うすきみ
DONE眼鏡をかけ始めた後輩夢主と見惚れちゃう七海のお話SpecialThanks! 蒼月様
見惚れてました「それ、どうしたんですか?」
次の任務の為に待機室で待っていると、同行する予定だった七海さんがやって来て、開口一番にそう言った。
「それ、とは?」
「眼鏡ですよ」
私が聞くと、彼は私を見つめたまま言う。
「あぁ。これですか。先日の健康診断で引っかかりまして。確かに見えづらいなとは思っていたので、昨日の休みに買ってきました」
「……そうですか」
そう言いながら、七海さんはサングラスをカチャリと直す。そんなに変だったかな?
「変ですか?」
私が聞くと、彼は「いえ」と一言だけ言い、待機室を出ていく。私は不思議に思いつつも読んでいた本をしまって、彼の後に続いた。
七海さんは私の二つ上の先輩で、学生時代は余り接点は無かった。私が卒業して呪術師として任務にあたるようになってからも、相性のせいか余りアサインされることも無かった。だがここ数年、私が一級に上がってから特級任務や潜入任務などでアサインされる事が増え、食事に誘われたりする事も増えた気がする。高専でも人気御三家だし(残りは言わずもがな五条さんと夏油さんだ)大人で素敵だと思うけど、いまいち掴みきれないところがあって(表情変わらないし)私的にはあくまで『先輩』だ。
3324次の任務の為に待機室で待っていると、同行する予定だった七海さんがやって来て、開口一番にそう言った。
「それ、とは?」
「眼鏡ですよ」
私が聞くと、彼は私を見つめたまま言う。
「あぁ。これですか。先日の健康診断で引っかかりまして。確かに見えづらいなとは思っていたので、昨日の休みに買ってきました」
「……そうですか」
そう言いながら、七海さんはサングラスをカチャリと直す。そんなに変だったかな?
「変ですか?」
私が聞くと、彼は「いえ」と一言だけ言い、待機室を出ていく。私は不思議に思いつつも読んでいた本をしまって、彼の後に続いた。
七海さんは私の二つ上の先輩で、学生時代は余り接点は無かった。私が卒業して呪術師として任務にあたるようになってからも、相性のせいか余りアサインされることも無かった。だがここ数年、私が一級に上がってから特級任務や潜入任務などでアサインされる事が増え、食事に誘われたりする事も増えた気がする。高専でも人気御三家だし(残りは言わずもがな五条さんと夏油さんだ)大人で素敵だと思うけど、いまいち掴みきれないところがあって(表情変わらないし)私的にはあくまで『先輩』だ。
うすきみ
DONE学生夢主×大人七海歳の差両片想いの二人が付き合う迄のお話
まだ有効ですか?「な、七海さん!好きです!」
「……ありがとうございます」
私の人生最大の決死の告白は、呆気なくスルーされて終わった。
皆より遅れて高専に入学した私の遅れを取り戻すべく、マンツーマンで訓練や授業を教えてくれたのが七海さんだった。厳しくも優しくもある彼の教えはとても分かりやすく、呪術師としてだけではなく、人としても尊敬できる人で、子供の私の尊敬が恋に変わるのなんてあっという間だった。
二年になって私の等級が二級に上がり、少しだけ自信が付いたから、思い切って告白してみようと思った。きっと真面目な七海さんの事だから、学生の私と付き合うなんてことは無いとは思うけど、それでも伝えたかった。そして、その結果が冒頭の返事だ。
4092「……ありがとうございます」
私の人生最大の決死の告白は、呆気なくスルーされて終わった。
皆より遅れて高専に入学した私の遅れを取り戻すべく、マンツーマンで訓練や授業を教えてくれたのが七海さんだった。厳しくも優しくもある彼の教えはとても分かりやすく、呪術師としてだけではなく、人としても尊敬できる人で、子供の私の尊敬が恋に変わるのなんてあっという間だった。
二年になって私の等級が二級に上がり、少しだけ自信が付いたから、思い切って告白してみようと思った。きっと真面目な七海さんの事だから、学生の私と付き合うなんてことは無いとは思うけど、それでも伝えたかった。そして、その結果が冒頭の返事だ。
lionmaru_dolly
DONE【星空】「灰七webオンリー3」展示作品
〈花は花なれ 人も人なれ3〉の開催おめでとうございます!
