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    zeppei27

    PROGRESS傭泥!久々に意思疎通ができない仄暗いものを書きたいな〜〜と思ったので書き始めました
    細々と完成させて行きますが、指定がどの程度になるかはまだ未定
    つづき 古来、軍隊とは外界から切り離された一種独特の組織である。社会的通念よりも軍隊内での規則や上下関係が優先され、軍外での身分も表向き撤廃されているとされる。無論そうとは言い切れないが、生きるか死ぬかの二択しかない、一蓮托生の状況になれば話は変わる。大事なのは強さであり、結びつきであり、規則なのだ。よって、一般的社会では不可思議とされることも良とされ、その逆もまた存在する。それは時に残酷で、時に底抜けに甘ったるい。

     ナワーブ・サベダーにとって、軍隊とは人生の殆どであった。幼少期こそ故郷で育ったものの、早くに父親を失ったことによりその時期はやや短い。物心ついてからはずっと傭兵暮らしだ。平和に田畑や工場に働きに出る暮らしとはまるで異なる。言うなれば、世間一般が共有するうっすらとした道徳であるとか、倫理であるとか、習俗の類はまるで知らないままで過ごしてきた。ナワーブの人生は軍隊が基準である。軍隊を出て、個人請負を始めたところでそれは変わらない。
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