ミナツ
DONEオーエンの誕生日をカインが祝うだけの本ですほのぼのカイオエ
B5/22P/全年齢 400円(会場価格)
🐯https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031104787
🛁https://www.melonbooks.co.jp/fromagee/detail/detail.php?product_id=2123848 9
jyu_mur
MEMOオーカイが喋ってるだけ。「ねぇ、騎士様はこっちでいいの?」
「こっち?」
「される側」
「…」
「…」
「あー」
「男として、とかないの?」
「ない訳じゃない」
「ふぅん。じゃあなんでいつもされてるの?」
「…それをお前が聞くのか」
「…」
「うーん、なんでって聞かれると難しいな」
「…我慢してるの」
「してないしてない!そうだな…俺は」
「…」
「俺はほら、前にも言ったろ?お前の事が知りたいって」
「…忘れた」
「えぇ…ま、いいさ。俺はお前のことが知りたいんだ」
「そんなの知ってどうするの」
「知って、応えたい」
「…」
「俺でできる事なら、応えたいと思ってる」
「なにそれ言いなりって事?オマエの意思はないわけ?」
「言いなりじゃないぞ。俺はそうしたいからそうしてる」
520「こっち?」
「される側」
「…」
「…」
「あー」
「男として、とかないの?」
「ない訳じゃない」
「ふぅん。じゃあなんでいつもされてるの?」
「…それをお前が聞くのか」
「…」
「うーん、なんでって聞かれると難しいな」
「…我慢してるの」
「してないしてない!そうだな…俺は」
「…」
「俺はほら、前にも言ったろ?お前の事が知りたいって」
「…忘れた」
「えぇ…ま、いいさ。俺はお前のことが知りたいんだ」
「そんなの知ってどうするの」
「知って、応えたい」
「…」
「俺でできる事なら、応えたいと思ってる」
「なにそれ言いなりって事?オマエの意思はないわけ?」
「言いなりじゃないぞ。俺はそうしたいからそうしてる」
ミナツ
INFOエアブー参加中です!良かったら覗いてみてね!https://air-boo.jp/367672/
ネップリもあります!
6月イベのノベ用に頒布したポスカです
【予約番号】84686663
【用紙サイズ】はがき (カラー)
【ページ数】1
【プリント料金】カラー:60円
【有効期限】2023/09/01 23:59
t0mic0x0shi
DONE2部20章のファとレノが話す前くらいの、フィとファカプ要素薄めですが、フィガファウの者が書いてます
【フィ+ファ】それが錯覚だとしてもそれが錯覚だとしても
地下水路で意識が闇に包まれた後、夢とうつつをいったりきたりしていた。無意識に完全に意識を失うわけにはいかない、死の淵までは覗くまい、と思っていたのかもしれない。深く沈むときもあれば、光のほうへ浮上し、そしてまた沈んではまた浮き上がるを繰り返している。
あるときは吹雪く雪原のなか、間近に見える黒い衣服と気配はレノックスのもの。だからこれは、地下水路からの続き。だというのに痛みは鈍く、寒さもまた遠かった。
獣の姿となったヒースクリフがついているとはいえ、ひとりきりにしてしまったシノは大丈夫だろうかとそればかりが頭をめぐる。いま彼がどこに向かっているのかまでは分からないけれど、シノのことはすでにレノックスには伝えているから、きっといいように動いてくれる。大丈夫だ、そう思うとまた、意識は闇へと沈んでいった。
3680地下水路で意識が闇に包まれた後、夢とうつつをいったりきたりしていた。無意識に完全に意識を失うわけにはいかない、死の淵までは覗くまい、と思っていたのかもしれない。深く沈むときもあれば、光のほうへ浮上し、そしてまた沈んではまた浮き上がるを繰り返している。
あるときは吹雪く雪原のなか、間近に見える黒い衣服と気配はレノックスのもの。だからこれは、地下水路からの続き。だというのに痛みは鈍く、寒さもまた遠かった。
獣の姿となったヒースクリフがついているとはいえ、ひとりきりにしてしまったシノは大丈夫だろうかとそればかりが頭をめぐる。いま彼がどこに向かっているのかまでは分からないけれど、シノのことはすでにレノックスには伝えているから、きっといいように動いてくれる。大丈夫だ、そう思うとまた、意識は闇へと沈んでいった。
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DONE再会してちょっと経ったくらいのフィ→ファっぽいフィがファのこと考えたりレノとおしゃべりしたりする小話ですフィガファウの気持ちで書いてます…!
