お ぎ
DONEそういうブラネロ11開催おめでとうございます。短い漫画2点を展示します。(2Pと3P)2つの話は繋がっていません。
どっちも事後の匂わせしかないしボスはどっちもほぼ上裸なのでご注意ください。 7
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DONE #そういうブラネロ11魔法使い、フォ学、パラロイ、妖異譚、シースクのネロが謎時空に集められ、自分のブラッドリーの愚痴をこぼしたり惚気あったりする話です。
全世界ネロ会議 気が付くと真っ白い部屋にいた。
壁も床も天井も白く、窓もないのにやけに明るい部屋だ。
部屋には木製の椅子が五つ。
そのうちの一つに、ネロはゆったりと腰かけていたのだった。
椅子はやけに座り心地がよくて、それは大変結構なのだが、問題はこの部屋にいるのがネロ一人ではないことだ。
円形に椅子が配置されているので、同じく椅子に座っている他の四人の顔がよく見える。
どうやらこの部屋にいるのは全員が同じ顔……、すなわち、ネロ自身と同じ顔の男だと認識せざるをえなかった。
もっとも、変身魔法を使えば容姿を変えることはできるのだから、同じ顔の男が何人存在しようとあり得ない話ではない。
だからネロが一番気にかかっているのは、自分たち五人をこの部屋に閉じ込めた存在の思惑だ。
12238壁も床も天井も白く、窓もないのにやけに明るい部屋だ。
部屋には木製の椅子が五つ。
そのうちの一つに、ネロはゆったりと腰かけていたのだった。
椅子はやけに座り心地がよくて、それは大変結構なのだが、問題はこの部屋にいるのがネロ一人ではないことだ。
円形に椅子が配置されているので、同じく椅子に座っている他の四人の顔がよく見える。
どうやらこの部屋にいるのは全員が同じ顔……、すなわち、ネロ自身と同じ顔の男だと認識せざるをえなかった。
もっとも、変身魔法を使えば容姿を変えることはできるのだから、同じ顔の男が何人存在しようとあり得ない話ではない。
だからネロが一番気にかかっているのは、自分たち五人をこの部屋に閉じ込めた存在の思惑だ。
しおん
DONE入れ替わる話|西の魔法舎で療養中、ネの元に蜜月時代のブがやってくる話です。※過去に掲載したものを2部の時間軸にふわっと変更し、加筆修正しています。
問うてはその応え ようやく西の国から中央の国に帰還する目処が立って、賢者を含め全員が安堵していた頃のこと。
散歩ついでに買い出しを済ませてファウストと西の魔法舎に帰ってきたところ、待ち構えていたかのようにフィガロが門前で手をひらりと振る。てっきりファウストに用があるのだと思った(隠しているようだが二人は妙に親しげな気配がある)が、視線は何故かネロに向けられている。
正直、ネロにとってあまり得意な相手ではない。例の件もあるので、今後は関わりを減らしたかった。情が移るから、というわけではないのだ。何があろうともネロのなかで優先順位がひっくり返ることはあり得ないので、フィガロとこの先どれほど思い出が増えたとしても、ネロは躊躇わないだろう。ただ、夕飯まで部屋で休むつもりでいたので困惑した。隣でファウストも微かに戸惑っている気配がする。
12106散歩ついでに買い出しを済ませてファウストと西の魔法舎に帰ってきたところ、待ち構えていたかのようにフィガロが門前で手をひらりと振る。てっきりファウストに用があるのだと思った(隠しているようだが二人は妙に親しげな気配がある)が、視線は何故かネロに向けられている。
正直、ネロにとってあまり得意な相手ではない。例の件もあるので、今後は関わりを減らしたかった。情が移るから、というわけではないのだ。何があろうともネロのなかで優先順位がひっくり返ることはあり得ないので、フィガロとこの先どれほど思い出が増えたとしても、ネロは躊躇わないだろう。ただ、夕飯まで部屋で休むつもりでいたので困惑した。隣でファウストも微かに戸惑っている気配がする。
