somakusanao
DONE不謹慎なココイヌのつづき。今日は鶴蝶くん。鶴蝶くん、だいすきです。『禁じられた遊び』③「おまえは死んだらどこにいくんだ」
『梵天』の幹部のひとりである九井一はなにかと噂の多い人物だ。金稼ぎの才能と共に、厄介な性格が語られる。曰く、人を殺すのに躊躇がない。曰く、ヤクザと繋がっている。曰く、麻薬に詳しすぎる。曰く、頭は良いが、ぶっ飛んでいる。
なによりあのイザナが、黒川イザナが、彼のことを危険視していた。瞼を閉じた鶴蝶の耳にイザナの声が蘇る。九井はヤバイやつだけど、乾といっしょに居たらまだマシだ。だからあいつらは離さずにいろよ。
乾という男の名は、たびたびイザナの口から話された。オレにすこし似ている。と言っていた。
乾の話をするときのイザナはすこしだけ懐かしそうで、すこしだけつらそうにしている。乾がイザナの兄、真一郎と由縁があったからだろう。しかし話が九井に移ると、イザナの顔は冷徹なボスに戻る。九井は乾と離すなと、念を押すように言っていた。
2047『梵天』の幹部のひとりである九井一はなにかと噂の多い人物だ。金稼ぎの才能と共に、厄介な性格が語られる。曰く、人を殺すのに躊躇がない。曰く、ヤクザと繋がっている。曰く、麻薬に詳しすぎる。曰く、頭は良いが、ぶっ飛んでいる。
なによりあのイザナが、黒川イザナが、彼のことを危険視していた。瞼を閉じた鶴蝶の耳にイザナの声が蘇る。九井はヤバイやつだけど、乾といっしょに居たらまだマシだ。だからあいつらは離さずにいろよ。
乾という男の名は、たびたびイザナの口から話された。オレにすこし似ている。と言っていた。
乾の話をするときのイザナはすこしだけ懐かしそうで、すこしだけつらそうにしている。乾がイザナの兄、真一郎と由縁があったからだろう。しかし話が九井に移ると、イザナの顔は冷徹なボスに戻る。九井は乾と離すなと、念を押すように言っていた。
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DONE不謹慎な話②三途春千代『禁じられた遊び』②三途春千代「乾赤音と乾青宗の話をしてやろうか」
深夜の東京湾。『梵天』を裏切った逃亡者の始末をして、迎えの車を待つ間。九井一はぽつりと言った。暗闇に紛れ九井の顔は見えない。声だけが響いている。
三途春千代は舌を打つ。乾姉弟は九井一の急所かと思っていたが、そうではなかったのか。腹の探り合いを楽しむ甲斐のない男に肩をすくめる。
「赤音さんはオレの初恋の女だ」
九井が知っているいちばん身近な女と言えば母親だが、はっきりといえば売春婦だった。九井をこの世に生んでくれたことは感謝しているが、それ以外のすべてを軽蔑している。ヤクザの情婦だったこともあり、そんなときは九井も麻薬の売買を手伝わされたこともあった。そんなとき稀に母親以外の女と接することがあったが、ろくな女ではなかった。あるいは不幸な女ばかりだった。
1347深夜の東京湾。『梵天』を裏切った逃亡者の始末をして、迎えの車を待つ間。九井一はぽつりと言った。暗闇に紛れ九井の顔は見えない。声だけが響いている。
三途春千代は舌を打つ。乾姉弟は九井一の急所かと思っていたが、そうではなかったのか。腹の探り合いを楽しむ甲斐のない男に肩をすくめる。
「赤音さんはオレの初恋の女だ」
九井が知っているいちばん身近な女と言えば母親だが、はっきりといえば売春婦だった。九井をこの世に生んでくれたことは感謝しているが、それ以外のすべてを軽蔑している。ヤクザの情婦だったこともあり、そんなときは九井も麻薬の売買を手伝わされたこともあった。そんなとき稀に母親以外の女と接することがあったが、ろくな女ではなかった。あるいは不幸な女ばかりだった。
somakusanao
DONE不謹慎なお話。九井君の過去捏造がだいすきなオタクです。『禁じられた遊び』①芝大寿「おまえはなぜ乾に尽くすんだ」
打ち合わせの合間に、ふと尋ねられた。聞いたくせに、芝大寿はさして興味のなさそうな顔で、九井に視線すら向けない。彼にとってはどうでもいいことで、けれど確認はしておきたいというところか。
その質問は九井にとってありきたりで、なんどとなく繰り返されてきた。幼馴染だから。放っておけないから。偽りの言葉で誤魔化してきたが、大寿になら本当のことを言っていいかと、気まぐれに思った。黒龍十代目の実態は、芝大寿の暴力的カリスマと、九井一の潤沢な資金によって成り立っている。実質、パートナーに近い存在だと思う。それは大寿自身も自覚しているだろう。だからこそ、大寿は九井と乾の関係を聞いてきたのだ。
2622打ち合わせの合間に、ふと尋ねられた。聞いたくせに、芝大寿はさして興味のなさそうな顔で、九井に視線すら向けない。彼にとってはどうでもいいことで、けれど確認はしておきたいというところか。
その質問は九井にとってありきたりで、なんどとなく繰り返されてきた。幼馴染だから。放っておけないから。偽りの言葉で誤魔化してきたが、大寿になら本当のことを言っていいかと、気まぐれに思った。黒龍十代目の実態は、芝大寿の暴力的カリスマと、九井一の潤沢な資金によって成り立っている。実質、パートナーに近い存在だと思う。それは大寿自身も自覚しているだろう。だからこそ、大寿は九井と乾の関係を聞いてきたのだ。
のなか
DONEココイヌ。11歳〜13歳のイヌピーの話。「スター・プレイヤー」に続きますトーク・アバウト・ア・ボーイ 人間の頭を躊躇することなくぶっ叩けるようになった子どもについて話をしよう。
そんなことができるなんて、最悪なガキだって思うだろ?
