怪談
kusatta_ri
DONE※長官処刑後設定 ギルコル都市伝説?都市怪談?を元にしたストーリーなのでどこかで見たことあるやつだと思います。
副長っぽさもあるけれどギルコルです。
ホラー風味だが大して怖くは無い。 5997
raulbanana1212
SPUR ME【gktu】應聲(試閱)※CWT62小料【後ろの正面だあれ?】的部分試閱
※文章內容與實際團體、個人無關
※怪談類描寫注意
※全都是個人妄想與私設,若能接受再往下閱讀感謝 2468
ciff_2
DONEパロで書いている猫っぽちんとひふみによる番外編の怪談です。前半の語りはモブの女性で、後半の語りは猫っぽちんです。
3Dビッグネコチャンの広告、わが家の屋根にもつけたいです。
守り神 乾いた音が路地裏に響きわたる。私は握りしめていた大事なものを取り落としてしまった。いま、なにかいた。すぐに周囲の様子を窺ったけれど、怯えるまなざしは宵闇を彷徨うばかりだった。でも、気のせいじゃない。いまもどこかにいて、私をじっと見ている。まるで針の雨を浴びているようだった。痛いほど鋭利なそれは私をその場に縫い留め、ほんのわずかでも動くことを許さなかった。私にできるのは、震える手を握り締めて息を殺すことだけだった。でも、探さなくちゃ。私はもう一度、眸を動かして身のまわりを確認した。薄汚れた建物の壁。転がった空のビールケース。ゴミの溢れる使い古されたポリバケツ。新聞紙と雑誌の束。濡れてぺしゃんこになった段ボール。外れて傾いた雨樋。潰れた自転車。どこにもいない。どこにもいないけれど、絶対にいる。だけど、私が落としたものはどこにもない。どうしても必要だったのに。私の思いの全てだったのに。思わず噛みしめた唇の端が切れた。それにしても暗い。表通りから溶けだしたネオンの光は逃げ水だ。私まで届いてはくれない。いつまで経っても夜目が利かないのも変だ。路地裏に降る宵闇が、私と外界を断つヴェールになっているみたいだ。さっきからずっと室外機の音がやけに耳についてうるさい。苛立ちが募っていく。私はつい舌打ちしながらねめつけた。室外機は埃まみれのがらくた同然の状態で、配管が外れていた。それならばこの音は一体なんだろう。だんだん大きくなっている。嵐の前触れかもしれない。なんだか海鳴りに似ている気がするから。身構えた私の視界の端で、ふいになにかがにびいろに光った。やっと見つけた。私の思いを直接届けてくれる大事なもの。私は駆け出した。ああよかった。どうにか退勤時間には間に合いそうだ。しかし伸ばした手がナイフに届く寸前、私の目のまえに大きな月がふたつ昇った。海鳴りが獣の唸り声に変わる。ナイフよりも鋭い牙が剥き出しになる。見上げても正体が分からないほど大きなばけもがそこにいた。
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DONEコミカライズ三巻限定版のドラパと楽曲の内容をもとに書いており、ネタバレ防止のためにワンクッション入れています。ホッケが聴覚だけじゃなくて視覚でも楽しめるようになりましたね。
最高で優勝で大感謝のあまり怪談を書きました。ひふどです。 3696
薬味如来
MEMOこちらのワベ伝言ゲーム2回戦目GIFログです!https://twitter.com/annouu_ronpa/status/1596516601842790402?s=20&t=1H3JO-o-eYElFdR99JEUFw
偽乳を見せびらかすキャン
べにお姫様抱っこされるキャン
綱引きワベ
雑魚寝ワベ
学校の怪談ラストシーンワベ 5
CIDKUN2
SPOILERマダミス「鳥葬の怪談」自担についての語り。ネタバレ
このキャラに関しては自分とキャラが完全に分離してロールプレイでキャラが勝手にしゃべっていました。
今でもその現象が不思議です。
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INFO*11/3ラヴコレ【あ10/お茶っぱ】発行本のサンプル。*Revel+泉(桧玲くっついている)で流星群を待っているあいだに怪談をするという話。一部再録。怖くないと思っているのですが苦手な方はお気をつけください。