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TRAININGお題:「昔話」「リラックス」「見惚れる」盗賊団の伝説を思い出すネロが、ブラッドリーとの初めてのキスを思い出すお話です。軽いキス描写があります。
かつての瞳 ブラッドは酔うと時折、本当に時折昔話をする。
普段はそんな様子など見せないくせに、高慢ちきな貴族さまから後妻を奪った話だとか(彼女はただ可哀想な女ではなく女傑だったようで、しばらく死の盗賊団の女神になり、北の国の芸術家のミューズになった)、これもやはり領民のことを考えない領主から土地を奪い、追いやった後等しく土地を分配したことなど、今でも死の盗賊団の伝説のうちでも語り草になっている話を、ブラッドは酒を飲みながらした。俺はそれを聞きながら、昔の話をするなんて老いている証拠かなんて思ったりして、けれど自分も同じように貴族から奪った後妻に作ってやった料理の話(彼女は貧しい村の出で、豆のスープが結局は一番うまいと言っていた)や、やっと手に入れた土地をどう扱っていいのか分からない領民に、豆の撒き方を教えてやった話などを思い出していたのだから、同じようなものなのだろう。そしてそういう話の後には、決まって初めて俺とブラッドがキスをした時の話になる。それは決まりきったルーティーンみたいなものだった。
1852普段はそんな様子など見せないくせに、高慢ちきな貴族さまから後妻を奪った話だとか(彼女はただ可哀想な女ではなく女傑だったようで、しばらく死の盗賊団の女神になり、北の国の芸術家のミューズになった)、これもやはり領民のことを考えない領主から土地を奪い、追いやった後等しく土地を分配したことなど、今でも死の盗賊団の伝説のうちでも語り草になっている話を、ブラッドは酒を飲みながらした。俺はそれを聞きながら、昔の話をするなんて老いている証拠かなんて思ったりして、けれど自分も同じように貴族から奪った後妻に作ってやった料理の話(彼女は貧しい村の出で、豆のスープが結局は一番うまいと言っていた)や、やっと手に入れた土地をどう扱っていいのか分からない領民に、豆の撒き方を教えてやった話などを思い出していたのだから、同じようなものなのだろう。そしてそういう話の後には、決まって初めて俺とブラッドがキスをした時の話になる。それは決まりきったルーティーンみたいなものだった。
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TRAININGお題「愛」「誕生日」「食べる」盗賊団に入る前の食事を思い出すネロが、みんなに誕生日お祝いをされるお話です。
君はいい子 満足に食事をとることが出来たのは、ブラッドの盗賊団に加わってからのことだった。それまでの俺は三食なんてもってのほかで、俺をいいように使っていた人間の男たちから、薄い塩味のくず野菜のスープにありつけたら万々歳、そこにうすっぺらい肉が浮かんでいたら狂喜乱舞、といった感じだった。残り物だからと腐った肉を食わされた時もあったし、当然何もない日が続くこともあった。とにかく、力のなかった俺には、北の国での生活は過酷だった、というわけだ。
ブラッドは部下に対して、愛を惜しまなかった。どんな寡黙な男たちだって彼の優しさに触れれば涙して、あなたに一生ついてゆくと言った。そして危険な仕事につき、みなボスのためならと喜んで石になっていった。
3632ブラッドは部下に対して、愛を惜しまなかった。どんな寡黙な男たちだって彼の優しさに触れれば涙して、あなたに一生ついてゆくと言った。そして危険な仕事につき、みなボスのためならと喜んで石になっていった。
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TRAININGお題:「花火」「熱帯夜」「一途」ムルたちが花火を楽しむ横で、賢者の未来について語ろうとするブラッドリーとそれを止めるネロのお話です。