俺もそう思う。
ケチのつき始めは小学生のときだった。火事で家が焼けた。
自宅は父親と母親が思い切り背伸びをして建てたローン三十八年の新築一戸建てで、そこで家族全員が仲良く暮らすことが両親の夢だった。
夢はあっけなく崩れた。まず、ローンのたっぷり残った家が、跡形もなく無くなった。次に、姉の赤音が全身に火傷を負った。同じ火傷でも、俺は比較的軽症で早々に退院したけれど、赤音は相当重症で入院したっきりになった。
最後の、「仲良く暮らす」という点についても触れておこう。
赤音がまだ生きていたとき、家族の心は一つだったと思う。皆、頻繁に病院に見舞いに行ったし、特に母親は赤音の病室に泊まり込んで、一生懸命に赤音のケアをしていた。ある意味で、赤音の病室が一つの家として機能してた。
1820そんなことができるなんて、最悪なガキだって思うだろ?
俺もそう思う。
ケチのつき始めは小学生のときだった。火事で家が焼けた。
自宅は父親と母親が思い切り背伸びをして建てたローン三十八年の新築一戸建てで、そこで家族全員が仲良く暮らすことが両親の夢だった。
夢はあっけなく崩れた。まず、ローンのたっぷり残った家が、跡形もなく無くなった。次に、姉の赤音が全身に火傷を負った。同じ火傷でも、俺は比較的軽症で早々に退院したけれど、赤音は相当重症で入院したっきりになった。
最後の、「仲良く暮らす」という点についても触れておこう。
赤音がまだ生きていたとき、家族の心は一つだったと思う。皆、頻繁に病院に見舞いに行ったし、特に母親は赤音の病室に泊まり込んで、一生懸命に赤音のケアをしていた。ある意味で、赤音の病室が一つの家として機能してた。
のなか
DOODLEココイヌで、ココと柚葉によるShitty Talk.下品ですみません。(R15)
今更の話 柚葉は九井に尋ねた。
「世界が終わるとしたら、アンタなら最後に何をする?」
九井はあごに手をあてて考えるそぶりをした。
「そうだな、宇田川キリスト教会、あるだろ?あそこの祭壇の前にイヌピーを立たせる」
「それで?」
「それからイヌピーの服を剥ぎ取って裸にして、立ちバックで後ろから犯す」
信じられないと言いたげな顔の柚葉に向かって、九井は舌を出してみせた。
「終末論だろ?どうせこの世の終わりなんて来ねぇよ」
「アンタってつくづく冒涜的だよね」
「アダムを刺してエデンの園からオン出てきた女が何言ってんだ?言っておくが俺が林檎を渡したのはおまえが楽園から出た後だからな。冒涜的なのはお互い様で、今更の話だ」
311「世界が終わるとしたら、アンタなら最後に何をする?」
九井はあごに手をあてて考えるそぶりをした。
「そうだな、宇田川キリスト教会、あるだろ?あそこの祭壇の前にイヌピーを立たせる」
「それで?」
「それからイヌピーの服を剥ぎ取って裸にして、立ちバックで後ろから犯す」
信じられないと言いたげな顔の柚葉に向かって、九井は舌を出してみせた。
「終末論だろ?どうせこの世の終わりなんて来ねぇよ」
「アンタってつくづく冒涜的だよね」
「アダムを刺してエデンの園からオン出てきた女が何言ってんだ?言っておくが俺が林檎を渡したのはおまえが楽園から出た後だからな。冒涜的なのはお互い様で、今更の話だ」
ゆりお
DONEお題「共同作業」ココイヌ/東リ 本物の暗闇は原始的な恐怖を催させ、土からは湿ったにおいがした。
山奥の空気は薄いようで重く、九井は何度も目眩を感じて息を深く吸った。車のライトですら、夜に吸い込まれてそう遠くまでは照らせない。視界はひどく狭かった。何度も背後に得体の知れない影がよぎるような錯覚を覚え、背筋が冷える。
静かだった。金属が土を掘り返す音と、お互いの息遣いだけが聞こえる。陰気な空気に飲まれないよう、努めて明るく九井は声を出した。
「オレたちのやる仕事か? これ」
「いいから手を動かせよ」
そのぼやきを、乾は冷たく切り捨てた。土にシャベルを突き立てる。掻き出した土を外に出す。ただそれだけを、小一時間ほど繰り返している。
「悪いなイヌピー。こんなこと手伝わせて」
1902山奥の空気は薄いようで重く、九井は何度も目眩を感じて息を深く吸った。車のライトですら、夜に吸い込まれてそう遠くまでは照らせない。視界はひどく狭かった。何度も背後に得体の知れない影がよぎるような錯覚を覚え、背筋が冷える。
静かだった。金属が土を掘り返す音と、お互いの息遣いだけが聞こえる。陰気な空気に飲まれないよう、努めて明るく九井は声を出した。
「オレたちのやる仕事か? これ」
「いいから手を動かせよ」
そのぼやきを、乾は冷たく切り捨てた。土にシャベルを突き立てる。掻き出した土を外に出す。ただそれだけを、小一時間ほど繰り返している。
「悪いなイヌピー。こんなこと手伝わせて」
のなか
DONE幹部軸に至る16歳のココイヌと柴柚葉のお話。家族の死に加担してしまったら、少女はどうなるのか。ココイヌはどう関わるのか。
時間軸的には前のお話「ブラック・フォーマル」の直後になります。
「バッドガールズ・ゴー・エブリウェア」
Good Girls Go to Heaven (Bad Girls Go Everywhere)
バッドガールズ・ゴー・エブリウェア 柴柚葉は、母に絵本を読んでもらった思い出を、今でも大切にしていた。
