革命
abicocco
PAST※ノーマルEND軸革命後交際中のレムラキ色っぽい描写はほぼ無いですが、一応行為中のやりとりではあるのでご注意ください。
萌芽「……ン。ッレムナン! それ、やめてっ」
突如自分の下から上がった制止の声にレムナンは慌てて声の主から自分の身を離した。今、己の下に組み敷いている人物と夜の行為に及ぶようになってからもう半年ほど経つが、最中にストップをかけられたのは今までにないことだった。はじめて指と舌とで丁寧に穴をほぐされて、レムナンのものを受け入れたときでさえ、何度も大丈夫かと確認する相手に「問題ないから早く進めて」と気丈に振舞っていたあのラキオが「やめて」と言ったのだ。特に心当たりはないが、自分は一体どれほどの失態をおかしてしまったのだろう、と内心冷や汗が止まらないレムナンだったが、慌てて様子を確認した彼に待ったをかけた人物の顔には怒りや不快感といったような感情は見つけられなかった。どちらかというと困惑に近い表情を貼り付けて、シーツに影を作るレムナンの顔を見つめている。
1811突如自分の下から上がった制止の声にレムナンは慌てて声の主から自分の身を離した。今、己の下に組み敷いている人物と夜の行為に及ぶようになってからもう半年ほど経つが、最中にストップをかけられたのは今までにないことだった。はじめて指と舌とで丁寧に穴をほぐされて、レムナンのものを受け入れたときでさえ、何度も大丈夫かと確認する相手に「問題ないから早く進めて」と気丈に振舞っていたあのラキオが「やめて」と言ったのだ。特に心当たりはないが、自分は一体どれほどの失態をおかしてしまったのだろう、と内心冷や汗が止まらないレムナンだったが、慌てて様子を確認した彼に待ったをかけた人物の顔には怒りや不快感といったような感情は見つけられなかった。どちらかというと困惑に近い表情を貼り付けて、シーツに影を作るレムナンの顔を見つめている。
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PAST※ノーマルEND軸革命後交際中のレムラキレムが初めて酒で失敗した翌朝の話。
それみたことか(だから、僕は止めたじゃないか)
ラキオより二十分ほど遅れて目を覚ました隣の男は、呆けた顔でまだ眠気の抜けきらないとろりとした瞬きを何度か繰り返したのち、のそりと身体を起こした。覚醒したての彼が緩慢な動きで自分と、それからラキオの格好を見て、みるみるうちに顔を青く染めていく様を目にして……ラキオは小さく溜息を吐いた。
「ら、ラキオさ……。あの、その、ぼ、僕、は」
「……おはようレムナン。元気そうだね。見たところ二日酔いの症状も出ていないようでなによりだよ」
ラキオの言う通り、レムナンの顔や体臭には昨晩あれだけ摂取したアルコールの気配は残されていなかった。彼の肝臓は働き者らしい。
昨日の晩、珍しく……そう、本当に珍しく。レムナンとラキオは家で晩酌を楽しんだ。というのも先日外星系への調査のついでにグリーゼに立ち寄ったという沙明が置き土産として、彼が現在身を置いているというナダ産の飲食物をふたりの家にいくらか残していったのだ。グリーゼと違って未だ自然光で作物栽培が行われ、一次産業が国の経済をまわすのに一役買っていると聞くナダで作られたワインは、会食や社交場で提供されるような合成品とは違い、強く芳醇な葡萄の香りがした。
3579ラキオより二十分ほど遅れて目を覚ました隣の男は、呆けた顔でまだ眠気の抜けきらないとろりとした瞬きを何度か繰り返したのち、のそりと身体を起こした。覚醒したての彼が緩慢な動きで自分と、それからラキオの格好を見て、みるみるうちに顔を青く染めていく様を目にして……ラキオは小さく溜息を吐いた。
「ら、ラキオさ……。あの、その、ぼ、僕、は」
「……おはようレムナン。元気そうだね。見たところ二日酔いの症状も出ていないようでなによりだよ」
ラキオの言う通り、レムナンの顔や体臭には昨晩あれだけ摂取したアルコールの気配は残されていなかった。彼の肝臓は働き者らしい。
昨日の晩、珍しく……そう、本当に珍しく。レムナンとラキオは家で晩酌を楽しんだ。というのも先日外星系への調査のついでにグリーゼに立ち寄ったという沙明が置き土産として、彼が現在身を置いているというナダ産の飲食物をふたりの家にいくらか残していったのだ。グリーゼと違って未だ自然光で作物栽培が行われ、一次産業が国の経済をまわすのに一役買っていると聞くナダで作られたワインは、会食や社交場で提供されるような合成品とは違い、強く芳醇な葡萄の香りがした。