*文庫サイズ/52p/全年齢
*部数アンケートのご協力ありがとうございました! 10967
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CAN’T MAKEこのメモ(https://poipiku.com/5934724/7598736.html )をもとに書いてみたけれどハロウィンというより夏の怪談では?となったまだ付き合ってない特殊設定なラン暦。 2573ciff_2
DONEひふみと猫っぽちん?による怪談です。不穏なまま終わる怪談重視エンド。猫又パロがベースになっています。
猫に飼われるがテーマでした。
成就 独歩が「にゃー」と鳴いた。
ふつうの猫として生きてきた時間より、ひととして生きてきた時間のほうが長い独歩は、とっくのむかしに鳴き方を忘れている。起き抜けでぼんやりしながら歯をみがいていたから気のせいだったのかもしれない。「おはよぉ独歩ちん」。足もとをうろうろしている独歩に話しかけると、洗面台のふちに飛び乗ってきた。「すーぐ落っこちるんだから、あんまりあぶないことすんなよ」。顔のまわりを撫でながら言い聞かせたけれど、ごろごろ喉を鳴らすばっかりで返事のひとつもしやしない。ほんとうに分かっているんだろうか。やがて俺の手から離れた独歩は、じっと蛇口を見つめた。まるでみずを欲しがっているようだった。でも。「独歩ちん。いっつも自分で出してるじゃん」。独歩はふつうの猫にあらず。ひとのすがたでいなくたって、蛇口くらい自分でひねるし歯だってみがける。はみがきしながら首をかしげた俺を、独歩がふりむいた。ちいさな満月の眸のなかで、俺はなぜだか不安そうな顔をしている。なんだろう。胸のなかでわだかまる、このたとえようのない違和感は。すっきりしない気持ちを洗い流したくて蛇口をひねると、すかさず独歩がみずにくちをつけた。その様子をなんとなくながめているときだった。夢中になって目測を誤ったせいだろうか。流水を直接浴びた独歩が、とても嫌そうに前足で顔をこすったのだ。
2156ふつうの猫として生きてきた時間より、ひととして生きてきた時間のほうが長い独歩は、とっくのむかしに鳴き方を忘れている。起き抜けでぼんやりしながら歯をみがいていたから気のせいだったのかもしれない。「おはよぉ独歩ちん」。足もとをうろうろしている独歩に話しかけると、洗面台のふちに飛び乗ってきた。「すーぐ落っこちるんだから、あんまりあぶないことすんなよ」。顔のまわりを撫でながら言い聞かせたけれど、ごろごろ喉を鳴らすばっかりで返事のひとつもしやしない。ほんとうに分かっているんだろうか。やがて俺の手から離れた独歩は、じっと蛇口を見つめた。まるでみずを欲しがっているようだった。でも。「独歩ちん。いっつも自分で出してるじゃん」。独歩はふつうの猫にあらず。ひとのすがたでいなくたって、蛇口くらい自分でひねるし歯だってみがける。はみがきしながら首をかしげた俺を、独歩がふりむいた。ちいさな満月の眸のなかで、俺はなぜだか不安そうな顔をしている。なんだろう。胸のなかでわだかまる、このたとえようのない違和感は。すっきりしない気持ちを洗い流したくて蛇口をひねると、すかさず独歩がみずにくちをつけた。その様子をなんとなくながめているときだった。夢中になって目測を誤ったせいだろうか。流水を直接浴びた独歩が、とても嫌そうに前足で顔をこすったのだ。
黒猫さん
MOURNING幼ミスタのとある夏の話「夏の終わりのラクシ怪談ワンライ」
夏チリン…チリン…と軽い鈴のような音が、風が吹く度聞こえてくる。
その日は風は吹いてたが、暑くて、ミスタは手に持っていたタオルで汗を拭った。
部屋の中なのに暑くて、暑くて、仕方がない。
ぼんやりと小窓から青空を見れば、雲がゆっくり動いていた。
「暑いなぁ……」
ぽつりと呟く。
ミスタの言葉に返事はかえってこない。
ミスタは細くて日焼けなんかしたことないような右腕を真っ直ぐにゆっくり、ゆっくり肩まで上げる。
