狭山くん
TRAINING2022-06-27/今日の空閑汐♂デイリーは空閑汐♂喧嘩編後半戦!これだけでも読めないことはないかな……仲直りする空閑汐♂が尊いね……空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:27 三人の男達を廊下に残し、一人道場へと足を踏み入れた篠原は眼前に広がる光景に思わず片手で顔を覆っていた。突然現れた先輩の姿に救いを求めるように後輩達の視線が向けられる。
「何の事件現場だ?」
篠原の口からは、あまりにも物騒な言葉が溢れていた。
「篠原先輩……! いい所に!」
「息はあります!」
「汐見先輩の上段蹴りで空閑先輩が宙を舞ったんです!」
「よし分かった。すげぇ分かりたくないんだけど、大体分かった」
汐見も頬を腫らしていたが、空閑はその比ではない。完全に伸びてしまっている空閑の元にしゃがみこんだ篠原は軽く彼の頬を叩く。ぼんやりとしていた焦点が篠原へと結び、空閑は幾度か瞳を瞬かせる。
「空閑、今の状況分かるか?」
3587「何の事件現場だ?」
篠原の口からは、あまりにも物騒な言葉が溢れていた。
「篠原先輩……! いい所に!」
「息はあります!」
「汐見先輩の上段蹴りで空閑先輩が宙を舞ったんです!」
「よし分かった。すげぇ分かりたくないんだけど、大体分かった」
汐見も頬を腫らしていたが、空閑はその比ではない。完全に伸びてしまっている空閑の元にしゃがみこんだ篠原は軽く彼の頬を叩く。ぼんやりとしていた焦点が篠原へと結び、空閑は幾度か瞳を瞬かせる。
「空閑、今の状況分かるか?」
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TRAINING2022-06-26/本日のデイリー後半戦!思った以上に長くなってもう800字デイリーって何????みたいな感じになってる。汐見って割と何も言わずに極端な事するタイプだと思ってる。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:26.2「で、何があったんだよお前ら」
ギャラリーを押し退け、フェルマーと共に空き教室へと汐見を押し込んだ高師は呆れ混じりの声色で前置きもなくそう切り出した。
「あ! シュンメ誤解しないでね、これはビジネス浮気みたいなもので」
「フェルマーお前には訊いてないし、ビジネス浮気って何なんだそれは!」
あまりにも能天気なフェルマーの言葉へ思わず叫んでしまう高師を追うように「ヴィン、俺をダシにすんな」と不機嫌そうな声色で汐見の声が刺さってくる。
「汐見、お前は本当に何なんだ。いきなりこっちの教室まで来て」
「……別に」
尊大な態度で椅子に座りながら高師の言葉にはふい、と顔を逸らし一言だけを口にする汐見の態度は完全に拗ねた子供の仕草で。そんな汐見の態度にこの短い時間だけで何度吐き出したのかも分からない二酸化炭素を再び口から漏らした高師は、フェルマーへと視線を向ける。
2948ギャラリーを押し退け、フェルマーと共に空き教室へと汐見を押し込んだ高師は呆れ混じりの声色で前置きもなくそう切り出した。
「あ! シュンメ誤解しないでね、これはビジネス浮気みたいなもので」
「フェルマーお前には訊いてないし、ビジネス浮気って何なんだそれは!」
あまりにも能天気なフェルマーの言葉へ思わず叫んでしまう高師を追うように「ヴィン、俺をダシにすんな」と不機嫌そうな声色で汐見の声が刺さってくる。
「汐見、お前は本当に何なんだ。いきなりこっちの教室まで来て」
「……別に」
尊大な態度で椅子に座りながら高師の言葉にはふい、と顔を逸らし一言だけを口にする汐見の態度は完全に拗ねた子供の仕草で。そんな汐見の態度にこの短い時間だけで何度吐き出したのかも分からない二酸化炭素を再び口から漏らした高師は、フェルマーへと視線を向ける。
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TRAINING2022-06-26/空閑汐♂デイリー、今日は前後編。収まらなかったとも言える。事情聴取編もとい後編はこれから書きます!笑空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:26.1 受験シーズンもそろそろといった三年の秋、放課後になっても教室から出ていく生徒は少なかった。そしてそれ故にその暴挙のような男の言葉を耳にした生徒というのもまた、少なくなかったのだ。
「ヴィンツェンツ・シエン・フェルマー! 俺と浮気してくれ!」
「わかった!」
勢いよく教室の引き戸が開かれたと思えば、フェルマーの名を一字一句違わず口にする頬を腫らした男が自慢の腹筋をフルに利用したような伸びのある大声でとんでもない事を叫ぶ。そしてその相手であるフェルマーもまた、神が自画自賛する程の美貌に笑みを湛えて頷いて。そんな唐突に繰り広げられた謎の寸劇とも思える会話に、教室はどよめいていた。
教室がどよめこうが静まろうが、高師は基本的に我関せずを貫く事が多いものの――流石にこの出来事を無視出来る程の図太い神経は持ち合わせていない。何故なら、この教室をどよめかせた二人の男のうちの片割れは同じ部活の同期という関係で、もう一方は普段高師を懸想していると公言して憚らない男であった為である。
1374「ヴィンツェンツ・シエン・フェルマー! 俺と浮気してくれ!」
「わかった!」
勢いよく教室の引き戸が開かれたと思えば、フェルマーの名を一字一句違わず口にする頬を腫らした男が自慢の腹筋をフルに利用したような伸びのある大声でとんでもない事を叫ぶ。そしてその相手であるフェルマーもまた、神が自画自賛する程の美貌に笑みを湛えて頷いて。そんな唐突に繰り広げられた謎の寸劇とも思える会話に、教室はどよめいていた。