12月に発行予定の灰七本(全年齢向け)の前半部分を展示しています。
こちらと後半部分を収録予定です。
(余力があれば別にr18本も作りたいです…余力…)
8/1か8/18を、灰くん誕生日(仮)と捏造して書いてます
パスワードは展示会場のスペース内です 10
lionmaru_dolly
DONE【冥さんと七海のお話】「灰七webオンリー3」展示作品 その2
〈花は花なれ 人も人なれ3〉の開催おめでとうございます!
2本目間に合いました!
冥さんの資産運用の相談に乗ってた時にでもポロッと出たのかな〜と。
カフェで話すただならぬ美男美女…!!
※236話(本誌ネタ)
※内臓出てます 9
acusu1979
DONEフォロワー様のリクエストになります寛→←七(お互い無自覚)です
散歩顔見知りから飲み仲間になるまでには時間がかからなかった。日車は不思議と七海とはウマが合うようで、同僚というには収まらない状態にある。二人で興味があることを語り合い、時にはただ静かに酒を酌み交わし日付が変わる頃に七海の部屋にお邪魔して朝を迎えるというのがいつものパターンになりつつあり、男同士での雑魚寝は大学生以来で少しだけ懐かしくもあって回数を重ねるのが多くなっていく。一方七海も社会人を経験していたとは言え不器用に、真っ直ぐに人と向き合い1度は挫折したものの、先を見ている日車の姿勢に自分の周りにはいない新鮮さもあって興味が増すばかりだった。
「七海、少し外に出ないか?」
自宅で飲み明かした次の日。珍しく日車が七海を誘っている。ちょうど行きつけのベーカリーに日車を誘おうと思っていた七海は二つ返事をして家を出た。
2130「七海、少し外に出ないか?」
自宅で飲み明かした次の日。珍しく日車が七海を誘っている。ちょうど行きつけのベーカリーに日車を誘おうと思っていた七海は二つ返事をして家を出た。
ごまわらび
DOODLE特に何も始まらない 七と棘(と伊)一度呪専に戻ったら次の任務に駆り出されちゃうからね。
小休止「狗巻君は?」
任務を終え、約束の場所に車を停めて一人待つ伊地知君に声をかける。
「あ、あれ?七海さんとご一緒かと・・・え、あれ?」
真面目な彼は、途端に血相を変えてキョロキョロと辺りを探し始めた。
「・・・やられましたね」
複数の二級呪霊を祓う任務。つい最近、一級に推薦されたばかりの彼は思っていたよりも優秀で、引率の私が手を貸す必要もないまま、予定していた半分にも満たない時間で任務を片付けてしまった。
事後処理のため、私は少しの時間現場に残り、彼には先に車に戻るよう伝えたはずが、どうも戻らなかったようだ。
こういったことは初めてではなかった。
彼は術式に声を、言葉を使うため、普段から語彙を絞っている。相手によって、言葉で伝えなくても問題ないと判断すれば、何も告げずにふらりと居なくなることがあるのだ。
1374任務を終え、約束の場所に車を停めて一人待つ伊地知君に声をかける。
「あ、あれ?七海さんとご一緒かと・・・え、あれ?」
真面目な彼は、途端に血相を変えてキョロキョロと辺りを探し始めた。
「・・・やられましたね」
複数の二級呪霊を祓う任務。つい最近、一級に推薦されたばかりの彼は思っていたよりも優秀で、引率の私が手を貸す必要もないまま、予定していた半分にも満たない時間で任務を片付けてしまった。
事後処理のため、私は少しの時間現場に残り、彼には先に車に戻るよう伝えたはずが、どうも戻らなかったようだ。
こういったことは初めてではなかった。
彼は術式に声を、言葉を使うため、普段から語彙を絞っている。相手によって、言葉で伝えなくても問題ないと判断すれば、何も告げずにふらりと居なくなることがあるのだ。
うすきみ
DONE心の声が聞こえるようになった夢主と七海のお話心の中は貴女でいっぱいですしくじった……。
その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車の後部座席に乗りこんだ。
「本当に大丈夫ですか?」
