@ricohitherh
DONE新開さんお誕生日ホームボイスから連想した、新衣都/戦衣都の小話。CPは成立していない状態であのセリフを言うとしたら……の妄想。泥酔している訳ではなくとも酔っ払いの思考になっている新開さんを見たかっただけ。
buzzed サプライズは、するのもされるのも得意じゃなくて――弥代がそんな風に切り出したのは、戦の誕生日パーティ延長戦の、飲み会の最中だった。
「プレゼントどうしようかなって悩んだんですけど……新開さんの好みもあるし、リクエスト聞いてからが外れないかなと。何か欲しいもの、ありますか」
戦は既に何本目か数えるのを止めた缶ビールを空けたせいで、程良くアルコールが回っている。一方の弥代もゆっくりとしたペースで飲んでいても普段よりも肌を赤らめているし、纏う空気も口調も心なしかふわふわしていた。
(欲しいもの……つってもなぁ……)
それなりに欲を持ち合わせているから、欲しいものもそれなりにある。しかし、決して長くはない付き合い弥代にプレゼントとして強請るとなると、どうしてなかなか難しい。
922「プレゼントどうしようかなって悩んだんですけど……新開さんの好みもあるし、リクエスト聞いてからが外れないかなと。何か欲しいもの、ありますか」
戦は既に何本目か数えるのを止めた缶ビールを空けたせいで、程良くアルコールが回っている。一方の弥代もゆっくりとしたペースで飲んでいても普段よりも肌を赤らめているし、纏う空気も口調も心なしかふわふわしていた。
(欲しいもの……つってもなぁ……)
それなりに欲を持ち合わせているから、欲しいものもそれなりにある。しかし、決して長くはない付き合い弥代にプレゼントとして強請るとなると、どうしてなかなか難しい。
@ricohitherh
DONE新開さん、お誕生日おめでとうございました🧸誕生日には全く関係ない、8月上旬の新開さんと衣都ちゃんのおはなし。弥代衣都の名前を隠す時には『シロ』と呼ぶという前提でお読み頂けると幸いです。よくあるナンパネタから最後は逸れた。
wavering 衣都が初めて関わった強行部の依頼から、数ヶ月が経過した。準備の一環として指示された『日課』だったジム通いは、今は自分自身のための『習慣』として続いている。
(一日事務仕事だったせいか、今日は元気が余ってる……ような気がするのは、やっぱり体力ついてきたからかな)
本部での日常業務を十九時で終えた衣都は、Aporiaを――ビルを出ると、寮とは反対方向へ足を向けた。パーソナルジムとは違う、新開が教えてくれたジムのひとつで、そこは彼との護身術講習が入っていない時に主に利用している。
新開の「こいつ素質はある」という言葉を信じて、トレーニングを続けること数ヶ月。前職の時には同じ事務仕事でも終業後からもうひと運動など考えられなかったから、心身ともに少なからぬ変化を実感できる。
5432(一日事務仕事だったせいか、今日は元気が余ってる……ような気がするのは、やっぱり体力ついてきたからかな)
本部での日常業務を十九時で終えた衣都は、Aporiaを――ビルを出ると、寮とは反対方向へ足を向けた。パーソナルジムとは違う、新開が教えてくれたジムのひとつで、そこは彼との護身術講習が入っていない時に主に利用している。
新開の「こいつ素質はある」という言葉を信じて、トレーニングを続けること数ヶ月。前職の時には同じ事務仕事でも終業後からもうひと運動など考えられなかったから、心身ともに少なからぬ変化を実感できる。
@ricohitherh
DONE静さんSR『緑に癒されて』の絵のシチュを捏造。Floristイベ以降ジュンブライベ以前の、とある平日のカプ未満な静衣都のおはなし。静さんがあれこれ考えているだけですが、未来の二人の何かきっかけになった日かも知れないと妄想。衣都ちゃんは平均身長(158cmくらい)をイメージしているので、フラットシューズだと静さんに見下ろされる身長差かなという妄想です。カプ未満の手探りな時期も好き。green 平日の午後三時。昼食には遅く、終業後には早いこの時間だが、今日の静は後者だ。
(……体が固まってる)
イレギュラな案件で、日が昇る前の早朝からずっとパソコンと向かい合っていたせいで、目も肩も重く、軽く伸びをしただけで体のそこかしこからパキパキと音が鳴る。
仕事中に絶えずコーヒーを飲んでいたからで、起床時間の割に眠気はない。作業の片手間にシリアルバーを齧っていたお陰で空腹感もないが、窓の外に目を向ければ抜けるような青さに澄み切った空で、昼寝をするのもこのまま引きこもるのも勿体なく感じる。
