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    レトユリ

    Satsuki

    DOODLEレトユリ。遅刻クリスマス2021.12.26
    「あっ! ねえ、見て!」
     かまってほしがり屋のエリーが声を上げたので、僕は仕方なく振り返った。鬼ごっこの途中なのに、エリーはいつだってそうなんだ。一番小さくて、足が遅いし、女の子だからしょうがないんだけど、でも時々僕らはうんざりしてしまう時がある。司祭様はいつだってみんな仲良くしなさい、って言うけれど、男の子は男の子だけで遊びたい時だってあるのに。
    「なんだよエリー、そういうの、ダメだよ!」
    「そうだよ、するいよ!」
    「ちがうもん、あそこに何か置いてあるの!」
     エリーが一生懸命そう叫ぶので、僕らは立ち止まってエリーが指さす方を見た。ちょうど、庭から外へ出る門のところだ。あそこは、たまに赤ん坊が捨てられていたり、他の教会からの荷物が届いていたり、村の人たちからの野菜や差し入れが置いてあったりする場所だ。こんなに寒いのに、赤ん坊がいたら大変だ。けれど、僕は新しい子が来るのは嫌だなあ、なんて考えてしまう。だって、小さい子は誰かが面倒を見てやらなくちゃならないし、その子の分までご飯を用意するってなると、自分の分が減ってしまう。それに、……小さい子の方が、新しい家族のところに引き取って貰えることが多いから。
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    Satsuki

    DOODLEレトユリレト。戦争終了間近の二人。
    以前ぴり子さんと、「レト先生は無自覚に気をもたせる発言してそう。しかもそれを謝ってそう」「ユリはそれに振りまわされる。かわいそう」「自棄酒しちゃう」「そこに先生が来て、また無神経なこと言いそう」というようなお話をして楽しかったので短文にしてみました。ちょっとした妄想文のつもりだったので色々雑ですが書いたので投げます。レト先生、酒に強くても弱くても可愛いな。
     ダンッ、と派手な音を立てて、空っぽの杯が粗末な机に叩きつけられた。
    「だ~~っはっはっは!! 見たか! 俺様の勝ちだぜ、ざまあみな!!!」
     言葉の乱暴さとは裏腹に、どこか情の込められた笑い声を上げたのは、ここアビスの酒場にたむろしているごろつきどもの元締めである青年、ユーリス=ルクレールその人である。立ち上がり、自分の座っていた椅子が倒れるのも構わず、隣で潰れている人物の背中を叩いて喜んでいる様子は、年相応の若者が酒を飲んで騒ぐ姿に相違ない。周囲ではらはらとその姿を見守っているのは、彼の組織に所属しているチンピラたちだ。お頭、もうその辺で……と止めに入ろうとする者も先刻までは見られたが、酒場の端で同じように酒を嗜んでいた灰狼学級の面々に「やめとけ」「好きにさせたげたらいいんじゃん?」「わたくしには関係ありませんわ」等と言われて引き下がってしまった。その面々も、もう部屋に戻ったのだろう。酒場には数人の常連客とユーリスの部下数名が残っているだけだ。それに、ユーリス自本人と、その飲み比べの相手が机に突っ伏しているくらいである。
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    Satsuki

    DOODLE書けば出る!!の気持ちでユーリスFEH実装直前に書いたFEH軸の妄想レトユリレト。ユーリスを第一部でロストしている先生とユーリス。

    第一部でロストしていると、5年間の間にユーリスは……しているようなので、士官学校時代に足に大怪我でもして素早い身のこなしができなくなってしまいそれが原因で……みたいな妄想をしつつ書きました。明るくないです。
    「よお、先生」
    「……! ユーリスか」
     ぐい、と額の汗を拭ったベレトは、どこかぎこちない笑みを浮かべて振り返ると、すぐにまた作物の方を向いてしまった。ニルヴァーナとかいう大仰な職の服を着崩して、畑仕事に勤しんでいるこのベレトは、なんとなくユーリスに対してそっけない。
     アスクとかいう得体の知れない場所に“召喚”されたユーリスを、士官学校の生徒たちが出迎えてくれたときは驚いた。年齢もさまざまな仲間、別の時空とやらから召喚されたという英雄たち。説明をされてもよく分からなかったが、とにかく呼ばれた目的は理解した。
     この戦いが、勝てる賭けなのかどうかは、ひとまず先客の中に『先生』がいたことで判断するしかなかった。この人がいてくれるなら、きっと大丈夫。そう思える程度には、元の世界でユーリスはベレトを信頼していた。同じようにアスクに召喚されていた、青みがかった黒髪の彼は、もちろんユーリスを歓迎してくれた。驚いたことに、髪の色が変わった後の彼もこの城に存在し、しかも複数人がいると知ったことはさすがにめまいがしそうになったが、そういう場所なのだと納得するしかない。扮装が普段と違っている人物がいることもそうだ。
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