c_delphi
DONE【革命】私もラウワンコラボに連れて行ってフェンリルとボウリング
ラウワンコラボに革命を入れてくれなかったので自給自足。前にクリコレで着せたボウリングシャツに、同じくサングラスをカチューシャ代わりにして。ネオンサインを使ってレトロポップ風にしたかった。
2枚の違いは素材使用の有無。紫乃さんのアリス本に掲載して頂くにあたり、FA使用OKだが同人誌に含めて販売するにはライセンス購入が必要な素材を差替。 2
c_delphi
DONE【革命】7周年に出したかったお祝いのケーキをアリスちゃんとアリスちゃんが食べているのは、まんまるお月さまのようなタルトレット・シトロン。ネプリの使用例に実際にタルトレット・シトロンを置いたものがあります。
c_delphi
MENUネプリ詳細と革命アリスちゃんA4の使用例です。元は7周年のお祝いのケーキを職場で食べるためにプレースマットとして作りました。文字は3種類あるのでお好きなものをお使い下さい♪画像2枚目はまんまるお月さまのようなタルトレット・シトロン、3枚目はバスクチーズケーキ。 3あいぐさ
TRAINING師弟時代のフィガファウ、革命軍の雰囲気に合わず立ち去ろうとするフィの話あと○日 やった、やったぞ!
雄叫びのような歓喜の声を上げる兵たちの前に立つのは、細身でしなやかな身体の魔法使い。珍しく無邪気に笑っているせいか、目はまるで線のように細められている。
隣に立つ銀髪の青年はそんな彼の肩をガッと掴み、楽しそうに名を呼んだ。そして可憐な相手の頭をぐしゃぐしゃと豪快に撫で、彼らは大口を開け豪快にあははと笑い合う。
そんな顔、一度も見たことがない。
女子供に混じり後ろからひっそりと眺めていたフィガロは独特の空気に耐えきれずその場を後にする。正直もう見ていられなかった。
フィガロは集団の上に立ったことはあれど、彼らのように仲間意識を持って一緒に盛り上がったことはない。
弟子の大事な仲間だ。自分も大切にしたい。フィガロも精一杯己の価値観と戦った。けれど、千五百年以上培われた考え方は数日で変えられるものではない。次第に精神が疲弊していき、自分の行動がどこか虚しいとすら思えるようになった。
2530雄叫びのような歓喜の声を上げる兵たちの前に立つのは、細身でしなやかな身体の魔法使い。珍しく無邪気に笑っているせいか、目はまるで線のように細められている。
隣に立つ銀髪の青年はそんな彼の肩をガッと掴み、楽しそうに名を呼んだ。そして可憐な相手の頭をぐしゃぐしゃと豪快に撫で、彼らは大口を開け豪快にあははと笑い合う。
そんな顔、一度も見たことがない。
女子供に混じり後ろからひっそりと眺めていたフィガロは独特の空気に耐えきれずその場を後にする。正直もう見ていられなかった。
フィガロは集団の上に立ったことはあれど、彼らのように仲間意識を持って一緒に盛り上がったことはない。
弟子の大事な仲間だ。自分も大切にしたい。フィガロも精一杯己の価値観と戦った。けれど、千五百年以上培われた考え方は数日で変えられるものではない。次第に精神が疲弊していき、自分の行動がどこか虚しいとすら思えるようになった。
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PAST※ノーマルEND軸革命前のレムラキレムがグリーゼに来てからラキが革命を起こすまでに二人の間で発生したやりとりについての想像
ブロカント「レムナン。作業ペースが通常時の八十パーセントまで落ちています。休息を取りますか?」
今日は各船を繋ぐ自動走行路の定期メンテナンスで地下へと潜る日だった。僕がこの国にやってきてから、そして擬知体を含む機械全般の整備士として働き始めてから、もう何度もこなしてきた仕事だ。それにも関わらず、いや、慣れている作業だからこそか、いつも僕の業務に同行してくれているサポート擬知体から集中力の欠如を指摘されてしまった。
「いえ……。いや、そう、ですね。昼休憩にしましょうか」
作業が丁度キリのいいところだったこともあり、彼女の提案に甘えることにした僕は工具箱を脇に避けて作業用のグローブを外すと、持ち込んだランチボックスからマッケンチーズをフォークでつついた。鮮温キープ機能のある優秀な容器のおかげで、チーズと胡椒をまとったマカロニとベーコンはフードプリンターから出てきたばかりの今朝と変わりない姿で湯気を立ちのぼらせている。食欲を刺激する濃厚なチーズのジャンクな香りは僕の好物に違いないのに、食事の手はなかなか進まなかった。