教室がどよめこうが静まろうが、高師は基本的に我関せずを貫く事が多いものの――流石にこの出来事を無視出来る程の図太い神経は持ち合わせていない。何故なら、この教室をどよめかせた二人の男のうちの片割れは同じ部活の同期という関係で、もう一方は普段高師を懸想していると公言して憚らない男であった為である。
狭山くん
TRAINING2022-06-24/空閑汐♂デイリー2本目!たまには先輩っぽい空閑汐♂も書いておきたかった。近しい後輩には面倒見がいい先輩ぶる空閑汐♂可愛いな?空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:EX「剣道着姿のアマネ、久々に見たなぁ。ヒロミもだけど」
「そもそも会うのが久々って感じだけどな」
短い夏休みを終えて、秋学期が始まってから少し経った頃。道場に姿を現したのは、アメリカに行っていた筈の汐見と空閑であった。『放課後、剣道部顔出すわ』という汐見からの端的なメッセージを受け取った篠原とフェルマーがその場所へと向かえば、既に剣道着を纏い面手拭を首に掛けた二人の男がそこに居た。
「今日の昼にこっちに戻って来たんだ」
「学校の定期便、ホント便利だよね。流石にアメリカからだと体バッキバキでさ。運動しよっかって話になって」
世界各地にある系列校間では、生徒や教員の移動の為定期的に専用機が飛んでいる。彼らはそれに乗りアメリカへと渡り、そして日本校へと戻って来たらしい。大きく伸びをしながらそう口にした空閑に、篠原は呆れたように「お前も含めて、俺ら引退した筈なんだけどな」と肩を竦めた。
1594「そもそも会うのが久々って感じだけどな」
短い夏休みを終えて、秋学期が始まってから少し経った頃。道場に姿を現したのは、アメリカに行っていた筈の汐見と空閑であった。『放課後、剣道部顔出すわ』という汐見からの端的なメッセージを受け取った篠原とフェルマーがその場所へと向かえば、既に剣道着を纏い面手拭を首に掛けた二人の男がそこに居た。
「今日の昼にこっちに戻って来たんだ」
「学校の定期便、ホント便利だよね。流石にアメリカからだと体バッキバキでさ。運動しよっかって話になって」
世界各地にある系列校間では、生徒や教員の移動の為定期的に専用機が飛んでいる。彼らはそれに乗りアメリカへと渡り、そして日本校へと戻って来たらしい。大きく伸びをしながらそう口にした空閑に、篠原は呆れたように「お前も含めて、俺ら引退した筈なんだけどな」と肩を竦めた。
狭山くん
TRAINING2022-06-24/空閑汐♂デイリー1本目。乗り物だったらだいたい何でも好きな空閑汐♂がツーリングをはじめる話。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:24 片道で約一八〇〇キロ、今回は往復で三六〇〇キロ。それが今回の旅程で。飛行訓練を他のクラスメイト達よりも早く修了する事が出来た空閑と汐見は、日本校に帰る事なく数ヶ月の滞在に必要だった荷物だけを送り返し寮を出た。
二週間かけてルート66の一部を往復しようという計画を立て、必要最低限の荷物だけを手に飛び込んだのは訓練期間中にレンタル契約をしておいたバイクショップ。日本ではまだ乗ることの出来ない大型バイクに跨った汐見は楽しげに頬を緩めていた。
「相変わらず、乗り物なら何でも好きだよね」
「それはお前だってそうだろ。アメリカでハーレーに乗れるってのに、真顔でいられるわけないだろ」
揶揄うような空閑の言葉に、汐見は頬を緩めたままで言葉を返す。トランシーバーをセットしたヘルメットを被り、通信テストとばかりに二人は会話を交わしていく。
957二週間かけてルート66の一部を往復しようという計画を立て、必要最低限の荷物だけを手に飛び込んだのは訓練期間中にレンタル契約をしておいたバイクショップ。日本ではまだ乗ることの出来ない大型バイクに跨った汐見は楽しげに頬を緩めていた。
「相変わらず、乗り物なら何でも好きだよね」
「それはお前だってそうだろ。アメリカでハーレーに乗れるってのに、真顔でいられるわけないだろ」
揶揄うような空閑の言葉に、汐見は頬を緩めたままで言葉を返す。トランシーバーをセットしたヘルメットを被り、通信テストとばかりに二人は会話を交わしていく。
だけん
DONE🔞「ここではお前が受け」(差分/文字なしバージョン)
※「絶対に他人に股を開くはずがない、自信家/サディスト/女王様気質/な性格の成人男性(37歳)が完全にメス堕ちして股を開いてる」差分 4
狭山くん
TRAINING2022-06-23/今日の空閑汐♂デイリーはアメリカ校に行ってる2人である。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:23 はじめて、空を飛んだ。誰かに乗せてもらう事もなく、誰かを乗せる事もなく。自分ひとりの命を操縦桿に乗せて、艶やかなプロペラ機を一人だけで飛ばした。
その事実を思い出し、汐見はひとり暗いベッドの中でほう、と息を吐く。両耳に入れた無線イヤホンからは陽気なメロディが流れていた。
すっかり慣れてしまった寮の硬く狭いベッドに良く似た――しかし彼が普段暮らしている寮ではないその場所で、ベッドと部屋を仕切るカーテンを締め切った一人だけの空間でごろりと寝返りを打つ。背中に空閑の体温はない。しかしそれでも、実家に帰った時に感じた一人寝の寂しさはなく――汐見の胸に残るのは高揚感だけだった。
自家用操縦士ライセンスの取得を目的にやって来た、カリフォルニアにある国際航空宇宙学院のアメリカ校。短期滞在用の四人部屋に用意された二段ベッドの上段。それが汐見に与えられた今の寝床で。下段には空閑が、そして反対側の壁にもう一つ置かれたベッドの上下段には同じ日本校から選抜されたクラスメイトがそれぞれ一人づつ。
1335その事実を思い出し、汐見はひとり暗いベッドの中でほう、と息を吐く。両耳に入れた無線イヤホンからは陽気なメロディが流れていた。
すっかり慣れてしまった寮の硬く狭いベッドに良く似た――しかし彼が普段暮らしている寮ではないその場所で、ベッドと部屋を仕切るカーテンを締め切った一人だけの空間でごろりと寝返りを打つ。背中に空閑の体温はない。しかしそれでも、実家に帰った時に感じた一人寝の寂しさはなく――汐見の胸に残るのは高揚感だけだった。