子どものときの柚葉は、毎日放課後になると、まっすぐに母の病院に向かい、母と一緒に過ごしていた。母がいる場所が柚葉の帰りたいところだった。だから柚葉は夜、母の病室から出て家に戻らなければならないときが嫌いだった。母もそれを分かっていたようだった。
小学校の学年が上がり、柚葉が漢字を沢山読めるようになっても、母は柚葉に「絵本を読んであげようか」と言ってくれた。そういうとき、母はベットで上半身を起こし、自分の膝に柚葉を招いて小さな背中を抱きしめるようにしながら、絵本を読んでくれた。
背中に母の体温を感じながら絵本を見つめると、頭の上から母の柔らかな声が降ってくる。
4951子どものときの柚葉は、毎日放課後になると、まっすぐに母の病院に向かい、母と一緒に過ごしていた。母がいる場所が柚葉の帰りたいところだった。だから柚葉は夜、母の病室から出て家に戻らなければならないときが嫌いだった。母もそれを分かっていたようだった。
小学校の学年が上がり、柚葉が漢字を沢山読めるようになっても、母は柚葉に「絵本を読んであげようか」と言ってくれた。そういうとき、母はベットで上半身を起こし、自分の膝に柚葉を招いて小さな背中を抱きしめるようにしながら、絵本を読んでくれた。
背中に母の体温を感じながら絵本を見つめると、頭の上から母の柔らかな声が降ってくる。
ゆりお
DONEワンライ。お題「イタズラ」ココイヌ/東リ 化粧くさくて息が詰まる部屋には、女がひしめき合っている。薄暗い空気に混ぜるように。ソファにもたれた九井は紫煙を吐いた。
「もうこんなのやだよぉ」
中心で、女がしくしくと泣いている。濃い化粧と露出の高い服のせいで大人びて見えるが、顔を何度も擦るから、徐々に幼い素顔が露わになっていた。
周りを取り巻く女たちの表情はさまざまだ。同情を見せるもの、無関心を貫くもの、自分より不幸な者を見ているときの笑みを見せるもの。
女は大きく鼻を啜った。袖口から、幾筋もの傷跡がついた手首が見える。
「痛いし、臭いし、きもちわるい。もうやめたいのぉ」
「まあ、そう言うなって」
九井は手近にあった灰皿に煙草を押し付けた。立ち上がり、女の肩に手を置く。宥めるように剥き出しのそれをてのひらでまさぐりながら、猫撫で声で告げる。
2239「もうこんなのやだよぉ」
中心で、女がしくしくと泣いている。濃い化粧と露出の高い服のせいで大人びて見えるが、顔を何度も擦るから、徐々に幼い素顔が露わになっていた。
周りを取り巻く女たちの表情はさまざまだ。同情を見せるもの、無関心を貫くもの、自分より不幸な者を見ているときの笑みを見せるもの。
女は大きく鼻を啜った。袖口から、幾筋もの傷跡がついた手首が見える。
「痛いし、臭いし、きもちわるい。もうやめたいのぉ」
「まあ、そう言うなって」
九井は手近にあった灰皿に煙草を押し付けた。立ち上がり、女の肩に手を置く。宥めるように剥き出しのそれをてのひらでまさぐりながら、猫撫で声で告げる。
ギギ@coinupippi
DONEココイヌ。水商売をするイヌピーの話の続き。
今回もモブくんたちが出張ってくる。
誤字脱字は絶対に潜んでいる。
タイトルは全部完成した時につける予定。
もういつからかわからないくらい幼馴染である男の事が好きだった。
自分の命を救ってくれたからこの命は彼の為に使おうと思っていた。
比喩じゃなく、彼の為ならば死んでも良いと思っていた。
彼が大切で誰よりも好きだったからそう思ったのだ。
理屈じゃない、そう感じてしまったのだから仕方ない。
だからといって幼馴染にも自分に同じような感情を向けて欲しかったわけじゃない。
出来ればもう姉や自分に囚われないで普通の幸せを享受して笑って生きていってくれればそれで良いと思ってた。
その内、離れなきゃいけない。もう自分たちから解放してやるべきなのだ。
だけどあと少しだけ、もう少しだけ側に居たいと欲張ってズルズルとその隣に居続けてしまったからいけなかったのだろうか。
9508自分の命を救ってくれたからこの命は彼の為に使おうと思っていた。
比喩じゃなく、彼の為ならば死んでも良いと思っていた。
彼が大切で誰よりも好きだったからそう思ったのだ。
理屈じゃない、そう感じてしまったのだから仕方ない。
だからといって幼馴染にも自分に同じような感情を向けて欲しかったわけじゃない。
出来ればもう姉や自分に囚われないで普通の幸せを享受して笑って生きていってくれればそれで良いと思ってた。
その内、離れなきゃいけない。もう自分たちから解放してやるべきなのだ。
だけどあと少しだけ、もう少しだけ側に居たいと欲張ってズルズルとその隣に居続けてしまったからいけなかったのだろうか。
ギギ@coinupippi
DONEこれで最後。ラストがイマイチだからその内変えるかもしれない。
Nameless 4途中からベッドに移っておいて良かった。
体をぐったりとさせて微睡む青宗を見て、流石に自分も疲れたしリビングからここまで眠る青宗を運ぶのは無理だったろう。
長い睫毛が何度も落ちそうになっているが、どうにか寝ないように踏んばっている様子が可愛いらしい。
「眠いなら寝て良いよ」
「ん…でも、ココと話したい、から」
目元を擦ってから情事の気怠さが残る体をこちらに向けて、自分の肩を撫でていた九井の手を握った。