9047今日は各船を繋ぐ自動走行路の定期メンテナンスで地下へと潜る日だった。僕がこの国にやってきてから、そして擬知体を含む機械全般の整備士として働き始めてから、もう何度もこなしてきた仕事だ。それにも関わらず、いや、慣れている作業だからこそか、いつも僕の業務に同行してくれているサポート擬知体から集中力の欠如を指摘されてしまった。
「いえ……。いや、そう、ですね。昼休憩にしましょうか」
作業が丁度キリのいいところだったこともあり、彼女の提案に甘えることにした僕は工具箱を脇に避けて作業用のグローブを外すと、持ち込んだランチボックスからマッケンチーズをフォークでつついた。鮮温キープ機能のある優秀な容器のおかげで、チーズと胡椒をまとったマカロニとベーコンはフードプリンターから出てきたばかりの今朝と変わりない姿で湯気を立ちのぼらせている。食欲を刺激する濃厚なチーズのジャンクな香りは僕の好物に違いないのに、食事の手はなかなか進まなかった。
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PAST※ノーマルEND軸革命後レムラキ。交際を始めた途端好意を隠さなくなったレムの態度に戸惑うラキの話。
過剰表出「ここ最近の君の態度に僕はどう向き合うべきなのか、正直考えあぐねている」
自身の考えを述べる際、その大体が結論から入る人の口から出た発言にしては珍しい、ラキオさんらしくなく要領を得ない言葉に不意を突かれた僕は狼狽の色を隠せなかった。
僕が長い間自分の中に留め続けてきた恋心をラキオさんに打ち明けてから——正確には気持ちを言い当てられ白状せざるを得ない状況に追い込まれてから——ひと月。未だに信じ難いことだけれど、ラキオさんは僕の告白を受け入れてくれた。恋人になったからと言って見返りを求めるつもりはないし、汎性である相手に恋愛感情が芽生えることを期待しているわけでもない。ただ僕は、ラキオさんが僕の気持ちを否定せずに聞き入れてくれたことが何よりも嬉しかった。くだらないと一蹴することも、なかったことにして距離を置くこともできただろうに、そのどちらの方法も取らずに、かの人にとっては恐らく一番面倒で手のかかる選択をしてくれた。
3286自身の考えを述べる際、その大体が結論から入る人の口から出た発言にしては珍しい、ラキオさんらしくなく要領を得ない言葉に不意を突かれた僕は狼狽の色を隠せなかった。
僕が長い間自分の中に留め続けてきた恋心をラキオさんに打ち明けてから——正確には気持ちを言い当てられ白状せざるを得ない状況に追い込まれてから——ひと月。未だに信じ難いことだけれど、ラキオさんは僕の告白を受け入れてくれた。恋人になったからと言って見返りを求めるつもりはないし、汎性である相手に恋愛感情が芽生えることを期待しているわけでもない。ただ僕は、ラキオさんが僕の気持ちを否定せずに聞き入れてくれたことが何よりも嬉しかった。くだらないと一蹴することも、なかったことにして距離を置くこともできただろうに、そのどちらの方法も取らずに、かの人にとっては恐らく一番面倒で手のかかる選択をしてくれた。
abicocco
PAST※ノーマルEND軸革命後交際中レムラキ食事と口内炎とキスの話
舌先の警鐘 卒業研究のメイン題材に選んだ銀の鍵の実物を引き取るため生まれて初めて国外へと出た僕は、この世にはまだ食事という行為に執着している人類がこんなにも存在するのかと、自国とのギャップに随分驚かされたものだ。グリーゼでは主流とされている最も効率的なサプリ食が宇宙規模で見れば少数派に分類されることがどうにも解せなかった。一時滞在したルゥアン星系でも、そこで突如発生したグノーシア騒動から逃れるためにやむなく緊急乗船した古臭い宇宙船D.Q.O.でも、僕以外の人——人型ではない生物も一部混じっていたが、ここでは等しく『人』と表現することとする——は皆一様に提供された食事を何の抵抗もなく口に運んでいた。その中でも特に目についたのが今現在、ワケあってグリーゼで生活を共にしている男、レムナンだ。D.Q.O.でグノーシアの脅威から逃れることに成功した船長と船員を含む乗員十四名は、船内にグノーシア汚染者がいないことが確定された晩、その幸運を祝してささやかな宴を催すことにした。とはいえ、イートフェチではない僕は水の入ったグラスを片手に談笑し、一見無益な会話の中から普段関わりのない他星系人の生態や文化レベルの情報を探ることくらいにしか楽しみを見出すことができずにいたわけだけれど、今回の旅中で人の食事風景を見慣れ始めていた僕もその男の皿が視界に入ってきた時には流石にギョッとした。