車が走り出すと、隣の七海は、独特のサングラスを指で押し上げながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?もしや……心の声が聞こえてる……?でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。距離が関係してるのかな?試しに少し運転席に近寄ってみると……
3050その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車の後部座席に乗りこんだ。
「本当に大丈夫ですか?」
車が走り出すと、隣の七海は、独特のサングラスを指で押し上げながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?もしや……心の声が聞こえてる……?でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。距離が関係してるのかな?試しに少し運転席に近寄ってみると……
うすきみ
DONE夢主に思いを寄せる七海が、モブと夢主のあらぬ現場を見てしまうお話ふたりの秘密年に数回行われる五条主催の慰労会(という名のただの宴会)がある。それは補助監督だけの時もあれば、呪術師だけの時もある。それが今回は補助監督、呪術師関係なく自由参加という事で、次の日が休みの○○は参加する事にした。
普段はあまりこういう会に参加しない彼女だが、ここ最近忙しく、暗い案件が続いたので、飲んで騒ぎたい気分だったのだ。
仕事を片付け、指定の居酒屋に着いた頃には既に出来上がっている者もいたが、彼女の到着にいち早く気づいた家入が手を挙げて彼女を誘った。常日頃から仲良くしてもらっている先輩に呼ばれたのが嬉しく、彼女は満面の笑みを浮かべて家入の元へ向かった。
「おつかれ。ビールでいいかい?」
「はい。ありがとうございます」
3160普段はあまりこういう会に参加しない彼女だが、ここ最近忙しく、暗い案件が続いたので、飲んで騒ぎたい気分だったのだ。
仕事を片付け、指定の居酒屋に着いた頃には既に出来上がっている者もいたが、彼女の到着にいち早く気づいた家入が手を挙げて彼女を誘った。常日頃から仲良くしてもらっている先輩に呼ばれたのが嬉しく、彼女は満面の笑みを浮かべて家入の元へ向かった。
「おつかれ。ビールでいいかい?」
「はい。ありがとうございます」
うすきみ
DONE両片思いの七海と夢主がお互いの気持ちを伝え合うまでのお話帰りたくない、帰したくない呪術師の先輩、七海さんと二人で出掛けるようになったのは一年ほど前。合同任務の帰りに行った食事がきっかけだった。好きな物の話をしていると、思っている以上に趣味が合った。好物、観ている映画、読んでいる本、驚くほど一致した。それからは休みを合わせて映画を観に行ったり、お互いのおすすめの本屋へ出掛けたり、お気に入りのレストランへ行って食事をするようになった。
最初は本当にただの先輩としか見ていなかった。確かにかっこいいし、仕事も出来るし、気遣いも出来るけど、私には素敵すぎる。だからそういう風に見ないようにしてた。でもやっぱりそれには限界があって、私の為に休みを合わせて出掛けてくれたり、普段は見せないような優しい笑顔で微笑みかけられれば、段々と恋心が育ってしまう。二人で出掛けるようになって半年も経てば、私は七海さんを好きになっていたし、一年経てばその先を望むようになってしまっていた。
2594最初は本当にただの先輩としか見ていなかった。確かにかっこいいし、仕事も出来るし、気遣いも出来るけど、私には素敵すぎる。だからそういう風に見ないようにしてた。でもやっぱりそれには限界があって、私の為に休みを合わせて出掛けてくれたり、普段は見せないような優しい笑顔で微笑みかけられれば、段々と恋心が育ってしまう。二人で出掛けるようになって半年も経てば、私は七海さんを好きになっていたし、一年経てばその先を望むようになってしまっていた。
うすきみ