優しいあなた 夏の夜、魔法舎に大きな花火が上がった。俺はそれを偶然厨房の窓から見ていて、相変わらずよくやるものだと、寸胴鍋を洗う手を止めてため息をついた。食堂から歓声が聞こえたから、多分そこにあのきらきらと消えてゆく炎を作った者(きっとムルだ)と賢者や、素直な西と南の魔法使いたちがいるのだろう。
俺はそんなことを考えて、汗を拭いながらまた洗い物に戻った。魔法をかければ一瞬の出来事なのだが、そうはしたくないのが料理人として出来てしまったルーティーンというものだ。東の国では人間として振る舞っていたから、その癖が抜けないのもある。
しかし暑い。北の国とも、東の国とも違う中央の暑さは体力を奪い、俺は鍋を洗い終える頃には汗だくになっていた。賢者がいた世界では、これを熱帯夜というのだという。賢者がいた世界に四季があるのは中央の国と一緒だが、涼しい顔をしたあの人は、ニホンよりずっと楽ですよとどこか訳知り顔で俺に告げたのだった。——しかし暑い。賢者がいた世界ではこの暑さは程度が知れているのかもしれないが、北の国生まれの俺には酷だった。夕食どきに汲んできた井戸水もぬるくなっているし、これのどこが楽なんだろう。信じられない。
3531俺はそんなことを考えて、汗を拭いながらまた洗い物に戻った。魔法をかければ一瞬の出来事なのだが、そうはしたくないのが料理人として出来てしまったルーティーンというものだ。東の国では人間として振る舞っていたから、その癖が抜けないのもある。
しかし暑い。北の国とも、東の国とも違う中央の暑さは体力を奪い、俺は鍋を洗い終える頃には汗だくになっていた。賢者がいた世界では、これを熱帯夜というのだという。賢者がいた世界に四季があるのは中央の国と一緒だが、涼しい顔をしたあの人は、ニホンよりずっと楽ですよとどこか訳知り顔で俺に告げたのだった。——しかし暑い。賢者がいた世界ではこの暑さは程度が知れているのかもしれないが、北の国生まれの俺には酷だった。夕食どきに汲んできた井戸水もぬるくなっているし、これのどこが楽なんだろう。信じられない。
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TRAINING8/5 ブラネロ版ワンドロライお題:「エスコート」「秘めたもの」「赤面」
ネロが寝ているところに、不思議な指輪を持って箒で訪ねてくるブラッドリーのお話です。ちょっと甘め。
月の魚 夏の日の夜半すぎ、コツコツと窓が叩かれる音がした。
俺はちょうどその時自室のベッドでまどろんでいて、意識があやふやだったから、最初のうちはそれを夢の中の幻だと思った。けれどその音はしつこく鳴り続けたので、俺はいよいよ目を覚まし(久しぶりに早寝をして気分がよかったのに最悪だと思った。汗はかいていたが)身体を起こし窓を見た。
あたりは月と星の明かりしかなく薄暗かったけれど、分厚い硝子窓越しに映る人影はきちんと見えた。それは紛れもない、俺の元相棒であるブラッドのものだった。どういうわけか知らないが、彼は愛用の箒に乗り、何やらリズムを刻んで不透明な窓を叩いている。鼻歌を歌うようなそれに俺はため息をついたけれど、彼が何かを思いついてしまった時にはことは全て遅く、俺に出来ることは一つもなかった。今夜も、ブラッドは空想を現実にしようとしているか、もうしてしまったのだろう。
3448俺はちょうどその時自室のベッドでまどろんでいて、意識があやふやだったから、最初のうちはそれを夢の中の幻だと思った。けれどその音はしつこく鳴り続けたので、俺はいよいよ目を覚まし(久しぶりに早寝をして気分がよかったのに最悪だと思った。汗はかいていたが)身体を起こし窓を見た。
あたりは月と星の明かりしかなく薄暗かったけれど、分厚い硝子窓越しに映る人影はきちんと見えた。それは紛れもない、俺の元相棒であるブラッドのものだった。どういうわけか知らないが、彼は愛用の箒に乗り、何やらリズムを刻んで不透明な窓を叩いている。鼻歌を歌うようなそれに俺はため息をついたけれど、彼が何かを思いついてしまった時にはことは全て遅く、俺に出来ることは一つもなかった。今夜も、ブラッドは空想を現実にしようとしているか、もうしてしまったのだろう。