そして人差し指だけ真っ直ぐに伸ばして、指の先に視線を投げた。
「どうして俺を置いていったの?」
目の前にいたのは、顔に幾つものシワやシミを隠そうと化粧をした女。
母…と言うべきその存在に、ミスタは夕日と海を表現したような瞳を彼女に向けていた。
1013その日は風は吹いてたが、暑くて、ミスタは手に持っていたタオルで汗を拭った。
部屋の中なのに暑くて、暑くて、仕方がない。
ぼんやりと小窓から青空を見れば、雲がゆっくり動いていた。
「暑いなぁ……」
ぽつりと呟く。
ミスタの言葉に返事はかえってこない。
ミスタは細くて日焼けなんかしたことないような右腕を真っ直ぐにゆっくり、ゆっくり肩まで上げる。
そして人差し指だけ真っ直ぐに伸ばして、指の先に視線を投げた。
「どうして俺を置いていったの?」
目の前にいたのは、顔に幾つものシワやシミを隠そうと化粧をした女。
母…と言うべきその存在に、ミスタは夕日と海を表現したような瞳を彼女に向けていた。
黒猫さん
MOURNING「夏の終わりのラクシ怪談ワンライ」ミスタが夢で怖い目にあう話
貴方は夢ミスタは夢を見ていた。
しとしと雨が降っていてそれでもミスタは濡れたという感覚がなくて、服も乾いていたから。
ミスタは自分の中で「これは夢だ」と思いながら1人、雨降る街を歩いた。
こんなにもはっきりと見える夢は珍しいなと思い、なにか出来ないかと当たりを見渡せば、明るい黄色の傘が広がっているのが見えた。
人がいるなんて思わなくて、そっと近づくと、小さな男の子だった。
「ねぇ、君…!」
4~6歳ぐらいの子だろうか、まぁるいほっぺに赤が差していて可愛らしいと思いながら、ミスタが声をかける。
しかし、子供はびっくりしたのか慌てるように黄色の傘を広げたまま、同じ黄色の長靴で水たまりをバシャバシャと進みながら逃げていく。
1529しとしと雨が降っていてそれでもミスタは濡れたという感覚がなくて、服も乾いていたから。
ミスタは自分の中で「これは夢だ」と思いながら1人、雨降る街を歩いた。
こんなにもはっきりと見える夢は珍しいなと思い、なにか出来ないかと当たりを見渡せば、明るい黄色の傘が広がっているのが見えた。
人がいるなんて思わなくて、そっと近づくと、小さな男の子だった。
「ねぇ、君…!」
4~6歳ぐらいの子だろうか、まぁるいほっぺに赤が差していて可愛らしいと思いながら、ミスタが声をかける。
しかし、子供はびっくりしたのか慌てるように黄色の傘を広げたまま、同じ黄色の長靴で水たまりをバシャバシャと進みながら逃げていく。
ライト
MOURNING「夏の終わりのラクシ怪談ワンライ」和風ホラー、🦊しか出てこない
てつなぎ「鳥居を潜る時は、手を離しちゃいけないよ」
それは、ミスタが小さい時からの祖母の口癖だった。日課のように神社にお参りに行くおばあちゃんっ子のミスタと、それに嬉しそうに着いていく祖母。毎回鳥居を潜る度にそんなことを言われるものだから、ミスタはもう慣れたように祖母の手をぎゅうと握り締める。祖母の皺だらけの温かい手が、何よりも心地が良くて握っているのが好きであった。
「ねぇおばあちゃん。なんで手をはなしちゃいけないの?」
まだあどけない声でミスタが問う。祖母は、ミスタのまぁるい瞳を覗き込み、真剣な瞳で告げる。
「それはね──」
とある夏の日のこと。ミスタは、日課である朝のお参り……ではなく、夜の神社に祖母と一緒に訪れていた。今日は、年一度のお祭りの日。ミスタは、真新しい甚平を身に纏って石造りの階段を、てくてくと歩いていた。ミスタの右手は祖母の左手にしっかりと握られている。
3043それは、ミスタが小さい時からの祖母の口癖だった。日課のように神社にお参りに行くおばあちゃんっ子のミスタと、それに嬉しそうに着いていく祖母。毎回鳥居を潜る度にそんなことを言われるものだから、ミスタはもう慣れたように祖母の手をぎゅうと握り締める。祖母の皺だらけの温かい手が、何よりも心地が良くて握っているのが好きであった。
「ねぇおばあちゃん。なんで手をはなしちゃいけないの?」
まだあどけない声でミスタが問う。祖母は、ミスタのまぁるい瞳を覗き込み、真剣な瞳で告げる。