DONE雨に濡れた七海と夢主、そこから何かが始まるお話覚悟してください山奥の廃墟。呪霊祓除に来ていた七海と同期の○○は途方に暮れていた。
一級相当が複数確認された為、珍しくアサインされた二人。当初は問題なく進んでいたのだが、途中から数体が外に飛び出した。帳があるので逃げられることは無いが、雨の降る廃墟の外を走り回らされる事となった。小雨ならまだしも、この日は列島に近づく台風の影響で大粒の雨が止めどなく降り続いていた。もちろん祓除は問題なく終了したが、彼らはまるでプールにでも飛び込んだ様にぐっしょりと濡れてしまっていた。この日は電車で帰ることになっていた二人は、降り続く雨とずぶ濡れになった自分達を見て、途方に暮れた。
「これじゃ帰れないね」
「そうですね」
「一応電話してみようか」
2194一級相当が複数確認された為、珍しくアサインされた二人。当初は問題なく進んでいたのだが、途中から数体が外に飛び出した。帳があるので逃げられることは無いが、雨の降る廃墟の外を走り回らされる事となった。小雨ならまだしも、この日は列島に近づく台風の影響で大粒の雨が止めどなく降り続いていた。もちろん祓除は問題なく終了したが、彼らはまるでプールにでも飛び込んだ様にぐっしょりと濡れてしまっていた。この日は電車で帰ることになっていた二人は、降り続く雨とずぶ濡れになった自分達を見て、途方に暮れた。
「これじゃ帰れないね」
「そうですね」
「一応電話してみようか」
acusu1979
DONE今回はハピエンではございません!お気をつけください!!
みのじさん(@kanashiki79)さんの
500話達成記念で
御本人のリクエストで書かせて頂きました!
おめでとうございます!
寛と七です!!掛けておりません
30分 5000円注意書き
私が今回書いた職業は私の空想とご都合で書かれており実際の職業の現状とはかけ離れているかと思います。それを踏まえた上でお読みくださいます様よろしくお願いします。
「本日はよろしくお願いします」
深くお辞儀をして日車は顔をあげた。目の前にいるのは自身が個人契約をしている雇い主の一人のご令嬢で、彼女からの指名で父親の持つ自家用ジェットを操縦することになっていた。
「日車さん、わがままを言ってごめんなさい。どうぞよろしくお願いします」
たおやかな笑みを浮かべた彼女は手を差し出してきたのでそっと指先を持ち握手を返し、手を離すとテーブルから椅子を引き座るように促す。彼女を座らせると自分も向かい合って席につく。
10129私が今回書いた職業は私の空想とご都合で書かれており実際の職業の現状とはかけ離れているかと思います。それを踏まえた上でお読みくださいます様よろしくお願いします。
「本日はよろしくお願いします」
深くお辞儀をして日車は顔をあげた。目の前にいるのは自身が個人契約をしている雇い主の一人のご令嬢で、彼女からの指名で父親の持つ自家用ジェットを操縦することになっていた。
「日車さん、わがままを言ってごめんなさい。どうぞよろしくお願いします」
たおやかな笑みを浮かべた彼女は手を差し出してきたのでそっと指先を持ち握手を返し、手を離すとテーブルから椅子を引き座るように促す。彼女を座らせると自分も向かい合って席につく。
acusu1979
DONE七海さん家の幼女にてBoostをしてくださった方へのお礼とさせていただきます。
ありがとうございました。
Boostをして頂いた方に個別にパスワードを送らせていただきます。
追記:頒布本の在庫が無くなりましたので
公開とさせて頂きました。
購入してくださった皆様ありがとうございました。
とある日時計の針は朝の10時を少し過ぎた頃。今日は土曜日でお父さんはお仕事。パパと2人で今日はお昼ご飯を作る約束をしていたんだ…なのに…
「すみません。家入さん」
「七海も大変だな。焦らず気をつけて」
ここは呪専の保健室の前。パパのところに急に来たお仕事の為に私は硝子ちゃんに預けられた。私は不機嫌にさっきからずっとパパの上着の裾を握っている。しかも強めにです…普段なら「シワになりますから」と言ってきて辞めさせようとするパパだけど今日は何も言ってこない。う…お腹ぐるぐるする…