自家用操縦士ライセンスの取得を目的にやって来た、カリフォルニアにある国際航空宇宙学院のアメリカ校。短期滞在用の四人部屋に用意された二段ベッドの上段。それが汐見に与えられた今の寝床で。下段には空閑が、そして反対側の壁にもう一つ置かれたベッドの上下段には同じ日本校から選抜されたクラスメイトがそれぞれ一人づつ。
狭山くん
TRAINING2022-06-22/今日の空閑汐♂デイリーは海を見る汐見と汐見を見る空閑の話。汐見には夕暮れの海辺を添えたくなる。汐見だし。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:22 既に太陽は山の向こうへと沈み、空には昼の名残のような淡い青空とそれに影を付けるような雲の深い青が混ざり合い美しいコントラストを作り出している。
その濃淡がまるで水彩画かちぎり絵のようだなんて、ぼんやりと思いながらバイクを走らせていた空閑はようやく目的の人影をその視界の中に収めていた。
静かに舗装された道から逸れ、砂と礫と少しの雑草が生える地面にバイクを停める。そこには彼が乗るそれと同じフォルムをした一台のバイクが既に停められていた。後輪の泥除け部分に剥がれかけた校章のシールが貼られている事を確かめて、その先に積まれている消波ブロックの上に腰掛ける人影のシルエットを見上げる。
顔を確かめなくてもわかる。そこに佇んでいるのは、汐見だった。
1752その濃淡がまるで水彩画かちぎり絵のようだなんて、ぼんやりと思いながらバイクを走らせていた空閑はようやく目的の人影をその視界の中に収めていた。
静かに舗装された道から逸れ、砂と礫と少しの雑草が生える地面にバイクを停める。そこには彼が乗るそれと同じフォルムをした一台のバイクが既に停められていた。後輪の泥除け部分に剥がれかけた校章のシールが貼られている事を確かめて、その先に積まれている消波ブロックの上に腰掛ける人影のシルエットを見上げる。
顔を確かめなくてもわかる。そこに佇んでいるのは、汐見だった。
にょ。
DONEレオ司レオを守る司と司を甘やかすレオの話し。
幸せの瞬間。先日から行われている事務所内の改装工事。抱えるアイドルも増えたことで建物を増築する次いでに、現在のフロアも照明やタイルを新しいものへと交換しているようだ。廊下のあちこちに作業着を着た人達がいて、忙しなく作業を進めていて、棚や床の端にも工具なんかが置いてあるのが見える。
そんな、ドリルやら釘を打つ音が響く事務所の廊下をレオさんと二人で歩いているときだった。立てかけてあった脚立が急に倒れてきたのだ。しかも、死角でレオさんは倒れてくる脚立に気づいていなかった。
「レオさんっ!」
危ない!そう思ったときには既に体が動いていて、咄嗟にレオさんの腕を掴み、自分の方へと引っ張った。胸に引き寄せ、庇うように脚立に背中を向けて抱きしめる。ガシャン!と音を立てて背中に脚立が降ってくる。
3728そんな、ドリルやら釘を打つ音が響く事務所の廊下をレオさんと二人で歩いているときだった。立てかけてあった脚立が急に倒れてきたのだ。しかも、死角でレオさんは倒れてくる脚立に気づいていなかった。
「レオさんっ!」
危ない!そう思ったときには既に体が動いていて、咄嗟にレオさんの腕を掴み、自分の方へと引っ張った。胸に引き寄せ、庇うように脚立に背中を向けて抱きしめる。ガシャン!と音を立てて背中に脚立が降ってくる。
狭山くん
TRAINING2022-06-21/デイリーもういっちょ!空閑汐♂と担任がわちゃわちゃしてるのは楽しいなぁ。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:EX「お前ら相変わらずニコイチなのな。まぁ、丁度良かったが」
廊下を連れ立ち歩いていた二人の男に声を投げかけたのは、彼らの担任である吉嗣宇浩で。吉嗣の声に仲良く足を止めた空閑と汐見は同じタイミングでくるりと振り返る。それはまるでダンスのステップのようで、吉嗣は喉でくつりと笑い声を漏らしていた。
「で、何すかセンセ」
「課題は出したと思うんですけど」
口々に問いかける汐見と空閑の言葉にひらりと片手を振りながら、吉嗣は彼らの答えを否定する。
「違ぇよ、お前らだけだぞ。飛行訓練の日程希望出してねぇの」
ため息混じりの言葉に彼らの声は「あぁ!」とユニゾンする。しかしそれでも彼らは不思議そうに一方は首を傾げ、一方は眉を寄せる。
2645廊下を連れ立ち歩いていた二人の男に声を投げかけたのは、彼らの担任である吉嗣宇浩で。吉嗣の声に仲良く足を止めた空閑と汐見は同じタイミングでくるりと振り返る。それはまるでダンスのステップのようで、吉嗣は喉でくつりと笑い声を漏らしていた。
「で、何すかセンセ」
「課題は出したと思うんですけど」
口々に問いかける汐見と空閑の言葉にひらりと片手を振りながら、吉嗣は彼らの答えを否定する。
「違ぇよ、お前らだけだぞ。飛行訓練の日程希望出してねぇの」
ため息混じりの言葉に彼らの声は「あぁ!」とユニゾンする。しかしそれでも彼らは不思議そうに一方は首を傾げ、一方は眉を寄せる。
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TRAINING2022-06-21/今日の空閑汐♂デイリーはデートに行こうぜって誘う汐見♂の話である。昨日のデイリーで恋の自覚をした汐見♂がちょっとだけ積極的になった……のかもしれない。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:21 唯一部活も授業もない日曜の朝、常ならば空閑の腕にすっぽりと抱き寄せられている筈の体温は既になく。空閑はその違和感に寝ぼけたまま、幾度か深い海と同じ色をした瞳を瞬かせる。
