私の手を包む両手は冷たい筈なのにとても暑かった。指先から伝わる鼓動は強く、速く。
大瀬くんは真剣な、しかしどこか傷ついたかのような顔をして私を見据える。澄んだ色の瞳に浮かぶの葛藤であり情熱であり優しさでもある。彼は私の知らない姿をしていた。しかし柔く笑んだ口元はいつもの大瀬くんだった。
キスの先に何があるのかも、彼の言う触れ合いが何を指しているのかも、私にはわからない。
未知とは恐ろしいものだ。だが大瀬くんは怖くなかった。私の為にこんなに思い悩み葛藤してくれる優しい彼が怖い筈ないのだ。
目を閉じたとき、唇にキスをされるのかと思った。秩序から逸脱した行為だというのはわかっている。だが、大瀬くんとなら怖くてもいい、と。そういう気持ちが確かにあった。
1613私の手を包む両手は冷たい筈なのにとても暑かった。指先から伝わる鼓動は強く、速く。
大瀬くんは真剣な、しかしどこか傷ついたかのような顔をして私を見据える。澄んだ色の瞳に浮かぶの葛藤であり情熱であり優しさでもある。彼は私の知らない姿をしていた。しかし柔く笑んだ口元はいつもの大瀬くんだった。
キスの先に何があるのかも、彼の言う触れ合いが何を指しているのかも、私にはわからない。
未知とは恐ろしいものだ。だが大瀬くんは怖くなかった。私の為にこんなに思い悩み葛藤してくれる優しい彼が怖い筈ないのだ。
目を閉じたとき、唇にキスをされるのかと思った。秩序から逸脱した行為だというのはわかっている。だが、大瀬くんとなら怖くてもいい、と。そういう気持ちが確かにあった。
MondLicht_725
MAIKING夏五版ワンドロワンライ第122回お題「接客」お借りしました。解散後のhrhn夏五の話。
解散後、相方夏は長らく行方不明になっていたが、あるときよからぬ事業に手を染めていると週刊誌にすっぱ抜かれ、真相を探るために五は――
たぶん続きます。
夏五版ワンドロワンライ第122回お題「接客」 うわ、やば。思わず、声に出ていた。頭の中で思い描いていたよりも何倍も怪しい雰囲気に、躊躇してしまう。稼いでいるらしい、と噂されていたが、こんなにも大規模な施設だとは思わなかったのだ。
一瞬、つい先日見た映画を思い出した。世界滅亡の危機に、いろんな能力を持つヤツラがチームを組んで、揉めたり喧嘩したり友情に目覚めたりしながら悪に立ち向かっていく、王道ストーリーだ。
確か、最終的に乗り込んでいく悪の本拠地が、こんな感じだった気がする。
ならばここでトップらしいアイツは、さしずめ悪の親玉か?やば、めっちゃ似合うかも。
鼻で笑いながら、堂々と真正面の階段を昇っていく。映画みたいに、こそこそ嗅ぎまわって侵入経路を探すとか、そんなめんどくさいことはしない。正面突破だ。
2153一瞬、つい先日見た映画を思い出した。世界滅亡の危機に、いろんな能力を持つヤツラがチームを組んで、揉めたり喧嘩したり友情に目覚めたりしながら悪に立ち向かっていく、王道ストーリーだ。
確か、最終的に乗り込んでいく悪の本拠地が、こんな感じだった気がする。
ならばここでトップらしいアイツは、さしずめ悪の親玉か?やば、めっちゃ似合うかも。
鼻で笑いながら、堂々と真正面の階段を昇っていく。映画みたいに、こそこそ嗅ぎまわって侵入経路を探すとか、そんなめんどくさいことはしない。正面突破だ。
c_krfee_ex
MAIKINGりつまお すけべ未満なすけべSS「りつ……っ」
俺を求める甘い声。泣き出しそうなふたつの瞳。汗ばんだ素肌をぶつけ、粘度を増した互いの熱を絡め合えばいっそう悲鳴は艶を帯びる。
綺麗だと思った。妙なぐらい、彼の何もかもが俺の心を擽る。
今まで見たこともないような表情で俺に縋る彼へ、言いようもない愛しさを覚えながら、けれども何かが腑に落ちないと首を捻る。
そうだ、俺は確かに見たことがない。こんな彼を一度も見たことがないはずなのに──。
違和感に導かれるままよくよく目を凝らして見れば、薄暗い部屋の中、一糸まとわぬはずの彼の全身は靄が掛かったかのように不鮮明で曖昧だ。真っ白なのか、赤いのか、暗いのか、さきほどまで鮮明だったはずの彼の肌色さえ分からない。泣き出しそうだと思っていた瞳も、顔全体が夜の色に覆われて今となっては何も見えないでいる。
1112俺を求める甘い声。泣き出しそうなふたつの瞳。汗ばんだ素肌をぶつけ、粘度を増した互いの熱を絡め合えばいっそう悲鳴は艶を帯びる。
綺麗だと思った。妙なぐらい、彼の何もかもが俺の心を擽る。
今まで見たこともないような表情で俺に縋る彼へ、言いようもない愛しさを覚えながら、けれども何かが腑に落ちないと首を捻る。
そうだ、俺は確かに見たことがない。こんな彼を一度も見たことがないはずなのに──。
違和感に導かれるままよくよく目を凝らして見れば、薄暗い部屋の中、一糸まとわぬはずの彼の全身は靄が掛かったかのように不鮮明で曖昧だ。真っ白なのか、赤いのか、暗いのか、さきほどまで鮮明だったはずの彼の肌色さえ分からない。泣き出しそうだと思っていた瞳も、顔全体が夜の色に覆われて今となっては何も見えないでいる。
ぽんじろう
MAIKING🦈が妖精に気に入られてしまう話 冒頭のみ『ねぇママ、ジェイド』