「それはね──」
とある夏の日のこと。ミスタは、日課である朝のお参り……ではなく、夜の神社に祖母と一緒に訪れていた。今日は、年一度のお祭りの日。ミスタは、真新しい甚平を身に纏って石造りの階段を、てくてくと歩いていた。ミスタの右手は祖母の左手にしっかりと握られている。
hagi_pf
DOODLE雨クリワンドロ8/20お題:怪談怪談番組見てるだけの雨クリ
シャワーを浴びた雨彦が自室に戻ると、室内には不気味な音楽とボソボソとした話し声が響いていた。音の出処はテレビからで、どうやら有名な語り部が怪談を語り聞かせる番組の放送中のようだ。
夏といえば定番だろうというように、この時期はこの手の番組が増える。雨彦は好んで見るわけではないので、実際に放送されているのを目にするのは随分と久しぶりのことだった。
部屋を見渡すと、クリスが一人ソファに座り、番組をじっと眺めている。
「こういう番組を見ているのは珍しいな」
「たまたまやっていたのですが、つい見入ってしまいました」
ちらりと雨彦の方を見たクリスは、再びテレビの方に意識を戻してしまう。
クリスがこういったものを好むという話は聞いたことがない。本当に珍しいこともあるものだ、と思いながら、雨彦はクリスの隣に腰掛けた。
1446夏といえば定番だろうというように、この時期はこの手の番組が増える。雨彦は好んで見るわけではないので、実際に放送されているのを目にするのは随分と久しぶりのことだった。
部屋を見渡すと、クリスが一人ソファに座り、番組をじっと眺めている。
「こういう番組を見ているのは珍しいな」
「たまたまやっていたのですが、つい見入ってしまいました」
ちらりと雨彦の方を見たクリスは、再びテレビの方に意識を戻してしまう。
クリスがこういったものを好むという話は聞いたことがない。本当に珍しいこともあるものだ、と思いながら、雨彦はクリスの隣に腰掛けた。
高山雪
DONE20220820勇愛ワンドロお題「怪談」ずっと大のホラー好き者ですが、
こういうネタしか思いつけないダメな大人でございます😂✋
そして今まで一番お題に沿ってない気がしてドキドキ不安でしかないです…😇
めちゃくちゃシンプルなクオリティ且つこんなネタですが、
大目に見ていただければと…😇 2
ぬのさと
DONE「なつはきぬ」(完了)と読みます。「なつはこぬ」(否定)ではありません。暑いので、ふんわり怪談風味で現代AUの忘羨です。
夏は来ぬ 夏の青空に浮かぶ真っ白な雲のように、白い日傘はまぶしかった。白いワンピースからのぞく、すんなりとした白い手足。長い黒髪をゆるく束ねる白いリボンが、黒髪とともに揺れた。
日傘がくるくると回る。
断崖になっている岬の端に立つ白い少女は、海からの突風に日傘を吹き飛ばされた。
「どうぞ。壊れていないよ」
魏無羨は風にあおられて足もとまで転がってきた日傘を、少女に手渡した。絹糸の黒髪が乱れ、白く長いリボンとからまっている。華奢な指がもつれた髪を押さえた。
「大丈夫? 手伝おうか?」
少女は顔を上げた。のばした魏無羨の手が止まった。
古びた硝子のような虹色を帯びた薄黄色の瞳に、つきりと魏無羨の胸が痛んだ。
「あの丘の上のお屋敷に静養に来ているんだってよ、もう何年も前から――」
2464日傘がくるくると回る。
断崖になっている岬の端に立つ白い少女は、海からの突風に日傘を吹き飛ばされた。
「どうぞ。壊れていないよ」
魏無羨は風にあおられて足もとまで転がってきた日傘を、少女に手渡した。絹糸の黒髪が乱れ、白く長いリボンとからまっている。華奢な指がもつれた髪を押さえた。
「大丈夫? 手伝おうか?」
少女は顔を上げた。のばした魏無羨の手が止まった。
古びた硝子のような虹色を帯びた薄黄色の瞳に、つきりと魏無羨の胸が痛んだ。
「あの丘の上のお屋敷に静養に来ているんだってよ、もう何年も前から――」
コノハ(happanical)
DONE怪談オールキャラのわちゃわちゃです。アニメの文化祭回のノリで書きました。
怪談ーーー戦いから数年後、一同はカールのハロウィンイベントで行う肝試しのトライアル要員として集められたーーー