【フィガファウ】スプーン一杯分の幸せスプーン一杯分の幸せ
「また振られちゃった」
四階からの階段を降りながら、フィガロは手にした酒瓶を持ち上げ、誰に聞かせるわけでもなく小さくつぶやいた。
フィガロがいましがた尋ね、そしてにべもなくドアを閉じられたのは、ファウストの部屋である。
四百年前、フィガロが手を離される前に離れ、そしてその後行方の知れなかった唯一の弟子。自分の心にも、本人に向かっても弟子であると定めたのは、後にも先にも彼ひとりだけだ。
離れていた間に彼に起きた出来事は、その当時ではなく後から知ったことだけれど、知っている。いつかのワルプルギスの夜の会合で、フィガロへの接待のひとつとしてどこかの魔法使いから語られた、とっておきの噂話。その中で久しぶりに名前を聞いたかと思えば、当時の彼から想像もつかないような生業を冠してたから驚いたものだ。
4163「また振られちゃった」
四階からの階段を降りながら、フィガロは手にした酒瓶を持ち上げ、誰に聞かせるわけでもなく小さくつぶやいた。
フィガロがいましがた尋ね、そしてにべもなくドアを閉じられたのは、ファウストの部屋である。
四百年前、フィガロが手を離される前に離れ、そしてその後行方の知れなかった唯一の弟子。自分の心にも、本人に向かっても弟子であると定めたのは、後にも先にも彼ひとりだけだ。
離れていた間に彼に起きた出来事は、その当時ではなく後から知ったことだけれど、知っている。いつかのワルプルギスの夜の会合で、フィガロへの接待のひとつとしてどこかの魔法使いから語られた、とっておきの噂話。その中で久しぶりに名前を聞いたかと思えば、当時の彼から想像もつかないような生業を冠してたから驚いたものだ。
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DONEこのあといつかフィガファウになって欲しい気持ちで書いてます。フィ→ファ風味だけど恋みたいな愛についてはまだ自覚なしみたい感じ【フィファ】フィガロ先生にはわからないフィガロ先生にはわからない
たとえば、とフィガロは思う。
設えられた大人が三人並んでも十分余裕のあるテーブルの上に広げた文献。己の前に置いたそれの手前に左手で頬杖をつき、その紙面を滑らせた右手の指を、重なってまとめられた紙の淵、それらを守る堅い表紙を飛び越えて、使い込まれた艶と使用者によってつけられたであろう小さな傷をもつテーブルの天板におろした。人差し指と中指を立て、板の上を歩くかのように動かして、隣に座るひとへと近づけてみる。
そこにいるファウストは、フィガロと同じようにテーブルに広げた文献を、けれどもフィガロとは異なり頬杖をつくこともなく、椅子に座ってもなおぴんと背筋を伸ばしたまま、文献の両脇でページを押さえるために手を添えて、視線をそこに綴られた文字に落としていた。指先を包む白い手袋には汚れひとつみあたらない。手のひらまでを守るその手袋が終われば素肌が見えるが、しかしそれも、すぐに黒く広い袖口の中に隠される。袖口はひろく、天板に置かれた腕の下で綺麗な形でもなく広がっていた。
3004たとえば、とフィガロは思う。
設えられた大人が三人並んでも十分余裕のあるテーブルの上に広げた文献。己の前に置いたそれの手前に左手で頬杖をつき、その紙面を滑らせた右手の指を、重なってまとめられた紙の淵、それらを守る堅い表紙を飛び越えて、使い込まれた艶と使用者によってつけられたであろう小さな傷をもつテーブルの天板におろした。人差し指と中指を立て、板の上を歩くかのように動かして、隣に座るひとへと近づけてみる。
そこにいるファウストは、フィガロと同じようにテーブルに広げた文献を、けれどもフィガロとは異なり頬杖をつくこともなく、椅子に座ってもなおぴんと背筋を伸ばしたまま、文献の両脇でページを押さえるために手を添えて、視線をそこに綴られた文字に落としていた。指先を包む白い手袋には汚れひとつみあたらない。手のひらまでを守るその手袋が終われば素肌が見えるが、しかしそれも、すぐに黒く広い袖口の中に隠される。袖口はひろく、天板に置かれた腕の下で綺麗な形でもなく広がっていた。
ミナツ
MENU6月25日のJUNE BRIDE FES 2023に参加致します👉開宴の日JB2023
スペース 東2ホール メ48b
⚠️ノベルティは数に限りがあります
ノベルティ等は不織布バッグに入れてお渡しします
状況を見ながらですが、13時過ぎに撤収予定です
当日はよろしくお願い致します
新刊サンプル→https://poipiku.com/2902481/8876156.html 3
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DONEレノックスがファウストを想ってるはなし?かな。カプ要素ほとんどない
ストで出てきたりしてるところとかがあったらすみません…全ては捏造
【レノとファ】まどろむゆめの、その先にまどろむゆめの、その先に
「レノックス!!!」
行け、という意志の乗った自分の名前を呼ぶ声が、背中を押す。重心を低く落としていたレノックスは、その脚の筋肉をバネにして、大地を蹴った。最前線のその一歩先へ。
「つづけ!!!」
大きくてよく通る、まっすぐ伸びた力ある声。けれども、この声が大きくなくてもきっと自分は気づくだろう。思わずこぼれてしまったかのような小さな声だって、このひとの者であるならば決して取りこぼしたくはない。
声から連想された場違いな思考を頭の片隅におき、意識のかけらもそのひとに向けながら、メイスを大きく振った。脚からの勢いを殺さず、遠心力もかけあわせ、周囲の人間を薙ぎ払う。
揺らぎ、倒れ、起き上がろうとするものに後ろから追いついてきた仲間たちが駆けていく。陣形を崩し、道を作るのが、今回の戦場におけるレノックスの役目だった。
4757「レノックス!!!」
行け、という意志の乗った自分の名前を呼ぶ声が、背中を押す。重心を低く落としていたレノックスは、その脚の筋肉をバネにして、大地を蹴った。最前線のその一歩先へ。
「つづけ!!!」
大きくてよく通る、まっすぐ伸びた力ある声。けれども、この声が大きくなくてもきっと自分は気づくだろう。思わずこぼれてしまったかのような小さな声だって、このひとの者であるならば決して取りこぼしたくはない。
声から連想された場違いな思考を頭の片隅におき、意識のかけらもそのひとに向けながら、メイスを大きく振った。脚からの勢いを殺さず、遠心力もかけあわせ、周囲の人間を薙ぎ払う。
揺らぎ、倒れ、起き上がろうとするものに後ろから追いついてきた仲間たちが駆けていく。陣形を崩し、道を作るのが、今回の戦場におけるレノックスの役目だった。
t0mic0x0shi
DONE第23回フィガファウ版ワンドロライより『(フィの)誕生日』『流星雨』『特別』『体温』フィガロおめでとう!!
フィファとは?ですが、フィファのつもりで書きました!
