つかさ
きろう
DONE隆ツ。ツカサの欠点の話。愚かの小唄 沖野の隣で過ごすことは既に比治山にとって日常になっていた。自分より少し下の方にある貌をひっそり見詰めては怜悧な横顔に幸福が滲んでいることに満たされ、視線に気付かれて目が合ったならその場で出来る限りの方法で愛を伝えた。恋人との無為の時間はただ穏やかで、限りがあるはずのひと時をいつまでも続けたいと願ってしまう。
しかし今日はそこに看過し難いものを見つけた。傷だ。血色の薄い沖野の頬に薄っすらと赤い線が横にひとつ走っている。近くでよく見なければ分からない程度のそれは怪我というより不注意の部類に思われた。
比治山は真っ先に自分の爪を確認した。彼の頬に最も触れるのは自分に違いない。だが、日々気を付けているだけあって特に原因になるような様子は見当たらない。それならば本人の爪だろうか。
2380しかし今日はそこに看過し難いものを見つけた。傷だ。血色の薄い沖野の頬に薄っすらと赤い線が横にひとつ走っている。近くでよく見なければ分からない程度のそれは怪我というより不注意の部類に思われた。
比治山は真っ先に自分の爪を確認した。彼の頬に最も触れるのは自分に違いない。だが、日々気を付けているだけあって特に原因になるような様子は見当たらない。それならば本人の爪だろうか。
cr4or5
DONEりつかさ/夜を呼ぶ「Marverous! 甘いだけでなくコクがあり……Spiceも入っていますか? ぽかぽか温まるお味ですね。とてもおいしいです」
と、流暢な食レポをしているのは、俺たちKnightsのかわいい末っ子。
「そう。よかった」
そして互いにオフの今日、俺の部屋にふたりきりのあいだくらいは、俺だけの愛しい子、と呼んでも差し支えないはずだ。
先日までバレンタイン一色だった世間が、今度は慌ただしく返礼の準備を始めた頃。お菓子づくりを趣味とする者としては、様々な素材が出回るのもこの時期の楽しみの一つだ。溶かして飲むのにぴったりのチョコを手に入れたので、俺なりのアレンジを加えて振る舞えば、お気に召したのは一目瞭然。一気に飲める熱さではないけど、少しずつ何度もくちびるをカップにつけて、もう半分近くなくなっている。ちびちびと味わっている姿はなんだか小動物みたいだ。
3028と、流暢な食レポをしているのは、俺たちKnightsのかわいい末っ子。
「そう。よかった」
そして互いにオフの今日、俺の部屋にふたりきりのあいだくらいは、俺だけの愛しい子、と呼んでも差し支えないはずだ。
先日までバレンタイン一色だった世間が、今度は慌ただしく返礼の準備を始めた頃。お菓子づくりを趣味とする者としては、様々な素材が出回るのもこの時期の楽しみの一つだ。溶かして飲むのにぴったりのチョコを手に入れたので、俺なりのアレンジを加えて振る舞えば、お気に召したのは一目瞭然。一気に飲める熱さではないけど、少しずつ何度もくちびるをカップにつけて、もう半分近くなくなっている。ちびちびと味わっている姿はなんだか小動物みたいだ。
らずり
PAST●水無瀬 司(ミナセ・ツカサ)通過シナリオ
▷桐と枸櫞
銀行員外回り。人に流される。
頭が固くてマニュアル人間。役割を与えられると楽。泣き虫の弟、ポンコツの父とはしばらく疎遠。
同級生の花のことを放っておけない。 9
tsukino_fuki913
DONE診断メーカー:「RTされたら指定された攻めのセリフでCPの作品を書く」いただいたお題:「6RTで『お前の望むようにしてやろう。さあ何をしてほしいか言ってみろ』」
登場人物:
不死川実弥:地上で暮らす男。ただの人間だと思っていたが、実は……。
冨岡義勇:天空で暮らす天空の池をつかさどる神様の跡継ぎ。