腕から消えた体温を探すようにのそりと起き上がった空閑は、窓際のデスクに腰掛け文庫本を開いている男の姿を視界へと入れた。
「起きたか」
いつもながらに短い言葉で空閑の起床を確かめた汐見の声に、半分以上寝惚けたままで空閑は笑みを彼へと向ける。
「早いねぇ、どしたの? いつもならまだ寝てるじゃん」
「寝てるっつか潰されてんだけどな、お前に」
幾分か不貞腐れた声で返ってきた言葉に空閑は眉を下げ、汐見の機嫌を伺うように言葉を探す。
「だって奥まで許してくれるの土曜の夜だけじゃん……嫌だった?」
1009腕から消えた体温を探すようにのそりと起き上がった空閑は、窓際のデスクに腰掛け文庫本を開いている男の姿を視界へと入れた。
「起きたか」
いつもながらに短い言葉で空閑の起床を確かめた汐見の声に、半分以上寝惚けたままで空閑は笑みを彼へと向ける。
「早いねぇ、どしたの? いつもならまだ寝てるじゃん」
「寝てるっつか潰されてんだけどな、お前に」
幾分か不貞腐れた声で返ってきた言葉に空閑は眉を下げ、汐見の機嫌を伺うように言葉を探す。
「だって奥まで許してくれるの土曜の夜だけじゃん……嫌だった?」
holyfoxbeam
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MENUスリくろ本の既刊サンプル。エリートさんがわるい人に餌付けされる話。6月26日にpictSPACEにてDL、製本版再頒布いたします。
→https://pictspace.net/mklly 5
狭山くん
TRAINING2022-06-20/空閑汐♂デイリー20日目!3年生に突入ですよやったね!3年生編1本目は汐見とヴィンの恋バナである。恋バナ……?空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:20 汐見が吐き出した二酸化炭素を、フェルマーは目敏く指摘する。
「なに物思いに耽ってんのさ」
「別にそんなんじゃない」
再び汐見から吐き出される溜息に、小さく笑い「どうせ何で隣に居るのがヒロミじゃなくてボクなんだって思ってるでしょ」なんて言葉と共にペンを指先で弄ぶフェルマーへ視線だけをじとりと向けた汐見はパイプ椅子を鳴らしながら背を伸ばし、不本意そうに眉を寄せる。
寮のロビーに置かれた長机に並んで座る二人は、新入生の入寮受付を仰せつかっていた。入寮受付開始日に寮に居る三年生が少なすぎた為に、愛想の欠片すら捨て去ったような汐見までもが駆り出される事となったのだ。
「ヒロミが居ないと、何か落ち着かないというか、座りが悪いというか」
1205「なに物思いに耽ってんのさ」
「別にそんなんじゃない」
再び汐見から吐き出される溜息に、小さく笑い「どうせ何で隣に居るのがヒロミじゃなくてボクなんだって思ってるでしょ」なんて言葉と共にペンを指先で弄ぶフェルマーへ視線だけをじとりと向けた汐見はパイプ椅子を鳴らしながら背を伸ばし、不本意そうに眉を寄せる。
寮のロビーに置かれた長机に並んで座る二人は、新入生の入寮受付を仰せつかっていた。入寮受付開始日に寮に居る三年生が少なすぎた為に、愛想の欠片すら捨て去ったような汐見までもが駆り出される事となったのだ。
「ヒロミが居ないと、何か落ち着かないというか、座りが悪いというか」
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MENU6月26日のpictSQUAR「擬人化スクエア第5回(#ぎじスク)」に爆外伝V擬人化で参加します!スペースは「Cホール:お1」を頂いています。新刊あります!
※18禁のためご注意ください
店舗はpictSPACE(https://pictspace.net/mklly)
狭山くん
TRAINING2022-06-18/今日のデイリー空閑汐♂は空閑の独白回みたいになってしまった。ちょっと不穏なのは多分手癖……手癖で不穏にするな。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:18 落とさないようしっかりと抱き上げた男の肢体はずっしりと重い。平均から見れば長身であるとはいえ、自身よりも小柄で細く――時折どこに内臓が入っているのかと疑うこともあるような薄い汐見の身体ではあるが、その服の下にしなやかな筋肉を纏っている事を空閑は知っている。
帰省土産の交換と称して集まっていた友人たちもそれぞれの部屋へと戻っていく時間ような時間になっても、空閑にぴったりとくっ付いて寝息を立てる汐見が目を覚ます様子はなく、揺すっても叩いてもすやすやと深い眠りに落ちたままで。眠りに落ちる前に呟くように告げられた「お前が居ないと、眠れもしない」という言葉だけが、空閑の耳でずっと反響し続けていた。
空閑に抱きかかえられながらも器用に眠り続ける汐見の身体をようやくベッドに横たえさせながら、空閑は汐見のあどけない寝顔を見つめる。普段は仏頂面を晒し、神経質そうな印象を周囲へと与える細面が表情筋も緩まっているのか眠っている時には少年のようにも見えて。
983帰省土産の交換と称して集まっていた友人たちもそれぞれの部屋へと戻っていく時間ような時間になっても、空閑にぴったりとくっ付いて寝息を立てる汐見が目を覚ます様子はなく、揺すっても叩いてもすやすやと深い眠りに落ちたままで。眠りに落ちる前に呟くように告げられた「お前が居ないと、眠れもしない」という言葉だけが、空閑の耳でずっと反響し続けていた。
空閑に抱きかかえられながらも器用に眠り続ける汐見の身体をようやくベッドに横たえさせながら、空閑は汐見のあどけない寝顔を見つめる。普段は仏頂面を晒し、神経質そうな印象を周囲へと与える細面が表情筋も緩まっているのか眠っている時には少年のようにも見えて。
だまぞう
DONEどぽちによる5日間かけてお祝いするひふみんハピバ企画〜
会話だけですがR18気味なのでワンクッション
直接的な画はありません。
OKな方のみどうぞ〜
5日間企画…
できるのかい
できないのかい
どっちなんだいー!