908banmenokobun
DONE2023年7月22~23日開催ブラネロnonまほwebオンリー『どこでだって運命だから!』の参加作です。https://poipiku.com/1605383/8991387.htmlの続きですので、お手数ですが、そちらを先にお読みください。転生現パロです。 6リゲル
DOODLEゲロ甘盗賊団 ネロが子分以上相棒未満頭を楽にして読んでください。
わがままシェフおすすめ「ボスー、上出来だろ、ん。見てくれ」
「おー、ちがいねえ。こんなぷりっぷりのでっかい肉をよ、器用なことにとろっとろに煮て、俺様の上等なワイン丸々一本ぶち込んだ気前の良さには、北の精霊だってイチコロさ。で、誰だ、こんなべろべろんなるまで飲ませたの」
「見つけたらもう酔ってて…」
「…そうか。ワインは?」
「…っす、それも、既に握られていて…」
「はは」
「…お怒りですか?」
「怒ってねえよ、おら。いったいった」
「ど、どこに」
「マスでも掻いとけ、俺様が許すまで入るな」
事件現場であるブラッドリー・ベインの部屋を後に、子分たちは一心不乱に散っていった。そこまであほなやつらじゃないからこれくらいでいいだろう。問題は、ヘラヘラ笑いながら、まだ何も知らない真っさらな顔をしているこいつだ。赤ん坊のようにきゃっきゃっして、危なっかしい身動きで料理の入った鍋だけをガッツリ掴んでいる。
1835「おー、ちがいねえ。こんなぷりっぷりのでっかい肉をよ、器用なことにとろっとろに煮て、俺様の上等なワイン丸々一本ぶち込んだ気前の良さには、北の精霊だってイチコロさ。で、誰だ、こんなべろべろんなるまで飲ませたの」
「見つけたらもう酔ってて…」
「…そうか。ワインは?」
「…っす、それも、既に握られていて…」
「はは」
「…お怒りですか?」
「怒ってねえよ、おら。いったいった」
「ど、どこに」
「マスでも掻いとけ、俺様が許すまで入るな」
事件現場であるブラッドリー・ベインの部屋を後に、子分たちは一心不乱に散っていった。そこまであほなやつらじゃないからこれくらいでいいだろう。問題は、ヘラヘラ笑いながら、まだ何も知らない真っさらな顔をしているこいつだ。赤ん坊のようにきゃっきゃっして、危なっかしい身動きで料理の入った鍋だけをガッツリ掴んでいる。
miki_tea
DONEブラネロwebオンリー10「Bright Next Stage」の展示作品。冬春ブラネロ。
ある日、双子によって氷の中に閉じ込められたブラッドリーの下に現れたのは、どこか懐かしい気配がする空色の持ち主で………。
雪解けの蜂蜜酒 凍てついた氷の中、指一つ動かせないまま閉じ込められている。こんな胸糞悪い氷の檻はとっとと抜け出したいのに、いくら魔力を込めても到底破れそうにない。
(……クソッ、あのジジイ共覚えてろよ)
いくら悪態を付いたところで、あの双子が満足するまでブラッドリーはこの氷に閉じ込められたままなのだろう。
(今度は何年間だ?面倒臭えことになったな)
分厚い氷越しにぼんやりと見える外に視線を向けると、明るい日の光が降り注いでいた。
(放置されてるのは冬の国のど真ん中じゃねえな。春の国に近い場所か?)
それなら尚更、面倒臭いことになった。春の国の民は滅多に冬の国に近付かない。外部からの干渉は期待できそうにない。
ブラッドリーが不貞腐れて昼寝でもしようかと思っていると、こちらに近付いて来る魔力の気配を感じた。
18356(……クソッ、あのジジイ共覚えてろよ)
いくら悪態を付いたところで、あの双子が満足するまでブラッドリーはこの氷に閉じ込められたままなのだろう。
(今度は何年間だ?面倒臭えことになったな)
分厚い氷越しにぼんやりと見える外に視線を向けると、明るい日の光が降り注いでいた。
(放置されてるのは冬の国のど真ん中じゃねえな。春の国に近い場所か?)