冨岡蔦子:天空で暮らす天女。義勇の姉。
鱗滝老:天空の池をつかさどる神の前任。義勇と蔦子の後見人。
羽衣だけが知っている「……痛ったたた……」
姉に借りた羽衣を使って空を飛ぶ練習をしているうちに、風に煽られて地上へと墜ちてしまった。墜ちた場所には誰もおらず、人間を傷つけることがなかったのは幸いだった。
俺は冨岡義勇。天空の池をつかさどる神様だった両親を早くに亡くし、両親の前任をしていた鱗滝老に姉とともに引き取られ、神様になるための修業をしている。神様になる修業、と言っても、姉の方は羽衣を使って空を舞う練習を、俺の方は結界を破って中に入ろうとしてくる荒くれ者を討伐するための剣技を磨くことが中心だった。今日は、鱗滝さんから休息の日にする、と言われ、前から姉の羽衣を使って空を飛んでみたかった俺は、こっそりと姉の羽衣を借りたのだった。しかし、実は、羽衣を使って空を飛ぶには、それなりの体幹がいるらしい。つまり、どんなに練習をしても今まで一度も落ちたことのない姉は、失敗した俺よりも体幹の筋肉があるということだ。ほっそりした柔らかい体つきの姉であっても、男の俺よりもそれなりの筋力があるのか、と、地上に落ちて初めてその事実を知った。
7300姉に借りた羽衣を使って空を飛ぶ練習をしているうちに、風に煽られて地上へと墜ちてしまった。墜ちた場所には誰もおらず、人間を傷つけることがなかったのは幸いだった。
俺は冨岡義勇。天空の池をつかさどる神様だった両親を早くに亡くし、両親の前任をしていた鱗滝老に姉とともに引き取られ、神様になるための修業をしている。神様になる修業、と言っても、姉の方は羽衣を使って空を舞う練習を、俺の方は結界を破って中に入ろうとしてくる荒くれ者を討伐するための剣技を磨くことが中心だった。今日は、鱗滝さんから休息の日にする、と言われ、前から姉の羽衣を使って空を飛んでみたかった俺は、こっそりと姉の羽衣を借りたのだった。しかし、実は、羽衣を使って空を飛ぶには、それなりの体幹がいるらしい。つまり、どんなに練習をしても今まで一度も落ちたことのない姉は、失敗した俺よりも体幹の筋肉があるということだ。ほっそりした柔らかい体つきの姉であっても、男の俺よりもそれなりの筋力があるのか、と、地上に落ちて初めてその事実を知った。
きろう
DOODLE隆ツ(ツカサ独白)死ぬ時はみんな独り「ずっと一緒にいようね」
「大好きだよ」
「きっと君が僕の運命の人なんだ」
僕の口から愛は溢れる。
今時こんなことハイティーンの子供でも言いっこない。だって僕たち人類は知りすぎた。人生は長く、世界は不定だ。明日も変わらないなんて誰が保証できる? 脳に巣食うナノマシンの働きひとつで僕たちは全く変わってしまえる。今すぐこの恋心を書き換えてみせようか。ドーパミンにセロトニンにオキシトシン。下らない免許証を持っているから僕は君の脳だって操れる。運命なんか所詮確率問題だ。君と違う人と出会っていれば僕は同じことを別の誰かに言ってる。
「ずっと一緒にいよう」
「大好きだよ」
「きっと君が僕の運命の人」
だけど僕がこう言うと君はとても喜ぶんだ。僕の言うことに少しも間違いがなくて、それは僕の聡明な頭脳によって導き出されていると本気で信じるんだ。おかしなことに僕はそれを――とても嬉しいと思う。
582「大好きだよ」
「きっと君が僕の運命の人なんだ」
僕の口から愛は溢れる。
今時こんなことハイティーンの子供でも言いっこない。だって僕たち人類は知りすぎた。人生は長く、世界は不定だ。明日も変わらないなんて誰が保証できる? 脳に巣食うナノマシンの働きひとつで僕たちは全く変わってしまえる。今すぐこの恋心を書き換えてみせようか。ドーパミンにセロトニンにオキシトシン。下らない免許証を持っているから僕は君の脳だって操れる。運命なんか所詮確率問題だ。君と違う人と出会っていれば僕は同じことを別の誰かに言ってる。
