雨宿り
syumi_sufu
DONEむちゃ勢いで書いたあるかもしれない雨宿りの話
いろはとよみ
【ていまほ】一時休戦🙅♀️◆
雨の音を聞きながら、イロハは重い瞼を開けた。空を見上げると、いつの間にか雷雲が立ち込めている。ごろごろと遠くで雷が鳴る音が聞こえてきた。
「あー……」
顔をしかめながら、イロハは自分の腕を見る。包帯が巻かれているものの、血は既に固まっていて傷口は塞がりかけていた。「……いや生きてんのかよ」と呟きながら身体を起こすと、背中に鈍い痛みが走る。木にもたれて寝ていたせいか、負わされた傷のせいかはわからない。
ふと辺りを見渡していると、隣でもぞもぞと何かが動く。視線を落とすと、詠が寝息を立てていることに気づいた。
「……無防備」
そう呟いて頭を掻いた後、その寝顔を覗き込んだ。彼女の頬には、涙の跡がついている。
1541雨の音を聞きながら、イロハは重い瞼を開けた。空を見上げると、いつの間にか雷雲が立ち込めている。ごろごろと遠くで雷が鳴る音が聞こえてきた。
「あー……」
顔をしかめながら、イロハは自分の腕を見る。包帯が巻かれているものの、血は既に固まっていて傷口は塞がりかけていた。「……いや生きてんのかよ」と呟きながら身体を起こすと、背中に鈍い痛みが走る。木にもたれて寝ていたせいか、負わされた傷のせいかはわからない。
ふと辺りを見渡していると、隣でもぞもぞと何かが動く。視線を落とすと、詠が寝息を立てていることに気づいた。
「……無防備」
そう呟いて頭を掻いた後、その寝顔を覗き込んだ。彼女の頬には、涙の跡がついている。
miro
MEMO『雨宿り屋敷』エモクロアTRPG(https://bitdayo.booth.pm/)
作/DL:びっとさん
(2022/03/18 実施)
共鳴者:鍋敷 美子
急な大雨さぁ困った。自分には傘がない。ある人物から傘を貰うつもりが…いつのまにか部屋の中。壁一面の鏡に目をやると…ぽわぽわ〜。
何かと持ち帰りたがるくせに土産を忘れちゃうお茶目な美子ちゃん、美しさは人間を問わない様(笑) 2
ひのし
DONE特に何も起こらない。雨宿りしてるだけのアン風漫画です。今回の任務は調査みたいな感じで...街中うろうろしてる感じで...(適当)一応、お互いへの気持ちがはっきりしてない時点の設定で描いてます。(20220306)
追記
全ページ加筆修正したので差し替えてます。
(20230629) 15
ymr
DONEおさはな3展示「雨と秘密」雨の日にヒースが悶々としている話+ヒースとシノが雨宿りする話です。
※1.5部の内容を含みます
※傘の形についてはわかりやすさ優先です 読む時気になったらすいません 21
fuji_saki58
PROGRESS雨宿りするふたりのおはなしの導入部分。なんでもない日常です。このあと一緒にお風呂へGoGo✨
☔️ ーー萩花州に良い店がある。
その話を聞いた時、鍾離は即座に行動に移した。集落から離れた場所にぽつんと佇むその店は、山野で採れた食材をふんだんに使った素朴な郷土料理が人気なのだとか。璃月港でも随一の目利きであり到底一般人とは思えぬ玲瓏な佇まいから琉璃亭や新月軒などの高級料理店を好むと思われがちな鍾離であるが、その実三杯酔や万民堂といった庶民向けの店にも好んで足を運んでいる。特に万民堂期待の看板娘である香菱が新作料理を開発したと腕を振るう折には、店先に嬉々として座する鍾離の姿を見ることができる。
そんなわけで、存外庶民的な味を好む鍾離にとって、その話は朗報以外の何物でもなかった。ちょうど久しぶりに璃月に戻ってきた懇意にしている執行官との会食を予定していたため馴染みの店から急遽予定を変更し遥々璃月港からふたりで件の店を訪ねたというわけだった。
