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    イルファ

    あいぐさ

    TRAINING二部更新後のゆるいフィガファウ。
    何かしようとするフィ、ちゃんと見ているファ。
    ゆらぐかみ 四百年前の一年間。あのころの教え教わる関係になり早数日。
     真面目で気遣いのできるファウストはフィガロの言いつけをきちんと守っている。普段は今まで通りの態度を取り、修行になると昔のように敬意を持った言葉を紡ぐ。初めの数日はそれらが混ざり合う日々も続いたが、今ではしっかりと使い分けができるようになったらしい。
     なんだが面白いねと言えば、スイッチが切り替わって気が引き締まると大層真面目な答えが返ってきた。まるで村の子供達がしていたごっこ遊びみたいだ。そう口に出そうとして、こほんと咳払いをする程度に留めておいた。
     フィガロが教えるのは実践だけではない。そう、ファウストが東の国の魔法使いたちに座学を行うように。フィガロも知識と経験を診療用の丸椅子に座るファウストへ伝えていく。夜でもサングラスをかけた彼はいつだって大真面目な顔で耳を傾けている。そして、少しでも引っかかりを感じればじっとフィガロの瞳を見つめ続せるのだ。目は口ほどにものを言う。本人は無意識らしいが、その言葉通りであるとしみじみ感じられる。
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    tono_bd

    DOODLEある時から女体化の変身魔法を続けているファウストについて、ヒースクリフ視点で語ってもらいました。
    妊娠・出産の話です。

    ※ある年の大いなる厄災の襲来で犠牲者が出ている旨の表記有り。誰が死んだとかは明記しておりませんが、死ネタを含んでいます。苦手な方はお気を付け下さい。
    ※フィガロのフィの字も出ません。
    ヒースクリフによる独白 暫く前からファウスト先生が女体をとっている。
     普段から体型の出にくいキャソックにマフラーを掛けていたから見た目には大きな違いが無いが、僅かに縮んだ背丈や一回り小さくなった手の平、喉仏が消えて高くなった声は隠せていない。そもそもファウスト先生本人は隠そうとしていないのだと思う。ただいつも通りに振舞っているだけなのだ。ファウスト先生は何もその体の事を説明はしなかったけれど、俺達も無理に聞き出そうとはしなかった。いの一番に問い詰めそうなシノですら、「変身魔法のやり方を教えろ」と講義を希望するだけだった。
     俺達は東の魔法使いだから。突然の変化に驚いたり、騒ぎ立てる事はしない。でも西の魔法使い達だって、ファウスト先生の体の事は誰も核心の部分は触れなかった。変身魔法が得意なムルは面白がって一時期女体で過ごしていたが、それも半月もすれば飽きてしまっていた。
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    moripapa_

    BLANK途中放置しているファザコンみがある🤕くんと催眠術で🤕くんが女の子に見える🧲くんの探傭(?)※女体化ではない昔から年が上の男に弱かった。ナワーブが育った村では、父親が一家の大黒柱として出稼ぎで何週間も家を空けることがあった。なのでナワーブは自分の父親の顔をぼんやりとしか覚えていなかった。残された者たちは村の外、他の街へと出なかった。
    食料確保のために人手が必要な農作業は幼い子供でも容赦なく手伝わされる。女性や同年代の子たちに囲まれナワーブは人一倍働いた。だがやはり幼い腕力では限界がある。時折帰ってくる自分の父親が、ナワーブでは持てない荷を軽々と運ぶ背中を見上げる記憶が残っている。あまり家族と話さない父親だった。
     優秀なナワーブは他の人より早く軍兵になるべく地元を離れることになった。旅立ちの夜明け、歳を取った父親が涙を流すのを初めて見た。ナワーブは見てはいけないようなものを見た気がして早々にその場を去ったが、一瞬だけ振り返ると父親はじっとこちらを見ていた。己が知っている人物とはまるで別人のようだった。彼との記憶は殆どない。しかし確かに覚えているのは黙々と働く広い背中と、ナワーブの頭を撫でる大きな手だった。もう声も思い出せなかった。父とはそこで永遠に別れたからだ。
     幼い記憶は辛い人生 2670