魔法舎で再会したばかりのときの誕生日をイメージしています
【フィガファウ】フィガロ誕2023フィガロ誕2023
しこたま飲んでいる、という自覚がある。
身体が温かくてふわふわする。その感覚を楽しみながら、力の入らない指で掴んだグラスを落とさないためには、少しばかりの集中力が必要だった。
落とさない、こぼさない。そんなことに気を付けるために、手袋を外しすらしたのだ。
咥内から食道を通って胃に落ちる酒精の熱がここちよく、鼻に抜ける香りにため息をつきながら、コースターの上に空になったグラスを置けば、何を飲むのか問われることもなく新しいグラスと交換される。
「ありがとう」
ふわふわと芯のぼやけた頭の中、記憶の奥から聴こえる音楽に合わせ、身体を揺らした。気を緩めれば口から鼻歌でも飛び出しそうなほどに、気持ちも弾んでいる。
4444しこたま飲んでいる、という自覚がある。
身体が温かくてふわふわする。その感覚を楽しみながら、力の入らない指で掴んだグラスを落とさないためには、少しばかりの集中力が必要だった。
落とさない、こぼさない。そんなことに気を付けるために、手袋を外しすらしたのだ。
咥内から食道を通って胃に落ちる酒精の熱がここちよく、鼻に抜ける香りにため息をつきながら、コースターの上に空になったグラスを置けば、何を飲むのか問われることもなく新しいグラスと交換される。
「ありがとう」
ふわふわと芯のぼやけた頭の中、記憶の奥から聴こえる音楽に合わせ、身体を揺らした。気を緩めれば口から鼻歌でも飛び出しそうなほどに、気持ちも弾んでいる。
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DONE魔法舎で猫と戯れるファウストを見たり、ぐるぐるしたりするフィガロな感じですフィガファウ?フィガファウな気持ちで描きました
【フィガファウ】猫になれば猫になれば
ふ、と集中力が途切れた。情報の塊として脳内で処理されていたものが紙面に書かれたただの文字の羅列に感じられ、フィガロが落としていた視線を上げると、俯く形で固定されていた首がわずかに軋む。筋を伸ばすように首を軽く回し、膝の上に広げていた書物を栞もはさまず閉じた。
フィガロが腰を落ち着けている1人掛けのソファは、中庭を臨むことができる窓際に置かれたものだ。右手で書物の分厚い表紙をなぞりながら、肘掛けに左腕で頬杖をつき、なんとはなしにガラスの向こうに目を向ける。天井高に大きく取られた窓には一定の量の光しか入らない魔法がかけられているため、図書室に比べて外は明るく見えた。
最近任務が立て込んでいたこともあり、たまには息抜きも必要だと、今日は授業も何もかも休みにすることにした。中央の国もそうしましょうとオズに持ちかけ休日を得たリケとミチルは中央の国の市場に行っている。カインとルチルとレノックスも共に出かけて行くのを見送ったのは、日が昇ってすぐのことだった。
5256ふ、と集中力が途切れた。情報の塊として脳内で処理されていたものが紙面に書かれたただの文字の羅列に感じられ、フィガロが落としていた視線を上げると、俯く形で固定されていた首がわずかに軋む。筋を伸ばすように首を軽く回し、膝の上に広げていた書物を栞もはさまず閉じた。
フィガロが腰を落ち着けている1人掛けのソファは、中庭を臨むことができる窓際に置かれたものだ。右手で書物の分厚い表紙をなぞりながら、肘掛けに左腕で頬杖をつき、なんとはなしにガラスの向こうに目を向ける。天井高に大きく取られた窓には一定の量の光しか入らない魔法がかけられているため、図書室に比べて外は明るく見えた。
最近任務が立て込んでいたこともあり、たまには息抜きも必要だと、今日は授業も何もかも休みにすることにした。中央の国もそうしましょうとオズに持ちかけ休日を得たリケとミチルは中央の国の市場に行っている。カインとルチルとレノックスも共に出かけて行くのを見送ったのは、日が昇ってすぐのことだった。
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DOODLEフィガファウ版ワンドロライの第21回「清純派」「触れる」のお題をお借りしました。
とうとうに始まり唐突に終わります
【フィガファウ】「清純派」「触れる」「清純派、清純派うるさい」
怒りにも似た焦りの滲んだ声。フィガロをまっすぐにとらえる紫眼がすぐ間近に迫っていた。
そんなこといったって、きみのことを妖艶、あるいは汚濁とかそういうものと、清純と、どちらなのかといわれたら圧倒的に後者じゃないか。なんて言おうものなら、選択肢が極端すぎる。とか、いやもしかしたら、僕には汚濁が似合うに決まってる。なんて本気の目をして返してくるのかもしれない。少しばかりの怒りを添えて。
しかし、幸か不幸かフィガロはそれを言葉にしてファウストの怒りを買うことはなく、ただただ瞬きの間に頭の中でだけ巡った思考であった。
言葉を発するために唇が、塞がれていて声を出すことも開くことができなかったので。
1891怒りにも似た焦りの滲んだ声。フィガロをまっすぐにとらえる紫眼がすぐ間近に迫っていた。
そんなこといったって、きみのことを妖艶、あるいは汚濁とかそういうものと、清純と、どちらなのかといわれたら圧倒的に後者じゃないか。なんて言おうものなら、選択肢が極端すぎる。とか、いやもしかしたら、僕には汚濁が似合うに決まってる。なんて本気の目をして返してくるのかもしれない。少しばかりの怒りを添えて。
しかし、幸か不幸かフィガロはそれを言葉にしてファウストの怒りを買うことはなく、ただただ瞬きの間に頭の中でだけ巡った思考であった。
言葉を発するために唇が、塞がれていて声を出すことも開くことができなかったので。
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DONE修行時代にフィガロが魔法を使うのをみて、すごーい!と思うファウスト。な感じですその輝きを その頭髪と同じ色の薄群青のまつ毛が縁取る眼が薄く細められた。ただそれだけだった。