1908その話を聞いた時、鍾離は即座に行動に移した。集落から離れた場所にぽつんと佇むその店は、山野で採れた食材をふんだんに使った素朴な郷土料理が人気なのだとか。璃月港でも随一の目利きであり到底一般人とは思えぬ玲瓏な佇まいから琉璃亭や新月軒などの高級料理店を好むと思われがちな鍾離であるが、その実三杯酔や万民堂といった庶民向けの店にも好んで足を運んでいる。特に万民堂期待の看板娘である香菱が新作料理を開発したと腕を振るう折には、店先に嬉々として座する鍾離の姿を見ることができる。
そんなわけで、存外庶民的な味を好む鍾離にとって、その話は朗報以外の何物でもなかった。ちょうど久しぶりに璃月に戻ってきた懇意にしている執行官との会食を予定していたため馴染みの店から急遽予定を変更し遥々璃月港からふたりで件の店を訪ねたというわけだった。
lilarhmlil
DONE【失審:杉九】仕事して雨宿りする話…?なんも考えずにつらつら書いてしまった…。変装してるとこと始末書のくだりが書きたかっただけです。既に付き合ってるしやることやってる二人です。あまやどり しとしとと降る雨の中、スナックの店舗が並んだ建物の階段で杉浦は小型カメラを袖に隠しながら息を潜めていた。カメラのレンズの先にあるのはホテルランティーユ・デューの入り口で、既に録画時間は二時間以上経過している。
三日ほど前に横浜九十九課に舞い込んだのは夫の浮気を見たという女性からの調査依頼だった。浮気相手は依頼主自身が既に特定済みで、兎に角早く証拠を押さえたいという彼女の希望によりわざと家を空ける状況を作ったのが今日。そして調査対象はまんまとそれに引っかかり、一回りは年齢が下であろう女と仲睦まじくホテルへと直行した。家を出たところから尾行をして動画を撮っているので後は退店の現場まで撮れば調査完了である。
5851三日ほど前に横浜九十九課に舞い込んだのは夫の浮気を見たという女性からの調査依頼だった。浮気相手は依頼主自身が既に特定済みで、兎に角早く証拠を押さえたいという彼女の希望によりわざと家を空ける状況を作ったのが今日。そして調査対象はまんまとそれに引っかかり、一回りは年齢が下であろう女と仲睦まじくホテルへと直行した。家を出たところから尾行をして動画を撮っているので後は退店の現場まで撮れば調査完了である。
MenthoKATOU
MEMOAIのべりすと先生にポンプマンさんとソーラーマンさんが雨宿りする話を書いてもらいました。「さて、どうしましょうね。雨が止む気配も見えませんし」以降が先生の手による文章です……が、さっきのシプコマと違って延々と続いていくので途中も途中で終わりにしました。
泊めてくれないかって云い出して以降のポンプさんが何考えてるのかわからなくてずっと怖いんですけど! 絶対何かを企んでいる……こわい……
「困りましたね。午後は100%晴れの予報だったのですけど」
雨雲の立ち込める空を見上げながらソーラーマンは呟いた。休暇中に街歩きを楽しんでいたソーラーマンとポンプマンは、急な雨に足止めを食らい、今は適当な店の軒先で雨をしのいでいる。
「オレは雨天でも問題なく活動できるから、雨の中を歩こうともいっこうに平気なのだが。お前はそうはいかないからな」
ポンプマンはそう云ってソーラーマンを見下ろした。ソーラーマンの頭上の疑似太陽生成装置は水気に極端に弱く、雨に濡れようものならたちまち故障してしまうのだ。
ご迷惑おかけします、と詫びるソーラーマンに、ポンプマンは気にするな、と簡潔に返した。
「さて、どうしましょうね。雨が止む気配も見えませんし」「この様子では傘を借りようにも期待薄だな。まあ、少し待ってみればいいだろう」
1780雨雲の立ち込める空を見上げながらソーラーマンは呟いた。休暇中に街歩きを楽しんでいたソーラーマンとポンプマンは、急な雨に足止めを食らい、今は適当な店の軒先で雨をしのいでいる。
「オレは雨天でも問題なく活動できるから、雨の中を歩こうともいっこうに平気なのだが。お前はそうはいかないからな」
ポンプマンはそう云ってソーラーマンを見下ろした。ソーラーマンの頭上の疑似太陽生成装置は水気に極端に弱く、雨に濡れようものならたちまち故障してしまうのだ。