7844abicocco
PAST※ノーマルEND軸革命後交際中レムラキ寝てるラキの指のサイズをはかるレムの話。
鈍色の輪っか 兎にも角にも、言い訳を、させてほしい。
なにも本当に、贈り物をしようと考えて取った行動ではなかった。決して僕のアレはそんな、計画的なものなんかじゃあなくて、ただ衝動的に……意味もなく行った戯れに近い何かだったのだ。
共用スペースで軽く機械いじり——仕事ではなく趣味の方——をしていた僕の横で、宙に投映していたニュース放送をぼうと眺めていたその人が、いつの間にかテーブルに突っ伏して小さく寝息を立てていることに気が付いて、自分で移動するにしろ僕が寝室まで運ぶにしろ、ひとまずは起こそうと傍まで寄ったとき、ふと無防備に投げ出されたままの左手に目がいった。これまで一度も日に焼けたことがないのだろう、この世に生まれ落ちた時のままの白みがかったやわらかな肌色をした手は、平均的な男性の手のサイズに比べると幾分華奢で小ぶりに見える。ココが生まれ故郷であるラキオさんと違って、グリーゼでの生活歴が浅い僕には詳しい事情までは分からないけれど、身体的汎化処置は未だ受けていない身でも、汎向けに国から支給されたサプリメントやホルモン抑制剤を長年摂取してきた影響はそれなりに大きいのだろう。
2809なにも本当に、贈り物をしようと考えて取った行動ではなかった。決して僕のアレはそんな、計画的なものなんかじゃあなくて、ただ衝動的に……意味もなく行った戯れに近い何かだったのだ。
共用スペースで軽く機械いじり——仕事ではなく趣味の方——をしていた僕の横で、宙に投映していたニュース放送をぼうと眺めていたその人が、いつの間にかテーブルに突っ伏して小さく寝息を立てていることに気が付いて、自分で移動するにしろ僕が寝室まで運ぶにしろ、ひとまずは起こそうと傍まで寄ったとき、ふと無防備に投げ出されたままの左手に目がいった。これまで一度も日に焼けたことがないのだろう、この世に生まれ落ちた時のままの白みがかったやわらかな肌色をした手は、平均的な男性の手のサイズに比べると幾分華奢で小ぶりに見える。ココが生まれ故郷であるラキオさんと違って、グリーゼでの生活歴が浅い僕には詳しい事情までは分からないけれど、身体的汎化処置は未だ受けていない身でも、汎向けに国から支給されたサプリメントやホルモン抑制剤を長年摂取してきた影響はそれなりに大きいのだろう。
abicocco
PAST※ノーマルEND革命後のレムラキ※今回も名のないモブ達がそこそこ喋ります
まわりに恋人と偽っていたふたりの話、これにて完結です!お付き合いありがとうございました。別途あとがきにて設定などの小ネタを公開してるのでよければそちらも合わせてどうぞ。
https://poipiku.com/4491035/9387278.html
偽装交際4(終) ラキオはいつも決まった時間に床に就き、決まった時間に起床する。先日、レムナンの相談に乗ってやったあの夜のような例外を除いて、自身のパフォーマンスを良い状態で保つためにも、無意味な夜更かしも逆に惰眠をむさぼるようなこともしないというのがラキオのポリシーだ。今朝も午前六時きっかりに自然と目を覚ましたラキオは、わずかに乱れた寝具を元通りにセットし直したのち、ロールスクリーンを上げて窓から明かりを取り込んだ。室内履きとして使用している踵のない靴をつっかけて、廊下へと出たラキオは洗面所で顔を洗うと、その場で服をすべて脱ぎ、生まれたままの姿になって鏡の前に立った。こうして、毎朝自身の体に不調がないことを確認するのは、まだラキオが学生だった頃に毎週学内で行われていた旧グリーゼ式の健診と面談の名残だ。特に異常がないことを確認して、下着から順に普段着を身に纏ったラキオは、まだ自身の体温がわずかに残っている寝間着を洗濯籠へと放り込み、その場をあとにした。
12069abicocco
PAST※ノーマルEND革命後のレムラキ前回の続きでまわりに恋人と偽ってるふたり。
今回のキーワードは『遊園地』『ナンパ』です。