カール近郊の森にて一同が注目するなか、コホン、と軽く咳払いをするとアバンが説明を始めた。
「えー、我がカール王国のハロウィンでは、肝試しが恒例となっています。今日はその予行演習なワケですが、クジで決まった男女のペアで、森の中を歩いてゴールまでたどりついてもらいます。」
「途中、モンスターに扮した人々が脅かしてくるので、びっくりしたらお菓子をあげてくださいね。」
…ごく普通の街の人々だから、絶対倒しちゃあダメですよ、とアバンは何名かに視線を送った。
「それでは皆さんお待ちかね、クジ引きタイムです!!」
1番手を引き当てたポップとエイミは、ランプひとつの灯りを頼りに砂利道を進んでいた。
3118カール近郊の森にて一同が注目するなか、コホン、と軽く咳払いをするとアバンが説明を始めた。
「えー、我がカール王国のハロウィンでは、肝試しが恒例となっています。今日はその予行演習なワケですが、クジで決まった男女のペアで、森の中を歩いてゴールまでたどりついてもらいます。」
「途中、モンスターに扮した人々が脅かしてくるので、びっくりしたらお菓子をあげてくださいね。」
…ごく普通の街の人々だから、絶対倒しちゃあダメですよ、とアバンは何名かに視線を送った。
「それでは皆さんお待ちかね、クジ引きタイムです!!」
1番手を引き当てたポップとエイミは、ランプひとつの灯りを頼りに砂利道を進んでいた。
時緒🍴自家通販実施中
TRAINING8/13ワンライお題【怪談・山】
山で不思議なおじいさんを見た狡噛さんが中国の故事を持ち出して色々喋るお話です。
月夜の壺 任務を終え、月が大きな夜中に、木々の連なる山の中をバンで移動していた時の話だ。
花城は珍しくアイマスクをして眠り入り、須郷は勤勉にもデバイスで報告書を書いていた。俺は愛用の銃の手入れをしていて、狡噛は古びた本を小さなライトで照らしながらゆったりと読んでいた。運転手はこちらには話しかけて来ず、俺たちの間に会話はなかった。ただ少しおかしいことに、狡噛はどういうわけか、ふとした瞬間からバンの窓の外を見つめて動かなくなってしまった。本のページをめくる手も止まり、彼は夜中の山の景色に釘付けになっているようだった。
「どうしたんだ?」
俺は不思議に思って、銃の手入れを中断し、恋人に話しかけた。すると彼は狸にでも化かされたかのように「壺を持った老人を見たんだ」と言い、何かを考えるそぶりを見せた。こんな夜中に、こんな山の中を壺を抱えてすごすごと歩く老人か。案外その壺の中には骨が入っていたりして、と、俺は安い怪談のような空想をして、きっとそれとは全く違う想像をしているだろう狡噛を見た。
2357花城は珍しくアイマスクをして眠り入り、須郷は勤勉にもデバイスで報告書を書いていた。俺は愛用の銃の手入れをしていて、狡噛は古びた本を小さなライトで照らしながらゆったりと読んでいた。運転手はこちらには話しかけて来ず、俺たちの間に会話はなかった。ただ少しおかしいことに、狡噛はどういうわけか、ふとした瞬間からバンの窓の外を見つめて動かなくなってしまった。本のページをめくる手も止まり、彼は夜中の山の景色に釘付けになっているようだった。
「どうしたんだ?」
俺は不思議に思って、銃の手入れを中断し、恋人に話しかけた。すると彼は狸にでも化かされたかのように「壺を持った老人を見たんだ」と言い、何かを考えるそぶりを見せた。こんな夜中に、こんな山の中を壺を抱えてすごすごと歩く老人か。案外その壺の中には骨が入っていたりして、と、俺は安い怪談のような空想をして、きっとそれとは全く違う想像をしているだろう狡噛を見た。
夢路(ゆめじ)
DONE禍話・怪談手帖ファンアート「クジラウタ」
1枚目は発売記念のリメイク版、2枚目は『生でマガマガ言わせて!』ライブ配信後にかぁなっきさんへDM送付した初期版です。
書籍版
https://magabanayosamu.booth.pm/items/4036002
電子版
https://magabanayosamu.booth.pm/items/3966358 2