ご迷惑おかけします、と詫びるソーラーマンに、ポンプマンは気にするな、と簡潔に返した。
「さて、どうしましょうね。雨が止む気配も見えませんし」「この様子では傘を借りようにも期待薄だな。まあ、少し待ってみればいいだろう」
minato18_
DONEかずこそ雨宿りするふたりの話。
もじさん(@moji_bubu)のネタが大変可愛らしかったので書かせて頂きました。ハグの日に合わせて。
元ネタ
https://twitter.com/moji_bubu/status/1422137364638420992?s=20
愛雨祈願 ざあざあと騒がしい音を立てて地面を叩く雨粒を見つめながら、僕はどうしたものかと頭を悩ませていた。
遠見さんからお遣いを頼まれたのはつい十分ほど前のことだ。部屋に籠って読書ばかりしていたら身体に良くないと言われてしまえば、返す言葉なんてなかった。たまには散歩するのも悪くないかとメモとバッグを受け取って家を出れば、雲間から射し込む太陽の光が海面できらめいているのが目に入った。こういう景色は、あの島に負けないくらい綺麗だと思う。
―――そう、思っていたのに。どうしていきなり大雨になるんだ。この島の天気どうなってるんだ?
「にわか雨、って言うらしいぞ」
右隣から声が降ってくる。大して大きくもないのに雨音に掻き消されることなく耳へと届いたそれは、僕がこの島で一番会いたくない奴の声だ。
2351遠見さんからお遣いを頼まれたのはつい十分ほど前のことだ。部屋に籠って読書ばかりしていたら身体に良くないと言われてしまえば、返す言葉なんてなかった。たまには散歩するのも悪くないかとメモとバッグを受け取って家を出れば、雲間から射し込む太陽の光が海面できらめいているのが目に入った。こういう景色は、あの島に負けないくらい綺麗だと思う。
―――そう、思っていたのに。どうしていきなり大雨になるんだ。この島の天気どうなってるんだ?
「にわか雨、って言うらしいぞ」
右隣から声が降ってくる。大して大きくもないのに雨音に掻き消されることなく耳へと届いたそれは、僕がこの島で一番会いたくない奴の声だ。
torinokko09
DONE六月二週目「雨宿り」 一週目の直後のお話なんですが、書いた後に雨宿りしていないことに気付きました。雨要素はあります!雨宿り「雨宿り」
「お疲れ様でした」
ぺこりと頭を下げて、一彩はスタジオを出た。MVの収録に向けてのレッスンは順調で、今日も予定通りに終わった。残って練習するといった藍良と、それに付き合うマヨイを置いて、一彩は巽と二人ビルの入口へと降りた。
「雨はやみませんな」
「すっかり梅雨になってしまったね」
「えぇ、季節を感じますね」
「ウム。嫌いじゃないよ」
ざあざあと振り続ける雨が地面を暗く濡らしている。一彩はカバンから折りたたみ傘をだすと、巽を振り返った。しかし彼は自身のカバンをがさがさとあさっていて、首をかしげている。あきらめたようなためいきをついた姿に、一彩は笑いながら話しかけた。
「珍しいね、巽先輩が傘を忘れるなんて」
1927「お疲れ様でした」
ぺこりと頭を下げて、一彩はスタジオを出た。MVの収録に向けてのレッスンは順調で、今日も予定通りに終わった。残って練習するといった藍良と、それに付き合うマヨイを置いて、一彩は巽と二人ビルの入口へと降りた。
「雨はやみませんな」
「すっかり梅雨になってしまったね」
「えぇ、季節を感じますね」
「ウム。嫌いじゃないよ」
ざあざあと振り続ける雨が地面を暗く濡らしている。一彩はカバンから折りたたみ傘をだすと、巽を振り返った。しかし彼は自身のカバンをがさがさとあさっていて、首をかしげている。あきらめたようなためいきをついた姿に、一彩は笑いながら話しかけた。
「珍しいね、巽先輩が傘を忘れるなんて」
(*ΦωΦ*)
MOURNING急な夕立で雨宿りするみつひか見たくて。濡れシャツ兄ちゃんにドキッとしちゃう光が見たくて。
落ちてたボールでリフティング対決するのが見たくて。
