カイム
mittsucolor
DOODLEカイムとベルナールの話カイムが酔っぱらいながら過去をほんのり
話す予定だったんですが、描きたいところだけ
描きました
ママの顔や口調を捏造しています
だれかかわりにワーしてくれ 6
bach_otamama
DOODLEベルイム。大遅刻ハロウィンすみません。惨劇前の例えば、な一日です。東方イベで各地域や職務担当のハルマがいるみたいなことをお出しされたのと、異端審問官がハルマの作った組織なあたりからの捏造や想像を含みます。
時系列は明記されていませんが、トルケーの惨劇を10年ほど前、カイムが母親と別れたのはハルファスと同じ14,5歳くらいと仮定しています。
I'm a wizard 陽光を紡いだような美しく長い金の髪と蒼天の瞳、彫りの深い端正な面差し。冷たく冴えた冬の晴天のような美貌はいかにもハルマらしい。一方で、調和を良しとする彼らには珍しく、長い髪を奔放に背へ流し、白い服も大きく着崩している。
「一週間後はハロウィンだ。クロウタドリ達も自由に歌っていいだろう?なに、担当者の許可は取っている。たまには楽しみたまえ」
ミカエルと名乗ったハルマは審問官たちへ片目をつぶってみせた。
「そういう問題でしょうか」
「とかく君達は誤解されやすいからね。祭りに参加して市民たちと交流するのも大切だ」
飄々とした男に反論できるものはいなかった。
大地の恵みが見える者、人ならざるモノをその身に宿す者、理由などないが他者と交わって過ごすことに苦痛を見出す者。そうした者が時折、異端と断じられることがある。異端審問会は、そのような人々が虐げられる前に、あるいは他者を傷つけてしまう前に保護するためにハルマが作った機関だった。パクス・ハルモニア。追放メギドはもちろん、そうでない者も含め、調和や統一をヴィータへも求める彼らにとって異端者は時に和を乱し好ましからぬ事態が起こる。だからこそ保護し、遠ざけて彼らも残る者も暮らしやすいようにする。しかし、遠ざけるがゆえに誤解を招いた。異端審問は異端者への対応が集団生活で避けられぬストレスや心的不安と重なった際に、審問という名の他害へ名分を与えてしまった。事実、ボダン村など誤った異端審問の他害はずっと残り続け、異端審問会はひそかに恐れられている。彼らがクロウタドリと符丁を使うのも、異端審問への誤解からあらぬトラブルを避けるためでもあった。しかし、知らないことは誤解を生む。未知は恐れを生み出す。誤解を解くように、知ってもらうようにと仮装してハロウィンへ参加するというミカエルの提案を審問官たちは受け入れた。
3371「一週間後はハロウィンだ。クロウタドリ達も自由に歌っていいだろう?なに、担当者の許可は取っている。たまには楽しみたまえ」
ミカエルと名乗ったハルマは審問官たちへ片目をつぶってみせた。
「そういう問題でしょうか」
「とかく君達は誤解されやすいからね。祭りに参加して市民たちと交流するのも大切だ」
飄々とした男に反論できるものはいなかった。
大地の恵みが見える者、人ならざるモノをその身に宿す者、理由などないが他者と交わって過ごすことに苦痛を見出す者。そうした者が時折、異端と断じられることがある。異端審問会は、そのような人々が虐げられる前に、あるいは他者を傷つけてしまう前に保護するためにハルマが作った機関だった。パクス・ハルモニア。追放メギドはもちろん、そうでない者も含め、調和や統一をヴィータへも求める彼らにとって異端者は時に和を乱し好ましからぬ事態が起こる。だからこそ保護し、遠ざけて彼らも残る者も暮らしやすいようにする。しかし、遠ざけるがゆえに誤解を招いた。異端審問は異端者への対応が集団生活で避けられぬストレスや心的不安と重なった際に、審問という名の他害へ名分を与えてしまった。事実、ボダン村など誤った異端審問の他害はずっと残り続け、異端審問会はひそかに恐れられている。彼らがクロウタドリと符丁を使うのも、異端審問への誤解からあらぬトラブルを避けるためでもあった。しかし、知らないことは誤解を生む。未知は恐れを生み出す。誤解を解くように、知ってもらうようにと仮装してハロウィンへ参加するというミカエルの提案を審問官たちは受け入れた。