続き→https://poipiku.com/4491035/9387275.html
偽装交際3 人間が生まれ持った慣れという習性は逞しいものだ。はじめはあれだけラキオの『あーん』にまごついていたレムナンも、外食のたび同じ行為を繰り返されるうちに、今では自ら口を開けて待つようになった。すっかり今の特殊な状況に順応したレムナンの態度を「相変わらず君は神経が太い」と評して、面白くなさそうに彼の口へとスプーンを差し込むラキオも、恋人役が随分板についてきたようだ。
ラキオが示した恋人として正しい距離感を演じるため、今のふたりの物理的距離は関係を結ぶ前と比べて大分近い。テーブルを挟み向かい合って座っていた食事の席は隣同士に。人一人分の空間を空けていたふたりのパーソナルスペースは拳二つ分にまで縮まった。そして、それと同時に互いの身体が触れ合う機会も自然と増えた。隣に座っていれば『あーん』をしていない時でも、ふとした瞬間に肩が触れ合ったり、相手の髪の香り——同じ洗髪剤を使用しているため、香り自体は自分が纏っているものと同じはずなのだが——を感じたりすることもあるし、すぐ近くで歩いていれば内側にある手同士が意図せず当たってしまうことだってある。
7626ラキオが示した恋人として正しい距離感を演じるため、今のふたりの物理的距離は関係を結ぶ前と比べて大分近い。テーブルを挟み向かい合って座っていた食事の席は隣同士に。人一人分の空間を空けていたふたりのパーソナルスペースは拳二つ分にまで縮まった。そして、それと同時に互いの身体が触れ合う機会も自然と増えた。隣に座っていれば『あーん』をしていない時でも、ふとした瞬間に肩が触れ合ったり、相手の髪の香り——同じ洗髪剤を使用しているため、香り自体は自分が纏っているものと同じはずなのだが——を感じたりすることもあるし、すぐ近くで歩いていれば内側にある手同士が意図せず当たってしまうことだってある。
abicocco
PAST※ノーマルEND革命後のレムラキ前回の続きでまわりに恋人と偽ってるふたり。
名前はついていませんが、今回モブが結構喋ります。あと革命後の二人の職業についての捏造等も含みます。
続き→https://poipiku.com/4491035/9378838.html
偽装交際2 ラキオがふたりの予定表に印をつけた一番近い日付は、彼らが偽装の恋人関係を結んだ三日後のことだった。グリーゼの学校教育の指針を定め、現場で上がっている問題に対応する教育行政機構に籍を置き、本業の傍ら趣味と実益を兼ねた研究を続けているラキオと、派遣型のメカニック団体に所属し、リスト化された依頼の中から選んだ仕事を日々こなしているレムナンとでは、働き方のスタイルからして随分と違ったが、会議の多いラキオの職に比べると基本は個人での行動となるレムナンの方が時間の融通が利いた。その日もラキオの終業時間に合わせレムナンが職場前までバイクで迎えに来て、そこから一緒にレストランへと向かう……という手筈となっていた。
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DOODLEケモ耳とか擬獣化したレム主のらくがき※何でも許せる方向け!!オリ主の顔面が普通に出ます
1.ケモ耳レムナンと主人公♀
2.擬獣化レムナンと主人公♀
レム主前提、おそらくグリーゼ革命後 4
abicocco
PAST※ノーマルEND革命後のレムラキ一緒に暮らしているが寝室は別。名前の無い関係のまま良好な付き合いを続けていた二人が、ある日レムがモブ女から強引に迫られた事件をきっかけに、周りの目を欺くため偽装の恋人を演じる話。
続き→https://poipiku.com/4491035/9373864.html
偽装交際1『夕飯を食べてから帰るので予定より帰りが遅くなります』
レムナンからのメッセージを受信したラキオは、チラリと横目で通知のポップアップだけを確認すると、つい今しがた目を通していた今年度の宇宙学会で公表された論文へとすぐに視線を戻した。ラキオが休みでレムナンだけが出勤の日、彼が仕事帰りに全国でもまだ数少ない大衆食堂で食事を済ませてくることはこれまでにも時々あったし、大方今日も帰りがけに見た日替わりメニューの看板に惹かれてつい立ち寄ってしまったとかそんなところだろう。彼から届いた短い報せをラキオはそんな風に軽く受け流していた。
