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    hariyama_jigoku

    DONEグラデカ小説。一発書き。グに庇われて不貞腐れるデ。.

     ゆらりと、琥珀色の光が床を這った。睡眠の妨げになるだろうと、強い灯りは避けられて蝋燭のか細い火ばかりが部屋を照らしている。その微かな光が、琥珀の漂うグラスを反射して水面がさらさらと揺蕩った。
     グラシャラボラスのしまい込んでいた酒を勝手に引っ張り出して、デカラビアはグラスを揺らす。ずっと、斜めに機嫌を傾けているが八つ当たりのような真似をしても溜飲は下がらない。
     他のメギドならともかく、グラシャラボラスがデカラビアを庇う価値などなかったと知らしめてやるためだ。だが利用するためならいざ知らず、なんの目的もなく他人の思考回路など知るべきではなかった。こんこんと眠る男が目を覚ましたとて、多少のことなら気にしないとされるのが脳裏に浮かぶ。
    忌々しい。
     蒸留酒の味は、余生の友と呼ぶには些か酒精が強過ぎる。穏やかに揺らぐ視界は捨て置いて、椅子から寝台へと少し身を乗り出した。いつもならうるさいぐらいに感情を乗せている顔は、ただ凪のあるばかりである。
     地に足のついていないような、己の指先に不安を感じて机に中身の入ったグラスを置いた。のし掛かるような眠気が、頭に纏わりついている。覗き込んだグ 643

    まさん

    DONE🦐を庇ってモブ生徒の魔法を喰らった🦈が五感シャットダウンされた話………いま、先輩が、わたしを庇って倒れた。

    とある生徒が叫んだめちゃくちゃな呪文は恐ろしいことに解除の方法もわからない厄介な呪いを彼に振り掛けた。
    大きな身体が地面に倒れていくさまがスローモーションのようで、わたしは何も考えることなく隙間に自らを滑り込ませて先輩の頭だけはかろうじて守った。この時に捻った足首の痛みなんて、今は構っていられない。
    生徒は「俺は悪くねえ」と上擦った声で叫びながら走り去っていったけれど、その方向に柔らかく微笑むジェイド先輩が待ち構えていて、さらには彼の手刀で弾き飛ばされて壁にめり込んだ。

    「せんぱい、大丈夫ですか」

    先輩はぎゅうっと身体を縮めて、浅く早く呼吸を繰り返している。何かを探すようにもがく手を慌てて握って、あまりの握力で思わず目を瞑った。震える彼の、泣きそうな声にまた目を開ける。

    「小エビちゃん、どこにいんの?ここ、真っ暗で怖い、」

    「せんぱい、ここにいますよ。深呼吸してみてください」

    「ジェイド、アズール、どこにいんの?助けて、」

    ぎぢ、と骨が軋むくらいの握力は弛まず、わたしは件の生徒のこめかみを踏みにじるジェイド先輩を呼んだ。

    「フ 2717