それまで、ファウストを嘲笑う、まではいかずともまだまだ従えるには力不足、我らの力を借りたくばそれだけのものを見せてみろ、と煽るかのように縦横無尽、自由自在、まるで北の大地に荒れ狂う吹雪のように飛び回っていた精霊の気配が変わる。
風のない静かな夜の闇の中、白銀の大地にしんしんと降る雪のような静けさと、冷え切った空気のような張り詰めた気配。それは、自分達を支配することを認めた者の一挙手一投足を見逃さないためか、あるいは、一歩間違えたなら牙を剥いてやらんとする臨戦体制なのか、もしくは、その両方なのかもしれなかった。
箒の上に軽く腰かけた師が、右手を揺らして魔道具であるオーブを出現させる。手のひらからはあふれるけれど、小ぶりなそれをファウストが目にするのは、彼の元で修行を始めてから今日で二度目だった。
4297それまで、ファウストを嘲笑う、まではいかずともまだまだ従えるには力不足、我らの力を借りたくばそれだけのものを見せてみろ、と煽るかのように縦横無尽、自由自在、まるで北の大地に荒れ狂う吹雪のように飛び回っていた精霊の気配が変わる。
風のない静かな夜の闇の中、白銀の大地にしんしんと降る雪のような静けさと、冷え切った空気のような張り詰めた気配。それは、自分達を支配することを認めた者の一挙手一投足を見逃さないためか、あるいは、一歩間違えたなら牙を剥いてやらんとする臨戦体制なのか、もしくは、その両方なのかもしれなかった。
箒の上に軽く腰かけた師が、右手を揺らして魔道具であるオーブを出現させる。手のひらからはあふれるけれど、小ぶりなそれをファウストが目にするのは、彼の元で修行を始めてから今日で二度目だった。
kiiromidori
DONEミス晶♂の女がゆるやかにフィガロのリアコになりそうになって書きました。フィガロに色々言いたくなって、でもしんどくて無理だったけど、ミミなら言えた。
※晶はいません。なので、読むのに注意が必要です。 11
リル。
PASTカインが自分の気持ちに気づいて告白するまで。オーエンはカインが好きという前提。
一瞬傷オエ出ます
※R18要素はありませんがそうゆうお店が出てきます
気づいたら好きだったんだ中庭でいつものように鍛錬をしながら、考え事をしていた
(オーエンって...俺の事嫌いな訳ではないと思うだよな…)
オーエンの姿を頭の中で思い浮かべる
さらりと流れる銀糸の髪。色の違う…自分と同じ瞳。整った顔に浮かべる冷たい笑み。
その口から紡がれるのは、巧みに不安を煽り、心を支配するような言葉…
時折、大いなる厄災の傷によって普段の姿からは想像がつかないほど幼く純粋な子供のようにもなる
(傷の時に好かれていることは分かるんだが...)
騎士様と呼びながらあどけない笑顔を向けて駆け寄ってくる姿には調子を狂わされる
そもそも嫌いな相手の目玉を奪ってはめた挙句に、自分の目玉を代わりに埋め込んだりしないだろ......北だと普通なのか?
12629(オーエンって...俺の事嫌いな訳ではないと思うだよな…)
オーエンの姿を頭の中で思い浮かべる
さらりと流れる銀糸の髪。色の違う…自分と同じ瞳。整った顔に浮かべる冷たい笑み。
その口から紡がれるのは、巧みに不安を煽り、心を支配するような言葉…
時折、大いなる厄災の傷によって普段の姿からは想像がつかないほど幼く純粋な子供のようにもなる
(傷の時に好かれていることは分かるんだが...)
騎士様と呼びながらあどけない笑顔を向けて駆け寄ってくる姿には調子を狂わされる
そもそも嫌いな相手の目玉を奪ってはめた挙句に、自分の目玉を代わりに埋め込んだりしないだろ......北だと普通なのか?
t0mic0x0shi
DONEマナ石とレノックスのはなし革命軍時代で、後半はファウスと火刑のあとがでてきます
マナ石とレノックス かつて仲間の姿をしていたその石を、レノックスは袋に入れて持ち歩いている。
皆口々に『死んだら食べてほしい』と願っていた。その気持ちもわかる。そう簡単に命を落とすつもりはないのだけれど、レノックスだってそう願うだろう。だが、マナ石を食べるということがうまく想像できなかった。想像できなくとも実践してみればよかったのだろうが、なんとなく、で口にしていいものとも思えず、かといってどこかにしまっておくこともしてくなくて、炭坑夫をしていた頃から身に馴染んでいる、質量と大きさを変える魔法を使って小さく、軽く、一見マナ石にも見えないような小石にしたそれを、腰に下げた革袋に溜め込んでいる。
だから、それを叶えてやれていないのは、自分が薄情だからだろうかと考えたこともあった。誰よりもそれを食べられることを望まれ、そして叶えてきたレノックスの主人であるファウストにそう、こぼしたこともある。
3146皆口々に『死んだら食べてほしい』と願っていた。その気持ちもわかる。そう簡単に命を落とすつもりはないのだけれど、レノックスだってそう願うだろう。だが、マナ石を食べるということがうまく想像できなかった。想像できなくとも実践してみればよかったのだろうが、なんとなく、で口にしていいものとも思えず、かといってどこかにしまっておくこともしてくなくて、炭坑夫をしていた頃から身に馴染んでいる、質量と大きさを変える魔法を使って小さく、軽く、一見マナ石にも見えないような小石にしたそれを、腰に下げた革袋に溜め込んでいる。
だから、それを叶えてやれていないのは、自分が薄情だからだろうかと考えたこともあった。誰よりもそれを食べられることを望まれ、そして叶えてきたレノックスの主人であるファウストにそう、こぼしたこともある。
t0mic0x0shi
DONE革命軍時代にマナ石を食べるファウストのはなしマナ石とファウスト 乗せたばかりの時には冷たさを感じさせていたそれは、指を閉じて握りしめていたこともあり、ぬるく温まっていた。
重さは、その大きさから想像するよりは少しばかり重たいのだと思う。初めて手にした際にはそう感じた。何度目かの今となっては、このくらいの重さということはわかっている。わかっていても、やはり、少し重い。