「はい。なるべく早く終わらせます。雛?」
「雛…ちゃんと行ってきますを言わないと後悔しても知らないぞ」
「パパ…」
「はい」
私がパパを呼ぶとしゃがんで目を合わせてくれる。
2765「すみません。家入さん」
「七海も大変だな。焦らず気をつけて」
ここは呪専の保健室の前。パパのところに急に来たお仕事の為に私は硝子ちゃんに預けられた。私は不機嫌にさっきからずっとパパの上着の裾を握っている。しかも強めにです…普段なら「シワになりますから」と言ってきて辞めさせようとするパパだけど今日は何も言ってこない。う…お腹ぐるぐるする…
「はい。なるべく早く終わらせます。雛?」
「雛…ちゃんと行ってきますを言わないと後悔しても知らないぞ」
「パパ…」
「はい」
私がパパを呼ぶとしゃがんで目を合わせてくれる。
そらまめ
DONE伊地知さんから見たナナミンってどんな感じかな……と思って書きました。伊地知、虎杖、七海の三人が登場します。秘密「失礼、少々電話をしてもいいですか?」
「どうぞ、ここで待っていますね」
着電を伝えるスマホを持って七海建人が車の後部座席から降りた。運転席に座る伊地知潔高は、ドアミラー越しに七海の姿を目視し、すぐには終わらなさそうな用件だなと予想した。
平日のお昼を過ぎた中途半端な時間のコンビニの駐車場にはこの車しか停まっていない。伊地知はエンジンを停止して、ルームミラーで後部座席を確認した。そこには、くわ、と大きな口を開けてあくびをする虎杖悠二の姿が映っていた。
「虎杖くん、お茶飲みますか?」
「飲む~」
伊地知は助手席に置いていたビニール袋からペットボトルのお茶を取り出して渡す。
「はい、どうぞ」
「ありがとう~」
4758「どうぞ、ここで待っていますね」
着電を伝えるスマホを持って七海建人が車の後部座席から降りた。運転席に座る伊地知潔高は、ドアミラー越しに七海の姿を目視し、すぐには終わらなさそうな用件だなと予想した。
平日のお昼を過ぎた中途半端な時間のコンビニの駐車場にはこの車しか停まっていない。伊地知はエンジンを停止して、ルームミラーで後部座席を確認した。そこには、くわ、と大きな口を開けてあくびをする虎杖悠二の姿が映っていた。
「虎杖くん、お茶飲みますか?」
「飲む~」
伊地知は助手席に置いていたビニール袋からペットボトルのお茶を取り出して渡す。
「はい、どうぞ」
「ありがとう~」
うすきみ
DONE七海とピュアOLのお話可哀想な人ですね何件かある行きつけのコーヒーショップの一件で彼女と出会った。
いつも少し遠くの席から私の事を見つめては溜息をつき、コーヒーを飲み干すと帰っていく。
初めは鬱陶しく思っていたが、周りにいる女とは違う事に気づき少しだけ気になった。
そのうちそのコーヒーショップに通う頻度が増え、彼女が仕事の昼休みに来ている事に気づく。
いつもチョコスコーンとカフェオレを頼み、私を見つけると顔を綻ばせ、私の視界に入らない席に座る。
そして私を眺め職場に戻っていく。
服装からして近くの証券会社の受付でもしているのだろう。
いつしか彼女を探すのが癖になっていた。
そんなある日。
彼女がいつも通りの時間にやってきた。
今日はなんだかいつもと違う。
2397いつも少し遠くの席から私の事を見つめては溜息をつき、コーヒーを飲み干すと帰っていく。
初めは鬱陶しく思っていたが、周りにいる女とは違う事に気づき少しだけ気になった。
そのうちそのコーヒーショップに通う頻度が増え、彼女が仕事の昼休みに来ている事に気づく。
いつもチョコスコーンとカフェオレを頼み、私を見つけると顔を綻ばせ、私の視界に入らない席に座る。
そして私を眺め職場に戻っていく。
服装からして近くの証券会社の受付でもしているのだろう。
いつしか彼女を探すのが癖になっていた。
そんなある日。
彼女がいつも通りの時間にやってきた。
今日はなんだかいつもと違う。
うすきみ