bach_otamama
DONEフォラス転生日おめでとう!何気ない日常の話です。娘に花を贈りたいというフォラスにつきあってあげるカイムとデカラビアの話。カイムやベルフェゴールが飾ってる花って生花なのかはたまたドライフラワーか、それとも造花?いまだに謎のままです。
花束を君に 王都での研究報告は滞りなく終了した。さらなる発展のため、次のフィールドワークの計画も立て、あとは家族の元に帰るだけだ。お土産を選ぼうと商店街へ立ち寄ったフォラスの目を咲き誇る薔薇が引きつけた。
「いらっしゃいませ」
「えっと、その薔薇は」
「ええ。この前仕入れたばかりなんですよ。ご自宅用ですか?それとも贈り物?」
「妻と娘への土産を探していてな」
「まあ。きっとお喜びになりますわ」
如才なく花をすすめてくる店員へ、もう少し他の店も見てくるといって断るとフォラスは王宮へ向かった。
王宮でポータルの使用許可をもらい、アジトへ向かう。
「いてくれるといいんだが。お、いたいた」
眼鏡の奥からアジトの共有スペースを見渡すフォラスの視界が、探していた赤を見つける。
2237「いらっしゃいませ」
「えっと、その薔薇は」
「ええ。この前仕入れたばかりなんですよ。ご自宅用ですか?それとも贈り物?」
「妻と娘への土産を探していてな」
「まあ。きっとお喜びになりますわ」
如才なく花をすすめてくる店員へ、もう少し他の店も見てくるといって断るとフォラスは王宮へ向かった。
王宮でポータルの使用許可をもらい、アジトへ向かう。
「いてくれるといいんだが。お、いたいた」
眼鏡の奥からアジトの共有スペースを見渡すフォラスの視界が、探していた赤を見つける。
bach_otamama
DOODLEチユヴリ(と言い張る)無意識兄モードでヴリトラのことを話すシェンウーに、「クソ蛇のことは何でも知ってると思ったのに」と無自覚で嫉妬するチユエンです。
ヴリ姉は年が離れているのかも、とかヴリトラと似ているとか妄想捏造すみません。
カイムが出ているのは私の趣味です。
やきもち カクリヨで協力を得られ、ソロモンとの契約に応じた継承メギド達は、いったんアジトに居室を用意することになった。
「カイム、ちょうどよかった」
書類の整理をしていた青年が振り返る。
「我が君、おいでとは気づかず失礼しました」
優雅な仕草で一礼する青年にチユエンがうへえと肩をすくめる。
「そっちの礼儀作法ってのにはまだ慣れねえんだよな」
「そぅお?なかなか美しい動きじゃない?」
「クネクネしてるクソ蛇には似合いかもな。あ、でも足の長さが足りないか?」
「ガサツな猿に言われたくはないし、アタシの抜群のプロポーションに文句ある?」
「何だとぉ!」
「あ、あの……チユエン、ヴリトラ」
睨み合う二人をソロモンが交互に見やる。
「我が君を前に醜い言い争いはやめていただきたいものですね
2238「カイム、ちょうどよかった」
書類の整理をしていた青年が振り返る。
「我が君、おいでとは気づかず失礼しました」
優雅な仕草で一礼する青年にチユエンがうへえと肩をすくめる。
「そっちの礼儀作法ってのにはまだ慣れねえんだよな」
「そぅお?なかなか美しい動きじゃない?」
「クネクネしてるクソ蛇には似合いかもな。あ、でも足の長さが足りないか?」
「ガサツな猿に言われたくはないし、アタシの抜群のプロポーションに文句ある?」
「何だとぉ!」
「あ、あの……チユエン、ヴリトラ」
睨み合う二人をソロモンが交互に見やる。
「我が君を前に醜い言い争いはやめていただきたいものですね
bach_otamama