「ずっと一緒にいよう」
「大好きだよ」
「きっと君が僕の運命の人」
だけど僕がこう言うと君はとても喜ぶんだ。僕の言うことに少しも間違いがなくて、それは僕の聡明な頭脳によって導き出されていると本気で信じるんだ。おかしなことに僕はそれを――とても嬉しいと思う。
きろう
DOODLE隆ツ/新天地・ツカサAIと隆俊AI定義/創造■
僕は2188年の沖野司AIだ。
詳細は割愛するが地球から遥か遠く離れたRS13アルファ惑星の沖野司の手によってシステム上に能力と模擬人格を復元され、今は――今も生前と変わらずエンジニアとして人類最後の砦での職務に就いている。
生憎と「本物の僕」の記録はそう多くはない。この僕は人類遺産としてアーカイブに保存されていた数多の成果物と、限られた映像データから想起される人物像から推定された模擬人格に過ぎない。例えば地球の軌道衛星上のコロニーで僕がどんな暮らしをしていたかはシステムに記録された活動データから推測してそれらしく回答することが出来るが、それより以前の、例えば子供時代の思い出などを問われてもそんなものは存在しない。もちろんコロニーでの暮らしと同様にそれらしく回答することくらいは出来るけどね。
1790僕は2188年の沖野司AIだ。
詳細は割愛するが地球から遥か遠く離れたRS13アルファ惑星の沖野司の手によってシステム上に能力と模擬人格を復元され、今は――今も生前と変わらずエンジニアとして人類最後の砦での職務に就いている。
生憎と「本物の僕」の記録はそう多くはない。この僕は人類遺産としてアーカイブに保存されていた数多の成果物と、限られた映像データから想起される人物像から推定された模擬人格に過ぎない。例えば地球の軌道衛星上のコロニーで僕がどんな暮らしをしていたかはシステムに記録された活動データから推測してそれらしく回答することが出来るが、それより以前の、例えば子供時代の思い出などを問われてもそんなものは存在しない。もちろんコロニーでの暮らしと同様にそれらしく回答することくらいは出来るけどね。
cr4or5
DONEりつかさ/強がりなきみの 『事務所?』と送ったのが一時間以上前。『はい』とだけ返事があったのがつい十分前。このパターンか、と思う。いつ来た、もいつまでいる、も何もない。おそらく結構な長時間、事務所に張りついている――そして、このあとも張りつく予定と見える。
凛月もESビル内での打ち合わせに参加しており、それが今しがた終わったところだった。もし司が事務所に来ているなら、ついでに顔を見ていってもいいし、帰れそうなら一緒に帰ってもいい。そんな意図で前もって入れておいた連絡だ。タイミングが合うほうが稀なのであまり期待はしていなかったけれど、反応の遅さのせいで、司の頑張りすぎが容易に想像できてしまう。
ついさっきまで拘束されっぱなしだったか。あるいは、連絡に気づかないくらい業務に没頭していたか。
2806凛月もESビル内での打ち合わせに参加しており、それが今しがた終わったところだった。もし司が事務所に来ているなら、ついでに顔を見ていってもいいし、帰れそうなら一緒に帰ってもいい。そんな意図で前もって入れておいた連絡だ。タイミングが合うほうが稀なのであまり期待はしていなかったけれど、反応の遅さのせいで、司の頑張りすぎが容易に想像できてしまう。
ついさっきまで拘束されっぱなしだったか。あるいは、連絡に気づかないくらい業務に没頭していたか。
りえです
DOODLE(司寧々???)信頼してるツカサくん相手に警戒心薄くなるネネちゃんとか絶対いるでしょ※興奮鼻血描写あり