できるー!
はず。 3
狭山くん
TRAINING2022-06-17/クソ重男2人連れに高師くんを添えて。道民、道外の人間に地元土産菓子振る舞うの好きでしょ(クソデカ主語)空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:17「お、良いとこに来たな」
冬季休暇に伴う寮の閉鎖によって帰省を余儀なくされた高師は、閉鎖期間終了日に合わせてこの雪に閉ざされた北の大地へと舞い戻ってきた。それは、高師へと声を掛けた男達も同様だったのだろう。まだ学生の姿も少ない寮の談話室の一角を占領していた四人の男――フェルマーと篠原そして空閑と汐見。その中で高師へと声を投げたのは篠原であった。
「お前らはドイツだったんじゃないのか」
フェルマーの実家に世話になる、と寮を出た筈の篠原は高師に頷いて「どうせお前も寮が開いたらすぐ帰ってくるだろ、ヴィンがそのタイミングで戻らない訳なくない?」と笑みを含んだ言葉を返す。
「ドイツまで行くんだったら、休暇ギリギリまで向こうにいるものだと思ってただけだ」
2318冬季休暇に伴う寮の閉鎖によって帰省を余儀なくされた高師は、閉鎖期間終了日に合わせてこの雪に閉ざされた北の大地へと舞い戻ってきた。それは、高師へと声を掛けた男達も同様だったのだろう。まだ学生の姿も少ない寮の談話室の一角を占領していた四人の男――フェルマーと篠原そして空閑と汐見。その中で高師へと声を投げたのは篠原であった。
「お前らはドイツだったんじゃないのか」
フェルマーの実家に世話になる、と寮を出た筈の篠原は高師に頷いて「どうせお前も寮が開いたらすぐ帰ってくるだろ、ヴィンがそのタイミングで戻らない訳なくない?」と笑みを含んだ言葉を返す。
「ドイツまで行くんだったら、休暇ギリギリまで向こうにいるものだと思ってただけだ」
狭山くん
TRAINING2022-06-16/今日の空閑汐♂はひとり寝汐見♂の話。この4日いちゃつかせるぞ!って言った割に切なめの仕上がりじゃん……明日いちゃつかせる為に今日はしっとりさせとくんだ……空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:16 暗い部屋の中で、ごろんと寝返りを打つ。苦もなく寝返りを打てるベッドの上で、汐見は一人小さく息を吐き出した。
学校は冬季休暇、それに伴って寮も休暇開始の数日後には閉鎖すると寮から追い出された汐見は、数日前には学校からは特急で一本――高速鉄道の恩恵により車であれば五時間近い道のりを一時間程度にまで縮め、生まれ育った地元へと戻ってきていた。
最初の数日間は、前回は宇宙港に併設された空港から帰省したという空閑が汐見について特急へと乗り込み観光を兼ねて遊び歩いた。汐見もその間実家に寄ることもなく、空閑と同じホテルで眠っていた。普段寝ているものよりも広いベッドが一つあるダブルルームで、普段のようにぴったりとくっ付いて。
1345学校は冬季休暇、それに伴って寮も休暇開始の数日後には閉鎖すると寮から追い出された汐見は、数日前には学校からは特急で一本――高速鉄道の恩恵により車であれば五時間近い道のりを一時間程度にまで縮め、生まれ育った地元へと戻ってきていた。
最初の数日間は、前回は宇宙港に併設された空港から帰省したという空閑が汐見について特急へと乗り込み観光を兼ねて遊び歩いた。汐見もその間実家に寄ることもなく、空閑と同じホテルで眠っていた。普段寝ているものよりも広いベッドが一つあるダブルルームで、普段のようにぴったりとくっ付いて。
狭山くん
TRAINING2022-06-15/季節感があんまりにも無さすぎる空閑汐♂デイリー冬のデート回。汐見の地元は狭山くんの地元でもあるんですが地元イルミネーションが100年先も続いてたらいいね(忘れがち近未来設定)空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:15 光のアーチを潜りながら、白く固められた地面を踏み締める。ほう、と感嘆のため息を吐いた空閑の隣で、汐見は既に見慣れているとでもいうようにいつも通りの仏頂面を晒していた。
「すごいね、綺麗だ」
「お前の地元にだって、これより凄いのあるんじゃないのか?」
「まぁ、至る所にあるんだとは思うけどさ、あんまり興味なかったから」
二度目の冬季休暇を迎え、数ヶ月前に友人同士でありクラスメイトであり部活の同期であり寮のルームメイトでもある空閑と汐見の関係に恋人というラベリングが為された事をいい事に地元に帰るという汐見に着いて彼の地元までやってきた空閑は、今年で百数十回目になるというイルミネーションの下を歩いていた。
そこでは古くからある旧式の電灯で形どられる鈴蘭やライラックの電飾から最新式の電飾を使った光のアートまで、様々な輝きが市街地を貫く緑地である筈の雪が積もる公園を彩り観光客や地元の人々を楽しませている。
1823「すごいね、綺麗だ」
「お前の地元にだって、これより凄いのあるんじゃないのか?」
「まぁ、至る所にあるんだとは思うけどさ、あんまり興味なかったから」
二度目の冬季休暇を迎え、数ヶ月前に友人同士でありクラスメイトであり部活の同期であり寮のルームメイトでもある空閑と汐見の関係に恋人というラベリングが為された事をいい事に地元に帰るという汐見に着いて彼の地元までやってきた空閑は、今年で百数十回目になるというイルミネーションの下を歩いていた。
そこでは古くからある旧式の電灯で形どられる鈴蘭やライラックの電飾から最新式の電飾を使った光のアートまで、様々な輝きが市街地を貫く緑地である筈の雪が積もる公園を彩り観光客や地元の人々を楽しませている。
狭山くん