元のおおきな塊から砕けたはずのものであるのに、指で撫でるその表面はつるりとしてなめらかである。長く川底にあった石のように、指を、手を、そしてこれからそれを含む口の中を傷つける鋭さはない。
不思議な石。命のかけら。マナ石、と呼ばれる、かつて魔法使いであったもの。
かつて、といってもそれは昔のことではない、今日の戦いで命を落とし、石となったもの。戦いが始まる前まで、始まってからも、同じ目標を掲げ、肩を組み合った仲間であったもの。
2700重さは、その大きさから想像するよりは少しばかり重たいのだと思う。初めて手にした際にはそう感じた。何度目かの今となっては、このくらいの重さということはわかっている。わかっていても、やはり、少し重い。
元のおおきな塊から砕けたはずのものであるのに、指で撫でるその表面はつるりとしてなめらかである。長く川底にあった石のように、指を、手を、そしてこれからそれを含む口の中を傷つける鋭さはない。
不思議な石。命のかけら。マナ石、と呼ばれる、かつて魔法使いであったもの。
かつて、といってもそれは昔のことではない、今日の戦いで命を落とし、石となったもの。戦いが始まる前まで、始まってからも、同じ目標を掲げ、肩を組み合った仲間であったもの。
t0mic0x0shi
DONEネロファウになりきれないネ+ファくらいのある夜の晩酌の話カプ要素薄薄の薄だけど、気持ちはネロファウ
ある晩酌のこと 緩やかに体内に回る酒精を感じながら、またひとくち、赤ワインの注がれたグラスを傾け、視界の端に映っていた相手を横目で見る。
夜の闇に溶けそうな、それと同じ色の服に身を包み、ボトルとつまみのはいったバスケットを挟んで隣に座っているそのひとは、くるくるとグラスの中身を回して香りを堪能していた。口元は普段よりもゆるんでいるように見える。彼の姿を隠すような、守る強固な結界のような上着と帽子は身にまとっておらず、サングラスもまた、外されて弦を折りたたまれた状態で、彼の隣に置かれていた。
膝の上では一匹の白猫がくつろいでいる。時折その背に手袋をしていない手で触れながら、普段は帽子とサングラスで隠されている菫色の目はいま、空に向けられていてこちらを向いてはいない。真っ直ぐに通った鼻梁と、薄く小さな唇。尖った顎と、高い襟からわずかに覗く首と喉仏。
5105夜の闇に溶けそうな、それと同じ色の服に身を包み、ボトルとつまみのはいったバスケットを挟んで隣に座っているそのひとは、くるくるとグラスの中身を回して香りを堪能していた。口元は普段よりもゆるんでいるように見える。彼の姿を隠すような、守る強固な結界のような上着と帽子は身にまとっておらず、サングラスもまた、外されて弦を折りたたまれた状態で、彼の隣に置かれていた。
膝の上では一匹の白猫がくつろいでいる。時折その背に手袋をしていない手で触れながら、普段は帽子とサングラスで隠されている菫色の目はいま、空に向けられていてこちらを向いてはいない。真っ直ぐに通った鼻梁と、薄く小さな唇。尖った顎と、高い襟からわずかに覗く首と喉仏。
t0mic0x0shi
DONEフィガファウ風味。出来上がってるような出来上がってないような。フィガの頭の中がラブコメしてます。
キスくらいします
こたえはいち チョコレートがついている。
隣に座ったファウストの、フィガロの前に立つときには比較的下がり気味で、東の国の魔法使いや子供たち、猫などを前にした時には上がっていることもある口の端、口角の右側についた茶色のそれを横目に見ながら、フィガロは手にしたグラスに口を付けた。
薄い唇が縁取る彼の口は、その大きさからどうしてあれだけの音量と芯のある声が出るのかが不思議でならないほどには小さい、と思う。本当は大きいのだろうか、食べるときにはそれほど開かないだけで。
それに、若いころから食事の仕方は綺麗だった。偏見も含むことを承知しつついうならば、大分昔の辺境の村の出身であるにもかかわらず。当時、外見の年齢のままにしか生きていなかったころから。ということは、生まれ育った家でそう躾られたのだろう。テーブルマナーは苦手です、決まりごとがたくさんあって。なんて、フィガロが魔法で用意した料理たちに対して可愛らしく恥じらっていたこともあったけれど、使うカトラリーの種類と順番を一度教えてやればそれ以降、ほとんど 間違うことはなかった。
5736隣に座ったファウストの、フィガロの前に立つときには比較的下がり気味で、東の国の魔法使いや子供たち、猫などを前にした時には上がっていることもある口の端、口角の右側についた茶色のそれを横目に見ながら、フィガロは手にしたグラスに口を付けた。
薄い唇が縁取る彼の口は、その大きさからどうしてあれだけの音量と芯のある声が出るのかが不思議でならないほどには小さい、と思う。本当は大きいのだろうか、食べるときにはそれほど開かないだけで。
それに、若いころから食事の仕方は綺麗だった。偏見も含むことを承知しつついうならば、大分昔の辺境の村の出身であるにもかかわらず。当時、外見の年齢のままにしか生きていなかったころから。ということは、生まれ育った家でそう躾られたのだろう。テーブルマナーは苦手です、決まりごとがたくさんあって。なんて、フィガロが魔法で用意した料理たちに対して可愛らしく恥じらっていたこともあったけれど、使うカトラリーの種類と順番を一度教えてやればそれ以降、ほとんど 間違うことはなかった。
t0mic0x0shi
DONEネロファウ未満のネ2023年バレンタインのネタが少しあり
晩酌準備は軽やかに せっかく賢者さんにもらったしな。というのはこじつけで、そもそも今宵は一緒に晩酌しようと示し合わせていたのだ。
ふたりでの晩酌の始まりは偶然だった。
しばらくして、言葉での問いかけになった。「今晩どう?」とか「いい酒が手に入ったんだ」とかそういう誘いの言葉。
それから、段々と言葉がへっていった。なんとなく目線を合わせたり。例えば顎で中庭をさしたり、酒のボトルを持ち上げてみたり、グラスをもって飲むジェスチャーをしてみたり。