私事ですが作品を非公開→公開と設定すると勝手に作品が一番前に並べ替えられてしまう仕様を知って鬱っています。投稿順に並んでないと気持ち悪いタチでして…改善お願いしますポイピクくん
20220407 3
cr4or5
DONEりつかさ/俺たち距離感バグってる?『待ってこれだけ言わせてMVメイキングりっつがすーちゃんの肩抱いてたとこまでははいはいいつものね😊だったけどすーちゃんりっつの手握り返してる???よね?????シンメ担生きて』
『こちらが今回朔間凛月氏に見つかり「あれ俺にやって」みたいな感じて指差されて(?)隣にいた自担も凛月氏に向かってハートしてて(??)完全にシンメいちゃいちゃのダシにされた私の「司ハートつくって」うちわになります。ご査収ください。』
『あっ今日のアティフェ途中で司くんモニターから消えた…?と思ってたらそんなことになってたんだ…!かわいい~!レポありがたい…!凛月くん末っ子にのしかかるの好きだね笑>RT』
『アーカイブ助かる~最初くまいないとみせかけてかちゃにおんぶされてたのまじびびった 一体化すな』
3538『こちらが今回朔間凛月氏に見つかり「あれ俺にやって」みたいな感じて指差されて(?)隣にいた自担も凛月氏に向かってハートしてて(??)完全にシンメいちゃいちゃのダシにされた私の「司ハートつくって」うちわになります。ご査収ください。』
『あっ今日のアティフェ途中で司くんモニターから消えた…?と思ってたらそんなことになってたんだ…!かわいい~!レポありがたい…!凛月くん末っ子にのしかかるの好きだね笑>RT』
『アーカイブ助かる~最初くまいないとみせかけてかちゃにおんぶされてたのまじびびった 一体化すな』
cr4or5
DONEりつかさ/好きな子あつかい まんまるな頭をそっと撫でた。ベッドに並んで腰かけて、こんなに近くにス~ちゃんの体温があって、俺が触れないでいられる時間なんて限りなくみじかい。つやつやの髪越しに、じんわりとス~ちゃんのぬくもりがてのひらへ伝わってくる。撫でつけるよりむしろぐりぐり掻き回すような俺の手つきに、初めはうっとり目を細めていたス~ちゃんの表情も、なんだか怪訝そうに変わっていった。
「ちょっと……子どもあつかいしないでください」
「ん~? ちがうよ。好きな子あつかいしてる」
そのまま顔の輪郭に手をすべらせて、ふわふわのほっぺを目尻に向かっておやゆびでなぞった。何度も味わって、何度でも味わいたくなるス~ちゃんの感触。眉をひそめて、ぎゅうっ、と押し込むようにまばたきをするのは、ス~ちゃんの照れている証だ。それからス~ちゃんはふるふるとくびを振って俺の手を払いのける。かと思うと、ことん、と俺の肩に頭をあずけてきた。
1519「ちょっと……子どもあつかいしないでください」
「ん~? ちがうよ。好きな子あつかいしてる」
そのまま顔の輪郭に手をすべらせて、ふわふわのほっぺを目尻に向かっておやゆびでなぞった。何度も味わって、何度でも味わいたくなるス~ちゃんの感触。眉をひそめて、ぎゅうっ、と押し込むようにまばたきをするのは、ス~ちゃんの照れている証だ。それからス~ちゃんはふるふるとくびを振って俺の手を払いのける。かと思うと、ことん、と俺の肩に頭をあずけてきた。
cr4or5
DONEりつかさ/ラストレポート生き死にの話「じゃあ、ス~ちゃん。最後の実験を始めます」
「はい。お願いします、凛月先輩」
「痛かったり苦しかったら、言って……もらったほうがいいのかなぁ? 意味ないか」
「どうですか?」
「んーと。ほんとにやめての時は、たぶん勝手に防衛本能? がはたらくと思うから」
「では大丈夫ですね」