TRAINING2022-06-14/空閑汐♂デイリー、今日は篠原と空閑の話。汐見はあの後抱き潰された模様。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:14 日曜の昼下がり、広々とした寮の談話室に現れたのは篠原が呼び出した人物ではなかった。
「や、おはよ」
「もうおはようの時間じゃないだろ。空閑」
ジャージ姿で自身の端末を弄っていた篠原は、空閑の声に視線を向けながら溜息をひとつ。そこに立っていたのは十数時間前には恥も外聞もなく泣き喚いていたなんて忘れましたという顔をしてニコニコと笑みを浮かべる男である。
「俺は汐見を呼んだ筈なんだけどな」
昨夜の釣り銭を渡す為に呼び出した相手が空閑に変わった理由に見当が付かない程鈍くはないが、面倒臭い男二人に巻き込まれた篠原としてはそれでも文句の一つくらいは言いたくなるものだ。
「昨日アマネが出した分は俺が返したし、そうなると釣り銭の所有者は俺になるんだから間違いじゃないよ」
1370「や、おはよ」
「もうおはようの時間じゃないだろ。空閑」
ジャージ姿で自身の端末を弄っていた篠原は、空閑の声に視線を向けながら溜息をひとつ。そこに立っていたのは十数時間前には恥も外聞もなく泣き喚いていたなんて忘れましたという顔をしてニコニコと笑みを浮かべる男である。
「俺は汐見を呼んだ筈なんだけどな」
昨夜の釣り銭を渡す為に呼び出した相手が空閑に変わった理由に見当が付かない程鈍くはないが、面倒臭い男二人に巻き込まれた篠原としてはそれでも文句の一つくらいは言いたくなるものだ。
「昨日アマネが出した分は俺が返したし、そうなると釣り銭の所有者は俺になるんだから間違いじゃないよ」
狭山くん
TRAINING2022-06-12/本日のデイリーは後半へ続いたお前らさっさとくっ付け騒動。800字とは以下略。3日間に渡った告白編が書けて拙者満足でござる。
空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:12 どうしたもんか。
汐見はフェルマーから送られたメッセージを見つけてから数えて数度目になるその言葉を胸の内でだけ呟いて。涙に濡れた空閑の瞳と残る三人の男たちからの視線、合わせて八の瞳を向けられて居心地の悪さに少しだけ眉を寄せる。
「……アマネ」
所在なさげに小さく漏らされた空閑の声は、この一年半殆どの時間を共に過ごしていたというのにはじめて聞くかのような弱々しいもので。どこか赦しを乞うかのような色を帯びたその声に、汐見はこの場所に足を踏み入れてから二度目になる溜息を吐き出した。
「……おい、浩介」
「ん?」
ジーンズの尻ポケットに差し込んでいた財布を手に篠原へと言葉を掛けた汐見へ、彼はどうしたと言わんばかりに首を傾げて見せる。
2538汐見はフェルマーから送られたメッセージを見つけてから数えて数度目になるその言葉を胸の内でだけ呟いて。涙に濡れた空閑の瞳と残る三人の男たちからの視線、合わせて八の瞳を向けられて居心地の悪さに少しだけ眉を寄せる。
「……アマネ」
所在なさげに小さく漏らされた空閑の声は、この一年半殆どの時間を共に過ごしていたというのにはじめて聞くかのような弱々しいもので。どこか赦しを乞うかのような色を帯びたその声に、汐見はこの場所に足を踏み入れてから二度目になる溜息を吐き出した。
「……おい、浩介」
「ん?」
ジーンズの尻ポケットに差し込んでいた財布を手に篠原へと言葉を掛けた汐見へ、彼はどうしたと言わんばかりに首を傾げて見せる。
はるもん🌸
MOURNING怒らせたい魏嬰とビビる思追【藍思追の心配】魏無羨が弟子数人に集まれと言ったくせに、本人が遅刻する時がある。
そんな時、静室にいる魏無羨を呼ぶのはいつも藍思追の役目となっていた。『魏先輩、迎えにきました』と声を出そうとしたその時だ。
「ああ、悪かった藍湛!もうしない、しないったら許せ!」
「いつも口ばかり。全く反省がない」
今日もやっている、と藍思追は片手で顔を覆った。
「ほらほらそんなに怒るな、藍思追がそこまで来てるんだ。今日の所はひとまず許してくれ、頼むよ」
気配だけで自分の居場所を察知したのかと藍思追は驚く。
****
弟子達が待つ場所へと魏無羨を連れていく際、今度は何を含光君にしでかしたのかを聞いてみた。
すると、魏無羨はいつものようにヘラリと笑って「大人の秘密だ」と言ってごまかすのだ。藍思追はそこまで大人の事情に詳しくはなかった。
992そんな時、静室にいる魏無羨を呼ぶのはいつも藍思追の役目となっていた。『魏先輩、迎えにきました』と声を出そうとしたその時だ。
「ああ、悪かった藍湛!もうしない、しないったら許せ!」
「いつも口ばかり。全く反省がない」
今日もやっている、と藍思追は片手で顔を覆った。
「ほらほらそんなに怒るな、藍思追がそこまで来てるんだ。今日の所はひとまず許してくれ、頼むよ」
気配だけで自分の居場所を察知したのかと藍思追は驚く。
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弟子達が待つ場所へと魏無羨を連れていく際、今度は何を含光君にしでかしたのかを聞いてみた。
すると、魏無羨はいつものようにヘラリと笑って「大人の秘密だ」と言ってごまかすのだ。藍思追はそこまで大人の事情に詳しくはなかった。
狭山くん
TRAINING2022-06-11/前日からの続きみたいな感じではありますが、前日読まなくてもまぁって感じでもある。文字数など考えるな。後半へ続く!(キートン山田声で)空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:11「アマネが足りない……絶対避けられてる……ッ!」