それゆえに読んでいた論文が最終章のまとめに入るあたりで、玄関から駆け込んできたらしきレムナンがそのままトイレへと直行し、げえげえと耳障りな音を廊下のこちら側にまで響かせているのに気付いたときには、流石のラキオも何事かと面食らった。
5939レムナンからのメッセージを受信したラキオは、チラリと横目で通知のポップアップだけを確認すると、つい今しがた目を通していた今年度の宇宙学会で公表された論文へとすぐに視線を戻した。ラキオが休みでレムナンだけが出勤の日、彼が仕事帰りに全国でもまだ数少ない大衆食堂で食事を済ませてくることはこれまでにも時々あったし、大方今日も帰りがけに見た日替わりメニューの看板に惹かれてつい立ち寄ってしまったとかそんなところだろう。彼から届いた短い報せをラキオはそんな風に軽く受け流していた。
それゆえに読んでいた論文が最終章のまとめに入るあたりで、玄関から駆け込んできたらしきレムナンがそのままトイレへと直行し、げえげえと耳障りな音を廊下のこちら側にまで響かせているのに気付いたときには、流石のラキオも何事かと面食らった。
abicocco
PAST※ノーマルEND革命後のグリーゼにて交際中のレムラキ。グリーゼの医療制度などについて想像で好き勝手書いています。はじめて熱を出したラキとはじめて人の看病をするレムの話。
平熱+3℃ ピピピ。 接触タイプの体温計が測定完了の合図を出したのを聞いて、僕は自身の額から薄っぺらいカードのようなそれを回収すると、そこに表示されている数字を確認した。
「39.2℃……」
昼に飲んだ解熱剤が切れたからだろう、また熱が上がっている。頭痛、発熱、眩暈——今グリーゼで流行中の宇宙風邪の症状にしっかり当てはまっている。
「まさかこの歳で寝込むほどの体調不良を起こすとはね……」
ガンガンと脳を揺らし思考を阻害する鈍い頭の痛みに、深いため息をひとつ吐いて、僕は瞼を閉じた。
この国の白質市民を相手に施される高等教育は全宇宙規模で見ても相当にレベルが高く、課題内容も授業の進行速度も厳しいと言われていた。グリーゼの学生に休んでいる暇はなく、ましてや娯楽に興じる余裕などあろうはずもない。体調不良による欠席の可能性など一切考慮されていない教育カリキュラムは、一日でも授業を欠席するとあとから遅れを取り戻すのは相当に面倒だし、生憎とこの閉鎖的社会の中じゃあ、レムナンが好む映画や小説をはじめとするフィクションの世界に出てくる、休んだ分のサポートをしてくれる親切な同級生など存在しなかった。誰がはじめに言い出したのか、他星系から『超階級国家』と呼ばれ、畏敬と畏怖が入り混じった眼差しで遠巻きに見られていたようなこの国で生き延びていくために、誰もが自分の力で自分一人分の将来を切り拓くだけで精一杯だった。
5197「39.2℃……」
昼に飲んだ解熱剤が切れたからだろう、また熱が上がっている。頭痛、発熱、眩暈——今グリーゼで流行中の宇宙風邪の症状にしっかり当てはまっている。
「まさかこの歳で寝込むほどの体調不良を起こすとはね……」
ガンガンと脳を揺らし思考を阻害する鈍い頭の痛みに、深いため息をひとつ吐いて、僕は瞼を閉じた。
この国の白質市民を相手に施される高等教育は全宇宙規模で見ても相当にレベルが高く、課題内容も授業の進行速度も厳しいと言われていた。グリーゼの学生に休んでいる暇はなく、ましてや娯楽に興じる余裕などあろうはずもない。体調不良による欠席の可能性など一切考慮されていない教育カリキュラムは、一日でも授業を欠席するとあとから遅れを取り戻すのは相当に面倒だし、生憎とこの閉鎖的社会の中じゃあ、レムナンが好む映画や小説をはじめとするフィクションの世界に出てくる、休んだ分のサポートをしてくれる親切な同級生など存在しなかった。誰がはじめに言い出したのか、他星系から『超階級国家』と呼ばれ、畏敬と畏怖が入り混じった眼差しで遠巻きに見られていたようなこの国で生き延びていくために、誰もが自分の力で自分一人分の将来を切り拓くだけで精一杯だった。
abicocco