小さなフロイドは、そのシトリンの瞳に映る「おかしなもの」を兄弟と母に見せようと、2人の指を小さくクイっと引っ張る。
その合図に2人が振り返った。
『あそこの岩に女の人が座って、歌を歌ってる』
『…?どこにいるんですか?』
ジェイドはフロイドの指差す方向を向くと、目を凝らしてその岩を見る。しかしそこには暗い海が広がるばかりだ。
頭に?マークを浮かべるジェイドとは対象的に、フロイドの握る母の指がピクリと動いた。
ほんの僅かなその反応。しかしそれだけでフロイドは、この優しくおおらかな母が何かに緊張しているのだと察した。
『フロイドさん』
母はフロイドの視界を塞ぐように片手で優しく目を覆う。
ついでとばかりに反対の手でジェイドも引き寄せ、優しく抱きしめた。
4643小さなフロイドは、そのシトリンの瞳に映る「おかしなもの」を兄弟と母に見せようと、2人の指を小さくクイっと引っ張る。
その合図に2人が振り返った。
『あそこの岩に女の人が座って、歌を歌ってる』
『…?どこにいるんですか?』
ジェイドはフロイドの指差す方向を向くと、目を凝らしてその岩を見る。しかしそこには暗い海が広がるばかりだ。
頭に?マークを浮かべるジェイドとは対象的に、フロイドの握る母の指がピクリと動いた。
ほんの僅かなその反応。しかしそれだけでフロイドは、この優しくおおらかな母が何かに緊張しているのだと察した。
『フロイドさん』
母はフロイドの視界を塞ぐように片手で優しく目を覆う。
ついでとばかりに反対の手でジェイドも引き寄せ、優しく抱きしめた。
poipoilifesuno
MAIKING徳リョガです。でも全体的にはモブリョガの文脈かもしれない。世界大会が終わり徳の家に世話になることになったリョガが学校に通って思春期の高校生たちを色々ぶっ壊す話の最初の部分だけ。
短い話の予定だったのに、なにやら規模がデカくなって3万字のラインが見えてきてしまいました。悪いクセです。最終的には年齢指定する予定。
まだ青い君たちへ(仮)「ふぁ~あ」
誰かが大きな欠伸をした。本当に文字通りの声を出して。だいたいそういうことをする奴の察しはついていて、その声の主をわざわざ探そうとする者もいない。それくらい見渡せば馴染みある顔ぶればかり。そこそこ田舎にあるなんの取り柄もない公立学校の宿命だ。高校生になったってほとんど顔ぶれが変わらない。今まで一緒だった奴。顔は知ってる奴。そんな感じ。
今、壇上で話している校長だって、そんな空気に呑まれたように中身のない話ばっかりしている。いや、もしかしたら大抵の生徒が自分の話なんか気にしてないことをわかっているのかもしれない。世の校長たちが皆そうかは知らないがうちの校長は特に、そこら辺を思い知らされているんだと思う。彼によって。
5875誰かが大きな欠伸をした。本当に文字通りの声を出して。だいたいそういうことをする奴の察しはついていて、その声の主をわざわざ探そうとする者もいない。それくらい見渡せば馴染みある顔ぶればかり。そこそこ田舎にあるなんの取り柄もない公立学校の宿命だ。高校生になったってほとんど顔ぶれが変わらない。今まで一緒だった奴。顔は知ってる奴。そんな感じ。
今、壇上で話している校長だって、そんな空気に呑まれたように中身のない話ばっかりしている。いや、もしかしたら大抵の生徒が自分の話なんか気にしてないことをわかっているのかもしれない。世の校長たちが皆そうかは知らないがうちの校長は特に、そこら辺を思い知らされているんだと思う。彼によって。
六田なち
MAIKINGホテルマンパロ降新。何にも考えてない。続かない。 日本の首都、東京というのは狭い土地に人口が密集しているだけあって、大きな駅ならばどこもかしこも人が多い。
そんな駅前の喧騒を抜け数分ほど歩いた所に、一際目を引く新しいビルが建っている。隣は森のような緑を有する広大な公園、その先には日本の官公庁が立ち並ぶエリア。
アール・デコ様式で文化財にも指定されそうなエントランスは、勿論年代物ではなく、フランス・パリの建築を精巧に再現した代物だ。そこに現代アートのモダンさを融合させたというのがこのホテルの建築家の自慢らしいが、その芸術性は、新一には少し分からない。
自分が分かるのは、ここが訪れた人間に対して別世界かとでも思うような空間を提供する場所であるということ、世界最高峰のホスピタリティを売りにしたホテルであるということだけだ。
6790そんな駅前の喧騒を抜け数分ほど歩いた所に、一際目を引く新しいビルが建っている。隣は森のような緑を有する広大な公園、その先には日本の官公庁が立ち並ぶエリア。
アール・デコ様式で文化財にも指定されそうなエントランスは、勿論年代物ではなく、フランス・パリの建築を精巧に再現した代物だ。そこに現代アートのモダンさを融合させたというのがこのホテルの建築家の自慢らしいが、その芸術性は、新一には少し分からない。
自分が分かるのは、ここが訪れた人間に対して別世界かとでも思うような空間を提供する場所であるということ、世界最高峰のホスピタリティを売りにしたホテルであるということだけだ。