それなら尚更、面倒臭いことになった。春の国の民は滅多に冬の国に近付かない。外部からの干渉は期待できそうにない。
ブラッドリーが不貞腐れて昼寝でもしようかと思っていると、こちらに近付いて来る魔力の気配を感じた。
お ぎ
DONEブラネロwebオンリー10「Bright Next Stage」展示作品②ボスと南の国住人の交流漫画とおまけ。モブはすごい出るけどネロ出ない(すまない…)
単体でもまっっったく問題ありませんが、記念誌に寄稿させて頂いた漫画とセットで考えていたお話です。 7
お ぎ
DONEブラネロwebオンリー10「Bright Next Stage」の展示作品①当初、こちらのお話を記念誌に寄稿させて頂こうとしていました。なのでジュンブラっぽいネタです。
描いてるときに本編でネロがとんでもないことになり、このあと幸運の指輪の話とかされたら自分が耐えられないと思って一度筆を置きました…。まさか3ヶ月経ってもネロとボスが会わないとは。 2
* * *
DONE7月1日〜2日Webオンリー展示晶くんから見たブラッドリーとネロの話。
おいしい時間 今日も魔法舎の厨房からはおいしそうな香りが漂う。
晶は入口から厨房を覗き込んだ。結われた空色の髪がトントンという音と共にリズムよく揺れている。
まだ朝食には少し早い。手伝いたい気持ちと、今はこの魔法舎の厨房の主と言っても過言ではないネロの、せっかくのひとりの時間を邪魔することになるだろうかと悩んでいると、がばっと後ろから肩に腕を回される。
「おっ、賢者! いいところで会ったな」
目の前に気を取られていたこともあるが、そうでなくても彼の気配には気づけなかったかもしれないとその人物を見上げながら思う。
「おはようございます、ブラッドリー」
「今日も朝からのんきな顔してるな」
ブラッドリーは朝が遅いわけでもないが、早朝に鍛錬をしているカインやシノなどと違い、まだ朝食の準備をしているような早い時間に現れることもない。肩に回された腕はひんやりしていて、厄災の傷でどこかに飛ばされていて、戻ってきたところなのかもしれないなと晶は察する。
1819晶は入口から厨房を覗き込んだ。結われた空色の髪がトントンという音と共にリズムよく揺れている。
まだ朝食には少し早い。手伝いたい気持ちと、今はこの魔法舎の厨房の主と言っても過言ではないネロの、せっかくのひとりの時間を邪魔することになるだろうかと悩んでいると、がばっと後ろから肩に腕を回される。
「おっ、賢者! いいところで会ったな」
目の前に気を取られていたこともあるが、そうでなくても彼の気配には気づけなかったかもしれないとその人物を見上げながら思う。
「おはようございます、ブラッドリー」
「今日も朝からのんきな顔してるな」
ブラッドリーは朝が遅いわけでもないが、早朝に鍛錬をしているカインやシノなどと違い、まだ朝食の準備をしているような早い時間に現れることもない。肩に回された腕はひんやりしていて、厄災の傷でどこかに飛ばされていて、戻ってきたところなのかもしれないなと晶は察する。
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DONE2023.7.1-7.2 ブラネロwebオンリー Bright Next Stage 展示作品です。フォ学未来軸、社会人になって再会したブラネロが最終的に挙式する話です。
六月のよく晴れた日。雲一つない美しい青空を高層ホテルの窓から眺めながら、ネロは大きな溜息をついた。
調度品一つをとっても高価そうなホテルは、いくら従業員のホスピタリティに溢れているといっても身の置き場がないし、純白のタキシードにはどう考えても着こなすというより着られている。
何より、自分の人生でこんなことが起こるなんて思いもしなかったから、この期に及んでどんな顔をしたらいいのかわからない。
上品な空間と明るい景色に感化もされずに陰鬱な溜息をもう一回ついたのは、つまり、あと一時間かそこらでネロとブラッドリーの結婚式が執り行われるからだった。
**********
報われるあてのない思いを抱え続けることに疲れて、高校卒業後に自分から姿を消した。
8414調度品一つをとっても高価そうなホテルは、いくら従業員のホスピタリティに溢れているといっても身の置き場がないし、純白のタキシードにはどう考えても着こなすというより着られている。
何より、自分の人生でこんなことが起こるなんて思いもしなかったから、この期に及んでどんな顔をしたらいいのかわからない。
上品な空間と明るい景色に感化もされずに陰鬱な溜息をもう一回ついたのは、つまり、あと一時間かそこらでネロとブラッドリーの結婚式が執り行われるからだった。
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報われるあてのない思いを抱え続けることに疲れて、高校卒業後に自分から姿を消した。
とくにら