いいよ、という言葉だったり、小さくうなずくだけだったり、いつもかぶっている帽子のつばを少し上げるだけだったりと、表現は様々だけれど、不思議と言いたいことは伝わってくる。
ネロのほうといえば、いいね、という言葉だったり、同じく小さくうなずくだけだったり、人差し指と親指で丸をつくってみたりするが、言いたいことは伝わっていると思っていた。
2139ふたりでの晩酌の始まりは偶然だった。
しばらくして、言葉での問いかけになった。「今晩どう?」とか「いい酒が手に入ったんだ」とかそういう誘いの言葉。
それから、段々と言葉がへっていった。なんとなく目線を合わせたり。例えば顎で中庭をさしたり、酒のボトルを持ち上げてみたり、グラスをもって飲むジェスチャーをしてみたり。
いいよ、という言葉だったり、小さくうなずくだけだったり、いつもかぶっている帽子のつばを少し上げるだけだったりと、表現は様々だけれど、不思議と言いたいことは伝わってくる。
ネロのほうといえば、いいね、という言葉だったり、同じく小さくうなずくだけだったり、人差し指と親指で丸をつくってみたりするが、言いたいことは伝わっていると思っていた。
t0mic0x0shi
DONEネロファウ未満の、ファ。ひまわり〜の1話あたりです。やさしいあじ それらすべてに気遣いがつまっていた。
太陽が高く空にあろうが、<大いなる厄災>が闇夜を明るく照らしていようが外の明かりを一切部屋に取り入れる気のない、分厚く黒いカーテンのかけられた部屋の中で、ファウストはテーブルの上に広げたバスケットの中身を前に、ベッドの上に腰かけそっと息をつく。
持たされたバスケットの中身を広げるには机の上は心もとなかったので、魔法でとりだしたテーブルをベッドの前に置いていた。
パンとチーズ、蒸した野菜とキッシュに、おまけのワイン。
昨夜は浅いながらに多少は眠ることができたから、今すぐに眠りを欲しているわけでもない。夢も見ないほど深いわけではなく、けれども夢を見るには浅い、あと少し眠りが深まれば夢を見ていたかもしれないくらいの、眠りの薄氷の上。けれども、いまのファウストにとってはそのくらいの眠りが一番安心できる。
2927太陽が高く空にあろうが、<大いなる厄災>が闇夜を明るく照らしていようが外の明かりを一切部屋に取り入れる気のない、分厚く黒いカーテンのかけられた部屋の中で、ファウストはテーブルの上に広げたバスケットの中身を前に、ベッドの上に腰かけそっと息をつく。
持たされたバスケットの中身を広げるには机の上は心もとなかったので、魔法でとりだしたテーブルをベッドの前に置いていた。
パンとチーズ、蒸した野菜とキッシュに、おまけのワイン。
昨夜は浅いながらに多少は眠ることができたから、今すぐに眠りを欲しているわけでもない。夢も見ないほど深いわけではなく、けれども夢を見るには浅い、あと少し眠りが深まれば夢を見ていたかもしれないくらいの、眠りの薄氷の上。けれども、いまのファウストにとってはそのくらいの眠りが一番安心できる。
t0mic0x0shi
DONE2023/2/11 フィガファウワンドロライ第19回「巻き毛」「どうせ苦いよ」
※両片思いで身体の関係だけ先に出来上がっているフィガファウ。事後です。
そのばかぎりのぬくもりを ふわりと柔らかなものが鼻をくすぐった。
ゆるやかに浮上していた意識が、その感触によって一気に覚醒する。重たい瞼を押し上げれば、寝ぼけ眼でまだ焦点の合わない視界に、薄群青が見えた。
カーテンのない部屋の窓からは、明るい朝日が差し込んでいる。光に透ける薄群青は、ふだんのそれよりも色合いを明るく見せていた。
その色合いからか、持ち主にただよう厳しくも美しい冬の雰囲気からか、いや後者はファウストの抱く彼への印象ゆえだろうか、一見硬質そうな緩く巻いたその髪は、印象に反してその実、肌に優しく柔らかい。
昔は首の後ろで結いていて立派な巻き毛だったけれど、いまは巻き毛というには短い。癖っ毛なんだよね、と本人がなにやら可愛こぶって主張していたが、巻き毛と何が違うのか分からなかった。
6102ゆるやかに浮上していた意識が、その感触によって一気に覚醒する。重たい瞼を押し上げれば、寝ぼけ眼でまだ焦点の合わない視界に、薄群青が見えた。
カーテンのない部屋の窓からは、明るい朝日が差し込んでいる。光に透ける薄群青は、ふだんのそれよりも色合いを明るく見せていた。
その色合いからか、持ち主にただよう厳しくも美しい冬の雰囲気からか、いや後者はファウストの抱く彼への印象ゆえだろうか、一見硬質そうな緩く巻いたその髪は、印象に反してその実、肌に優しく柔らかい。
昔は首の後ろで結いていて立派な巻き毛だったけれど、いまは巻き毛というには短い。癖っ毛なんだよね、と本人がなにやら可愛こぶって主張していたが、巻き毛と何が違うのか分からなかった。
よむぎ
DONEそういうブラネロ8開催おめでとうございます🎉などと言っておきながらこれブラネロじゃなくて仲良しと元相棒じゃんと言うことに先程気づきました。pixivのまとめはガッツリブラネロだから許して…😇
今回間に合いませんでしたがこれの続き(ちゃんとブラネロ)を描いています。そのうちTwitterかどこかで公開します〜 2
t0mic0x0shi
DONEフィガファウのつもりで書きはじめたけど、師弟時代のフィガ+ファウですファウスト誕生日おめでとう
たどりついた祝福はたどりついた祝福は
わずかな、かすかな、魔法の気配がした。
それは北の大地で千年を超えて生きている魔法使いである己にとっては、取るに足らないような些細なものであった。けれどそんな些細なものでも設定している領域を越えたものは、否応なく神経に触れてくる。掃除をなまけたゆえに、棚の上から舞落ちた埃に鼻をくすぐられるくらいのささやかさで。
数か月前までのフィガロであったなら、気配があると認識するだけで歯牙にもかけなかったであろう。不意をつかれなければおいそれと敗けることはない。
けれども、そのわずかな気配に対してここまで神経質になってしまうのは、今現在、このフィガロが住まいとしている屋敷にはもう一人住人がいるからであった。