眼前のテーブルにそんな叫び声と共に突っ伏せる空閑の姿へ憐憫を孕んだ視線を向けるのは隣に座る篠原で。
「汐見だって忙しいんだろう、クラスも部活も部屋も同じなら避けようもないんじゃないか?」
眉を寄せながらも不思議そうに首を傾げる高師に「うんまぁ、これは避けられてるよねぇ」とやんわりとした語調ながらもはっきりとそう口にしたフェルマーは、突っ伏せたままの空閑の頭部へと視線を向けて言葉を重ねる。
「で、今度はアマネに何したのさ」
「全然身に覚えが無いんだよ。ここ一週間くらい、部活が終わってから消灯までどこかに行っちゃうし、どうしたのって訊いたら補習だって言うし……主席のアマネが補習だったらそんなんクラス全員補習でしょう!?」
2179眼前のテーブルにそんな叫び声と共に突っ伏せる空閑の姿へ憐憫を孕んだ視線を向けるのは隣に座る篠原で。
「汐見だって忙しいんだろう、クラスも部活も部屋も同じなら避けようもないんじゃないか?」
眉を寄せながらも不思議そうに首を傾げる高師に「うんまぁ、これは避けられてるよねぇ」とやんわりとした語調ながらもはっきりとそう口にしたフェルマーは、突っ伏せたままの空閑の頭部へと視線を向けて言葉を重ねる。
「で、今度はアマネに何したのさ」
「全然身に覚えが無いんだよ。ここ一週間くらい、部活が終わってから消灯までどこかに行っちゃうし、どうしたのって訊いたら補習だって言うし……主席のアマネが補習だったらそんなんクラス全員補習でしょう!?」
狭山くん
TRAINING2022-06-10/空閑汐♂デイリー、遂に2000字超えてて800字チャレンジとは……?ってなってます。しかも空閑が出て来ない汐見独白回である。篠原は空気を読む男だよ!
空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:10 時折足を向けるその場所で篠原の視界に現れたのは、汐見の姿であった。
「珍しいな、こんな所で」
「お前こそ」
心底珍しいものを見るような視線を汐見に向ければ、汐見は鬱陶しそうに片手をひらりと振りながらも篠原へと言葉を返す。汐見が珍しい訳ではない、部活で飽きる程に顔を合わせているから。珍しかったのは、彼が一人で大学部に併設された図書館に居る事だった。
高等部と大学部――そして学生と教員たちの宿舎や食堂だのコンビニだのが併設された広大な敷地からなるひとつの町のようなこの場所で、高等部の生徒が大学部の図書館に揃うのは珍しい事だった。課題をこなす為の文献をあたるのであれば高等部でも事足りる。
篠原は大学部に在籍する学生との逢瀬の為に時折この場所を訪れていたが、篠原が入学してから一年半を過ぎた今までの間、汐見を含めた高等部の生徒と出会うという事はなかったのだ。
2324「珍しいな、こんな所で」
「お前こそ」
心底珍しいものを見るような視線を汐見に向ければ、汐見は鬱陶しそうに片手をひらりと振りながらも篠原へと言葉を返す。汐見が珍しい訳ではない、部活で飽きる程に顔を合わせているから。珍しかったのは、彼が一人で大学部に併設された図書館に居る事だった。
高等部と大学部――そして学生と教員たちの宿舎や食堂だのコンビニだのが併設された広大な敷地からなるひとつの町のようなこの場所で、高等部の生徒が大学部の図書館に揃うのは珍しい事だった。課題をこなす為の文献をあたるのであれば高等部でも事足りる。
篠原は大学部に在籍する学生との逢瀬の為に時折この場所を訪れていたが、篠原が入学してから一年半を過ぎた今までの間、汐見を含めた高等部の生徒と出会うという事はなかったのだ。
狭山くん
TRAINING2022-06-09/デイリー空閑汐♂に高師くん初登場。空閑汐♂に巻き込まれる高師くん、一匹狼気取ってる暇もなくツッコミ役に回るしかなくなってて笑ってる。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:09 人間というのは、こんなにも綺麗な弧を描いて飛ぶものなのか。高師駿馬はその光景を見ながら、ぼんやりとそんな事を考えていた。
「アイツ、また汐見怒らせたな」
夏休みに入っても、全寮制のこの学校から帰らない人間は多少は存在している。高師しかり、隣でボソリと言葉を漏らしていた篠原しかり。そして彼らの目の前で模擬試合を行なっていた筈の汐見と空閑もまた、帰省をせず学校に残った生徒であった。
「……あれ、本当に汐見なのか?」
「汐見じゃなかったら誰なんだよ」
思わず防具で覆われ表情が見えない二人の男達が自分の認識と相違ないか確認してしまう高師に、篠原は苦笑混じりで相違ないと口にする。高師が知る汐見は長身の部類に入るだろう高師自身とあまり変わらない身長ではあるが、今宙を飛んだ空閑よりは背が低く、体格にしても空閑よりは薄い体つきをしていた筈だ。
1477「アイツ、また汐見怒らせたな」
夏休みに入っても、全寮制のこの学校から帰らない人間は多少は存在している。高師しかり、隣でボソリと言葉を漏らしていた篠原しかり。そして彼らの目の前で模擬試合を行なっていた筈の汐見と空閑もまた、帰省をせず学校に残った生徒であった。
「……あれ、本当に汐見なのか?」
「汐見じゃなかったら誰なんだよ」
思わず防具で覆われ表情が見えない二人の男達が自分の認識と相違ないか確認してしまう高師に、篠原は苦笑混じりで相違ないと口にする。高師が知る汐見は長身の部類に入るだろう高師自身とあまり変わらない身長ではあるが、今宙を飛んだ空閑よりは背が低く、体格にしても空閑よりは薄い体つきをしていた筈だ。
狭山くん