DOODLEチユエンとカイム。デザイナーたよりでチユエンは最初は黒髪なのを金に染めているイメージだったと聞いて。染める理由などは妄想度高めでお送りします。キャラストで、チユエンの容姿に彼の母親が憎んでいた夫の面影を見て辛かったという場面があったので。この話は特にCPを意識していませんが、生産ラインはベルイムでチユヴリ寄りなので腐っています。
髪の話 継承し、転魔を果たした身に流れる時間は少しゆっくりとなる。それでも元がヴィータの体である以上、髪や爪は伸びる。
「くそったれ」
鏡を覗き込んだチユエンは、髪をかきむしった。美猴の魔は金の獣だったからというだけでなく、母の言葉を伸びてきた黒い髪は思い出させる。父親によく似た息子に、かつて奪われた恋と憎しみを重ねてしまうと言っていた母の言葉を。だから、故郷では髪を染めていた。
「髪が伸びてくるのが嫌?じゃあ剃ればいいんじゃない?」
「それでも伸びてくるだろ」
「そうねえ。じゃあ、色を変えてみたら?」
「できんのか?」
「アタシに任せなさい。そうねえ、いっそ金なんかいいんじゃない?」
そう言ったヴリトラは、次の日髪を染めてくれた。なぜ染めたいのかを一切聞かず、むしろ伸びてくると彼の方からそろそろ染めたほうがいいとやってきたものだった。
1521「くそったれ」
鏡を覗き込んだチユエンは、髪をかきむしった。美猴の魔は金の獣だったからというだけでなく、母の言葉を伸びてきた黒い髪は思い出させる。父親によく似た息子に、かつて奪われた恋と憎しみを重ねてしまうと言っていた母の言葉を。だから、故郷では髪を染めていた。
「髪が伸びてくるのが嫌?じゃあ剃ればいいんじゃない?」
「それでも伸びてくるだろ」
「そうねえ。じゃあ、色を変えてみたら?」
「できんのか?」
「アタシに任せなさい。そうねえ、いっそ金なんかいいんじゃない?」
そう言ったヴリトラは、次の日髪を染めてくれた。なぜ染めたいのかを一切聞かず、むしろ伸びてくると彼の方からそろそろ染めたほうがいいとやってきたものだった。
yuruunisan
DONE主な登場キャラデカラビア、アスモデウス、ブネ、バラム、ヒュトギン、バルバトス、カイム、ソロモン、フルーレティ。
デイベ後の軽い馬鹿騒ぎソロデカ。
アジトの知能が減っている。
ソがデの事を大好き。
軍団メンバーがモンに恋愛的アピールをしている設定有。
直接描写はありませんが、エッチな事をしたと取れる展開。ちょっと下品。少し伏せ字有。
最初バルバルがかわいそう。
毒から出た真ソロモン王をハルマに取られるのは業腹である。
アジトの会議室でテーブルを囲むメギド達の意見は概ね一致していた。少なくとも、ハルマが擁する王都のシバの女王より、別の相手との第一子をソロモン王に作って欲しいと望むメギド達はそう信じていた。
ソロモン王の恋愛事情は、定例会の折に出た雑談の一つだった。
それがあれよあれよと大きくなり、ついには特大級の火種に育った。
定例会とは言え、自由参加型の上、他の用事でアジトに人が多くなる日時の近辺に参加者希望者が多く居たら開くと言う、本当に定例会と呼ぶべきなのか分からない会で、ハルマに好意的かつ穏便なメンバーが偶然参加してなかったのも話が大きくなる後押しをした。
そして、調停者に混沌に吟遊詩人と交渉官と、書記に徹する道化と酒瓶を片手にした大柄な傭兵が、ソロモンにとっては大きなお世話でもある、誰がソロモン王の伴侶に相応しいか論争の口火を、張本人抜きで切っておとしたのである──
14875アジトの会議室でテーブルを囲むメギド達の意見は概ね一致していた。少なくとも、ハルマが擁する王都のシバの女王より、別の相手との第一子をソロモン王に作って欲しいと望むメギド達はそう信じていた。
ソロモン王の恋愛事情は、定例会の折に出た雑談の一つだった。
それがあれよあれよと大きくなり、ついには特大級の火種に育った。
定例会とは言え、自由参加型の上、他の用事でアジトに人が多くなる日時の近辺に参加者希望者が多く居たら開くと言う、本当に定例会と呼ぶべきなのか分からない会で、ハルマに好意的かつ穏便なメンバーが偶然参加してなかったのも話が大きくなる後押しをした。