4683わずかな、かすかな、魔法の気配がした。
それは北の大地で千年を超えて生きている魔法使いである己にとっては、取るに足らないような些細なものであった。けれどそんな些細なものでも設定している領域を越えたものは、否応なく神経に触れてくる。掃除をなまけたゆえに、棚の上から舞落ちた埃に鼻をくすぐられるくらいのささやかさで。
数か月前までのフィガロであったなら、気配があると認識するだけで歯牙にもかけなかったであろう。不意をつかれなければおいそれと敗けることはない。
けれども、そのわずかな気配に対してここまで神経質になってしまうのは、今現在、このフィガロが住まいとしている屋敷にはもう一人住人がいるからであった。
arei_ash
MOURNING革命時代捏造フィガファウです。飲酒の描写があります。少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
無題「気になる?」
「えっ」
予期せぬ問いにファウストは手にしていたボトルを取り落としそうになった。その様子に、口元を緩めたフィガロが軽くグラスを揺らして見せた。
「君も呑んでみる?」
その動作で彼が何を伝えたいのか直ぐに分かった。
ーー気付かれるくらいに見てしまっていたなんて。
フィガロが酒を呑んでいる所を。正確にはお酒を呑んでいるフィガロの姿に見蕩れてしまっていたなんて、とてもじゃないが言えない。熱くなった頬を誤魔化すように慌ててファウストは首を振った。
「っいえ、僕は大丈夫です。……フィガロ様がいつも美味しそうにお酒を呑んでいるので少し気になってしまって」
「そう? …そういえば君ってもう成人してるんだっけ?」
1711「えっ」
予期せぬ問いにファウストは手にしていたボトルを取り落としそうになった。その様子に、口元を緩めたフィガロが軽くグラスを揺らして見せた。
「君も呑んでみる?」
その動作で彼が何を伝えたいのか直ぐに分かった。
ーー気付かれるくらいに見てしまっていたなんて。
フィガロが酒を呑んでいる所を。正確にはお酒を呑んでいるフィガロの姿に見蕩れてしまっていたなんて、とてもじゃないが言えない。熱くなった頬を誤魔化すように慌ててファウストは首を振った。
「っいえ、僕は大丈夫です。……フィガロ様がいつも美味しそうにお酒を呑んでいるので少し気になってしまって」
「そう? …そういえば君ってもう成人してるんだっけ?」
plenluno
DONE1/14「そういうことにしてるつもり!」8~New Year Party~展示作品②読んでいただきありがとうございました!ぜひアフターでもお楽しみください!
元相棒と野球拳。
魔法舎です。最後だけ微微えちです。
まほやく世界にじゃんけんが輸入されてたのを公式で確認した(どのストか忘れた)のでそのあたりを修正したりしています。
それだけじゃ足りない 「野球拳?」
とある晩酌の夜、ネロは耳慣れぬ単語を反芻した。グラスの酒をあおって身じろぐと黒塗りのソファが小さく鳴く。隣に居るブラッドリーは酒を呑みながらネロ特製のつまみに舌鼓をうっていた。
「前の賢者に聞いたんだよ。じゃんけんして、負けた方が服を1枚脱ぐらしい」
「―っ! はぁ!?」
ネロは酒を吹き出しそうになって何とか堪えた。
「だから、負けたら服脱ぐんだよ。」
ネロは賢者の世界のじゃんけんについて軽く反芻する。握りこぶしの形のグーは石、手を開いたパーは紙、人差し指と中指だけを立てたチョキはハサミを表す。グーにはパーが強く、パーにはチョキが強く、チョキにはグーが強い三つ巴。3種の手の形と関係さえ覚えれば簡単だ。こちらの世界の似た遊びに賢者が反応したのをきっかけに話が盛り上がって以来、魔法舎では賢者にあわせてじゃんけんが使われることが増えた。子ども達が夕飯の献立で揉めたときなどはじゃんけんの勝敗ですんなり決まるのでネロにとっては便利だった。
1827とある晩酌の夜、ネロは耳慣れぬ単語を反芻した。グラスの酒をあおって身じろぐと黒塗りのソファが小さく鳴く。隣に居るブラッドリーは酒を呑みながらネロ特製のつまみに舌鼓をうっていた。
「前の賢者に聞いたんだよ。じゃんけんして、負けた方が服を1枚脱ぐらしい」
「―っ! はぁ!?」
ネロは酒を吹き出しそうになって何とか堪えた。
「だから、負けたら服脱ぐんだよ。」
ネロは賢者の世界のじゃんけんについて軽く反芻する。握りこぶしの形のグーは石、手を開いたパーは紙、人差し指と中指だけを立てたチョキはハサミを表す。グーにはパーが強く、パーにはチョキが強く、チョキにはグーが強い三つ巴。3種の手の形と関係さえ覚えれば簡単だ。こちらの世界の似た遊びに賢者が反応したのをきっかけに話が盛り上がって以来、魔法舎では賢者にあわせてじゃんけんが使われることが増えた。子ども達が夕飯の献立で揉めたときなどはじゃんけんの勝敗ですんなり決まるのでネロにとっては便利だった。
ミナツ
MENU12月18日の「COMIC CITY SPARK 17 賢者のマナスポット10」に参加します配置【南3 ほ35b】スノウリキュール
当日はよろしくお願い致します
⚠️ノベルティ不要な方はお申し付け下さい
先に通販で購入した方もポスカ差し上げます
お気軽にお声掛け下さい
11日と同様ですノベあり
新刊サンプル
https://poipiku.com/2902481/7896350.html 2
かき揚げ
INFO12/11【DR22】ミスルチ新刊漫画 さようなら A5 / 70p 【東6 グ35a】月花妖異譚にて、神狐チレッタと、その遣いだった竜のミスラ、チレッタの息子である妖狐のルチルの3人の縁にまつわる話。
★会場頒布価格¥1000
★通販 https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031025733/ 12
plenluno
DONE泣けないアシストロイドは誕生日の夢を見るか。ネロさん誕生日おめでとうございます!!!