TRAINING2022-06-08/今日のデイリー空閑汐♂はおっぱじめてないのでギリギリセーフだと思ってる。文字数は800字って何だっけみたいになってた。いつもの事。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:08 シングルサイズの二段ベッド下段、それがこの学校で汐見へと与えられた寝床である。一応プライベートを保つという名目なのだろう、上段に打ち付けられたカーテンレールには重そうな布地で作られたカーテンがぶら下げられていた。そのカーテンは幾度かその役目を果たしていたが、すぐに使われることはなくなっていた。
汐見がこの学校に入学してから一年以上を経た今日も、ベッドの周囲を覆うカーテンは使われていない。
「……暑苦しい」
不服そうに漏らされた汐見の声に、彼を背後から抱きすくめる空閑は小さく笑い声を漏らす。
「でも、アマネ俺とくっついてるの好きじゃん」
汐見の首筋に鼻先を埋めながらそう口にする空閑は、彼の項へ唇を落とし小さく吸い付いて。しかしその行為はどこか性の予感とは別の所にあって、汐見は空閑の好きなようにさせていた。
1273汐見がこの学校に入学してから一年以上を経た今日も、ベッドの周囲を覆うカーテンは使われていない。
「……暑苦しい」
不服そうに漏らされた汐見の声に、彼を背後から抱きすくめる空閑は小さく笑い声を漏らす。
「でも、アマネ俺とくっついてるの好きじゃん」
汐見の首筋に鼻先を埋めながらそう口にする空閑は、彼の項へ唇を落とし小さく吸い付いて。しかしその行為はどこか性の予感とは別の所にあって、汐見は空閑の好きなようにさせていた。
狭山くん
TRAINING2022-06-07/空閑汐♂デイリー、距離感バグ警察ササハラくん頑張れの巻。汐見はマジで痕付けられてる事に気付いてないし、その後に空閑に鉄拳制裁食らわせてる。空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:07 放課後の武道場に併設されている更衣室で並び立ち制服を脱いでいた篠原は、隣に立つ空閑の背中に走る幾筋もの朱い痕を目にしていた。
――お盛んな事で。
背中の爪痕を付けられた側も、おそらく付けた側であるだろうもう一人の男もそんな情事の痕など気にも止めずに制服を脱ぎ剣道着を纏っていく。経験者である汐見は元より高校入学を機に剣道を始めた空閑も手慣れたように袴の紐をキュッと結ぶ様を横目に、篠原も同じように紺袴の紐をきっちりと結んで。
そうして更衣室を連れ立って出て行こうとした所で、汐見の纏う剣道着の隙間に見えた朱に目を剥いた。
「待て待て待て待て汐見! 出るな!!」
思わずそんな叫び声と共に汐見を押しとどめようと身体ごと彼へぶつかって行った篠原は、びくともしない汐見に受け止められる。ひょろりとした長身の汐見は、体当たりでもすればよろめいてしまいそうな線の細さを持った男であるが――しっかりとした体幹としっかりと付けられた実用的な筋肉で、自身よりも体格のいい空閑ですら稽古中に体当たりで飛ばすような人間だという事は篠原もこの半年以上経った関係の中で知っていた。
842――お盛んな事で。
背中の爪痕を付けられた側も、おそらく付けた側であるだろうもう一人の男もそんな情事の痕など気にも止めずに制服を脱ぎ剣道着を纏っていく。経験者である汐見は元より高校入学を機に剣道を始めた空閑も手慣れたように袴の紐をキュッと結ぶ様を横目に、篠原も同じように紺袴の紐をきっちりと結んで。
そうして更衣室を連れ立って出て行こうとした所で、汐見の纏う剣道着の隙間に見えた朱に目を剥いた。
「待て待て待て待て汐見! 出るな!!」
思わずそんな叫び声と共に汐見を押しとどめようと身体ごと彼へぶつかって行った篠原は、びくともしない汐見に受け止められる。ひょろりとした長身の汐見は、体当たりでもすればよろめいてしまいそうな線の細さを持った男であるが――しっかりとした体幹としっかりと付けられた実用的な筋肉で、自身よりも体格のいい空閑ですら稽古中に体当たりで飛ばすような人間だという事は篠原もこの半年以上経った関係の中で知っていた。
狭山くん
TRAINING2022-06-05/今日のデイリー空閑汐♂はササハラとヴィンから見た空閑汐♂である。この時点で空閑汐♂お互い恋愛感情については無自覚。
距離感バク警察ササハラくんは頑張ってって感じ。
空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:05「アマネ! 今日部活休みになったから、浩介くんとヴィンくんが宇宙港行かないかって」
廊下に立つ篠原浩介は呼びに行った相手が居る教室から聞こえてきたその言葉を耳にして、少しの違和感に首を傾げた。隣に立つヴィンツェンツ・S・フェルマーはそんな篠原の仕草と、聴こえて来た言葉にどこか楽しそうな笑い声を小さく漏らす。
「ねぇ、コースケ。ヒロミがアマネの事呼び捨てにしてるよ」
「え? あぁ、違和感そこか。何かアイツら無駄に距離近いよな……」
汐見と空閑の二人とは所属するコースが異なる篠原とフェルマーは、篠原が彼らと同じ部活であると言う所からよく顔を合わせていた。フェルマー曰く「コースは違うけど一年で浮いてるもの同士仲良くなる余地めちゃくちゃあるよね」と言う関係性で。
1706廊下に立つ篠原浩介は呼びに行った相手が居る教室から聞こえてきたその言葉を耳にして、少しの違和感に首を傾げた。隣に立つヴィンツェンツ・S・フェルマーはそんな篠原の仕草と、聴こえて来た言葉にどこか楽しそうな笑い声を小さく漏らす。
「ねぇ、コースケ。ヒロミがアマネの事呼び捨てにしてるよ」
「え? あぁ、違和感そこか。何かアイツら無駄に距離近いよな……」
汐見と空閑の二人とは所属するコースが異なる篠原とフェルマーは、篠原が彼らと同じ部活であると言う所からよく顔を合わせていた。フェルマー曰く「コースは違うけど一年で浮いてるもの同士仲良くなる余地めちゃくちゃあるよね」と言う関係性で。