以前は長かった髪はすっかり短く刈り込まれていて、本人はそれを男らしくなったと思っているようだが九井からすると雛鳥みたいで可愛いかった。
それを言うと拗ねるのも解っているから勿論言った事は無い。
「なあ、何で髪切ったんだ?」
3855体をぐったりとさせて微睡む青宗を見て、流石に自分も疲れたしリビングからここまで眠る青宗を運ぶのは無理だったろう。
長い睫毛が何度も落ちそうになっているが、どうにか寝ないように踏んばっている様子が可愛いらしい。
「眠いなら寝て良いよ」
「ん…でも、ココと話したい、から」
目元を擦ってから情事の気怠さが残る体をこちらに向けて、自分の肩を撫でていた九井の手を握った。
以前は長かった髪はすっかり短く刈り込まれていて、本人はそれを男らしくなったと思っているようだが九井からすると雛鳥みたいで可愛いかった。
それを言うと拗ねるのも解っているから勿論言った事は無い。
「なあ、何で髪切ったんだ?」
ギギ@coinupippi
DONE続き。Nameless 2仕事は順調で、組織自体もその勢力を伸ばしどんどん大きくなっていった。
プライベートは相変わらずで、青宗はまた「誰か」にどこか似たような男と付き合ってみたり一晩を過ごしていたし、九井はやはり特定の相手は作らないが女を切らせる事は無かった。
その日は立て込んでいた表の仕事も裏の仕事も一旦落ち着いた頃で、まとまった休みをお互いに何ヶ月かぶりに得る事が出来た。
九井は青宗を飲みに誘ったが予定がある、と断られればあっさりと身を引いた。
互いのプライベートには必要以上には踏み込まないのが暗黙のルールであり、あの一件以来青宗も面倒な相手と付き合う事は無くなった。
二人の関係も特に変わる事は無く、近すぎず遠すぎず微妙なバランスが保たれていた。
7816プライベートは相変わらずで、青宗はまた「誰か」にどこか似たような男と付き合ってみたり一晩を過ごしていたし、九井はやはり特定の相手は作らないが女を切らせる事は無かった。
その日は立て込んでいた表の仕事も裏の仕事も一旦落ち着いた頃で、まとまった休みをお互いに何ヶ月かぶりに得る事が出来た。
九井は青宗を飲みに誘ったが予定がある、と断られればあっさりと身を引いた。
互いのプライベートには必要以上には踏み込まないのが暗黙のルールであり、あの一件以来青宗も面倒な相手と付き合う事は無くなった。
二人の関係も特に変わる事は無く、近すぎず遠すぎず微妙なバランスが保たれていた。
ゆりお
DONEよこたさん誕生日おめでとうございます!女装させたイヌピーをホテルに連れ込んでも添い寝しかしないココの話です。
ココイヌ/東リ『姉の制服』
脚の上を剃刀が滑る感触がむず痒かった。
「動くなよ」
思わず身じろぎをすると、足首を強く掴まれる。跪いた一に下から睨め上げられ、バスタブに腰掛けた青宗は眉根を寄せることで返事をした。
しかし一は気にした様子もなく作業に戻る。てのひらで丁寧に青宗の脛に泡を伸ばすと、再び剃刀を当てる。ゆっくりと動かして毛を剃ると、洗面器に貯めたぬるま湯につける。その繰り返し。青宗は手持ち無沙汰に、一の慣れた手つきを見ていた。彼の捲り上げたズボンの裾が濡れて色が濃くなっている。自分でやると言ったが、お前はすぐ肌に傷をつけると却下された。
「イヌピーは毛、薄いよな。色素も薄いし……」
シャワーをかけて汚れを落とし、すべらかになった青宗の肌を指でなぞりながら、一がぽつりと零す。あまり気にしたことがなかったから、青宗は黙っていた。それきり一は黙り込んでしまったが、何を考えているかは容易に知れた。
3618脚の上を剃刀が滑る感触がむず痒かった。
「動くなよ」
思わず身じろぎをすると、足首を強く掴まれる。跪いた一に下から睨め上げられ、バスタブに腰掛けた青宗は眉根を寄せることで返事をした。
しかし一は気にした様子もなく作業に戻る。てのひらで丁寧に青宗の脛に泡を伸ばすと、再び剃刀を当てる。ゆっくりと動かして毛を剃ると、洗面器に貯めたぬるま湯につける。その繰り返し。青宗は手持ち無沙汰に、一の慣れた手つきを見ていた。彼の捲り上げたズボンの裾が濡れて色が濃くなっている。自分でやると言ったが、お前はすぐ肌に傷をつけると却下された。
「イヌピーは毛、薄いよな。色素も薄いし……」
シャワーをかけて汚れを落とし、すべらかになった青宗の肌を指でなぞりながら、一がぽつりと零す。あまり気にしたことがなかったから、青宗は黙っていた。それきり一は黙り込んでしまったが、何を考えているかは容易に知れた。
のなか
DONE幹部軸に至るココイヌの黒龍時代。2005年12月25日から2006年1月4日の10日間の出来事。ココイヌが柴大寿の喪に服す話です。ブラック・フォーマル一 宇田川キリスト教会 12月25日
柴大寿が祭壇の前に立ち、吼えながら獲物に襲いかかるのを、乾青宗は見ていた。柴大寿は、グリズリーのような巨大な拳を柴八戒の薄い腹にねじり入れ、膝で顎を蹴り上げ、血の滲みはじめた顔面を殴り、片手で襟首を掴み上げ、怒鳴りながら体を揺さぶり、憤怒をぶつけるかのように投げた。
信者席の列を乱しながら倒れた八戒は、細い肢体を嬰児のように丸め、泣き出した。離れた場所から眺めていても分かるほどの怯えようだった。
大寿は、その様子にも怒りを煽られたようだった。
どうして俺の弟はこんなにも弱虫なんだ?