(腹は空いてないけど……外、出るか)
ふう、と息を吐くと机に両手をついて立ち上がり、もう一度グッと伸びをしてから身支度を整えるべく動き始めた。
3661(……体が固まってる)
イレギュラな案件で、日が昇る前の早朝からずっとパソコンと向かい合っていたせいで、目も肩も重く、軽く伸びをしただけで体のそこかしこからパキパキと音が鳴る。
仕事中に絶えずコーヒーを飲んでいたからで、起床時間の割に眠気はない。作業の片手間にシリアルバーを齧っていたお陰で空腹感もないが、窓の外に目を向ければ抜けるような青さに澄み切った空で、昼寝をするのもこのまま引きこもるのも勿体なく感じる。
(腹は空いてないけど……外、出るか)
ふう、と息を吐くと机に両手をついて立ち上がり、もう一度グッと伸びをしてから身支度を整えるべく動き始めた。
@ricohitherh
DONEジュンブライベの少し後。カプ未満な新開さんと衣都ちゃんのおはなし。新衣?新衣都?戦衣都??これまたカプ名わからん……。ジュンブライベストの🍮静さんはきっと全員分買ってくれて、衣都ちゃんがそれをまた食べたくなった……という前提でお読み頂けると幸いです。新開さん暫定推しなのですが、無自覚モテ男加減が難しすぎました。lull もう日付も変わろうとしているこの時間。新開は視界に捉えたものを疑い、二度、三度と瞬きをした。
(見間違いじゃねえ、弥代だ)
寮から一番近いミミストではない、徒歩圏内ではあるけれど少し離れた場所にあるコンビニ。外出帰りに目的なく立ち寄って店内をふらついていた新開は、入店して来た客が同僚だと気付いて、思いがけない遭遇だと片眉を上げる。
お互いにひとりなのと、自身が知り合いに会って無視を決め込む人間ではないので、そちらに足を運んだ。
「弥代」
「え? ……ああ、新開さん」
顔を覗き込むように少し身を屈めて名前を呼ぶと、一瞬の警戒の後、呼んだのが新開だと理解した弥代は緊張を緩めた。
「こんな時間に買い物か」
「はい」
2516(見間違いじゃねえ、弥代だ)
寮から一番近いミミストではない、徒歩圏内ではあるけれど少し離れた場所にあるコンビニ。外出帰りに目的なく立ち寄って店内をふらついていた新開は、入店して来た客が同僚だと気付いて、思いがけない遭遇だと片眉を上げる。
お互いにひとりなのと、自身が知り合いに会って無視を決め込む人間ではないので、そちらに足を運んだ。
「弥代」
「え? ……ああ、新開さん」
顔を覗き込むように少し身を屈めて名前を呼ぶと、一瞬の警戒の後、呼んだのが新開だと理解した弥代は緊張を緩めた。
「こんな時間に買い物か」
「はい」
@ricohitherh
DONE初めて書いたぶれまい。節見さんと衣都ちゃんの、カプ未満なジュンブラ会話に纏わる短いおはなし。夜の事務所でふたりきりで事務処理でもしているシチュでお読み頂けると幸いです。節見さんの最後の台詞は、聞いた衣都ちゃんの反応を見たくてわざと冗談で言っています。「それってどういう意味で」と慌てたり、「新開さんに私が試されるやつじゃないですか……」とドン引きされたりとか、真顔以外の衣都ちゃんを引き出したいcompetitive ブライダルフェアに感化されたのか、弥代が「もし結婚するなら……」と小さく呟いたのが耳に届いた。
「何?」
「もし節見さんが結婚するなら、お相手はどんな方だろうって」
「自分の結婚じゃなくて、俺の話? 俺は一人が楽で好きなんだ。誰かと一緒にいたいって思う未来は……今の所見えない。どう考えても弥代の方が先でしょ」
「……そうなんでしょうか。今回の依頼でこれだけ色々調べたり準備したのに、自分が結婚するってイメージ、全然できませんでしたし。あ、でも、新開さんに『お前にそう言うやつができたら、俺より強いか試してやるから連れてこい』って言われたのはちょっと面白かったです」
面白いと思っているとは見えない顔で告げられた内容は、確かに少し面白い。
1303「何?」
「もし節見さんが結婚するなら、お相手はどんな方だろうって」
「自分の結婚じゃなくて、俺の話? 俺は一人が楽で好きなんだ。誰かと一緒にいたいって思う未来は……今の所見えない。どう考えても弥代の方が先でしょ」
「……そうなんでしょうか。今回の依頼でこれだけ色々調べたり準備したのに、自分が結婚するってイメージ、全然できませんでしたし。あ、でも、新開さんに『お前にそう言うやつができたら、俺より強いか試してやるから連れてこい』って言われたのはちょっと面白かったです」
面白いと思っているとは見えない顔で告げられた内容は、確かに少し面白い。