MENU2023/7/1~7/2開催 ブラネロwebオンリー10「Bright Next Stage」スペース:祝福お1「縷々」の店舗内書き込みボードから、エアスケブ受付いたします💐
ここと、ツイッターで完成報告いたします〜
追記)エアスケブ6枚追加。リクエストありがとうございました!🙇♀️ 7
anri_maho
DONE6/25『長銃を置いて食事でも』の無配になります。診断メーカーの「おまえという至高の宝石を知っちまうと、 他のやつが全部石ころに見えちまうな」です
盗賊時代のふたりです。 1758
908banmenokobun
DONE2023/7/1-2開催のブラネロwebオンリー10「Bright Next Stage」参加作です。転生現パロです。シリーズもののプロローグという感じで、駆け足展開、何でも許せるかた向けです。続きを7/22-23開催のブラネロnonまほwebオンリー『どこでだって運命だから!』様で展示すべく現在鋭意執筆中です。 6
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DONEスクアーマED後の魔法舎でのふたり。スクアーマは魔法舎軸では絶対ないふたりが見られて嬉しかったし、魔法舎軸での彼らが彼らなりの心が満たされる関係になってくれたらとより強く思いました。
春の暫時「なんだ菓子かよ」
ネロがキッチンで夕食の準備をしていると背後から声がした。
そこには何種かのビスケットが皿に綺麗に並べられ、その皿を確認しながらブラッドリーがもっと腹に溜まるものはないのかと呟く。
心配をしていたこどもたちが、目覚めた賢者がお腹を空かせているからと夕食前に軽くお茶の時間にしようと準備をし始めていた。
あとから差し入れに持って行こうと作ったものだが、ビスケットにしたのは何となくだ。
「サクサクも悪くねーな」
文句を言っていたのに、ブラッドリーはいつの間にかビスケットに手を伸ばしている。これならつまみになると言いながら頬張っているのはチーズとナッツのビスケット。
チラリと視線を向けると何だよとブラッドリーはピタッと手を止めるが、その手にはビスケットがつままれている。
749ネロがキッチンで夕食の準備をしていると背後から声がした。
そこには何種かのビスケットが皿に綺麗に並べられ、その皿を確認しながらブラッドリーがもっと腹に溜まるものはないのかと呟く。
心配をしていたこどもたちが、目覚めた賢者がお腹を空かせているからと夕食前に軽くお茶の時間にしようと準備をし始めていた。
あとから差し入れに持って行こうと作ったものだが、ビスケットにしたのは何となくだ。
「サクサクも悪くねーな」
文句を言っていたのに、ブラッドリーはいつの間にかビスケットに手を伸ばしている。これならつまみになると言いながら頬張っているのはチーズとナッツのビスケット。
チラリと視線を向けると何だよとブラッドリーはピタッと手を止めるが、その手にはビスケットがつままれている。
cross_bluesky
DONE6/25のイベントで配布していた無配です。『二十二時の隣人』読了後推奨ですが、単品でも読めると思います。
パスワードはお品書きにあります。
馬に蹴られたくはないもので 最近のボスは機嫌がいい。
それに気付いているのはきっと俺だけではないだろう。すっと通った鼻筋を横切る傷痕、よく通る低めの声。頭も回れば口も回る我らが首領は、常日頃から穏やかさとは離れた場所で立っている。
それが最近、そこはかとなく浮かれているようなのだ。どこがと聞かれれば答えに困るような些細な変化。しかし組の連中は皆、仕事を片しながらも落ち着きがない様子で、誰かがボス本人に尋ねるのを待っている。
「ボス、最近機嫌がいいっすね。なんかいい事ありました?」
──そう、ちょうどこういう風に。
組織の若き首領相手にこんな口が利けるのも、基本的にはよほどの古株か無鉄砲な若者くらいだ。紛うことなき後者である男の問いかけに、ボスはちらりと視線を遣った。
742それに気付いているのはきっと俺だけではないだろう。すっと通った鼻筋を横切る傷痕、よく通る低めの声。頭も回れば口も回る我らが首領は、常日頃から穏やかさとは離れた場所で立っている。
それが最近、そこはかとなく浮かれているようなのだ。どこがと聞かれれば答えに困るような些細な変化。しかし組の連中は皆、仕事を片しながらも落ち着きがない様子で、誰かがボス本人に尋ねるのを待っている。
「ボス、最近機嫌がいいっすね。なんかいい事ありました?」
──そう、ちょうどこういう風に。
組織の若き首領相手にこんな口が利けるのも、基本的にはよほどの古株か無鉄砲な若者くらいだ。紛うことなき後者である男の問いかけに、ボスはちらりと視線を遣った。
cross_bluesky
DONE開催おめでとうございます!カジノで西の国の商人と取引するブラッドリーの話。
パスワードはお品書きにあります。
THE GAME IS OVER ──ああもう、一体何が起こっているんだ!