怒声と、少年の泣きながら謝罪するかすかな声が、教会の高い天井に響いていた。
「たいした讃美歌だな」
17335柴大寿が祭壇の前に立ち、吼えながら獲物に襲いかかるのを、乾青宗は見ていた。柴大寿は、グリズリーのような巨大な拳を柴八戒の薄い腹にねじり入れ、膝で顎を蹴り上げ、血の滲みはじめた顔面を殴り、片手で襟首を掴み上げ、怒鳴りながら体を揺さぶり、憤怒をぶつけるかのように投げた。
信者席の列を乱しながら倒れた八戒は、細い肢体を嬰児のように丸め、泣き出した。離れた場所から眺めていても分かるほどの怯えようだった。
大寿は、その様子にも怒りを煽られたようだった。
どうして俺の弟はこんなにも弱虫なんだ?
怒声と、少年の泣きながら謝罪するかすかな声が、教会の高い天井に響いていた。
「たいした讃美歌だな」
mikado08
DONE【R18】「乳首の話」幹部🈁🐶漫画12P。ゆるい知能のエロなので、おつまみにしてやってください。ずっとラフで止まってたものを描き上げました。⚠️18歳未満・高校生の閲覧禁止です。 12ギギ@coinupippi
MOURNINGこれでラスト。書き始めから最後の章までで随分時間が空いてしまい文章のテンション違い過ぎる。
確かにそこには愛がある。6俺とココが…というか俺が一方的にブチ切れて別れ話が無くなってからまた俺とココはとりあえず現状維持という事で落ち着いてまた日常に戻っていた。
あの後衝動的にキレてしまったのが恥ずかしくなってしまった俺に元ヤン怖ぇわって揶揄われた。
ココなんて元ヤンの反社の癖に。
って冗談はさておいて、思い返すと恥ずかしいなと思うのは本当だけどココに気持ちをぶつけられたのは良かったのかなと思う。
ココに俺の思っている事が伝わったのも、それでココが俺との関係を諦め無いと考え直してくれたのも嬉しかった。
具体的にどうするかなんていう答えはまだ出せないで居るけど、お互いにもしもの時が来てしまったらその時は足掻いて抗ってみようと思う。
7312あの後衝動的にキレてしまったのが恥ずかしくなってしまった俺に元ヤン怖ぇわって揶揄われた。
ココなんて元ヤンの反社の癖に。
って冗談はさておいて、思い返すと恥ずかしいなと思うのは本当だけどココに気持ちをぶつけられたのは良かったのかなと思う。
ココに俺の思っている事が伝わったのも、それでココが俺との関係を諦め無いと考え直してくれたのも嬉しかった。
具体的にどうするかなんていう答えはまだ出せないで居るけど、お互いにもしもの時が来てしまったらその時は足掻いて抗ってみようと思う。
ギギ@coinupippi
MOURNING続き。確かにそこには愛がある。5無造作に棚に突っ込まれた見合い写真を見つけた時はイヌピー面倒だからって適当に放置したんだな、と思ったぐらいで本当に怒りも何も無かった。
一緒に暮らし始めて数年経つが俺とイヌピーはそれなりに上手く行ってたし不満も無いし細やかでも楽しくやってたと思う。
でも考えてみれば俺はともかく、イヌピーは世間一般からしたら適齢期の独身男なわけで、身を固めるのが普通なんだろう。
見合い写真を何となく開いて見ると優しそうな極普通の女が写っていた。
こういう相手と所帯を持って子供も居て父親になったイヌピーを想像してみるとそんなに違和感は無いような気がした。
本来であればイヌピーはそういう「普通」を出来る男で、そこが決定的に俺とは違っているのだ。
11587一緒に暮らし始めて数年経つが俺とイヌピーはそれなりに上手く行ってたし不満も無いし細やかでも楽しくやってたと思う。
でも考えてみれば俺はともかく、イヌピーは世間一般からしたら適齢期の独身男なわけで、身を固めるのが普通なんだろう。
見合い写真を何となく開いて見ると優しそうな極普通の女が写っていた。
こういう相手と所帯を持って子供も居て父親になったイヌピーを想像してみるとそんなに違和感は無いような気がした。
本来であればイヌピーはそういう「普通」を出来る男で、そこが決定的に俺とは違っているのだ。
ギギ@coinupippi
MOURNING続き。確かにそこには愛がある。4誰かと一緒に暮らすなんて初めての事だったから、最初はどうなる事かと不安半分、期待半分だった。
ココは俺の住んでる部屋はそのままにしてていい、って言ってくれたけど家賃とかも勿体無いし引き払ってきた。
その分今まで払ってた家賃分くらいはココに渡すって事になった。
ココは金なんて別に良い、って最初は頑なに受け取らなかったけどそういうのは良くないって俺も強く言ってそういう事になんとかなった。
ココにはなるべく金の負担はかけたくない。俺だって安月給だけど働いてるし、ココに金目当てとか思わせたくないんだ。
金を作る才能があるから利用されてきたココにそういうのが当たり前だと思われたくない。
だから生活費も折半。って言ってもココは1ヶ月の半分もここには居られない。
12035ココは俺の住んでる部屋はそのままにしてていい、って言ってくれたけど家賃とかも勿体無いし引き払ってきた。