DONE同期の夢主を口説いていく話貴女を攫いに来ました任務帰りに呼び出され向かった学長室で唐突に告げられた。
『七海が呪詛師に認定された』
頭は理解に苦しみ思考が止まっているのに、隠したはずの心は悲鳴をあげた。
「な……」
絞り出そうとした言葉は続かず、察した学長が詳細を話し出す。
「働いていた会社の同僚や上司の非術師十七名を殺害後行方を眩ませた。現在はーーー」
学長の声が霞んで聞きづらい。
息がしにくい。
呼吸ってどうするんだっけ。
「もしかしたら、お前に………耀!大丈夫か!?」
遠くで私を呼ぶ声がする。
大丈夫と言いたいのに声が出ない。
息ができない。
意識が、遠のく……。
久々の単独任務。
廃墟の中に呪霊の気配を確認して帳を下ろす。
と同時に呪霊の気配が消える。
え?どういう事?
3221『七海が呪詛師に認定された』
頭は理解に苦しみ思考が止まっているのに、隠したはずの心は悲鳴をあげた。
「な……」
絞り出そうとした言葉は続かず、察した学長が詳細を話し出す。
「働いていた会社の同僚や上司の非術師十七名を殺害後行方を眩ませた。現在はーーー」
学長の声が霞んで聞きづらい。
息がしにくい。
呼吸ってどうするんだっけ。
「もしかしたら、お前に………耀!大丈夫か!?」
遠くで私を呼ぶ声がする。
大丈夫と言いたいのに声が出ない。
息ができない。
意識が、遠のく……。
久々の単独任務。
廃墟の中に呪霊の気配を確認して帳を下ろす。
と同時に呪霊の気配が消える。
え?どういう事?
うすきみ
DONE思わぬ所から恋が生まれる話きっかけはあなたから私には一つ上に四人の先輩がいる。
最強のクズ二人に、傍観しながら面白がる反転術式使い、そしてクズ二人に勝るとも劣らないクズお嬢様。
この四人に高専時代散々遊ばれた。
灰原は何がいいのかクズの一人、夏油さんを崇拝しているので楽しい高専時代だったようだ。
それは卒業してからも変わらない。
クズ二人は何故か教師になった為、高専に居ることが多い。
任務終わりに高専に寄ろうものなら捕まってウザ絡みされる。
そこにお嬢様が加われば最悪だ。
お嬢様は呪術師のはずなのに良く遭遇する。
術式がお互い近接で合同任務なんて皆無なのに、だ。
彼女は五条家程では無いが、由緒正しい家系だ。
術式も一子相伝の物で、今は彼女しか使えない。
お嬢様の割には世間を分かっていて、空気も読めるし気も使える。
4625最強のクズ二人に、傍観しながら面白がる反転術式使い、そしてクズ二人に勝るとも劣らないクズお嬢様。
この四人に高専時代散々遊ばれた。
灰原は何がいいのかクズの一人、夏油さんを崇拝しているので楽しい高専時代だったようだ。
それは卒業してからも変わらない。
クズ二人は何故か教師になった為、高専に居ることが多い。
任務終わりに高専に寄ろうものなら捕まってウザ絡みされる。
そこにお嬢様が加われば最悪だ。
お嬢様は呪術師のはずなのに良く遭遇する。
術式がお互い近接で合同任務なんて皆無なのに、だ。
彼女は五条家程では無いが、由緒正しい家系だ。
術式も一子相伝の物で、今は彼女しか使えない。
お嬢様の割には世間を分かっていて、空気も読めるし気も使える。
うすきみ
DONE術式が使える本屋の店員と七海建人の話「すみません。この本を探しているのですが」
午後の店が落ち着いた時間。
棚の整理をしていると低い声に問われた。
営業スマイルを顔に貼り付けて振り返るとそこには噂の王子が立っていた。
「はい。こちらです」
私は彼の前を歩き、お目当ての本のところまで案内する。
一冊の本を棚から出し「こちらでよろしいですか?」と聞くと、少し口角を上げて「ありがとうございます」と嬉しそうにしていた。
彼は良く見るお客様だ。
いつもベージュのスーツに変な柄のネクタイと変なサングラスをしている。
金髪に高い身長、日本人離れした顔で気にしてなくとも覚えていた。
レジで対応した同僚は「対応がマジ紳士。マジ神。マジ王子」と興奮して語彙力を無くしていた。
4140午後の店が落ち着いた時間。
棚の整理をしていると低い声に問われた。