そして、調停者に混沌に吟遊詩人と交渉官と、書記に徹する道化と酒瓶を片手にした大柄な傭兵が、ソロモンにとっては大きなお世話でもある、誰がソロモン王の伴侶に相応しいか論争の口火を、張本人抜きで切っておとしたのである──
よーでる
PROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。
またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。
罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。
すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。
(やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)
呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。
わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
3697すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。
(やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)
呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。
わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
FEMIT12
TRAININGカイムとベルナール、異端審問官時代メモ。母親捜索で夜な夜な調べ物して不健康なカイムを心配するベルナール。本人に体調不良の意識が全く無いから余計心配になる。側で支えてあげて欲しい。
bach_otamama
CAN’T MAKE転生日の贈り物に、カイムへ花を贈るソロモン。カイム転生日過ぎてしまいましたが、花が好きなイメージがあるので、花を贈りたくて書きました。
モーリュの花の「魔女から身を守る」は元ネタ?かもしれないオデュッセイアから
炎の花 呼ぶ声にカイムは振り返った。
「我が君、いかがなさいました?」
ただ一人と定めた主の少年が、息せききって駆けてくる。手には紅白のひらめく何かを手にしているが、物を持ったまま走って危なくないだろうか。
「カイム!あの、わわっ!」
折悪しくアジトの床に落ちていた何かを踏んだ少年が、バランスを崩して転びそうになる。
「我が君!」
カイムは咄嗟にフォトンに干渉して杖を浮かび上がらせた。倒れそうになったソロモンは杖に掴まって転倒を免れる。
「ふぅ、助かった。ありがとうカイム」
「当然のことをしたまでです。ところで我が君、このカイムに何の御用です?」
「用。うん、用っていうか……あ」
ソロモンは手にしていた花束を見てため息をついた。深紅の薔薇に白いモーリュの花を合わせた花束は、転びかけた時に薔薇が折れてしまっている。
1011「我が君、いかがなさいました?」
ただ一人と定めた主の少年が、息せききって駆けてくる。手には紅白のひらめく何かを手にしているが、物を持ったまま走って危なくないだろうか。
「カイム!あの、わわっ!」
折悪しくアジトの床に落ちていた何かを踏んだ少年が、バランスを崩して転びそうになる。
「我が君!」
カイムは咄嗟にフォトンに干渉して杖を浮かび上がらせた。倒れそうになったソロモンは杖に掴まって転倒を免れる。
「ふぅ、助かった。ありがとうカイム」
「当然のことをしたまでです。ところで我が君、このカイムに何の御用です?」
「用。うん、用っていうか……あ」
ソロモンは手にしていた花束を見てため息をついた。深紅の薔薇に白いモーリュの花を合わせた花束は、転びかけた時に薔薇が折れてしまっている。