その分今まで払ってた家賃分くらいはココに渡すって事になった。
ココは金なんて別に良い、って最初は頑なに受け取らなかったけどそういうのは良くないって俺も強く言ってそういう事になんとかなった。
ココにはなるべく金の負担はかけたくない。俺だって安月給だけど働いてるし、ココに金目当てとか思わせたくないんだ。
金を作る才能があるから利用されてきたココにそういうのが当たり前だと思われたくない。
だから生活費も折半。って言ってもココは1ヶ月の半分もここには居られない。
ギギ@coinupippi
MOURNING続き。確かにそこには愛がある。3ココは慎重に物事を考え運んでいくタイプだった。
相手の裏の裏、何手も先まで読んでから行動する男だった。
ココのそういう周到な罠に嵌められて苦汁を舐めさせられた奴等をどれだけ見てきて事か。
その度に俺はココが敵じゃなくて良かった、と安心したものだ。
本人にそう言えばココはイヌピーにはこんな事する訳がない、と笑い飛ばした。
それだけで俺は安心したし、実際にその後ココと敵対する事になった時だってココから飛んで来たのは吹っ飛びもしないパンチだった。
まあその後に色々あった上での今なんだけど。
ココと大喧嘩をしてから半月ぐらいが経った。
その間にココからは連絡一つ無かった。
もう愛想を尽かされたのかもしれない。そうなっても仕方ないくらい暴れたし、ひどい事も言い合った。
8714相手の裏の裏、何手も先まで読んでから行動する男だった。
ココのそういう周到な罠に嵌められて苦汁を舐めさせられた奴等をどれだけ見てきて事か。
その度に俺はココが敵じゃなくて良かった、と安心したものだ。
本人にそう言えばココはイヌピーにはこんな事する訳がない、と笑い飛ばした。
それだけで俺は安心したし、実際にその後ココと敵対する事になった時だってココから飛んで来たのは吹っ飛びもしないパンチだった。
まあその後に色々あった上での今なんだけど。
ココと大喧嘩をしてから半月ぐらいが経った。
その間にココからは連絡一つ無かった。
もう愛想を尽かされたのかもしれない。そうなっても仕方ないくらい暴れたし、ひどい事も言い合った。
ギギ@coinupippi
MOURNING続き。確かにそこには愛がある。2ココと再会してから数ヶ月。
俺の日常は相変わらずバイク屋で働き、仲間に囲まれてそれなりに楽しく過ごしている。
変わった事といえば、1ヶ月の内数回はドラケンの誘いを断って夕飯を食べに家に帰るようになった事。
それから住む家が少しだけひろくなった。
自分以外の誰かとお揃いの鍵を持つようにもなったし、たまにベッドは二人分の重みに沈んだ。
苦手だった料理も少しだけ出来るようになったし、誰かの為に家事を頑張ろうと思えるようになった。
洗濯はまだ失敗してしまうからまとめてクリーニングの世話になってる。下着くらいは洗えるけど。
つまり、俺は今半同棲生活をひっそり送っている。
誰と。勿論、ココとに決まってる。
仕事が反社のココと、極平凡なバイク屋の俺とでは生活のリズムも違えば世界も違う。
7180俺の日常は相変わらずバイク屋で働き、仲間に囲まれてそれなりに楽しく過ごしている。
変わった事といえば、1ヶ月の内数回はドラケンの誘いを断って夕飯を食べに家に帰るようになった事。
それから住む家が少しだけひろくなった。
自分以外の誰かとお揃いの鍵を持つようにもなったし、たまにベッドは二人分の重みに沈んだ。
苦手だった料理も少しだけ出来るようになったし、誰かの為に家事を頑張ろうと思えるようになった。
洗濯はまだ失敗してしまうからまとめてクリーニングの世話になってる。下着くらいは洗えるけど。
つまり、俺は今半同棲生活をひっそり送っている。
誰と。勿論、ココとに決まってる。
仕事が反社のココと、極平凡なバイク屋の俺とでは生活のリズムも違えば世界も違う。
ギギ@coinupippi
MOURNINGココイヌハマりかけの時に書いてからずっと書きかけのままだった梵天ココとバイク屋イヌピーが同棲をしている話。キャラ解釈もイマイチだし内容が恥ずかし過ぎてしまっておこうと思ったけどせっかく書いたから供養。
しかも長い。誤字脱字はもう放置。 11022
ギギ@coinupippi
DONEココがタイムリープのようなものをする話のエンディング。なんとか書き終えたから勢いだけで、読み返しも手直しも無いままにアップするから誤字脱字ある。
タイトルつけました。ハピエン。
夢見た未来と違っても。4ふいに意識が浮上する感覚に重たい目蓋を開いた。
ぼんやりする視界には真っ白な天井が見えた。
確か銃で撃たれて、その後の事は何も思い出せないし軽い頭痛がする。
体も重たくて上手く動かせ無いから今置かれている自分の状況と周囲の情報を得る為に視線を動かした。
クリーム色の壁と消毒液の匂い。点滴台とそれから心電図モニター。
清潔なパリッと糊の利いたシーツ。