男はそう叫び出したいのを必死に堪え、なんとか笑みを貼り付けつづけた。
西の国の北部、北の国との境の街の片隅にあるカジノ。取引の場所として選んだこの店とは、男は深い関係にあった。男は西の国の資本家で商売人だ。このカジノの経営にも裏で一枚噛んでおり、本来ならば今頃男の前には多少のイカサマを駆使して積み上がったチップが並んでいるはずだった。
「……おっと、また俺の勝ちだな。旦那は客人のもてなしが大層上手いらしい」
テーブルの向こう側の男は長い脚を組みかえて不敵に笑う。バイカラーの髪に鼻筋を横断する大きな傷痕。仕立ての良いスーツを纏う男は、今宵の取引相手──北の国、死の盗賊団の頭領であるブラッドリーだ。
3533男はそう叫び出したいのを必死に堪え、なんとか笑みを貼り付けつづけた。
西の国の北部、北の国との境の街の片隅にあるカジノ。取引の場所として選んだこの店とは、男は深い関係にあった。男は西の国の資本家で商売人だ。このカジノの経営にも裏で一枚噛んでおり、本来ならば今頃男の前には多少のイカサマを駆使して積み上がったチップが並んでいるはずだった。
「……おっと、また俺の勝ちだな。旦那は客人のもてなしが大層上手いらしい」
テーブルの向こう側の男は長い脚を組みかえて不敵に笑う。バイカラーの髪に鼻筋を横断する大きな傷痕。仕立ての良いスーツを纏う男は、今宵の取引相手──北の国、死の盗賊団の頭領であるブラッドリーだ。
acc1j
DONEママとパパと子供たち。リケってネロのことママと思ってるよね。と同僚に言ったら、リケだけじゃなくて全員だと言われ、それはそう…と思いました。ネロは魔法舎のママ。
※本編にはあまり関係ないです。
穏やかな夜に祈りを「ネロ!聞いてください!!」
リケは憤慨していた。これはもう、誰かに聞いてもらわねばと思ったところで、頭に浮かんだのはネロの顔だった。
まだ少し朝食には早いけれど、この時間ならネロはもうとっくに起きて朝食の準備をしてくれている。手伝うついでに、話を聞いてもらおう。そう思い立ったリケは、一直線に、冒頭の台詞と共に、キッチンに突撃したのだった。
「お、おはようリケ。今日も早いな」
「おはようございます」
迎えてくれたのは、想像通りの優しく目を細めた、柔らかい微笑みで。小麦の焼けるいい匂いもあって、リケの怒りはすーっと引いていく。
「僕も手伝います!」
「はは。ありがとな。じゃあ、手洗って、野菜を頼もうかね」
7456リケは憤慨していた。これはもう、誰かに聞いてもらわねばと思ったところで、頭に浮かんだのはネロの顔だった。
まだ少し朝食には早いけれど、この時間ならネロはもうとっくに起きて朝食の準備をしてくれている。手伝うついでに、話を聞いてもらおう。そう思い立ったリケは、一直線に、冒頭の台詞と共に、キッチンに突撃したのだった。
「お、おはようリケ。今日も早いな」
「おはようございます」
迎えてくれたのは、想像通りの優しく目を細めた、柔らかい微笑みで。小麦の焼けるいい匂いもあって、リケの怒りはすーっと引いていく。
「僕も手伝います!」
「はは。ありがとな。じゃあ、手洗って、野菜を頼もうかね」
soitoge_bn
DOODLE3rd.アニバ、リケがネロに絵本読んでって持ってくる日常最高だな……っていうのが描きたかったブラネロ 2022年11月30日https://twitter.com/soitoge_bn/status/1597728361488388096?s=20 4
soiyagyunlog
INFO6/25 東京ビッグサイト JUNE BRIDE FES .2023東2ホール ヤ09a/かどまる5mm ブラネロ
A5 32p 500円
シースク軸で喋ってる本です。
イベント後に通販予定です。 よろしくお願いします!! 8
tono_bd
DOODLEブラネロのネとフィガファウのファが居酒屋で飲んでいる所に呼ばれたブとフィの話。※東保護者組が泥酔気味。※ブ視点で進行します。