営業スマイルを顔に貼り付けて振り返るとそこには噂の王子が立っていた。
「はい。こちらです」
私は彼の前を歩き、お目当ての本のところまで案内する。
一冊の本を棚から出し「こちらでよろしいですか?」と聞くと、少し口角を上げて「ありがとうございます」と嬉しそうにしていた。
彼は良く見るお客様だ。
いつもベージュのスーツに変な柄のネクタイと変なサングラスをしている。
金髪に高い身長、日本人離れした顔で気にしてなくとも覚えていた。
レジで対応した同僚は「対応がマジ紳士。マジ神。マジ王子」と興奮して語彙力を無くしていた。
うすきみ
DONE心の声が聞こえる呪いにかかった七海の話しくじった……。
その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。
順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。
が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車に乗った。
「本当に大丈夫ですか?」
七海は、独特のサングラスを直しながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?
もしや……心の声が聞こえてる……?
でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。
3086その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。
順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。
が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車に乗った。
「本当に大丈夫ですか?」
七海は、独特のサングラスを直しながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?
もしや……心の声が聞こえてる……?
でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。
うすきみ
DONE愛の言葉はデンマーク後で告げられる「jeg elsker dig」
「へ?」
任務が終わり、帳の外に出ようとすると七海が後ろから声を掛けてきた。でもなんて言ったか分からない。
「なんて?」
「jeg elsker dig です」
「え、何語?」
「デンマーク語です」
七海はスタスタと私を追い越していく。
「なんて意味?」
「それは自分で調べてください」
「えぇー。私日本語も危ういのにー」
頭を掻きむしる私を見て七海は鼻で笑う。
「せいぜい頑張ってください」
そう言って七海は私を残し帳を出ていく。
私は悔しさに顔を歪めながら、彼の後を走って追いかけた。
任務の合間の空き時間、同期のいる医務室のソファで一人寛ぐ。
「硝子、デンマーク語わかる人知らん?」
「は?七海に聞けばいいだろ」
3990「へ?」
任務が終わり、帳の外に出ようとすると七海が後ろから声を掛けてきた。でもなんて言ったか分からない。
「なんて?」
「jeg elsker dig です」
「え、何語?」
「デンマーク語です」
七海はスタスタと私を追い越していく。
「なんて意味?」
「それは自分で調べてください」
「えぇー。私日本語も危ういのにー」
頭を掻きむしる私を見て七海は鼻で笑う。
「せいぜい頑張ってください」
そう言って七海は私を残し帳を出ていく。
私は悔しさに顔を歪めながら、彼の後を走って追いかけた。
任務の合間の空き時間、同期のいる医務室のソファで一人寛ぐ。
「硝子、デンマーク語わかる人知らん?」
「は?七海に聞けばいいだろ」
acusu1979
DONE9/18七伊Webオンリーイベント展示用作品です。支部と同じものをこちらにも上げます。
お越しいただきありがとうございましたー!