これらの物から連想されるのはここが病院の個室であるらしいという事。
病室にしては広めだし少し離れた所には大型のテレビと革張りの黒いソファが置いてあるから一応特別室らしい。
裸眼では相変わらず輪郭がボヤけて見えるが、ソファの上に誰かが横たわっているのも見えた。
「…いってぇ…」
3770ぼんやりする視界には真っ白な天井が見えた。
確か銃で撃たれて、その後の事は何も思い出せないし軽い頭痛がする。
体も重たくて上手く動かせ無いから今置かれている自分の状況と周囲の情報を得る為に視線を動かした。
クリーム色の壁と消毒液の匂い。点滴台とそれから心電図モニター。
清潔なパリッと糊の利いたシーツ。
これらの物から連想されるのはここが病院の個室であるらしいという事。
病室にしては広めだし少し離れた所には大型のテレビと革張りの黒いソファが置いてあるから一応特別室らしい。
裸眼では相変わらず輪郭がボヤけて見えるが、ソファの上に誰かが横たわっているのも見えた。
「…いってぇ…」
ギギ@coinupippi
DONEココがタイムリープみたいなものをする話の更に続き。死ネタのようだが死ネタではない。
しかし今回もココが可哀想なままに終わる。
書きたい所は全部書けたのであとはエンディングを書いて終わる予定。
もう一息。
完結したからタイトルつきました。
夢見た未来と違っても。3ガクッと首が落ちる感覚で目を覚ました。
眠気の残る目を擦って当たりを見回してみると薄暗い何かの倉庫みたいな場所だった。
錆びたドラム缶やダンボールが乱雑に積み上がっていてゆらゆらと白熱灯が揺れていた。
出口の重たそうな鉄の扉はピッタリと閉じられていて室内は気温が低いのか肌寒く感じて思わず腕を擦った。
どうやら椅子に腰掛けている状態らしい。
この態勢のまま居眠りでもしていたのだろうか。
伸びをして欠伸をしてから手元を見ると腕に嵌めた高級ブランドの腕時計が映る。
見覚えがないそれにまた夢の続きなのか、と思う。
確か自分は青宗と幸せな未来を生きていて、デートしてたらトラックに轢かれて…多分死んだ気がする。
あの後どうなったのだろうか、青宗を悲しませたままなのかと思うと胸が痛む。
5746眠気の残る目を擦って当たりを見回してみると薄暗い何かの倉庫みたいな場所だった。
錆びたドラム缶やダンボールが乱雑に積み上がっていてゆらゆらと白熱灯が揺れていた。
出口の重たそうな鉄の扉はピッタリと閉じられていて室内は気温が低いのか肌寒く感じて思わず腕を擦った。
どうやら椅子に腰掛けている状態らしい。
この態勢のまま居眠りでもしていたのだろうか。
伸びをして欠伸をしてから手元を見ると腕に嵌めた高級ブランドの腕時計が映る。
見覚えがないそれにまた夢の続きなのか、と思う。
確か自分は青宗と幸せな未来を生きていて、デートしてたらトラックに轢かれて…多分死んだ気がする。
あの後どうなったのだろうか、青宗を悲しませたままなのかと思うと胸が痛む。
ギギ@coinupippi
DONEココがタイムリープのようなものをする話の続き途中まで。最終的にはモブ以外誰も死なないはず。
捏造の未来のよく笑うイヌピーが出てくる。
またココが可哀想な感じで続きになってしまった。
完結したからタイトルつきました。
夢見た未来と違っても。2確かに自分は死んだと思った。
それなのに目が覚めると言う感覚でもって目蓋を開いた。
見覚えの無い天井に見覚えの無い照明器具がぶら下がっている。
寝起きのせいかぼやける視界にもう一度ぎゅっと目蓋を閉じて開くが、やはりそこは知らない場所だった。
知らない場所で感触的にベッドか何かに寝転んでいる。
顔にかかる前髪を掻き上げると肘が何かに当たった感触がする。
何だとそちら側を向いてみればこんもりと人型に盛り上がるシーツの山。
自分以外の誰かの温もりが毛布の中の足に当たっているのを感じる。
これはつまり隣に誰か居るという事であろう。
「誰…?」
全くといっていい程心当たりも見覚えも無いそれに、なんなんだ一体と身を起こす。
その振動がベッドを揺らしたらしく、隣の温もりがモゾモゾと動き出した。
8105それなのに目が覚めると言う感覚でもって目蓋を開いた。
見覚えの無い天井に見覚えの無い照明器具がぶら下がっている。
寝起きのせいかぼやける視界にもう一度ぎゅっと目蓋を閉じて開くが、やはりそこは知らない場所だった。
知らない場所で感触的にベッドか何かに寝転んでいる。
顔にかかる前髪を掻き上げると肘が何かに当たった感触がする。
何だとそちら側を向いてみればこんもりと人型に盛り上がるシーツの山。
自分以外の誰かの温もりが毛布の中の足に当たっているのを感じる。
これはつまり隣に誰か居るという事であろう。
「誰…?」
全くといっていい程心当たりも見覚えも無いそれに、なんなんだ一体と身を起こす。
その振動がベッドを揺らしたらしく、隣の温もりがモゾモゾと動き出した。
ギギ@coinupippi