(ブラネロ書いたの初めてなので違和感あったらすみません💦)
正体をなくした彼ら 最近仕事後の一服が癖になっているなと考えながら、ブラッドリーは携帯端末を取り出した。入っていた一件の通知を開くと旧友であり恋人である男からのメッセージが表示される。『仕事片付いたら来いよ』という素っ気ないながらも誘いの言葉に、地図のリンクが付いていた。屋外喫煙所には他に誰も居なかったので、自然と口角が上がるのを抑える事はしない。本音を言えば飯屋を営んでいる恋人の手料理が食べたかったのだが、文句を言えば返ってくるのは拳だ。ブラッドリーは殆どの事象を腕っ節で解決出来る男だが、ネロの拳だけは甘んじて受けようと決めている。彼が手を出す時に悪いのは自分の方だという事をよく分かっているからだ。
会うのは何日振りだろうか。一週間前に客として店に食べに行ったのが最後だったと思う。なので恋人の顔で会うのは半月振りになるのかもしれない。
4838会うのは何日振りだろうか。一週間前に客として店に食べに行ったのが最後だったと思う。なので恋人の顔で会うのは半月振りになるのかもしれない。
polar_night_ht
DOODLE去年のエイプリルの設定が出た時に書いたお話です。※2022/4/3に別でアップ(SSメーカー)していたものを少し手直し。
※イベスト前に書いたのでなんちゃって感が強いです、何でも許せる方向け。
モブと子天狗のブラッドリーくんです。少しだけ天狗のネロが出ます。 5405
だいこん
DONEブラネロ盗賊団時代webオンリー「日陰者の太陽へ」開催おめでとうございます!太陽のように輝かしく笑うし、陽だまりのように優しく笑う男ですよねブラッドリー・ベイン…。
※シリアスが大好きな人間が描いています。
※新規イラストと過去作品が入り交じっています。少し修正もしてます。ご注意ください。 17
salmon_0724
MAIKING2023.3.5 日陰者の太陽へ2 展示作品ですがパソコンが水没したので途中までです。本当にすみません……。データサルベージして書き終えたら別途アフタータグなどで投稿します。※盗賊団についての独自設定、オリキャラ有
※数百年後にブラネロになるブラッドリーと子ネロの話
死にかけの子ネロをまだ若いブラッドリーが拾う話 雪に足をとられてつんのめるように転んだネロには、もう立ち上がる気力さえ残っていなかった。
突き刺すような吹雪でぼろぼろになり、白く覆われた地面に叩きつけられたはずの体は、寒さで麻痺して痛みさえ感じない。
ぴくりとも動かす気力のおきない自分の指先に、雪が降り積もっていく。
その様子をぼんやり見つめながら、このまま死ぬんだろうな、と思った。
他の感想は特にない。
すっかり疲れ果てていたので、もう全部がどうでもよかった。
誰が家族なのかもよくわからないまま出て行った生家にも、殴られたり逃げたりしながら掏りや窃盗で食いつないだ日々にも、大した感慨はない。
最後にはとっ捕まって場末の食堂で働かされていたが、足りない材料を地下室に取りに行かされている間に食堂どころか村ごと燃やし尽くされていた。
6787突き刺すような吹雪でぼろぼろになり、白く覆われた地面に叩きつけられたはずの体は、寒さで麻痺して痛みさえ感じない。
ぴくりとも動かす気力のおきない自分の指先に、雪が降り積もっていく。
その様子をぼんやり見つめながら、このまま死ぬんだろうな、と思った。
他の感想は特にない。
すっかり疲れ果てていたので、もう全部がどうでもよかった。
誰が家族なのかもよくわからないまま出て行った生家にも、殴られたり逃げたりしながら掏りや窃盗で食いつないだ日々にも、大した感慨はない。
最後にはとっ捕まって場末の食堂で働かされていたが、足りない材料を地下室に取りに行かされている間に食堂どころか村ごと燃やし尽くされていた。