「うん、ただそうなったら俺がやられちゃうかもなので、伸びてたら見捨てないでちゃんとあとで介抱してね」
俺が笑いながら言うと、ベッドに横たわったス~ちゃんも笑った。なごやかなたわむれの延長のまま、俺たちは『最後の実験』を開始した。
ス~ちゃんのほっそりしたくびに、俺は手をかける。とくとくと規則正しく脈打つ血潮をゆびさきに感じる。ス~ちゃんはきれいに揃ったまつげをそっと伏せて、紫のひとみを隠してしまう。それがいつものキス待ち顔そのままだったから、思わず潤んだくちびるに俺のを押しつけたくなって、吐息がふれるくらいまで顔を近づけたところで、あんまりふざけちゃ怒られるなって気を取り直して。
2272「はい。お願いします、凛月先輩」
「痛かったり苦しかったら、言って……もらったほうがいいのかなぁ? 意味ないか」
「どうですか?」
「んーと。ほんとにやめての時は、たぶん勝手に防衛本能? がはたらくと思うから」
「では大丈夫ですね」
「うん、ただそうなったら俺がやられちゃうかもなので、伸びてたら見捨てないでちゃんとあとで介抱してね」
俺が笑いながら言うと、ベッドに横たわったス~ちゃんも笑った。なごやかなたわむれの延長のまま、俺たちは『最後の実験』を開始した。
ス~ちゃんのほっそりしたくびに、俺は手をかける。とくとくと規則正しく脈打つ血潮をゆびさきに感じる。ス~ちゃんはきれいに揃ったまつげをそっと伏せて、紫のひとみを隠してしまう。それがいつものキス待ち顔そのままだったから、思わず潤んだくちびるに俺のを押しつけたくなって、吐息がふれるくらいまで顔を近づけたところで、あんまりふざけちゃ怒られるなって気を取り直して。
とーい
DONE冬がテーマのワードパレットからお題をお借りして、リハビリがてら妄想したレイル。玄冥は冬の異名で、中国神話では冬や水の神らしいです。字面から勝手に冥界を治める神様を想像して、死せる魂とその転生をつかさどるレイリーさんが、遠い昔に人界で心を奪われたルフィさんを想うあまり、転生を引き延ばして永い間手元に留めたり、考え直して転生させても追いかけて捕まえたり……を繰り返しているという設定の妄想。 3063
ogamiya
INFO『夏のスタイル』(A5/P24)進捗報告していた本が出ます!
12月18日(日)21時~ BOOTHにて頒布予定
https://ogamiya.booth.pm/
比治沖(+AI隆ツ)のハッピーラヴァ~ズブックです
「夏のスタイル」(※性的な描写あり)
「カルテットゲーム(??) ~ツカサさんにはかなわない」
2本の漫画を収録
詳しい内容説明は、お手数ですがBOOTHをご確認ください 9
cr4or5
DONEりつかさ/たからものをあげる宝石商パロ・生き死にの話 命よりも美しいものなんてない。こんな陳腐に聞こえる言葉もないけれど、少なくとも俺にとっては事実だ。無限に等しい長寿を与えられた吸血鬼の俺には、命とは有り余る財産だった。吸血鬼が寿命のいくらかと引き換えに生み出せる、鮮血のように赤い石は、はるか昔から人間を魅了した。どんな宝石よりも美しく、そして、理解しがたく怖ろしい。俺よりずっと短命の儚い生き物は、俺の命をそう価値づけた。俺は膨大な命を切り売りし、対価として得た人間の富を消費して、夜に紛れひっそりと暮らす。シュトレンを少しずつ食べクリスマスを待つアドベントのように。いつか訪れる聖なる終焉だけを望み、乾いた日々をふやかし飲み込む。それが俺という宝石商の、あまりに長すぎる余生だった。
2516negi
DOODLE実は3周年に合わせてツカサのぬいを作ったりした!!※自作ぬい注意、絵が全く描けない人間が刺繍した顔なのでそのへんも注意で…閲覧自己責任でお願いしますすいません!!(小心者)