魅力「伊地知君の魅力ですか?」
満開の桜も過ぎ、繁忙期とはいかないが忙しさはまだまだ収まらない…そんな季節。伊地知はこれからお願いする任務の資料を呪術師の待機する部屋に届ける為扉に手をかけようとしたところだった。
「どうしてまた?…失礼ですが…」
「あー!!違います!違います!!!私は七海×伊地知派です!七伊派です!!」
「アナタ何を言っているか解ってるんですか…」
この会話から察するにどうやら七海と呪術師が会話している様だった。七海から見た伊地知の魅力を聞いているようである。このまま聞きたい様な、そんな事を聞くと今日これからが仕事にならなくなる様な複雑さ気分である…(乙女でもあるまいし…)伊地知は小さく深呼吸をすると扉を引いたのだった。
4281満開の桜も過ぎ、繁忙期とはいかないが忙しさはまだまだ収まらない…そんな季節。伊地知はこれからお願いする任務の資料を呪術師の待機する部屋に届ける為扉に手をかけようとしたところだった。
「どうしてまた?…失礼ですが…」
「あー!!違います!違います!!!私は七海×伊地知派です!七伊派です!!」
「アナタ何を言っているか解ってるんですか…」
この会話から察するにどうやら七海と呪術師が会話している様だった。七海から見た伊地知の魅力を聞いているようである。このまま聞きたい様な、そんな事を聞くと今日これからが仕事にならなくなる様な複雑さ気分である…(乙女でもあるまいし…)伊地知は小さく深呼吸をすると扉を引いたのだった。
acusu1979
DONEお待たせしました!七伊の現パロのお話です。イメージは呪専ミンと呪専伊君ぐらいのイメージでお願いします!
あなたは1時間以内に6RTされたら、再婚の連れ子同士の設定で公衆の前で告白する七伊の、漫画または小説を書きます。
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連れ子小さい頃、実母とは死別。父親はその時から男手一つで潔高を育ててきてくれた。中学2年生が終わる春休みを前にそんな父親から「会ってほしい人がいる」と言われ二つ返事で頷いた。
待ち合わせをしたレストラン。緊張した面持ちで潔高は父親の恋人を待っている。
やがてウェイターに案内されて入ってくる女性と少年。父親が椅子から立ち上がるのに倣って慌てて自分も立ち上がったのだった。
「お待たせしたかしら?ごめんなさい」
「いや、待ってないよ。時間通り」
親同士の会話。父親が女性の後ろの少年に声をかける。
「君が建人君だね。初めまして…伊地知です」
「初めまして。七海建人です。よろしくお願いします」
「じゃあ、君が潔高君かな?」
女性の問いかけにニコリと微笑み答える。
6698待ち合わせをしたレストラン。緊張した面持ちで潔高は父親の恋人を待っている。
やがてウェイターに案内されて入ってくる女性と少年。父親が椅子から立ち上がるのに倣って慌てて自分も立ち上がったのだった。
「お待たせしたかしら?ごめんなさい」
「いや、待ってないよ。時間通り」
親同士の会話。父親が女性の後ろの少年に声をかける。
「君が建人君だね。初めまして…伊地知です」
「初めまして。七海建人です。よろしくお願いします」
「じゃあ、君が潔高君かな?」
女性の問いかけにニコリと微笑み答える。