bach_otamama
TRAINING罪人イベ後のカイムとバールゼフォンの話。似顔絵の件はバールゼフォンの耳に入るんじゃないかなと思いまして。
ほんのりベルイム風味。
バールゼフォンは恋愛性愛には興味なく、画題として魅力的かそうでないかでみてるイメージがあります。
赤炎のトラゴーイディア カイムがアジトを空けていた間に、随分書類や雑多な品が溜まっていた。メギドの多くは整頓が苦手で、掃除などのできる者は少ない。
書類を分類し、雑貨類は持ち主が持っていけるように箱へ入れる。しばらく置いて、持ち主がいなければ燃やしてしまえばいい。
「ふう」
整頓を終えたカイムは息をついた。
「紅茶でも飲みたいところですね……おや」
大きな帽子とまだらの服がカイムの目に留まった。
「はて、整頓は終えたはずですが随分と大きな」
「わかってて言ってるだろ」
バールゼフォンが頬を軽くかいた。
「また絵を描いていたんですね。それは構いませんが、手を洗っていらっしゃい」
乾き切っていない絵の具がバールゼフォンの頬にまだらの模様を描いた。
1470書類を分類し、雑貨類は持ち主が持っていけるように箱へ入れる。しばらく置いて、持ち主がいなければ燃やしてしまえばいい。
「ふう」
整頓を終えたカイムは息をついた。
「紅茶でも飲みたいところですね……おや」
大きな帽子とまだらの服がカイムの目に留まった。
「はて、整頓は終えたはずですが随分と大きな」
「わかってて言ってるだろ」
バールゼフォンが頬を軽くかいた。
「また絵を描いていたんですね。それは構いませんが、手を洗っていらっしゃい」
乾き切っていない絵の具がバールゼフォンの頬にまだらの模様を描いた。
bach_otamama
TRAININGベルイム。異端審問官の仕事中だと旅で野営になることもあるのかな、と。ラスト、カイムが当初よりも虚無を抱いてしまいました。
個人的に、ベルナールやリタ、母親へ抱く思いはヴィータとして暮らした後天的なものでメギドとしてのカイムは王(ソロモン)の道化として振舞っていて、それが追放の要因なのかな、というイメージがあります。
ある夜に 王都から遠く離れた村の方が、異端審問が曲解されていることが多い。人命がかかっていることが多いため、馬の利用が許されていても異端の審議のために何日もかけて旅をすることがしばしばあった。極力街道沿いを通るとはいえ運よく村や集落があるとは限らず、野営になることもある。
「最初の不寝番は私がしましょう」
「悪いな」
馬を連れているとなると、野盗に襲われることもある。暖を取る意味でも、火の番は必要だった。
元から頑健な方だと自負しているが、その夜は疲れているはずなのにベルナールはなかなか寝付けなかった。
「眠れませんか?」
「カイム」
「いや、大丈夫だ」
カイムは穏やかに微笑んでいる。背こそ高いが、まだ二十歳にもなっていないカイムはベルナールよりもずっと線が細い。その彼が平然としているのに疲れたとは言い難く、ベルナールは首を振った。
1945「最初の不寝番は私がしましょう」
「悪いな」
馬を連れているとなると、野盗に襲われることもある。暖を取る意味でも、火の番は必要だった。
元から頑健な方だと自負しているが、その夜は疲れているはずなのにベルナールはなかなか寝付けなかった。
「眠れませんか?」
「カイム」
「いや、大丈夫だ」
カイムは穏やかに微笑んでいる。背こそ高いが、まだ二十歳にもなっていないカイムはベルナールよりもずっと線が細い。その彼が平然としているのに疲れたとは言い難く、ベルナールは首を振った。
bach_otamama
DONEロキマネ+プロメテウスとカイム。タイトルのいろは歌は近代で仮名を覚える際にも使われたらしいので。時系列がおかしかったら申し訳ございません。罪人イベをクリアした後だと、マネージャーとロキはまだやり直せる可能性があるんだろうな、と思うのと最近プロメテウスの「感情が音色として聞こえる」特性が刺さります。