PAST革命レムラキ最終話!楽しかったのでこの二人の設定で革命後のエピソードも書けたらいいな〜The ghost sleep somewhere 3(終) レムナンの仕入れた情報によれば、医療船で働いている者の数は人間、擬知体双方とも夜より昼の方が圧倒的に多い。そこで朝に比べると警備も手薄な夜勤組の出勤時間を狙って、レムナンも潜り込むことにした。流石に病院内で鳥のラジコンを好き勝手に喋らせるわけにもいかないので、ラキオの手で入力された内容は無線イヤホンを介して音声データとなりレムナンに届くという外仕様に変更された。出力側を変えたついでに入力側のデバイスも、レムナンが持っているのを横からラキオが入力しても周囲から見て違和感が少ないよう、旧式の携帯ゲームパッドに取り替えられた。傍から見れば職場にまで趣味を持ち込んでいるゲームフリークにしか見えないだろう。ラキオはレムナンの説明を聞いてそれでいいのかとツッコみたい気持ちに駆られたものの、自分の発言手段を奪われてはかなわないので大人しくそれらの変更を受け入れた。
7142abicocco
PASTノーマルエンド後、グリーゼにて革命中のレムラキ。死亡説の出たラキオが意識だけでレムナンに会いにきて、行方不明になったラキオの肉体を二人で探す話。
ふたりの関係はブロマンス寄り。
The ghost sleep somewhere 1 気が付くと、ラキオは部屋の真ん中で突っ立っていた。白い壁と青みがかったグレーの床。何の変哲もないごく一般的な居住船の一室だ。平凡なつくりの住居の中で、グリーゼでは滅多にお目にかかれないフードプリンターがキッチンカウンターの上を占領している。それを見てようやく、ラキオはここが自身の暮らしている家だという確信を得た。
己がどこにいるのかは分かった。問題はなぜ、今、自宅にいるのかということだ。今日は革命を成功に導くための足がかりとなるであろう重要な会談に出かけたはずだ。なのにどうしてここにいる? 少なくとも何かしらのトラブルが起きたことは間違いない。まずはレムナンにこのことを報告しなくては。
なにかあったときのためにレムナンは会談場所から近い建物で待機しているという話だった。今も同じ場所に留まっているのかまでは分からないが、少なくともまだ帰宅してはいないだろう。となれば通信で連絡を送らなければ。
7368己がどこにいるのかは分かった。問題はなぜ、今、自宅にいるのかということだ。今日は革命を成功に導くための足がかりとなるであろう重要な会談に出かけたはずだ。なのにどうしてここにいる? 少なくとも何かしらのトラブルが起きたことは間違いない。まずはレムナンにこのことを報告しなくては。
なにかあったときのためにレムナンは会談場所から近い建物で待機しているという話だった。今も同じ場所に留まっているのかまでは分からないが、少なくともまだ帰宅してはいないだろう。となれば通信で連絡を送らなければ。
ofu_chiamido
DONEgnsnパロちあみど。フォンテに住む工場員の❤️×助手の💚の話。
今なら設定盛り込んでも許される!!実装情報出る前に書け!!の精神で書き上げたので国の詳細な設定などは想像で書いてます。
公式の設定やPV、その他映像などから全体的に🇫🇷と🇬🇧の革命期をイメージしてます。
願いは瞳に降り注ぐ「ふう、ようやく終わった…」
「……」
息を吐く青年の隣に佇む、美しい人形のような彼は、不安そうに青年を見た。本当にこれでいいのか、大丈夫なのかと見つめている。
「そんなに不安そうな顔をしなくても、ちゃんと手続きは終わってるぞ。ほら」
これが証明だと言わんばかりに書類の山を手渡され、それを受け取ればズシリとした重さがあって、たった一つの契約にこれほどまでの書類が必要なのかと、改めてこの国の制度に辟易した。
チアキはフォンテーヌの町工場で働く青年だ。決して大きくはない工場から、いつか大きな希望を送り出すことを夢見ている。「いつか、風の翼が無くても飛び立てる、そんな機械を作りたいんだ。大人数が空を飛べたら、気持ちいいだろうからな!」というのが彼の口癖だった。
36759「……」
息を吐く青年の隣に佇む、美しい人形のような彼は、不安そうに青年を見た。本当にこれでいいのか、大丈夫なのかと見つめている。
「そんなに不安そうな顔をしなくても、ちゃんと手続きは終わってるぞ。ほら」
これが証明だと言わんばかりに書類の山を手渡され、それを受け取ればズシリとした重さがあって、たった一つの契約にこれほどまでの書類が必要なのかと、改めてこの国の制度に辟易した。
チアキはフォンテーヌの町工場で働く青年だ。決して大きくはない工場から、いつか大きな希望を送り出すことを夢見ている。「いつか、風の翼が無くても飛び立てる、そんな機械を作りたいんだ。大人数が空を飛べたら、気持ちいいだろうからな!」というのが彼の口癖だった。
なごち@移住
DOODLE夏暑すぎてアイス貪り食う千葉氏クールな表情が崩れるほどホットな気温!