猫に嫉妬する兄ちゃんが見たくて。
1000文字にまとめられるはずなのに、どこ削ればいいか分からないのが大問題、というわけでびみょーに文字数オーバーして壁になり損なったものです。橋脚の壁面も私基準で壁です
雨の桁下 ──貴方は壁である。橋脚の壁面である。
ぽつん、ぽつん。水滴が落ちてくる程度だったのも束の間、大粒の雨に変わる。橋の下に駆け込んだ兄弟は息を整え、ざあざあ降りになった雨を恨めしそうに仰いだ。二人が学校を出た時点では蒸し暑さはあれど快晴だったのだ。しかし帰宅途中で突然空が暗くなり遠雷まで聴こえ、一番近くにあった雨をしのげそうな場所に退避したのである。
「雨が降るなんて一言も言ってなかったのに」
衰えることを知らない雨粒を見ていると気が滅入ってしまう。光は「これじゃ帰れそうにないな」と独り言ちる兄の背中に呼びかけた。
「あぁ、そうだな。帰ったら鞄に折り畳み傘入れておこうぜ」
振り向いた充のシャツはじっとりと濡れており肌に張り付いている。透けた肌色、浮き上がる逞しい体の線。意識してしまうと直視できなくなり、光はさりげなく視線を外した。
1732ぽつん、ぽつん。水滴が落ちてくる程度だったのも束の間、大粒の雨に変わる。橋の下に駆け込んだ兄弟は息を整え、ざあざあ降りになった雨を恨めしそうに仰いだ。二人が学校を出た時点では蒸し暑さはあれど快晴だったのだ。しかし帰宅途中で突然空が暗くなり遠雷まで聴こえ、一番近くにあった雨をしのげそうな場所に退避したのである。
「雨が降るなんて一言も言ってなかったのに」
衰えることを知らない雨粒を見ていると気が滅入ってしまう。光は「これじゃ帰れそうにないな」と独り言ちる兄の背中に呼びかけた。
「あぁ、そうだな。帰ったら鞄に折り畳み傘入れておこうぜ」
振り向いた充のシャツはじっとりと濡れており肌に張り付いている。透けた肌色、浮き上がる逞しい体の線。意識してしまうと直視できなくなり、光はさりげなく視線を外した。
774xxxxxx
DONE【雨宿り】 炭伊原作寄り時空の炭伊未満。未満だけどやがて二人が番となる世界でのお話。
画像1枚目に諸注意ございますのでご一読お願いいたします。
表紙画像お借りしました(https://www.pixiv.net/users/3989101)。 9
masakari
DOODLECoC「雨宿り木」作:きゅう助様KP/KPC 村上/左雨 優(ささめ ゆう)
PL/PC 雪狸さん/南 八朔(みなみはっさく)
KP/KPC 村上/雨土 淳史(うど あつし)
PL/PC ぱるにわさん/鳥海 タユタ(なるみ タユタ) 4
yuyu
DONEリンレト版ワンドロワンライ +1.5hお題:雨宿り
背景を描く必要がありそうなお題だな、と思ってフライングスタートしました。
ずぶ濡れになって欲しい〜服透けて欲しい〜の欲望が出てしまい…この服装は…現パロ…?たぶんどこかの公園…(お題のひとつの『廃協会』も考えたけどそれっぽいものは描けなかった)
たかなし
DOODLE雨宿り。事務所にて。だらだら会話文。
「真鶴。いるか?」
「おう、高遠か。どうした?」
「ああ、いや、大した用ではないんだが。出かけるところだったか?......その格好、近場じゃないな」
「久々に、ふらっと北陸の方にでも行ってこようかと思ってな。で、お前の方の用件は?」
「暇なら飯でもどうかと思ったんだが。もう出るところなら出直すよ」
「いや、大宮から深夜バスなんだ。どっかで飯は食って行こうと思ってた」
「時間は?」
「21時発」
「それなら結構余裕があるな。この辺でいいのか?」
「おう。すずめでもいいが、たまには違うとこにするか。高遠、お前、何か食いたいもんは......ん?外、雨降ってきたか?」
「本当だ。さっきまで降ってなかったんだが」
「それは運が良かったな。おい、どんどん強くなってねえか?......うわ、もう土砂降りじゃねえか」
2072「おう、高遠か。どうした?」