※服はシャツ以外手作り、シャツは買いました。
※型紙などは「手作り推しぬいbook」に従って作りました。
隆俊も作りたいんだけど髪型が永遠にわからないのでできないかもしれない…ごめんねツ… 4
yuu__ergs
DONEつかさのゆる体不。せな目線だいぶ緩めなのでワンクッションなしにしてます
レッスン室に響く音楽と靴の擦れる音。
俺は、案外この音と空気が好きだったりする。
今日のレッスンは終わったあとに全員で遊びに行く予定だから短時間で集中しよう。と全員物凄い集中力でレッスンが進んでいく。
慣れたステップを踏み、司と並ぶポジションへと移動する。と、隣から聞こえてきたのは、不自然に上がった呼吸。
いつもならこれくらいじゃそんなに息は上がらないはず、と不思議に思い隣の司を盗み見ると顔と首元が真っ赤に火照っている。
「かさくん、体調悪いんなら振り緩めでいいよ」
この曲を終えてから休ませようとこっそり声をかけると、声を出して答える余裕もないのか小さく首を横に振った。
そのまま曲は進み、再び司と並ぶ。
ターンを決めたところでふらりと横の影が前のめりに揺らめく。
1085俺は、案外この音と空気が好きだったりする。
今日のレッスンは終わったあとに全員で遊びに行く予定だから短時間で集中しよう。と全員物凄い集中力でレッスンが進んでいく。
慣れたステップを踏み、司と並ぶポジションへと移動する。と、隣から聞こえてきたのは、不自然に上がった呼吸。
いつもならこれくらいじゃそんなに息は上がらないはず、と不思議に思い隣の司を盗み見ると顔と首元が真っ赤に火照っている。
「かさくん、体調悪いんなら振り緩めでいいよ」
この曲を終えてから休ませようとこっそり声をかけると、声を出して答える余裕もないのか小さく首を横に振った。
そのまま曲は進み、再び司と並ぶ。
ターンを決めたところでふらりと横の影が前のめりに揺らめく。
cr4or5
DONEりつかさ/月の庭ゾンビランドパロ 月だけが今も何食わぬ顔をしている。
暗い路地を走り抜けると、大通りに出た。死に絶えた街灯の代わりに、強烈な満月の光が、くろぐろとしたコンクリートを照り渡らせている。遮る人混みも車列もここにはもう存在しないから、凛月は遠くまでを見晴らすことができた。自分以外に、誰の気配も感じない――生者も、死者も。どうやらひとまず逃げ切れたらしい。凛月は大きく息を吐くと、路肩に乗り捨てられたタクシーに寄りかかってしゃがみ込んだ。
「ふぅ……」
セーターの袖を捲る。左腕に空いた二つの孔は、赤黒く固まった血によって今は塞がれている。傷の周囲が変色している様子も見られなかった。痛みもほとんどない。ただ、じんわりと重たく、冷たく、脳から送る信号に返りのない感覚、肉体が己のものではなくなるような感覚だけが、ゆびさきから少しずつ、凛月の中心へとにじり寄ってくるだけだ。
2813暗い路地を走り抜けると、大通りに出た。死に絶えた街灯の代わりに、強烈な満月の光が、くろぐろとしたコンクリートを照り渡らせている。遮る人混みも車列もここにはもう存在しないから、凛月は遠くまでを見晴らすことができた。自分以外に、誰の気配も感じない――生者も、死者も。どうやらひとまず逃げ切れたらしい。凛月は大きく息を吐くと、路肩に乗り捨てられたタクシーに寄りかかってしゃがみ込んだ。
「ふぅ……」
セーターの袖を捲る。左腕に空いた二つの孔は、赤黒く固まった血によって今は塞がれている。傷の周囲が変色している様子も見られなかった。痛みもほとんどない。ただ、じんわりと重たく、冷たく、脳から送る信号に返りのない感覚、肉体が己のものではなくなるような感覚だけが、ゆびさきから少しずつ、凛月の中心へとにじり寄ってくるだけだ。