シンプルモードで最後まで描こうとしないで
色塗りはスタジオモードに戻った方が楽と気づいて
色トレスまでささっと仕上げた
革命的ですよ本当にセルシスありがとうな…
バニラにしたけど何味のアイスが好きなんだろう
チョコミント好きですか?
yksmmsky
DONE8/20賢マナで頒布予定の漫画『ヒズ・オールド・フレイム』遠征先で眠らないファウストがネロと焚き火を囲んで夜更かしする話です。ネファ、カプ要素薄め、湿度高め。
革命軍やアレクの姿捏造あり。
お尻たたきとして途中までアップします
*
無事発行できました!ありがとうございました!通販↓
https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031086673 20
ふすまこんぶ
DONE旦那氏×将軍話2人が「革命」を起こす話です
誰も知らない革命(1)顔が熱くて、眠たくて、気分がふわふわする。ソファの上に寝転がって、携帯端末を手に取った。壁紙は妻がソファで爆睡している時の写真。大きないびきをかいて寝ていたのが面白くって、思わず写真に収めたものだ。
ホーム画面のアイコンをタップし、アプリを開く。PaceBookという、昔からピリカで人気のSNSだ。テキストや写真を投稿できる、気軽に書ける日記アプリケーションと言えば良いだろうか。全世界へ向けて公開することもできるけど、自分の許可したユーザーにのみ閲覧させることも可能だ。
娘たちに勧められ僕もPaceBookを始めた。最初はただ他の人の投稿を見るだけだったけれども、自分も何か書いてみようかなと思い至って、簡単な文章と妻の写真をアップロードしたんだった。
6835ホーム画面のアイコンをタップし、アプリを開く。PaceBookという、昔からピリカで人気のSNSだ。テキストや写真を投稿できる、気軽に書ける日記アプリケーションと言えば良いだろうか。全世界へ向けて公開することもできるけど、自分の許可したユーザーにのみ閲覧させることも可能だ。
娘たちに勧められ僕もPaceBookを始めた。最初はただ他の人の投稿を見るだけだったけれども、自分も何か書いてみようかなと思い至って、簡単な文章と妻の写真をアップロードしたんだった。
とふゆ
DONE津美紀視点の五伏(未満)津美紀と五条が喋っていて、ショ恵は寝てる。
五伏左右相手ド固定が書いた後に五伏になる五と伏なので五伏です。
弟をとても大切に思っている津美紀は、突然現れた胡散臭いほど綺麗な顔立ちの男がいつか恵みを連れて行ってしまうのではないかと内心怯えていて……。
※web再録『今日をおしえて』内の「トイレットペーパー革命」後の話ですが、そちらを読んでいなくても特に影響はありません。
彼とあの子「五条さん」
うん? と振り返った五条の視線が宙をさまよう。思い出したように視線を下ろす様を見て、自分はもとより彼の眼中にないのだろうと津美紀は思う。
「なぁに? 津美紀ちゃん」
五条の口元が一瞬で笑みの形に変わる。真っ黒な眼鏡で隠されたままの瞳はどんな表情を浮かべているのだろう。津美紀の目線に合わせるように膝を折った五条を見つめながら、津美紀はもう一度固い声で男の名を呼んだ。
「五条さん」
軽く首を傾げた五条がサングラスを親指で持ち上げた。露わになった宝石のような瞳が津美紀の瞳とかち合い、瞬き、ふと表情を改めた。そしてサングラスをはずし胸ポケットに納めながら、五条が問う。
「どうしたの。津美紀ちゃん」
8846うん? と振り返った五条の視線が宙をさまよう。思い出したように視線を下ろす様を見て、自分はもとより彼の眼中にないのだろうと津美紀は思う。
「なぁに? 津美紀ちゃん」
五条の口元が一瞬で笑みの形に変わる。真っ黒な眼鏡で隠されたままの瞳はどんな表情を浮かべているのだろう。津美紀の目線に合わせるように膝を折った五条を見つめながら、津美紀はもう一度固い声で男の名を呼んだ。
「五条さん」
軽く首を傾げた五条がサングラスを親指で持ち上げた。露わになった宝石のような瞳が津美紀の瞳とかち合い、瞬き、ふと表情を改めた。そしてサングラスをはずし胸ポケットに納めながら、五条が問う。
「どうしたの。津美紀ちゃん」