「ああ、いや、大した用ではないんだが。出かけるところだったか?......その格好、近場じゃないな」
「久々に、ふらっと北陸の方にでも行ってこようかと思ってな。で、お前の方の用件は?」
「暇なら飯でもどうかと思ったんだが。もう出るところなら出直すよ」
「いや、大宮から深夜バスなんだ。どっかで飯は食って行こうと思ってた」
「時間は?」
「21時発」
「それなら結構余裕があるな。この辺でいいのか?」
「おう。すずめでもいいが、たまには違うとこにするか。高遠、お前、何か食いたいもんは......ん?外、雨降ってきたか?」
「本当だ。さっきまで降ってなかったんだが」
「それは運が良かったな。おい、どんどん強くなってねえか?......うわ、もう土砂降りじゃねえか」
水月 千尋
TRAINING #ritk版深夜の60分一発勝負 (ワンライ)のお題『雨宿り』をお借りして書いたものです。
[所要時間:2h30m]
書きながら寝落ちしてたんで時間が正確じゃないですが、記憶を辿ったらこんな感じだったと思う……
【君との雨は】
昼過ぎからぽつぽつと降り始めていた雨は、授業が全て終わった頃には勢いを増し始めていた。その時点で大分と嫌な予感はしていたのだが、放課後、反省文を書き終えてようやく下校しようと下駄箱へたどり着いたオレが目にしたのは──予想通り、視界が白く煙るほどのひどいどしゃ降りとなった雨だった。
(今日は降らないと言っていたはずなんだが)
ため息をつきながらも靴を履き替える。
天候が不安定な梅雨の時期だ。天気予報ばかりを責めることはできないが、今日に限って折り畳み傘を入れ忘れてきた自分の迂闊さにはさすがに閉口する。フェニランでの練習が休みで急ぐ必要がなかったのは不幸中の幸いとはいえ、走って帰ればいいなんて考えられないレベルの豪雨。騒音にも近い雨音に気分は沈むばかりだった。
1933昼過ぎからぽつぽつと降り始めていた雨は、授業が全て終わった頃には勢いを増し始めていた。その時点で大分と嫌な予感はしていたのだが、放課後、反省文を書き終えてようやく下校しようと下駄箱へたどり着いたオレが目にしたのは──予想通り、視界が白く煙るほどのひどいどしゃ降りとなった雨だった。
(今日は降らないと言っていたはずなんだが)
ため息をつきながらも靴を履き替える。
天候が不安定な梅雨の時期だ。天気予報ばかりを責めることはできないが、今日に限って折り畳み傘を入れ忘れてきた自分の迂闊さにはさすがに閉口する。フェニランでの練習が休みで急ぐ必要がなかったのは不幸中の幸いとはいえ、走って帰ればいいなんて考えられないレベルの豪雨。騒音にも近い雨音に気分は沈むばかりだった。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第二十九回 お題:「雨宿り」「兄弟」
司視点 両想い
20分オーバーしました「うわ、凄い雨だな…」
薄暗い空から降り注ぐ大粒の雨に辟易しながら、傘を広げた。
朝からずっと雨予報となっていた今日は練習も中止になってしまい、休日だったことも相まって突如暇となってしまったので、気晴らしにと外に出かけることにした。
雨が降るとはいえ四六時中大雨が降るというわけではなく、強くなったり弱くなったりを繰り返しているから、合間に移動をすれば、と考えていたけれど、そう都合よく弱まるわけがなかったなと思いながら雨の中をゆったりと歩く。
その時。視界に、不安そうな顔が写った。
思わず足を止めて、そちらを見る。
しまっている店の前で雨宿りをしながら不安そうな顔で空を見上げている、小学校低学年くらいの男の子の姿があった。
そして、彼のその手には、折れてボロボロになった傘が鎮座していた。
「…なあ、君。傘、壊れちゃったのか?」
いてもたってもいられず、声をかける。
ずっと不安だったのか、見上げるその目には、涙が浮かんでいた。
「…うん」
「お母さんや、お父さんは?」
「いない。僕、お使いとお迎えに行ってるの」
「お使いと…迎え?」
「うん。 3388