PROGRESS17、18歳くらいの謎時空のココイヌ。初めて同士じゃないけど、初めてをしようとする二人。
冒頭だけ書いてみた。
3人称を一と青宗にしてみたけど違和感あったら変える。
初めてのココイヌ(仮)二人きりの秘密の場所、「アジト」と呼んだ廃墟。
たくさんの人が入れ替わり立ち代り訪れて、誰もが彼に尊敬の念を抱いた。
憧れた男が笑って立っていたその場所も今はヒビ割れて乾いた灰色のコンクリートがあるだけ。
雑然とした必要の無くなった物たちとホコリっぽい匂いに囲まれた小さな二人だけの世界。
傷だらけの体で転がりこんだ日も、追われて手を取り合って走って逃げ込んだ日も、下らない言い合いをして顔を見たくないと思った日もいつでも二人はこの場所に居た。
誰にも教えない、二人だけの秘密基地だった。
そこで交した他愛ない言葉たちも、過ごした時間も誰も知らない二人だけの。
「んっ…」
「イヌピー、口開けて」
触れ合う唇と上がる息。
1988たくさんの人が入れ替わり立ち代り訪れて、誰もが彼に尊敬の念を抱いた。
憧れた男が笑って立っていたその場所も今はヒビ割れて乾いた灰色のコンクリートがあるだけ。
雑然とした必要の無くなった物たちとホコリっぽい匂いに囲まれた小さな二人だけの世界。
傷だらけの体で転がりこんだ日も、追われて手を取り合って走って逃げ込んだ日も、下らない言い合いをして顔を見たくないと思った日もいつでも二人はこの場所に居た。
誰にも教えない、二人だけの秘密基地だった。
そこで交した他愛ない言葉たちも、過ごした時間も誰も知らない二人だけの。
「んっ…」
「イヌピー、口開けて」
触れ合う唇と上がる息。
omi_imo1
MOURNINGココイヌの企画参加しようとして書いたけど着地点を見失って投げた。突然始まって突然終わる。雰囲気で読んでネ。梵コに拉致監禁されたバイヌピと、ピンヒールの呪いの話。
(2021.?.?初稿)
(2022.7.30改稿) 1218
ギギ@coinupippi
MOURNING蛇を飼う男の前日譚みたいなもの。ほぼイヌピーとモブ男しか出で来ないしモブイヌ要素しかない。
ココイヌ大前提。
多分この頃のイヌピーはココに反抗期。
蛇の瞳を見ると石になる。「だから俺はああするしか無かったんだ…」
「ああ、そうだな」
「裏切るつもりなんて本当になかったんだ。だけどああしないと俺は石神にとっくに殺されてた…!」
「そうだな、あんたが無事で良かったよ」
項垂れて誰に向けてなのかもわからない言い訳を面面並べ立てる男を否定する事もなく、ただ肯定してやる。
ヤケになった様子でグッと酒を煽る男の空いたグラスにブランデーを足してやれば、男は青宗へ縋るような目を向けた。
「俺を、殺しに来たのかと思ったのに、どうしてあんたは…乾さんは、そんなに優しいんだ」
「だってあんたから話を聞いてみなきゃわからねぇからな」
そう言って青宗は微笑した。
その笑みはまるで全てを赦し受け入れてくれるような慈愛に満ちたもののように見えた。
3083「ああ、そうだな」
「裏切るつもりなんて本当になかったんだ。だけどああしないと俺は石神にとっくに殺されてた…!」
「そうだな、あんたが無事で良かったよ」
項垂れて誰に向けてなのかもわからない言い訳を面面並べ立てる男を否定する事もなく、ただ肯定してやる。
ヤケになった様子でグッと酒を煽る男の空いたグラスにブランデーを足してやれば、男は青宗へ縋るような目を向けた。
「俺を、殺しに来たのかと思ったのに、どうしてあんたは…乾さんは、そんなに優しいんだ」
「だってあんたから話を聞いてみなきゃわからねぇからな」
そう言って青宗は微笑した。
その笑みはまるで全てを赦し受け入れてくれるような慈愛に満ちたもののように見えた。
ギギ@coinupippi
DONEココイヌ。蛇を飼いならすココが書きたかっただけ。
蛇に関しては全く知識ゼロの人間が書いた想像上の生き物の蛇しか出てこない。
モブイヌ描写あり。
ハピエンとは言えない終わり方してしまったけど、いつか二人の蟠りが解けて心も結ばれる未来のある二人。 8962
mikado08
DONE【ココイヌ】R18。11月幹部軸新刊の描き下ろし冒頭サンプルです。本編には射精●理、道具の使用、その他マニアックな表現を含みますのでご注意ください⚠️18歳未満・高校生の閲覧禁止です。 4mikado08
DONE【R-18】ココイヌ幹部漫画の続き12ページ。ヤってるシーンだけです。成人向けのため《18歳未満・高校生の閲覧を禁止します》アンケートで「ラブラブえちち」となったので、なるべくラブラブに描きました…描けた?「お仕置きコース」は11月頃に幹部本まとめる時に描こうと思います。 12
わこ。
DONE梵ココ×バイク屋イヌピー。朝の事後イヌピーはとても色っぽいけど「喉がイテェ、腰がイテェ、ケツがイテェ、あとどっかイテェ」とか考えてぼーっとしてるだけ。この後ココが全力で甘やかしてお世話する。