色々あって大遅刻ですが、パラロイのブラネロでお祝いさせていただきます!
ブラッドリーがネロと出会った日をお祝いしようとしてジタバタする話。
視点の切り替わりごとに章区切りをしていて、全8章になります。
誕生日要素ふんわりな感じで、温めてたネタをちょこちょこ昇華した仕様になりましたが楽しく書けました😊
アシストロイドの落涙Ⅰ
ザザ…とノイズが走り、ざらついた視界でアシストロイドとしての「死」を認識する。
自分が何のために生きて、この死に何の意味があるのか。
そもそもアシストロイドにとっての「生」「死」とは何なのか。
たとえ自分が「心」など、「感情」など持たない身の上でも、今際の際にそれらについて思考するくらいは許されたいものだ。
そうだな、自分は元はといえば調理や給仕を行うために設計されたのだから、調理や給仕が自分にとっての「生きる目的」、ということになるだろうか。
だとしたら。
――最後にもう一度、俺の作った飯を誰かに食べてもらいたかったな。
ぽつりと呟いた言葉はもはや意味をなさない雑音に等しかったが、決して無意味ではなかった。
7084ザザ…とノイズが走り、ざらついた視界でアシストロイドとしての「死」を認識する。
自分が何のために生きて、この死に何の意味があるのか。
そもそもアシストロイドにとっての「生」「死」とは何なのか。
たとえ自分が「心」など、「感情」など持たない身の上でも、今際の際にそれらについて思考するくらいは許されたいものだ。
そうだな、自分は元はといえば調理や給仕を行うために設計されたのだから、調理や給仕が自分にとっての「生きる目的」、ということになるだろうか。
だとしたら。
――最後にもう一度、俺の作った飯を誰かに食べてもらいたかったな。
ぽつりと呟いた言葉はもはや意味をなさない雑音に等しかったが、決して無意味ではなかった。
plenluno
DONE何百年たっても変わらないものの話。盗賊時代の手下以上相棒以下くらい&再会後
ネロにはブラッドリーによしよしされながら眠ってほしい
いつも頑張ってるからね
盗賊時代捏造、ブラネロ事後描写あるのでご注意ください!
変わらないものの話 「し、失礼、します…」
「おう」
良いから来いよ、と促されて、俺は寝台のちょうど1人分空けられたスペースに横になった。ボスの睡眠の邪魔をしないようにとなるべく端の方に寝転んだのに、すぐにがっしりとした腕に包まれて引き寄せられてしまう。思わずわっと素っ頓狂な声が出てしまった。
ぎゅっと抱きしめられて、俺は離れようと必死にもがいた。俺なんかがボスの隣で寝てるってだけでも落ち着かないのにこんな密着して眠るなんて無理だ。しかも向かい合わせの体勢で。
「おいおい暴れんな」
せめて向きだけでも変えたかったが、脚まで使ってホールドされては為す術もなかった。どうあっても逃れられないとわかって、俺は諦めて力を抜いた。
1384「おう」
良いから来いよ、と促されて、俺は寝台のちょうど1人分空けられたスペースに横になった。ボスの睡眠の邪魔をしないようにとなるべく端の方に寝転んだのに、すぐにがっしりとした腕に包まれて引き寄せられてしまう。思わずわっと素っ頓狂な声が出てしまった。
ぎゅっと抱きしめられて、俺は離れようと必死にもがいた。俺なんかがボスの隣で寝てるってだけでも落ち着かないのにこんな密着して眠るなんて無理だ。しかも向かい合わせの体勢で。
「おいおい暴れんな」
せめて向きだけでも変えたかったが、脚まで使ってホールドされては為す術もなかった。どうあっても逃れられないとわかって、俺は諦めて力を抜いた。
ka_ki_mo_ri
DOODLEカイオエ/現パロ/カインの死ネタ/捏造過多/「無.花.果とムーン」の一部パロディ【カイオエ】生きて、元気に暮らせ カインがツリーナッツ類のアレルギーだったということは、周囲の大抵の人物が知っていた。ハイスクールの友人はもちろん、教師も寮監も直接関わったことがない近所のキオスクの店員も把握していたほどである。
ナイトレイ一家はカインが寄宿制学校に編入すると同時に、古い持ち家を売却して引越しをしているが、当時公立小学校に通っていたカインが、クリケット大会で振る舞われたパイ料理を食べ、隠し味に使われていたアーモンドペーストで発作を引き起こし、みるみるうちに顔面蒼白と呼吸困難に陥って救急車で運ばれたエピソードは、近隣では知られただったそうだ。
そうでなくとも、カインは有名な子どもだった。ごく平凡な家庭に生まれたが、常に恒星のような輝きを放っていた。運動神経がよく、あらゆるスポーツの代表になった。快活な性格で友人も多かったし、整った顔立ちで女の子にも人気だった。誰に対してもわけ隔てなく接し、いじめや不正を嫌った。人の上に立つよりは、人の中心に立つことに長けていた。その光は成長と共により明るさを増す。未来永劫愛し、愛される人生を送るのだろうと、誰もが確信していた節がある。
4685ナイトレイ一家はカインが寄宿制学校に編入すると同時に、古い持ち家を売却して引越しをしているが、当時公立小学校に通っていたカインが、クリケット大会で振る舞われたパイ料理を食べ、隠し味に使われていたアーモンドペーストで発作を引き起こし、みるみるうちに顔面蒼白と呼吸困難に陥って救急車で運ばれたエピソードは、近隣では知られただったそうだ。
そうでなくとも、カインは有名な子どもだった。ごく平凡な家庭に生まれたが、常に恒星のような輝きを放っていた。運動神経がよく、あらゆるスポーツの代表になった。快活な性格で友人も多かったし、整った顔立ちで女の子にも人気だった。誰に対してもわけ隔てなく接し、いじめや不正を嫌った。人の上に立つよりは、人の中心に立つことに長けていた。その光は成長と共により明るさを増す。未来永劫愛し、愛される人生を送るのだろうと、誰もが確信していた節がある。