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    起承転結

    アカリ

    TRAINING微ホラー話ふたつめです、前より長くなって出し所迷ってました。起承転結の結が曖昧なホラー好きが書いたものなのでゆるっと楽しんでいただければ幸いです。
    東京奇譚.二「えぇ、それは確かに居ました」

    女は頬に手を添えて──うんうんと小刻みに何度も頷いて周囲を忙しなく伺っている。KKと暁人にしてみればその挙動の方が不気味で「続き良いか」とKKが促すまで女は天井、壁、床をひたすらジロジロと見続けていた。

    「あ、あぁ、はい…すみません、すみません。私ときたらいつもこうで。そのせいで受付嬢のクセに落ち着きがないのだと弊社の方々にも何度も言われて──また逸れましたね。申し訳ございません」

    女の手は小さくカタカタと震えている。恐怖のせいかと暁人が声をかけようとしたのをKKはそっと片手で制してきた。
    オフィス街にある某ビル。そこはテナントなどではなく一階から最上階まで全てその会社のビルであり、都内でここまでしっかりとしたオフィスを構えるのはなかなかのものであろう。しかし今まであまり聞いたことのない企業だと暁人が頭を捻っていると凛子とKKは「あまり詳しく詮索しない方がいいかもな」と至極真面目な顔で言ってきて。表向きはマトモ、ということはもしかしたら何か裏がある会社なのかもしれない。
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    とうか

    MOURNING事故にあって入院してる瀬名が月永に会いたくなるはなし、を書こうとして起承転結の「承転」が浮かばずに結局書かずに終わった文章が出てきたので置いておきます🥲
    月永出てきません。ゆうくんさんが瀬名の仕事を肩代わりしてくれたり、色んな子が瀬名の様子を見にきてくれることで、自分がどう思われてるのかを理解していくはなし(の予定だった)
    確か最後に病院でエッチしてるの書きたいな…とうっすら思ってました
    レオいず(書き途中供養) 目を開けて俺の視界に広がったのは、見慣れぬ真っ白な天井だった。
     脳みそが白んでいて、酸素とか血液が行き渡ってない気がする。何故かまぶたがひどく重くて、まばたきをすることすら億劫だった。そして、眼前の天井の色にはまったく身に覚えがない。視線を右手側へ動かすと、やはり見たこともない窓。カーテンの隙間から差し込む色はふんわりとしたオレンジ色。いまは、夕方のようだった。
     おかしい。俺は今朝、星奏館から出たばかりで、タクシーを呼んで、それから、信号を渡って。
    「セッちゃん」
     次に目に飛び込んできたのは凛月のすがただった。丸椅子に腰かけて、いつもはねむたげに細められている赤い瞳をぱっちりと見開いて。
     急いで起き上がろうとしたが、腕に管がまとわりついていて思うように身動きが取れない。ぼすん、と背中にやわらかいような感触。俺はベッドに寝そべっていたようだった。少しだけかたい枕があたまにおさまると、後頭部が鈍く痛んだ。
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    potetittu

    TRAINING少しずつ描き始めているINFINITISM軸の「ジャマル漂流記(仮)」の一部です。設定がほぼ凄ノ王ですが色々混ぜ込んだ上にオリジナルの捏造を足しているのでもうなにがなんだかな状態です。起承転結の全体の内の転のプロローグ的なシーンなのですが、先に形にしておきました。後から組み込むときに描写を変更するかもしれないですし、初稿的な意味で出しました。
    少年と実のなる樹 少年には空気が必要なかった。
     彼は宇宙を漂流していた。何年、何十年、もっと永い永い間。ある目的があった。それをするために星を巡ってはまた旅をくり返していた。
     少年が空気を必要としないわけは、超能力があったからだ。超能力とは道具を使わずとも物を動かしたり、テレパシーが使えたり、テレポートができたりと多種多様だが、この少年の超能力は異常に飛び抜けていた。無から有を生み出すことができるのは、相当の精神エネルギーも体力も消費するのだが、彼はそのキャパシティが人の比ではなかった。
     あれだ――。
    行き着いた先は小さな惑星だった。重力圏内に入り、降下に身を任せながら超能力で衝撃を抑え着地する。まるで散歩にきたように身軽に降り立った様子に原住民たちは目を丸くした。
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