いろは歌 字を教えてほしい。真顔で頼むロキへカイムは首をゆるやかに振った。
「私からもお願いします!」
プロメテウスも手を合わせる。しかしカイムは肩をそびやかした。
「他に適任者がいるでしょう。フォラスかマルファス、フォカロルにでも頼みなさい」
「すぐ覚えられた」
「つまり、渡された教材が合わなかったと」
「そうなの。さすがカイムさん!」
感情を聞き取るプロメテウスがいては、何を言っても見抜かれるだろう。カイムは資料の資料を整理していた手を止めた。
「ヴィータの字も読めずに来るとは。今までは……おっと、失敬。私としたことが」
杖をくるりと回す。ロキがソロモンと契約に至った経緯はカイムも簡単に聞いている。商習慣どころかヴィータの字も読めず、契約などおぼつかなかったロキへ彼のマネージャーだったという男性が代わりに契約関連は引き受け、歌の歌詞は試奏代わりに歌って覚えさせたという。金のために嘘をついていたと聞いてはいるが、ロキのあまり相手を疑わない性格や人目を惹く美貌を考えるとむしろマネージャーのような相手にすぐ会えたのは僥倖としか言いようがない。
1627「私からもお願いします!」
プロメテウスも手を合わせる。しかしカイムは肩をそびやかした。
「他に適任者がいるでしょう。フォラスかマルファス、フォカロルにでも頼みなさい」
「すぐ覚えられた」
「つまり、渡された教材が合わなかったと」
「そうなの。さすがカイムさん!」
感情を聞き取るプロメテウスがいては、何を言っても見抜かれるだろう。カイムは資料の資料を整理していた手を止めた。
「ヴィータの字も読めずに来るとは。今までは……おっと、失敬。私としたことが」
杖をくるりと回す。ロキがソロモンと契約に至った経緯はカイムも簡単に聞いている。商習慣どころかヴィータの字も読めず、契約などおぼつかなかったロキへ彼のマネージャーだったという男性が代わりに契約関連は引き受け、歌の歌詞は試奏代わりに歌って覚えさせたという。金のために嘘をついていたと聞いてはいるが、ロキのあまり相手を疑わない性格や人目を惹く美貌を考えるとむしろマネージャーのような相手にすぐ会えたのは僥倖としか言いようがない。
bach_otamama
TRAINING〆のベルイム習作。こう、ベルナールが最後に見た光景って、きっと炎の中にたたずむカイムだったんじゃないかって。タイトルの「rougeoiment(ルージョワマン)」はフランス語の辞書で見つけた赤に関する言葉から。薄赤い光という意味だそうです。
Rougeoiment 忘れられない、色がある。異端とされた皆を焼く火の色、殺してしまった領主の黒ずんでいく血の色。ベルナールの心はくすんだ赤に染まっている。
だからだろうか。同期の彼の赤い髪が目に留まった。
「おや、赤毛の知り合いでもおいででしたか?」
ベルナールも若い方だが、彼はもっと若い。巨躯のベルナールより低いとはいえ、背は並の大人より高いがまだ線の細い体つきは少年といっても過言ではない。柔らかく整った面差しは、もしこれほど背が高くなければ美しい少女といっても通るだろう。少し金に近い光沢を帯びた赤毛はかがり火を思わせる。
「なぜ、そう思う?」
「私の髪を見た人はよく知り人の名前を口にしますのでね」
やや不遜な響きを帯びた声音は、どこか笑いを含んでいる。ただし、冷笑に近い。
1940だからだろうか。同期の彼の赤い髪が目に留まった。
「おや、赤毛の知り合いでもおいででしたか?」
ベルナールも若い方だが、彼はもっと若い。巨躯のベルナールより低いとはいえ、背は並の大人より高いがまだ線の細い体つきは少年といっても過言ではない。柔らかく整った面差しは、もしこれほど背が高くなければ美しい少女といっても通るだろう。少し金に近い光沢を帯びた赤毛はかがり火を思わせる。
「なぜ、そう思う?」
「私の髪を見た人はよく知り人の名前を口にしますのでね」
やや不遜な響きを帯びた声音は、どこか笑いを含んでいる。ただし、冷笑に近い。